JP2535114Y2 - ハンガーおよびハンガー用タッグ装着具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、クリーニング工場で、
洗濯物をクリーニング取扱店ごとに仕分け管理するため
のバーコード付きタッグ片を取り付け可能にしたハンガ
ー、および、針金製ハンガーに利用するタッグ装着具に
関する。

【０００２】

【従来の技術】現在、クリーニング取扱店で集められた
洗濯物には紙製のタッグが取り付けられてクリーニング
工場に送られ、クリーニング処理および仕上げ処理を受
けた洗濯物がハンガーに掛けられる際に、各洗濯物のタ
ッグからバーコード付きタッグ片を切り離してハンガー
の所定位置に取り付け、ハンガーを仕分けラインに架け
て移送する間に各ハンガーに取り付けたタッグ片のバー
コードを自動読取り装置のスキャナーで読み取り、その
情報に基づいて洗濯物を所定の取扱店ごとに仕分け選別
して分岐ラインに流すとともに、取扱店ごとの処理数等
の管理を行うシステムが実用化されている。

【０００３】従来、このシステムにおいて、各洗濯物の
タッグから切り離したバーコード付きタッグ片をハンガ
ーに取り付ける手段としては次のようなものがある。 実開平５−４３９７２号公報に開示されているよう
に、吊り掛け部（フック部）と衣類吊り部との間に平板
部を形成し、この平板部にバーコード線が水平方向とな
るようにバーコード付きタッグ片を縦向きに取り付け
る。 樹脂成型されたハンガーにおけるフックの基部に別
部品として樹脂成型したタッグ保持ピースを予めスライ
ド自在に装着しておき、このタッグ保持ピースをスライ
ド操作してタッグ片をフック基部の所定位置に押さえ込
み固定する。 図１２に示すように、針金製のハンガー１１におい
ては、ボール紙の台紙２０をフック部１３に引っかけ、
この台紙２０にバーコード付きのタッグ片ｔを透明粘着
テープや両面テープで貼付け固定する。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】しかし、上記従来手段
においては、ハンガーに形成した平板部にタッグ片を
取り付けるために、透明粘着テープや両面テープを使用
する必要があり、タッグ片の固定操作に手数を要し、多
数のハンガーへのタッグ片取り付けに多大な時間と労力
を必要とする欠点があった。また、上記従来手段も、
タッグ片を透明粘着テープや両面テープで貼付け固定す
るので、タッグ片の取り付け操作に手間の掛かるものと
なっていた。

【０００５】また、上記従来手段は、固定用のテープ
を切断する手間や剥離紙を剥がす操作は必要としない
が、一方の片手でタッグ片をハンガーの所定位置に押さ
え付けながら他方の片手でタッグ保持ピースをスライド
操作する必要があるため、未だ相当手数を要するもので
あり、改良の余地があった。

【０００６】本考案はこのような実情に着目してなされ
たものであって、第１の考案は、タッグ片の装着固定を
ワンタッチで簡単迅速に行える樹脂製のハンガーを提供
することを目的とし、また、第２の考案は、針金製のハ
ンガーにおいてもタッグ片の装着固定をワンタッチで簡
単迅速に行えるタッグ装着具を提供することを目的とす
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】第１の考案に係るハンガ
ーは、樹脂成型されたハンガーにおけるフック部の基部
に、バーコードが付された細長いタッグ片を全体的に嵌
め込む凹部を一体成型し、この凹部にはタッグ片の長手
方向へのずれ動きを阻止する当たり部と、嵌め込まれる
際のタッグ片の変形通過を許すとともに嵌め込まれたタ
ッグ片の浮き上がりを阻止する抵抗部とを備えてあるこ
とを特徴とする。

【０００８】また、第２の考案に係るハンガー用タッグ
装着具は、針金材を屈曲してなるハンガーに装着される
ハンガー用タッグ装着具であって、ハンガーにおけるフ
ック部の基部に回転不能に嵌着される係合部と、バーコ
ードが付された細長いタッグ片を全体的に嵌め込む凹部
を樹脂材で一体成型し、この凹部にはタッグ片の長手方
向へのずれ動きを阻止する当たり部と、嵌め込まれる際
のタッグ片の変形通過を許すとともに嵌め込まれたタッ
グ片の浮き上がりを阻止する抵抗部とを備えてあること
を特徴とする。

【０００９】

【作用】本考案に係るハンガーによれば、クリーニング
処理およびアイロンかけ等の仕上げ処理を受けた洗濯物
がハンガーに掛けられる際に、各洗濯物に取り付けられ
ているタッグからバーコードが付された細長いタッグ片
を切り離し、このバーコード付きタッグ片をハンガー本
体のフック部の基部近くに一体形成した凹部に抵抗部を
乗り越えて指先で押し込む。この際、凹部に嵌め込まれ
たタッグ片は、凹部に設けた当たり部によって長手方向
へのずれ動きが阻止されるとともに、抵抗部によってタ
ッグ片の浮き上がりが阻止されて、凹部からの外れが阻
止されることになる。

【００１０】また、本考案に係るハンガー用タッグ装着
具は、針金材を屈曲してなるハンガーのフック部の基部
に係合部を介して回転不能に予め嵌着され、クリーニン
グ処理および仕上げ処理を受けた洗濯物がハンガーに掛
けられる際に、各洗濯物のタッグからバーコードが付さ
れた細長いタッグ片を切り離し、このバーコード付きタ
ッグ片を上記したように凹部に抵抗部を越えて指先で押
し込むことで、バーコード付きタッグ片をハンガー用タ
ッグ装着具に一定姿勢で固定することができる。

【００１１】

【考案の効果】以上の説明から明らかなように、第１の
考案に係るハンガーによれば、洗濯物のタッグから切り
離した腰の弱いバーコード付きタッグ片を指先で簡単迅
速にハンガーの凹部に嵌め付け固定することができ、テ
ープを用いて貼付け固定する手段や、タッグ保持ピース
をスライド操作してバーコード付きタッグ片を固定する
手段に比較して取扱いが極めて容易で、多数のハンガー
を能率良く処理することができるようになった。

【００１２】また、第２の考案に係るハンガー用タッグ
装着具を用いれば、針金製のハンガーにもワンタッチで
バーコード付きタッグ片を装着することができ、クリー
ニング工場での管理を高能率で行うことができる。

【００１３】

【実施例】〔実施例１〕 図１〜図４に第１の考案に係るハンガーの一実施例が示
されている。このハンガー１は、アーム部２とフック部
３を樹脂材で一体成型して構成されたものであり、フッ
ク部３の基部に縦長のバーコード付きタッグ片ｔを嵌め
込み装着するための凹部４が形成されている。

【００１４】図２に示すように、この凹部４の底面は中
央部が最も深くなる凹入湾曲面に構成され、その長手方
向の両端に当たり部５が起立形成されている。また、凹
部４の左右内幅はタッグ片ｔの横幅と同幅に設定される
とともに、凹部４の左右内面には小突起６が凹部長手方
向に沿って形成されている。

【００１５】前記バーコード付きタッグ片ｔは元々、図
５（ａ）に示すように、各種の表示や番号が印刷され短
冊状に裁断された紙製のタッグＴの一端に一体連設され
ており、図５（ｂ）に示すように、タッグＴは折り目ｓ
で折ってホチキス等でクリーニング処理前の洗濯物の個
々に取り付けられる。そして、クリーニング処理および
アイロンかけ等の仕上げ処理の済んだ洗濯物をハンガー
１に掛けるとともにビニールカバーを掛ける際に、洗濯
物に取り付けてあるタッグＴからバーコード付きタッグ
片ｔをミシン目ｍで切り離し、このバーコード付きタッ
グ片ｔをその洗濯物を掛けるハンガー１の凹部４に指先
で押し込んで嵌め込むのである。

【００１６】この際、タッグ片ｔは図３中の仮想線で示
すように、少し変形されながら小突起６を乗り越え、凹
部４の凹入湾曲面に沿った姿勢で保持される。このよう
に凹部４に嵌め込まれたタッグ片ｔは、その両端が当た
り部５で支持されるために長手方向へのずれ動きが阻止
される。また、タッグ片ｔの湾曲が反転して中間部が浮
き上がるためにはタッグ片ｔの端部が長手方向へ変位す
る必要があるが、当たり部５がこれを阻止するためにタ
ッグ片ｔの浮き上がりも阻止される。そして、例えタッ
グ片ｔが浮き上がろうとしても小突起６がこれを阻止す
る抵抗部として働くことになり、一旦、凹部４に嵌め込
まれたタッグ片ｔは振動や衝撃程度の外力では外れるこ
とはない。

【００１７】なお、嵌め込まれたタッグ片ｔの浮き上が
りを阻止する抵抗部を以下のような形態にして実施する
こともできる。すなわち、図６（ａ）に示すように、前
記凹部４の形成する小突起６を滑らかに凹部入口に繋が
る断面形状にすると、タッグ片ｔを嵌め込む際の小突起
６の乗り越えが容易となる。また、図６（ｂ）に示すよ
うに、前記凹部４の底面における左右内幅をタッグ片ｔ
の横幅と同幅に設定するとともに、凹部４の入口の左右
内幅をタッグ片ｔの横幅より少し小さく設定して凹部４
を奥拡がりに構成することで、狭い入口内面が嵌め込ま
れたタッグ片ｔの浮き上がりを阻止する抵抗部として働
く。

【００１８】〔実施例２〕 図７および図８に示すように、樹脂成型されるハンガー
１におけるフック部基部の幅広部に前例と同様な構成の
凹部４を横向きに形成して実施することもできる。

【００１９】〔実施例３〕 図９〜図１０に第２の考案に係るハンガー用タッグ装着
具の一実施例が示されている。

【００２０】このタッグ装着具１０は樹脂材の射出成型
品として構成されており、樹脂コーティングされた１本
の針金材を屈曲形成してアーム部１２とフック部１３を
形成してなるハンガー１１に装着して使用するものであ
る。

【００２１】このタッグ装着具１０には、線材製ハンガ
ー１１におけるフック部１３の基部に側方から嵌め付け
られる上下の係合部１７，１８と、タッグ片装着用の凹
部１４とが一体形成されており、第１の考案と同様に、
凹部１４にはタッグ片ずれ動き防止用の当たり部１５と
タッグ片浮き上がり防止用の小突起１６とが備えられて
いる。

【００２２】タッグ装着具１０の上部係合部１７は縒り
合わせ部の上方の１本の線材部分１９に側方から押し込
み係合されるとともに、下部の係合部１８は縒り合わせ
部の下方に位置する２本の線材部分１９に亘って側方か
ら押し込み係合されることで、タッグ装着具１０は上下
にずれることなく、かつ、回転することなくフック部１
３の基部に所定の姿勢で固定される。

【００２３】そして、ハンガー１１にタッグ装着具１０
を予め装着した上で、タッグＴから切り離したバーコー
ド付きタッグ片ｔを前述の手順でタッグ装着具１０の凹
部１４に嵌め込み装着するのである。

【００２４】このタッグ装着具１０の前記凹部１４を、
図６（ａ），（ｂ）に示す形態で実施することも可能で
ある。またこのタッグ装着具１０をフック部１３の基部
に前面から係合装着できるように前記係合部１７，１８
を構成することも可能であり、ハンガー１０へのタッグ
装着具１０の係合構造および係合方向は任意に設定でき
る。

【００２５】なお、上記各実施例において、前記凹部１
４の底面を偏平に形成して実施してもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１の考案における第１の実施例に係るハンガ
ーの正面図

【図２】図１におけるＡ−Ａ線断面図

【図３】要部の横断平面図

【図４】要部の斜視図

【図５】（ａ）タッグ原紙の斜視図 （ｂ）洗濯物に取り付けられる際のタッグを示す斜視図 （ｃ）切り離されたバーコード付きタッグ片の斜視図

【図６】タッグ片浮き上がり阻止用抵抗部の変形例を示
す要部断面図

【図７】第１の考案における第２の実施例に係るハンガ
ーの正面図

【図８】第２の実施例の要部斜視図

【図９】第２の考案に係るタッグ装着具を取り付けたハ
ンガーの正面図

【図１０】タッグ装着具の斜視図

【図１１】（ａ）図９におけるＢ−Ｂ線断面図 （ｂ）図９におけるＣ−Ｃ線断面図

【図１２】従来例の正面図

【符号の説明】

１，１１ ハンガー ２，１２ アーム部 ３，１３ フック部 ４，１４ 凹部 ５，１５ 当たり部 ６，１６ 小突起（抵抗部） １０ タッグ装着具 １７ 係合部 １８ 係合部

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 樹脂成型されたハンガー（１）における
   フック部（３）の基部近くに、バーコードが付された細
   長いタッグ片（ｔ）を全体的に嵌め込む凹部（４）を一
   体成型し、この凹部（４）にはタッグ片（ｔ）の長手方
   向へのずれ動きを阻止する当たり部（５）と、嵌め込ま
   れる際のタッグ片（ｔ）の変形通過を許すとともに嵌め
   込まれたタッグ片（ｔ）の浮き上がりを阻止する抵抗部
   とを備えてあるハンガー。
2. 【請求項２】 針金材を屈曲してなるハンガー（１１）
   に装着されるハンガー用タッグ装着具であって、 ハンガー（１１）におけるフック部（１３）の基部に回
   転不能に嵌着される係合部（１７）（１８）と、バーコ
   ードが付された細長いタッグ片（ｔ）を全体的に嵌め込
   む凹部（１４）を樹脂材で一体成型し、この凹部（１
   ４）にはタッグ片（ｔ）の長手方向へのずれ動きを阻止
   する当たり部（１５）と、嵌め込まれる際のタッグ片
   （ｔ）の変形通過を許すとともに嵌め込まれたタッグ片
   （ｔ）の浮き上がりを阻止する抵抗部とを備えてあるハ
   ンガー用タッグ装着具。