JP2537327Y2 - 電子時計のスイッチ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、電池を駆動源とする電子時計のスイッチに
関するものである。

〔考案の概要〕

電源の一方の電位を持つボタン軸により押圧される可
動接点と固定接点の案内溝を備えた固定接点支持部材に
より固定されたゴム製の固定接点が接触することで、ゴ
ム製の固定接点を介してスイッチパターンを有する回路
ブロックに、前記ボタン軸の電位が導びかれるスイッチ
構造において、固定接点支持部材に設けた固定接点の案
内溝内で接点部と体面に位置する内壁の一部に突起を設
けることにより、ゴム製の固定接点の寸法公差が大きい
ときは、前記突起の両側にゴムが変形して入り込み、ゴ
ム製の固定接点と可動接点の接点面の位置が動かない。
また、ゴム製の固定接点の寸法公差が小さいときは、突
起により固定接点は裏面を押されるため、ゴムの可動接
点と接点面の位置は動かない。このようにして、安定し
たスイッチ作動が得られる。

〔従来の技術〕

ゴム製の固定接点は製造上、寸法のばらつきが大きく
なってしまう。そこで従来そのばらつきを組立上許容す
るために、第３図（ａ）及び第３図（ｂ）のように固定
接点１の形状より大きく、固定接点支持部材２の固定接
点案内溝を設定していた。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記の様なスイッチ作動では、スイッチの小型化が難
しかった。また、上記固定接点の寸法ばらつきは、スイ
ッチのONするタイミングとONしたあとの度当りのタイミ
ングをばらつかせ、極端に固定接点が小さくなってしま
った場合などスイッチがONしないうちに度当りしてしま
うというタイミングの逆転にもつながることも考えら
れ、安定したスイッチ作動が得られないという課題を有
していた。

〔課題を解決するための手段〕

上記課題を解決するために本考案は、ゴム製の固定接
点の案内溝を備えた固定接点支持部材において、前記案
内溝の内周の一部もしくは固定接点の一部に、ゴム製の
固定接点の寸法公差を許容する構造を設けた。

〔作用〕

上記のような構成によれば、ゴム製の固定接点の寸法
公差が大きい時は、案内溝の内周の一部に設けた突起の
両側にゴムが変形して入り込み固定接点の可動接点との
接点面の位置は動かない。また、ゴムが小さい時は、突
起により固定接点は裏面を押されるため、ゴムの可動接
点との接触面の位置は動かない。このように、固定接点
の可動接点との接点面の位置が動かないように、固定接
点支持部材の案内溝内に設けた突起により、固定接点の
寸法公差を吸収させることができる。

〔実施例〕

以下に、本考案の実施例を図面に基づき説明する。第
一図は本考案による電子時計のスイッチの実施例の平面
図、第二図はそのＡ−Ａ′断面図である。電源の一方の
電位を持つボタン軸３により押圧される可動接点４と固
定接点１の案内溝６を備えた固定接点支持部材２により
固定されたゴム製の固定接点１が接触する。ゴム製の固
定接点１を介してスイッチパターン（図示せず）を有す
る回路ブロック５に前記ボタン軸の電位が導びかれる。
固定接点支持部材２に固定接点１の案内溝内６で、接点
部と対面に位置する内壁の一部に突起2aを設ける。第４
図に示すように、製造上のばらつきでゴム製の固定接点
１の寸法公差が大きいときは、固定接点支持部材２の一
部に設けた突起2aの両側にゴム製の固定接点１が変形し
て入り込む。もしくは、第５図のように製造上のばらつ
きでゴム製の固定接点１の寸法公差が小さいときは、固
定接点支持部材２に設けた突起2aにより固定接点１は裏
面に押圧される。このようにして、ゴム製の固定接点１
と可動接点の接点面の位置は動かない。

また、第６図および第７図に示される本考案の第二の
実施例の平面図では、ゴム製の固定接点１に、接点部と
対面に位置する面に突起1aを設けた。この時、製造上の
ばらつきでゴム製の固定接点１の寸法公差が大きいとき
は、ゴム製の固定接点１に設けた突起1aの両側と、固定
接点支持部材２との間に空間を有する。この空間に、ゴ
ム製の固定接点１が押され変形し吸収される。もしく
は、製造上のばらつきでゴム製の固定接点１の寸法公差
が小さいときは、ゴム製の固定接点１に設けた突起1a
が、固定接点支持部材２の案内溝内６で、接点部と対面
に位置する内壁2cへ押す。このように、ゴム製の固定接
点１と可動接点の接点面の位置は動かない。

さらに、第８図、第９図に示される本考案の第三の実
施例の平面図では、固定接点支持部材２に固定接点１の
案内溝内６で、接点部と対面に位置する内壁の一部の両
側に面2dを設けた。この時製造上のばらつきでゴム製の
固定接点１の寸法公差が大きいときは、固定接点１が、
固定接点支持部材２の一部に設けた面2dを押圧しなが
ら、変形し、固定接面１の案内溝内６に広がり、寸法公
差を吸収する。もしくは、製造上のばらつきでゴム製の
固定接点１の寸法公差が小さいときは、固定接点支持部
２の一部に設けた面2dを押し固定される。このように、
ゴム製の固定接点１と可動接点の接点面の位置は動かな
い。

〔考案の効果〕

本考案は、以上説明したように、固定接点の可動接点
との接点面が動かないようにできるために、スイッチの
ONタイミングをばらつかせる要因の１つを減らすことが
できる。これは、スイッチストロークのONタイミングの
ばらつきを少なくすることができるため、ONしたあとの
度当りとのズレが出ずらくなり、安定した作動が得られ
る。このため、スイッチストロークを短かくすることが
できるため、製品の小型化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による電子時計のスイッチの実施例の平
面図、第２図は本考案の実施例の断面図を表わす。第３
図は、従来例を示す。第４図、第５図は本考案の実施例
の平面図を示す。第６図、第７図は、第二の実施例の平
面図を示す。第８図、第９図は、第三の実施例の平面図
を示す。 １……固定接点 ２……固定接点支持部材 ３……ボタン軸 ４……可動接点

Claims (3)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ボタン軸により押圧される可動接点部材
   と、弾性材よりなり前記可動接点部材に接触してスイッ
   チングを行なう固定接点部材と、前記ボタン軸のストロ
   ーク方向上に前記固定接点部材の案内溝を有する固定接
   点支持部材を備えた電子時計のスイッチにおいて、前記
   案内溝の内壁面のうち、前記ボタン軸のストローク方向
   上のボタン軸に相対する面に前記ストローク方向に突起
   部を設けたことを特徴とする電子時計のスイッチ。
2. 【請求項２】ボタン軸により押圧される可動接点部材
   と、弾性材よりなり前記可動接点部材に接触してスイッ
   チングを行なう固定接点部材と、前記ボタン軸のストロ
   ーク方向上に前記固定接点部材の案内溝を有する固定接
   点支持部材を備えた電子時計のスイッチにおいて、前記
   案内溝の前記ボタン軸のストローク方向に対して直角な
   ２つの内壁面のうち、前記ボタン軸より遠い方の内壁面
   の幅を近い方の内壁面の幅よりも小さくしたことを特徴
   とする電子時計のスイッチ。
3. 【請求項３】ボタン軸により押圧される可動接点部材
   と、弾性材よりなり前記可動接点部材に接触してスイッ
   チングを行なう固定接点部材と、前記ボタン軸のストロ
   ーク方向上に前記固定接点部材の案内溝を有する固定接
   点支持部材を備えた電子時計のスイッチにおいて、前記
   固定接点部材の前記可動接点部材が接触する面と平行な
   面に突起部を設けたことを特徴とする電子時計のスイッ
   チ。