JP2536091B2 - 熱可塑性エラストマ成形品の製造方法 - Google Patents

熱可塑性エラストマ成形品の製造方法

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JP2536091B2 JP63251405A JP25140588A JP2536091B2 JP 2536091 B2 JP2536091 B2 JP 2536091B2 JP 63251405 A JP63251405 A JP 63251405A JP 25140588 A JP25140588 A JP 25140588A JP 2536091 B2 JP2536091 B2 JP 2536091B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、とくに難燃性を有しかつ優れたゴム弾性を
保有する熱可塑性エラストマ成形品の製造方法に関する
ものである。
[従来の技術] 常温においてはゴム弾性を示し高温においては可塑化
されて種々の形状に成形加工することが可能な熱可塑性
エラストマは、ゴムとプラスチックの谷間を埋めるもの
として一つの製品分野を画している。
このような熱可塑性エラストマの基本的な構造は、分
子回転の容易な無定形分子鎖(ソフトセグメントあるい
はソフトブロック)と剛性の高い樹脂分子鎖(ハードセ
グメントあるいはハードブロック)とからなっている。
そして、これらの構造を得るために、共重合による方法
やブレンドによる方法がとられ、各種の熱可塑性エラス
トマが提供されている。
とくに、ブレンド型であるポリオレフィン系のもの
は、モノオレフィン共重合体ゴムとモノオレフィン樹脂
とを混練機で十分ブレンドしてモノオレフィン樹脂を融
解状態とすることで、両高分子間での部分的なからみ合
いを形成させることができ、比較的容易に上記構造を得
ることができるところから、主流的材料としての地位を
占めるに至っている。
[発明が解決しようとする課題] 上記従来の熱可塑性エラストマは、可塑性であるもの
が多く、電線・ケーブルなどの被覆材として使用され万
一火災に遭遇したような場合には、被害を助長させるお
それがある。難燃特性を与える目的で難燃剤の添加も行
なわれているか、使用中に当該難燃剤がブリードアウト
するなどといった問題がある。
さらに、従来の熱可塑性エラストマは、ゴム弾性にお
いて必ずしも十分とはいえないという問題点もある。
その大きな理由は、高温下のブレンドにより高分子間
の部分的からみ合いが生じても、これを常温の冷却状態
下に置くと、2種の高分子間のからみ合いが徐々に消滅
し、結晶部分と無定形部分の2相に分離するためであ
る。
本発明の目的は、上記した従来技術の問題点を解消
し、すぐれた難燃性を発揮する一方、つねに優れたゴム
弾性を保持し得る新規な熱可塑性エラストマ成形品の製
造方法を提供しようとするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、(A)ハロゲン含有ゴムを5重量%以上ブ
レンドさせたモノオレフィン共重合体ゴムブレンド組成
物と、(B)モノオレフィン樹脂を、(A)対(B)の
重量比において40:60〜90:10の範囲の割合となるように
混合し、混練機中で予め十分にブレンドした後、(B)
の融解状態下で(A)を架橋せしめ得る架橋剤を添加
し、部分的に架橋せしめた後所定形状に成形することを
要旨とするものである。
本発明に使用されるハロゲン含有ゴムとしては、塩素
化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、ポリ
クロロプレンゴム、臭素化ブチルゴム、フッ素ゴム等が
あげられる。
これとブレンドさせるモノオレフィン共重合体として
は、例えばバナジウム化合物とアルミニウム化合物の組
合せからなるチーグラー・ナッタ系触媒を用いて2種以
上のモノオレフィンあるいは、それにさらに共重合し得
る少なくとも1種のポリエンを共重合させた本質的に無
定形なランダム共重合体(少量の結晶を有するグレード
でもよい)が使用される。通常、モノオレフィンの一方
はエチレンであり、他方はプロピレンであるが、他のα
−モノオレフィン(一般式CH2=CHR)も使用できる。こ
のモノオレフィン共重合体ゴムは、エチレン・プロピレ
ン2成分共重合体ゴムあるいは共重合体中に少量の少く
とも1種の共重合可能なポリエンを含有させた不飽和性
多成分共重合体が適当である。ポリエンとしては、1,4
−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチレンノル
ボルネン、エチリデンノルボルネン、プロペニルノルボ
ルネン、シクロオクタジエン、メチルテトラヒドロイン
デンなどが使用される。
本発明に使用されるモノオレフィン樹脂には、エチレ
ン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチ
ルペンテン−1等のオレフィンを常法で重合して得た固
体の高分子量樹脂などがある。特にポリプロピレンが好
ましく、高度の結晶性のアイソタクチック及びシンジオ
タクチック形態を有するものを使用するのが好ましい。
これらのモノオレフィン樹脂は単独でもあるいは2種以
上を併用してもいずれでもよい。
ハロゲン含有ゴムのブレンド割合は少くとも5%以上
であることが望ましく、それ以下では難燃性の改善に効
果がみられない。
ハロゲン含有ゴムをブレンドさせたモノオレフィン共
重合体ゴムブレンド組成物とモノオレフィン樹脂とのブ
レンド割合は、前者を40〜90重量部とし、それに対応し
て後者を60〜10重量部の間で変化させることが適当であ
り、熱可塑性エラストマとしての要求性能に応じてその
割合を決定すればよい。この範囲をはずれると難燃性は
もとよりゴム弾性や熱可塑性が劣ってくる。
架橋剤としてはチオ尿素類、アミン類、有機過酸化
物、金属酸化物類およびそれらの促進剤などがあげられ
る。また、必要に応じて架橋反応時の酸受容剤などが加
えられる。
その他滑剤、老化防止剤、難燃剤、操作油、着色剤な
どを加えることができる。
[作用] ゴム相中にハロゲン含有ゴムがブレンドしてあれば、
火災に遭遇した際にハロゲン系の不燃性ガスが発生し、
当該ガスによって電線・ケーブルなどの被覆が酸素より
遮断されて燃焼が防止される。
また、混練機中で十分にブレンドされることにより、
2種の高分子間のからみ合いが形成されるが、そのから
み合いの形成された状態の中に架橋剤を添加し架橋させ
れば、異種高分子間の多重網目構造が形成され、冷却後
固体状態となって無定形部分と結晶部分の2相に分離し
ても、架橋点によって構成される環状部分によって2種
の高分子間の多重網目構造が保持され、従来例における
ようにからみ合いの消滅は生じないから、つねに優れた
ゴム弾性を保持することができる。
[実施例] 以下に、本発明について実施例を参照し説明する。
第1表に示すような配合組成を有する実施例および比
較例試料を作成し、同じく第1表に示す諸特性の測定を
行なった。
なお、第1表において、EPDMとあるのはエチレンプロ
ピレンジゴムのことである。
第1表に示した各配合剤のうち、ジクミルパーオキサ
イドを除いた全量を、予め180℃に加熱した小型バンバ
リミキサ(ブラベンダー、容量60cc)に投入し、ロータ
回転数60rpmで6分間混練し、その後上記ジクミルパー
オキサイドの所定量を添加して、さらに6分間混練を続
け部分的に架橋せしめた。混練終了後、ブレンド物を取
り出し、1mm厚のシートに成形した。
なお、評価は次のようにして行なった。
引張特性:20℃の恒温室に1日放置後、ダンベル3号で
打ち抜きショッパー型引張試験機で200mm/minの速度で
測定した。
硬 さ:スプリング式硬さ試験機(A型)を用い厚さ
12mm以上になる様にシートを重ねて測定した。試験機を
垂直に保ち、押針が試験片測定面に垂直になるように加
圧面を接触させて直ちに目盛を読み取った。
ゲル分率:200メッシュの金網中に入れた約0.5gの試験片
(Wo)を温度206℃の環流中で24時間抽出した。抽出後
試料を乾燥し(Wd)次式によりゲル分率(g)を算出し
た。
ここに a;コンパウンド中のポリマ比率 f;ポリマ中の充填剤量 永久伸び:1mm厚のシートを1号ダンベル状に打ち抜き、
破断伸びの約1/2に相当する長さに引張り、10分間保持
したのち、はね返させることなく急に収縮させ、10分後
に測定した。永久伸び(PS)は次式により計算した。
ここに Lo;標線距離(mm) l1;収縮させた10分後の標線間の長さ(mm) 難燃性:JISK6911に従って試験を行ない自己消火するも
のは合格、自己消火しないものは不合格とした。
第1表からわかるように、実施例はいずれも難燃性試
験に合格し、引張特性は良好で、優れたゴム弾性を示し
ている。これに対し、比較例では1,2は難燃性試験に合
格するもののゴム弾性はなく、プラスチック的である。
また、比較例3は難燃性 試験に不合格となっている。
[発明の効果] 以上の通り、本発明によれば、すぐれた難燃特性を有
する上、熱可塑性エラストマにおける結晶部分と無定形
部分の結合を常温においても強固に維持することがで
き、すぐれたゴム弾性を経時的に保有させることが可能
となる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ハロゲン含有ゴムを5重量%以上ブ
    レンドさせたモノオレフィン共重合体ゴムブレンド組成
    物と、(B)モノオレフィン樹脂を、(A)対(B)の
    重量比において40:60〜90:10の範囲の割合となるように
    混合し、混練機中で予め十分にブレンドした後、(B)
    の融解状態下で(A)を架橋せしめ得る架橋剤を添加
    し、部分的に架橋せしめた後所定形状に成形することを
    特徴とする熱可塑性エラストマ成形品の製造方法。
JP63251405A 1988-10-05 1988-10-05 熱可塑性エラストマ成形品の製造方法 Expired - Lifetime JP2536091B2 (ja)

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JPS5659854A (en) * 1979-10-22 1981-05-23 Dainichi Nippon Cables Ltd Flame-retardant composition

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