JP2534889B2 - 搬送物の通過選択装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明はベルト等のコンベアで搬送される搬送物の通
過経路を選択する装置に係り、特に搬送物の通過を左右
する選択レバーを一定方向に固定したり或いはその固定
を解放したりすることを機械的に実施し得る搬送物の通
過選択装置に関するものである。

＜従来の技術＞ 従来のこの種のコンベアで搬送される搬送物の通過経
路を選択する装置は一般的にリミットスイッチ等の電気
的検出センサーを用いて選択レバーを作動して実施して
いた。

又最近になって本件特許出願人が開発した実開昭60−
19527号公報，同60−40326号公報等に係る技術が公知で
ある。

＜発明が解決しようとする課題＞ 然るに前者のリミットスイッチ等の電気的検出センサ
ーを用いて選択レバーを作動する方法に於いては電気的
に誤作動したり、故障も多い等の問題があり、又後者の
場合は選択レバーをマグネットを用いてロックするの
で、マグネットの磁力以上の力が何らかの原因でレバー
に掛かった場合にはロックが簡単に解放されてしまって
誤作動したり、或いは長期間使用しているとマグネット
の磁力が劣化してその役割を達成することが出来なくな
る等の問題があった。

本発明に係る装置は従来のこれ等の問題点に鑑み開発
された全く新規な技術に関するものである。

＜課題を解決するための手段＞ 本発明は搬送先指定体を所定位置に装着した搬送物を
搬送するコンベアの所定位置に前記搬送先指定体によっ
て作動する作動体を有する第１回転軸を配設し、この第
１回転軸と連動装置を介して第２回転軸を搬送物進行方
向に回転自在に設け、かつ後側部に第１フックを有する
選択レバーを第２回転軸に取り付け、更に該第１フック
に係合し得る第２フックを側面に有するロックレバーを
前記選択レバーに付勢しながら隣接して回動自在に設け
て構成したことを特徴とする搬送物の通過選択装置であ
る。

＜作用＞ 本発明に係る選択装置は上述の如く、搬送先指定体を
所定位置に装着した搬送物を搬送するコンベアの所定位
置に前記搬送先指定体によって作動する作動体を有する
第１回転軸を配設し、この第１回転軸と連動装置を介し
て第２回転軸を搬送物進行方向に回転自在に設け、かつ
後側部に第１フックを有する選択レバーを第２回転軸に
取り付け、更に該第１フックに係合し得る第２フックを
側面に有するロックレバーを前記選択レバーに付勢しな
がら隣接して回動自在に設けて構成したので、搬送物が
通過する際に前記搬送先指定体と作動体とが相互に吸引
されない場合には選択レバーがコンベア上に突出して搬
送物の直進を妨げてこれを側方にガイドする。次に搬送
物が通過する際に前記搬送先指定体と作動体とが相互に
吸引された場合には搬送先指定体が取り付けられた第１
回転軸を回動し、同時に連動装置を介して第２回転軸と
これに取り付けられた選択レバーを回動して選択レバー
をコンベアの側方に片寄せると共に選択レバーに常に付
勢されているロックレバーの第２フックと該選択レバー
の第１フックとが相互に自動的に噛合して選択レバーを
ロックし、かつロックレバーは選択レバーをロックした
際にコンベア上に突出する。従って、搬送物はコンベア
上を直進し、ロックレバーに突き当たってこれを側方に
押しのけながら更に直進する。一方で側方に押しのけら
れたロックレバーはその回転によって第１フックと第２
フックとの噛合を解除し、選択レバーを自動的に元のコ
ンベア上に突出した位置に復元させることが出来る。

＜実施例＞ 図により本発明に係る装置の一実施例を具体的に説明
すると、第１図は本発明に係る装置の要部の斜視図、第
２図乃至第８図はその装置の動作を示す説明図である。

図に於いて、１はコンベアベルトであって、この上に
搬送物２を載せて所定方向に搬送し得る如く構成されて
いる。この搬送物２の下部には図示せざる金属片が取り
付けられており、コンベアベルト１の裏面に予め配設さ
れた磁石（図示せず）に吸引されてベルト表面と搬送物
を密着させながら搬送物２を安定した状態で搬送し得る
如く構成されている。又搬送物２の側面には２個の磁性
体3a,3bが所定の間隔を保って取り付けられている。こ
の磁性体3a,3bは搬送先を選定する為の搬送先指定磁性
体であって、搬送先に対応してその位置を自在に変えら
れるように構成されている。４はコンベアの所定位置に
回動自在に配設された第１回転軸であって、その所定位
置には前記磁性体3a,3bと吸着し合う作動体となる吸着
磁性体5a,5bが取り付けられている。６は第２回転軸で
あって、コンベアの搬送物進行方向の所定位置、即ち直
進するコンベアＡと、この直進コンベアＡから直角方向
に枝分かれした第１横行コンベアＢと第２横行コンベア
Ｃとの交差する所定位置に回動自在に軸着されている。
前記第１横行コンベアＢを直進コンベアＡで送られて来
た搬送物２を横方向に送る為ののものであり、また第２
横行コンベアＣは別の方向から送られて来た搬送物２を
直進コンベアＡに送り込むことが出来るものであってこ
れ等第１横行コンベアＢ及び第２横行コンベアＣとが並
列して設けられている。

第２回転軸６には選択レバー７が取り付けられてい
る。この選択レバー７は該第２回転軸６の回動によっ
て、直進コンベアＡの方に突出したり、或いは第１横行
コンベアＢの入口に突出したりして、コンベアベルト１
によって搬送される搬送物２の進路を選択し、この搬送
物２をそのまま直進させたり、或いは横行させたりし得
る如く構成されている。この選択レバー７の後側部には
カギ状に突出した第１フック7aが突設されている。前記
第１回転軸４と第２回転軸６とは連動装置８によって相
互に連結され、第１回転軸４の回動をそのまま第２回転
軸６に伝達し得る如く構成されている。

前記連動装置８は第1,第２回転軸4,6に夫々固設され
たクランク板9a,9bをロッド10で連結することによって
構成されている。従って、第１回転軸４の吸着磁性体5
a,5bと搬送物２の磁性体3a,3bのいずれかの位置が合致
（高低が同一）した場合にはこれ等の磁性体5a,5b,3a,3
bのいずれかが相互に吸引するので、搬送物２の移動と
共に第１回転軸４の磁性体5a,5bが引っ張られて第１回
転軸４を回動し、かつ連動装置８を介して第２回転軸６
を回転させ、第２回転軸６に固定された選択レバー７を
一定方向に回動し得る如く構成されている。

次に11は前記選択レバー７の位置をロックし得るロッ
クレバーであって、軸棒12を介して選択レバー７の近傍
に回動自在に軸着されている。又このロックレバー11の
側面には前記選択レバー７のフック7aに噛合し得るカギ
状の第２フック11aが突設されている。13はコイルスプ
リングであって、前記選択レバー７とロックレバー11と
を相互に連結し、ロックレバー11を常に選択レバー７に
付勢し得る如く構成されている。

前記選択レバー７とロックレバー11との関係は、選択
レバー７が直進コンベアＡ上に突出している際には両者
の第１フック7a,第２フック11aは噛合せず、夫々が個々
に独立しており、次に第２回転軸６が前述の如く第１回
転軸４に連動し、矢印方向へ回転して選択レバー７を直
進コンベアＡの側方（図中２点鎖線で示す）に片寄せた
場合には選択レバー７の後側部が回転してその第１フッ
ク7aがロックレバー11の第２フック11aに自動的に噛合
され、かつこのロックレバー11がコイルスプリング13の
付勢により直進コンベアＡ上に突出する（図中２点鎖線
で示す）ように構成されており、更に直進コンベアＡ上
を搬送される搬送物２がこのロックレバー11に突き当た
った場合にはロックレバー11を軸棒12を中心に搬送物２
の進行方向に回動せしめ、これによって第１フック7a,
第２フック11aの噛合を解除し、かつコイルスプリング1
3の作用によって選択レバー７を元の位置即ち直進コン
ベアＡ上に突出した位置に復元せしめることが出来る。

上記実施例に於いては搬送物２として通い箱用のケー
スを用いた場合について例示したが、この搬送物２は玩
具やその他の種々の物品を対象とし得るものである。

本発明に係る装置の動作例について説明すると、第２
図乃至第８図に於いて、通常は選択レバー７が第２図，
第６図及び第７図に示す如く、直進コンベアＡ上に突出
しており、直進コンベアＡ上を搬送されて来た搬送物２
はこの選択レバー７によってガイドされてこの直進コン
ベアＡと直交する方向に設けられた第１横行コンベアＢ
内に送り込まれる。次に搬送物２の磁性体3a,3bの一方
又は両方が第１回転軸４の磁性体5a,5bに合致した場合
には両者の吸引力によって第１回転軸４及び第２回転軸
６を回動し、これによって第３図に示す如く、選択レバ
ー７を回動して直進コンベアＡの側方に片寄せると共に
第１横行コンベアＢの入口を閉鎖し、同時にロックレバ
ー11の第２フック11aと選択レバー７の第１フック7aが
噛合して選択レバー７をロックしてその位置で待機させ
ると共にロックレバー11を直進コンベアＡ上に突出せし
め、これによって第４図に示す如く、搬送物２を直進コ
ンベアＡに沿って直進せしめることが出来る。この際は
直進コンベアＡに横方向から搬送物２を送り込む為の第
２横行コンベアＣのコンベアベルト１は所定の電気的手
段等によって停止させる。

その後搬送物２がロックレバー11に突き当たると、搬
送物２がこのロックレバー11を第５図に示す如く進行方
向に回動せしめ、搬送物２をそのまま直進させると同時
に、ロックレバー11の回動によって第1,第２フック7a,1
1aの噛合を解除し、選択レバー７を第６図に示す如く、
元の位置に復元させ、第７図に示す如く、搬送物２を第
１横行コンベアＢ内に送り込むことが出来る。一方今迄
停止されていた第２横行コンベアＣのコンベアベルト１
は第５図の状態から動き始め、第７図及び第８図に示す
如く、第２横行コンベアＣによって搬送されて来た搬送
物２を直進コンベアＡ内に送り込むことが出来る。

上記実施例に於いては直進コンベアＡに第1,第２横行
コンベアB,Cが枝分かれしたＴ状のコンベアに於ける搬
送物２の選択について説明したが、次に第９図乃至第16
図に於いて他の実施例として、直進コンベアＡから搬送
物２を外方に取り出す場合、或いは搬送物２を垂直コン
ベアＤに引き渡す装置について説明する。第９図は本実
施例の装置の要部を示す斜視図、第10図乃至第16図はこ
の装置の動作を示す説明図である。

この装置に於いても基本的構造は前記装置と全く同一
であり、この装置に於いては直進コンベアＡの片側部に
搬送物２を取り出す為の取り出し口Ｅが設けられ、搬送
物２を直進させるか或いはこの取り出し口Ｅより排出さ
せるかの選択をし得るように構成されている。又垂直コ
ンベアＤには垂直方向に移動するコンベアベルト14が設
けられると共にコンベアベルト14には搬送物２を載せる
ことが出来る横桟バー15が所定の間隔を保って取り付け
られている。本実施例に於ける場合も前述と同様に選択
レバー７とロックレバー11とは図示せざるコイルスプリ
ングによって相互に連結され、かつこれ等のレバー7,11
の第１フック7a,第２フック11aを相互に噛合し得る如く
構成されている。又本実施例に於いては選択レバー７の
後端に搬送物２の側面をガイドすることが出来るガイド
片7bが突設されている。

本実施例に於ける選択動作について説明すると、第10
乃至第16図に於いて、前記実施例と同様に磁性体3a,3b,
5a,5bが夫々相互に吸着しない場合には第10図乃至第12
図に示す如く、選択レバー７の動きは全くなく、選択レ
バー７が直進コンベアＡ上に突出しているので、搬送物
２はこの選択レバー７及び後端のガイド片7bにガイドさ
れながら取り出し口Ｅで排出される。この時、コンベア
Ａと並列して設けられた搬送物２をコンベアＡと反対方
向へ送る返送コンベアA1の側は常時フリーとなってい
る。

次に磁性体3a,3b,5a,5bの一方又は両方が吸着した場
合には回転軸4,6を介して選択レバー7,ロックレバー11
を第13図の状態から第14図の状態に回動して選択レバー
７を直進コンベアＡの側方の取り出し口Ｅの入口に移動
させると共に第１フック7a,第２フック11aによってロッ
クし、搬送物２を直進コンベアＡで直進させることが出
来る。搬送物２が第15図に示す如く、直進してロックレ
バー11に突き当たると、ロックレバー11は搬送物２によ
り回動され、これによって第１フック7a第２フック11a
の噛合を解除して選択レバー７のロックを解放し、選択
レバー７を第16図の如く元の位置に復元せしめることが
出来る。

上記各実施例に於いては２組の磁性体3a,3b,5a,5bを
夫々組み合わせたが、この磁性体は１組でも良い。しか
し組数を多くした方がより多くの送り先を選択すること
が可能である。

又前記磁性体3aは進行方向の転換を目的とし、磁性体
3bは分岐ステーションでの分岐を目的として使用するこ
とも可能である。

上記実施例に於いては搬送物２の搬送先指定体として
磁性体3a,3bを用い、かつこの磁性体3a,3bによって作動
する作動体として吸着磁性体5a,5bを用い、これ等を相
互に組み合わせて構成したが、この搬送先指定体と作動
体との組み合わせは前記磁性体3a,3b,5a,5bの代わりに
ケースルとラック，摩擦体と摩擦体，チェーンとスプロ
ケット，ピンレバーとピンレバー等の組み合わせにする
ことは当該可能である。

＜発明の効果＞ 本発明に係る装置は上述の如く、フックを有する選択
レバーとロックレバーとを相互に噛合して組み合わせる
ようにしたので、搬送物の送り先を全て機械的手段によ
って選択することが出来、これによって故障を少なくす
ると共に高性能の選択を長期間に亘って行うことが出
来、かつロックレバーで選択レバーを自動的にロックす
ることが出来る反面で、搬送物によってこのロックレバ
ーのロックを自動的に解除することが出来、更に全体の
構造が簡単で安価に大量生産することが出来る等の特徴
を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る装置の要部の斜視図、第２図乃至
第８図はその装置の動作を示す説明図、第９図は他例の
装置の要部を示す斜視図、第10図乃至第16図はこの装置
の動作を示す説明図である。 Ａは直進コンベア、B,Cは横行コンベア、Ｄは垂直コン
ベア、Ｅは取り出し口、１はコンベアベルト、２は搬送
物、3a,3b,5a,5bは磁性体、4,6は回転軸、７は選択レバ
ー、7a,11aはフック、８は連動装置、9a,9bはクランク
板、10はロッド、11はロックレバー、12は軸棒、13はコ
イルスプリング、14はコンベアベルト、15は横桟バーで
ある。

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】搬送先指定体を所定位置に装着した搬送物
   を搬送するコンベアの所定位置に前記搬送先指定体によ
   って作動する作動体を有する第１回転軸を配設し、この
   第１回転軸と連動装置を介して第２回転軸を搬送物進行
   方向に回転自在に設け、かつ後側部に第１フックを有す
   る選択レバーを第２回転軸に取り付け、更に該第１フッ
   クに係合し得る第２フックを側面に有するロックレバー
   を前記選択レバーに付勢しながら隣接して回動自在に設
   けて構成したことを特徴とした搬送物の通過選択装置。
2. 【請求項２】１組の選択レバーとロックレバーとを直進
   コンベアと横行コンベアとの分岐点に配設したことを特
   徴とした請求項１記載の搬送物の通過選択装置。
3. 【請求項３】１組の選択レバーとロックレバーとをコン
   ベアの取り出し口に配設したことを特徴とした請求項１
   記載の搬送物の通過選択装置。
4. 【請求項４】搬送物を通い箱用ケース，玩具，その他の
   品物にしたことを特徴とした請求項１記載の搬送物の通
   過選択装置。
5. 【請求項５】搬送先指定体と作動体との組み合わせを磁
   性体と磁性体，ケースルとラック，ピニオンとラック，
   摩擦体と摩擦体，チェーンとスプロケット，ピンレバー
   とピンレバーとの組み合わせにしたことを特徴とする請
   求項１記載の搬送物の通過選択装置。