JP2537371B2

JP2537371B2 - ポリッシング用具の製造方法

Info

Publication number: JP2537371B2
Application number: JP62199036A
Authority: JP
Inventors: 政人風間; 隆一井坂; 聡林
Original assignee: Lion Corp
Current assignee: Lion Corp
Priority date: 1987-08-11
Filing date: 1987-08-11
Publication date: 1996-09-25
Anticipated expiration: 2011-09-25
Also published as: JPS6442221A

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は、歯などに光沢を与えるための化粧用のポリ
ッシング用具の製造方法に関するものである。

〔従来の技術〕上記ポリッシング用具の刷掃部材としてシリコーンゴ
ムを使用することが考えられるが、このポリッシング用
具を、シリコーンゴムの刷掃部材とプラスチックの把握
部をRTVゴム接着剤を用いて接着して製造しようとする
と、これらシリコーンゴムとプラスチックは基本的に親
和性が良くないため、プライマーを用いてプラスチック
の接着部表面を化学的に活性化し、実用に充分耐えうる
接着強度をもたせる方法を採用しなければならない。

ところが、歯ブラシや化粧用具など人畜用のポリッシ
ング用具では高度の安全性が要求されるので、毒性の強
いプライマーや接着剤を使用することが望ましくない。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかしながら、その安全性と接着強度は相反するもの
であって、安全性の高い接着剤では充分な接着強度が得
られない、という問題点があった。また、従来の接着方
法では目的とする接着強度が得られない場合もあり、こ
のため、採用できる接着剤の種類も少数のものに限定さ
れる、という問題点もあった。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は、上記従来の問題点を解消するべくなされた
もので、接着剤の化学的作用に加えて、接着面の形状に
よる物理的な作用をも与えることにより、ポリッシング
用具におけるシリコーンゴムとプラスチックの接着強度
を向上すること、また、適用できる接着剤の種類を大幅
に拡大しうる接着方法を提供することを目的とするもの
である。

上述の目的を達成するため、本発明においては、プラ
スチック材料からなり、嵌入穴又は嵌入部を備えた柱状
又は円筒状把握部にシリコーンゴムからなる円柱状の刷
掃部材を嵌入接着してポリッシング用具を製造するに際
し、前記刷掃部材の嵌入部外面又は把握部の嵌入穴又は
嵌入部に凹部、粗面部、テーパ部、又は削ぎ落とし部の
少なくともいずれか一つを形成すると共に、前記把握部
の嵌入穴又は嵌入部と刷掃部材の嵌入部の接合面の空隙
に接着剤を介在させて接着するようにしている。

〔作用〕

本発明によれば、刷掃部材の嵌入部外面又は把握部の
嵌入穴又は嵌入部に凹部、粗面部、テーパ部、又は削ぎ
落とし部の少なくともいずれか一つを形成するので、シ
リコーンゴムの接着部に接着剤が効率良くまわり込む。
したがって、接着部の外面の凹凸部等による接着剤保持
力の増大と、これに加えて接着面積の増大効率が得ら
れ、シリコーンゴムとプラスチックの接着強度が大幅に
向上する。

〔実施例〕

次に、本発明の各実施例を図面を参照しつつ説明す
る。

（実施例１）第１図，第２図に示すように、ブラシ本体１は円柱状
のシリコーンゴム成型品の一端部を斜めに切り落とすと
共に、他端部の外周面に長手方向に凹部2aを複数並列に
形成したものであり、ハンドル３は円柱状のプラスチッ
ク成型品の一端部に、ブラシ本体１の前記凹部2a形成部
が嵌入できる円形の嵌入穴４を形成したものである。こ
の場合、凹部2aの長さは嵌入穴４の深さの約30〜80％が
適当である。

以下、第３図〜第９図に示す実施例は、第１図例にお
ける直線状の凹部2aに代えて別の形状の凹部等を形成し
たものである。

なお、ブラシ本体１の刷掃側の先端部は、その中心線
と直交する面で切断した形体のものとしてもよいが、第
１図のように斜面に形成すると刷掃効果が良くなり、使
い勝手も向上する。

（実施例２）第３図（ａ）に示すものは、ブラシ本体１の外周面の
円周に沿って同心状に環状の凹部2aを１列形成したもの
であり、同図（ｂ）は、この凹部を２列形成したもので
ある。

（実施例３）第４図例は、ブラシ本体１の外周面にラセン状の凹部
2aを形成したものである。

（実施例４）第５図（ａ），（ｂ）に示す実施例は、ブラシ本体１
の外周面に沿って渦を巻くように曲線状の凹部2aを形成
したものである。

（実施例５）第６図例は、ブラシ本体１の外周面に長手方向に沿う
短い凹部2aを多数形成したものである。

（実施例６）第７図例は、ブラシ本体１の外周面を粗面2bに形成し
たものである。

（実施例７）第８図（ａ），（ｂ）に示す実施例は、ブラシ本体１
の、ハンドル３への嵌入部側端部にテーパ部2cを形成し
先細り形状としたものである。

（実施例８）第９図例は、第８図例のテーパ部2cに代えて、削ぎ落
とし部2dを形成したものである。

なお、本発明では、シリコーンゴム成型品として無水
ケイ酸粉体、ケイ酸塩化合物粉体の少なくとも一方をフ
ィラーとして添加したものを採用し、このシリコーンゴ
ム成型品の刷掃部材とプラスチックの把握部の各接着面
を無水エタノールで清浄化（刷掃など）し、次いでプラ
イマー処理したのち、これらのRTVゴム接着剤で接着す
ることにより、接着強度は更に向上する。

この場合、前記フィラーとして篩下50％の粒径が１〜
８μｍの範囲内のものを添加配合するのが好ましい。ま
た、前記ケイ酸塩化合物としてはケイ酸ナトリウム，ケ
イ酸アルミニウム，ジルコノシリケート（ZrO₂・SiO₂）
などから選んで使用できるが、二種類以上を併用するこ
ともできる。

さらに、前記フィラーの配合量は、シリコーンゴムと
して原料コンパウンド50゜Hsのものを適用する場合には
シリコーンゴム100重量部（フィラーなし）に対し５〜1
5重量部の範囲が好ましい。

次に、本発明の実験例を、従来例と比較して説明す
る。

〔実験例〕

（１）実験方法本発明方法ブラシ本体とハンドルを、第１図のようにブラシ本体
１の凹部2a形成側の端部がハンドル３の嵌入穴４に嵌入
できるように形成する。

次に、ブラシ本体１外周面のうち凹部2a形成部分すな
わち凹部2a及び円周面、ならびにハンドル３の嵌入穴４
内周面にプライマー処理を施したのち、凹部2a形成部分
にRTVゴム接着剤を塗布してブラシ本体１をハンドル３
の嵌入穴４に嵌入・接着する。

実験は、第１図例のものと第３図（ａ）のものについ
て行った。

従来方法ブラシ本体に凹部2aを形成しない点を除いて第１図例
と同一材料・形状・寸法のブラシ本体（外周面は平滑な
円周面となっている）とハンドルを用意し、上記本発明
方法と同一の手順によりブラシ本体をハンドルに嵌入・
接着した。

なお、本発明方法、従来方法とも実験回数は３回ずつ
とした。

（２）実験結果（３）評価第１表から、本発明方法によれば、接着強度が従来方
法に比べ大幅に向上することがわかる。

以上の実施例、実験例ではブラシ本体の外周面に凹部
等を形成して接着剤を塗布し、この凹部形成部分をハン
ドルに嵌入するものであったが、別の実施例として、第１図例においてブラシ本体１の円周面を粗面に加
工したもの、第１図例において嵌入穴４の内周面にも凹部等を形
成したもの、凹部等をハンドルの内周面のみに形成したもの、ブラシ本体をハンドルに嵌入するのではなく、遊嵌
するようにしたもの、などを挙げることができる。

なお、接着剤は必要に応じてハンドル側のみ、または
ブラシ本体とハンドルの双方に塗布するとよい。

また、本発明では接着に当たってプライマー処理と接
着剤塗布を併用するのが好ましいが、プライマー処理を
省略しても充分な接着強度を得ることができる。

〔発明の効果〕

以上のように本発明によれば、プラスチック材料から
なり、嵌入穴は嵌入部を備えた柱状又は円筒状把握部に
シリコーンゴムからなる円柱状の刷掃部材を嵌入接着し
てポリッシング用具を製造するに際し、前記刷掃部材の
嵌入部外面又は把握部の嵌入穴又は嵌入部に凹部、粗面
部、テーパ部、又は削ぎ落とし部の少なくともいずれか
一つの形成すると共に、前記把握部の嵌入穴又は嵌入部
と刷掃部材の嵌入部の接合面の空隙に接着剤を介在させ
て接着するので、刷掃体となるシリコーンゴムと、把握
部となるプラスチックを高い接着強度で接着でき、優れ
たポリリッシング用具を製造することができる効果があ
る。また、その接着操作は、シリコーンゴムの接着面に
ついて凹部等を形成したのち接着剤、またはプライマー
と接着剤を塗布するだけでよいから、極めて簡便であ
る。さらに、安全性の高い接着剤でも充分実用に耐えう
る接着強度が得られるので、歯ブラシや化粧用具など、
特に安全性が要求されるポリッシング用具の製造用に好
適な接着方法を提供するものであり、選択できる接着剤
の種類も大幅に拡がるなど、多大の効果を奏するもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本発明の実施例を示すもので、第１
図は接着剤処理前のブラシ本体とハンドルの斜視図、第
２図は第１図のブラシ本体についての底面図、第３図〜
第９図は相異なる他の実施例を示すもので、第３図
（ａ），（ｂ），第４図，第５図（ａ），第６図，第７
図，第８図（ａ），第９図（ａ）は、いずれもブラシ本
体の斜視図であり、第５図（ｂ），第８図（ｂ），第９
図（ｂ）はそれぞれ第５図（ａ），第８図（ａ），第９
図（ａ）についての底面図である。１……ブラシ本体、2a……凹部、2b……粗面、2c……テ
ーパ部、2d……削ぎ落とし部、３……ハンドル、４……
嵌入穴。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】プラスチック材料からなり、嵌入穴又は嵌
入部を備えた柱状又は円筒状把握部にシリコーンゴムか
らなる円柱状の刷掃部材を嵌入接着してポリッシング用
具を製造するに際し、前記刷掃部材の嵌入部外面又は把
握部の嵌入穴又は嵌入部に凹部、粗面部、テーパ部、又
は削ぎ落とし部の少なくともいずれか一つを形成すると
共に、前記把握部の嵌入穴又は嵌入部と刷掃部材の嵌入
部の接合面の空隙に接着剤を介在させて接着することを
特徴とする、ポリッシング用具の製造方法。