JP2534391Y2 - 手投げ玩具兼用の応援用具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、球場や体育館などの応
援席で使用する応援用具であって、更に詳しく言えば応
援に使用しないときは手投げ玩具として用いることので
きる、手投げ玩具兼用の応援用具に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、円盤形の玩具として図７〜図９に
示すものが公知である。この玩具は、内部に介在物のな
いドーナツ形中空体１０の片面にシート１１を張設した
塩ビ製のもので、中空体１０は空気注入部１２から空気
を吹き込むことによって膨らみ、手でつかんでプレーす
るものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】ところで上記した手投
げ式玩具は、単に空中に放り投げるのみであるから動作
が画一的で変化に乏しく厭きを生じやすいのに加え、雨
天時などではプレーする場所もおのずから制限される不
利と、他の用途には不向きである等の問題点があった。
また全体が軽量なため中空体を膨らませた状態では収納
箱に入れないと多数個を積み重ねて運搬・移動すること
が難しいという不都合もあった。

【０００４】本考案は、上記した従来の諸不利に鑑みて
なされたものであり、手投げ玩具として利用できること
は勿論、応援用具として打楽器式な使用のできることを
特徴とするものであり、更に膨らませた状態のまゝで多
数個を上下方向に陳列し得るようにした手投げ玩具兼用
の応援用具を提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本考案は以下のような技術手段を採るもので、すなわ
ち、空気注入部を設けたドーナツ形中空体の片面にシー
トを張設してなる軟質塩ビ製の円盤形本体において、シ
ートの表面に硬質塩ビからなる円シートを溶着するとと
もに、中空体の前記空気注入部の近傍に、屈曲すると注
入部の栓に係合する挿孔を穿った舌片の基部を溶着し、
而して中空体の内側に鈴を転動自在に封入してなるもの
である。

【０００６】

【作用】中空体に空気を注入すると全体を空中に飛ばし
て従来の手投げ玩具同様にプレーができる。舌片に穿っ
た挿孔には別体の取付棒を通すことができるので、多数
個でも取付棒に挿通して収束し得る。中空体の内側に鈴
が入っているため本体をつかんで振動させると鈴音が発
生するとともに、円シートは硬質塩ビのため手で叩くと
太鼓のように鳴動し、両者が相まって賑やかな音響を発
する。舌片を屈曲して注入部の栓に係合し、栓を注入部
内に押し込むと舌片も折畳み状態となる。

【０００７】

【実施例】図１及び図２は本考案の外観を示すもので、
１は下面に栓２ａ付きの空気注入部２を設けた軟質塩ビ
製のドーナツ形中空体であり、上面には同じ軟質塩ビか
らなるシート３を張設してある。シート３は中空体１の
外周縁に沿って高周波ウエルダーにより溶着され中空体
と一体になる。こうして形成された円盤形本体Ａは空気
注入部２から空気を注入すると、手投げ玩具として空中
へ水平向きに飛ばすことができる。

【０００８】４は前記シート３の表面に溶着した硬質塩
ビ製の円シートであって、シート３よりも小径に形成さ
れ、この部分を叩くと本体Ａがあたかも太鼓のような音
響を発する。また円シート４の表面に色彩模様（図示せ
ず）などを施すと美麗な外観となる。

【０００９】５は中空体１の空気注入部２の近傍に基部
を溶着した塩ビ製の舌片であって、内方に屈曲すると、
端部寄りに穿った挿孔６が注入部の栓２ａと係合でき
（図３参照）、そのまゝ栓２ａを押し込むと舌片５全体
が中空体１に沿う形となる（図４参照）。

【００１０】図５において７は、中空体１の内側に封入
した鈴であり、中空体を動かすと鈴は転動して音を発す
る。したがって本体Ａをつかんで円シート４の表面を叩
くと同時に鈴音が発せられるので、両者が相まって打楽
器調の賑やかな音響となって鳴動する。なお鈴７は単数
であると複数であるとを問わない。

【００１１】図６は本案具を多数個上下方向に陳列した
状態を示すもので、夫々の舌片５にあけた挿孔６に取付
棒８を挿通しており、こうすることによって各応援具は
容易に支架される。そして図に示すように本案具を左右
交互に配置するとバランスよく収束できる。図示しない
が取付棒８の下部にストッパーを設けておくと最下端の
本案具は下方へのずれが防止される。なお本案具は全体
が軽量なため多数個といえども取付棒８をつかんで運搬
移動することが容易であり、また取り出す場合は単に舌
片５を摺動させて挿孔６と取付棒８との係合を解けばよ
い。

【００１２】なお本考案は、上記実施例等で本体・円シ
ートにつき特定の材質を示したが、本考案の目的・効果
を奏する範囲において前記材質に類似する材質をも包含
するものである。

【００１３】

【考案の効果】以上のような本考案は以下のような特有
の効果を奏する。 （１）シートの表面に設けた円シートがシートを補強し
且つ太鼓の張皮同様、叩打すると鳴動するので各種競技
の応援用に好適する。 （２）中空体の内部に封入した鈴が本体を動かすと中空
体内部を転動して音響を発し、それ自体でも耳目を引く
が円シートを叩くことにより打楽器調の賑やかな共鳴音
となるのでイベントの盛り上げに役立つとともに、一種
のリズム楽器として室内外で使用できる。 （３）舌片に穿った挿孔に取付棒を挿通すると本案具を
多数個取付けることができるので容量大な収納箱を必要
としない。また取付棒から直ちに取り出すこともできる
ので、例えば球場などで多数個を売りさばくときなどに
都合がよい。 （４）円シートも舌片も成型で量産できるとともに高周
波ウエルダーで容易に溶着でき製品を安価に提供でき
る。 （５）舌片を空気注入部に屈曲すると体裁もよく、さら
に空気を抜くと全体をコンパクトに折畳みできるので携
帯に便利であり、従来の手投げ玩具同様の使用もできる
ので厭きを生じることなく永く興趣をもって取り扱われ
る。

【図面の簡単な説明】

図１ 本考案の表面側斜視図である。 図２ 本考案の裏面側斜視図である。 図３ 空気注入部の栓に舌片を係合した本考案の斜視図であ
る。 図４ 図３において栓を押し込んだ状態の斜視図である。 図５ 中空体に鈴を封入した本考案の部分断面図である。 図６ 本考案を取付棒に多数個取付けた状態の斜視図である。 図７ 従来例を示す表面側斜視図である。 図８ 同上の裏面側斜視図である。 図９ 同上の部分断面図である。

【符号の説明】

１ ドーナツ形中空体 ２ 空気注入部 ２ａ 栓 ３ シート Ａ 円盤形本体 ４ 円シート ５ 舌片 ６ 挿孔 ７ 鈴

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 空気注入部を設けたドーナツ形中空体の
   片面にシートを張設してなる軟質塩ビ製の円盤形本体に
   おいて、シートの表面に硬質塩ビからなる円シートを溶
   着するとともに、中空体の前記空気注入部の近傍に、屈
   曲すると注入部の栓に係合する挿孔を穿った舌片の基部
   を溶着し、而して中空体の内側に鈴を転動自在に封入し
   てなる手投げ玩具兼用の応援用具。