JP2535878B2 - Ｘ線撮影システム - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （イ） 産業上の利用分野 本発明は、Ｘ線撮影の分野で利用される。

本発明は、医用Ｘ線撮影において胸部、腹部、骨格系
などの単純撮影に使用される撮影台、撮影スタンド、Ｘ
線管保持器及びＸ線高電圧装置を組み合せたＸ線撮影シ
ステムに関する。

（ロ） 従来技術 人体各部をＸ線フイルムに単純撮影することを一般撮
影と総称している。一般撮影はＸ線撮影の中で最も古く
から広く普及しており、その撮影枚数、撮影頻度も医用
Ｘ線撮影の中で最も多い。

ところで、一般撮影の撮影部位は多岐にわたつており
胸部、腹部及び頭蓋、脊柱胸部、骨盤、上肢、下肢など
の骨格系がある。

（ハ） 発明が解決しようとする問題点 この撮影部位ごとにＸ線高電圧装置における設定、つ
まり撮影条件（撮影管電圧、撮影管電流、撮影時間）が
異なるが、従来からこの撮影条件の設定または選択は撮
影毎に手動で行つている。

本発明の目的は、撮影部位ごとの撮影条件の選択、設
定が自動的に行なわれ、これにより操作の容易なＸ線撮
影システムを提供することである。

（ニ） 問題点を解決するための手段 前記した目的は、CPU、メモリ部などを有するマイク
ロコンピユータ方式のＸ線高電圧装置を具備したＸ線撮
影システムにおいて、Ｘ線管にかかる撮影部位パラメー
タ検出群、立位ブツキスタンドにかかる撮影部位パラメ
ータ検出群及び水平ブツキ撮影台にかかる撮影部位パラ
メータ検出群と、これらパラメータをデジタル値として
CPUへ取り込ませるインターフエースと、取り込まれた
パラメータにより撮影部位を判断する手段と、それに応
じてＸ線撮影条件が読み出されるメモリ部のテーブルと
を具有することにより、達成できる。

（ホ） 作用 撮影部位を術者が直接判断することなく、撮影部位を
判断できる各種のパラメータを検出するためＸ線管、立
位ブツキスタンド及び水平撮影台に必要数のセンサを配
置し、その検出値をデジタル値により取り込み、各種パ
ラメータのデータ組合わせによりどんな撮影条件が最適
であるかメモリ部にテーブルを設け、コンピュータ機能
によりその最適な撮影条件を読出し、そのデータがＸ線
高電圧装置に送られる。

本発明の好適な実施例は、図面に基づいて説明され
る。

Ｘ線撮影システムを構成する代表的な装置としては、
Ｘ線管保持器１、立位ブツキスタンド８、水平ブツキ撮
影台12、Ｘ線コリメータ装置、一般撮影用Ｘ線高電圧装
置25などがある。

撮影に際しては、被検者を立位ブツキスタンド８の前
に立たせるか或いは水平ブツキ撮影台12の上に寝かせ
て、撮影部位に応じて適切な姿勢をとらせ、Ｘ線管の位
置、方向、角度、Ｘ線フイルムカセツテの位置、方向、
角度、天板の位置、傾斜角度、Ｘ線コリメータのサイズ
を調整した後に、撮影部位に応じたＸ線フイルムカセツ
テをセツトし、最後に撮影部位に応じた撮影条件（撮影
管電圧、撮影管電流、撮影時間または撮影管電流時間
積）を設定してＸ線を曝射する。

このように撮影部位によつて、Ｘ線管と被検者とＸ線
フイルムの位置関係が異なり、また使用されるＸ線フイ
ルムの大きさ、Ｘ線コリメータの絞り量が異なるため
に、これらの組み合せを知ることにより撮影部位をある
程度特定あるいは推測可能である。

例えば、Ｘ線管の方向が立位ブツキスタンドを向いて
おり、カセツテ位置が高ければ胸部撮影と判断できる。

さらに個々の病院、医院でその使用される組み合せが
限定される場合が多いので、この場合は確実に撮影部位
が特定できる。

従つて、センサを多数使つて、これらの組み合せを検
出して撮影部位を判断し、あらかじめプリセツトされて
いる撮影条件の中からその部位に適した撮影条件を自動
的に選択してやるようにすれば撮影条件の設定操作を省
略できる。その際にコンピュータの機能が活用される。

図面は本発明の１実施例を示した構成ブロツク図であ
る。

この実施例では、マイクロコンピユータ方式のＸ線高
電圧装置の条件判断機能及び記憶機能を利用しており、
図面中18の部分が本発明により介挿された構成部分であ
り、多数のセンサ検出群とCPU20へのインタフエース17
とからなる。

なお、インタフエース17は主にマルチプレクサ、アン
プ及びA/D変換器からなる。

つまり、Ｘ線管保持器１、立位ブツキスタンド８及び
水平ブツキ撮影台12に設置された必要数の検出センサか
らの検出信号をセンサ信号入力用インターフエース17を
介してCPU20が取り込み、その検出結果の組み合せから
撮影部位を判断する。

詳しくは、Ｘ線管保持器１に配置する検出センサとし
ては、Ｘ線管方向・角度検出センサ３、Ｘ線管上下（垂
直）動位置検出センサ４、Ｘ線管長手方向位置検出セン
サ５、Ｘ線管横手方向位置検出センサ６、Ｘ線コリメー
タサイズ検出センサ７がある。

立位ブツキスタンド８に配置される検出センサには、
Ｘ線フイルムカセツテサイズ検出センサ９、Ｘ線フイル
ムカセツテ方向・角度検出センサ10、Ｘ線フイルムカセ
ツテ上下（垂直）動位置検出センサ11がある。

水平ブツキ撮影台12に設置されるものには、Ｘ線フイ
ルムカセツテサイズ検出センサ13、天板長手方向位置検
出センサ14、天板横手方向位置検出センサ15、天板傾斜
角度検出センサ16がある。

これら検出データの組み合せと撮影部位の関係は一般
的な関係による判断でもよいし、システムを使用する病
院、医院ごとにその関係を特定して撮影条件等設定及び
表示部の操作キーを利用して装置据付時に設定してもよ
い。

その場合に、上記データ組み合せと撮影部位の関係は
メモリ回路21にテーブルとして記憶される。

撮影部位が判断されると、その撮影部位に応じたＸ線
管電圧等の撮影条件がメモリ回路21から読み出されて、
高電圧制御信号入力出力インターフエース22を介してパ
ワー制御部24を制御するとともに表示部19にその撮影条
件が表示される。

本発明によると、被写体厚の差などは検出しにくい
が、Ｘ線撮影システムでは、Ｘ線フイルムの自動露光量
制御回路であるフオトタイマ回路が使用され、この問題
を解決している。

本実施例では、マイクロコンピユータ方式のＸ線高電
圧装置の演算、記憶機能を利用したが、機械装置側で単
独にマイクロコンピユータを持ち、判断された撮影部位
情報をＸ線高電圧装置側に伝送してもよい。

（ト） 効果 a.一般撮影時の撮影条件設定の煩雑さから解放される。

b.撮影スループツトが向上する。

c.撮影条件設定の大きなミスがなくなる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の１実施例を示した構成ブロツク図であ
る。 １は天井走行式Ｘ線管保持器、２はＸ線管、３はＸ線管
方向・角度検出センサ、４はＸ線管上下（垂直）動位置
検出センサ、５はＸ線管長手方向位置検出センサ、６は
Ｘ線管横手方向位置検出センサ、７はＸ線コリメータサ
イズ検出センサ、８は立位ブツキスタンド、９はＸ線フ
イルムカセツテサイズ検出センサ、10はＸ線フイルムカ
セツテ方向・角度検出センサ、11はＸ線フイルムカセツ
テ上下（垂直）動位置検出センサ、12は水平ブツキ撮影
台、13はＸ線フイルムカセツテサイズ検出センサ、14は
天板長手方向位置検出センサ、15は天板横手方向位置検
出センサ、16は天板傾斜角度検出センサ、17はセンサ信
号入力用インターフエース、18は本発明により介挿され
た部分、19は撮影条件等設定及び表示部、20はCPU、21
はメモリ回路、22は高電圧制御信号入出力インターフエ
ース、23は制御用マイクロコンピユータ部、24はパワー
制御部、25は高電圧発生トランスである。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】CPU、メモリ部などを有するマイクロコン
   ピュータ方式のＸ線高電圧装置を具備したＸ線撮影シス
   テムにおいて、Ｘ線管にかかる撮影部位パラメータ検出
   群、立位ブッキスタンドにかかる撮影部位パラメータ検
   出群及び水平ブッキ撮影台にかかる撮影部位パラメータ
   検出群と、これらパラメータをデジタル値としてCPUへ
   取り込ませるインターフェースと、取り込まれたパラメ
   ータにより撮影部位を判断する手段と、それに応じてＸ
   線撮影条件が読み出されるメモリ部のテーブルとを具備
   していることを特徴とする、Ｘ線撮影システム。
2. 【請求項２】メモリ部のテーブルにおけるＸ線撮影条件
   データが設定キーにより書き換えられる手段を具備して
   いることを特徴とする、特許請求の範囲第１項に記載の
   Ｘ線撮影システム。