JP2534256B2 - 熱融着性複合繊維の製造方法 - Google Patents

熱融着性複合繊維の製造方法

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【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、接着性に優れ、かつ接着熱処理時の繊維集
合体の収縮が小さい芯鞘型熱融着性複合繊維の製造法に
関するものである。
<従来の技術> 従来、おむつ、化粧パフ、衛材用、マスク等のフェー
シング材として用いられている不織布の接着剤として
は、アクリル酸エステル系樹脂、ホルマリン系樹脂など
が用いられてきたが、強度向上の要求に応じて接着剤量
を増やすと風合いが損なわれると同時に公害、省エネ等
の点においても好ましくない。
最近、上記のような欠点を解決するための方式として
熱融着性繊維(以下、バインダー繊維と記す場合もあ
る)を用いて不織布構成繊維を固定する方式が脚光を浴
びている。
このようなバインダー繊維としては、芯成分がポリプ
ロピレンで、鞘成分がポリエチレンである偏心芯鞘型複
合紡糸繊維が市販さされているほか、種々のものが提案
されている。例えば、特開昭57−66117号公報ではテレ
フタル酸、イソフタル酸およびエチレングリコールから
なるポリエステル系ホットメルト型バインダー繊維が、
特開昭57−21513号公報ではテレフタル酸、イソフタル
酸、脂肪族ジカルボン酸および1,4−ブタンジオールか
らなるポリエステル系バインダー繊維が、また、特開昭
58−41912号公報では芯部分にポリエチレンテレフタレ
ートを、鞘部分にテレフタル酸、イソフタル酸およびエ
チレングリコールを主成分となる共重合ポリエステルを
各々用いた芯鞘型複合繊維が提案されている。
<発明が解決しようとする問題点> 上述のバインダー繊維は無公害で、省エネであり、繊
維製品製造の工程の合理化の点でメリットを有してい
る。しかしながら、これらのバインダー繊維を不織布の
製造の際に供した場合には、例えば加熱接着を行う際に
過度の収縮が起って得られる不織布の密度や厚さが不均
一になること、繊維間の結合力が不十分なため得られた
不織布の引張強度が不十分であること、あるいは取扱い
性が十分でないこと等の問題が生ずる。
具体的にいうと、市販されているポリプロピレン(芯
成分)/ポリエステル(鞘成分)の偏心芯鞘型複合繊維
は不織布を構成する主体繊維がポリオレフィン系であれ
ば、大きな接着効果を示すが、ポリエステル、ナイロン
等を主体繊維とする不織布にあっては、接着効果は非常
に小さく、この点がこのバインダー繊維の大きな欠点で
ある。また、加熱接着を行う際に過度の収縮が生じ、上
記した如く、不織布の厚みが不均一になり易い。この過
度の収縮は、当然ながら、バインダー繊維の著しい収縮
に起因するものである。
また、特開昭57−66117号公報で提案されている、テ
レフタル酸、イソフタル酸およびエチレングリコールか
らなるポリエステル系ホットメルト型バインダー繊維
は、非晶性で、ガラス転移点が60〜70℃と高いため、非
常にもろくて取扱い性が悪いという欠点が見られる。
また、特開昭57−21513号公報で提案されている、テ
レフタル酸、イソフタル酸、脂肪族ジカルボン酸、エチ
レングリコールおよび1,4−ブタンジオールからなるバ
インダー繊維は、粘着性が大きく、かつ加熱接着を行う
際に過度の収縮が生じ、好ましいものではない。
さらに、特開昭58−41912号公報で提案の芯鞘型複合
繊維も加熱接着時の収縮が大きく、不織布またはそのバ
インダー繊維として用いた場合得られる不織布の厚さに
斑が生じ、問題である。
以上の如く、従来から知られているバインダー繊維
は、加熱接着を行う際に過度の収縮が起って得られる不
織布の密度や厚さが不均一になったり、繊維間の結合力
が不十分なために得られる不織布の引張り強さが不十分
であった。また得られる不織布がドレープ性、柔らかさ
等の特性を欠いているという問題もあった。
本発明の主目的は、ポリエステル、ナイロン、ポリオ
レフィン等の繊維に対し優れた接着効果を示し、かつ不
織布等の繊維集合体にバインダー繊維として混合使用し
た際、加熱接着時に過度の収縮を起こさず、密度や厚み
の均一な不織布を提供することのできる優れた熱融着性
複合繊維を製造する方法を提供することにある。
<問題点を解決するための手段> 本発明は、鞘成分がポリエチレンであり、芯成分がポ
リエステルである芯鞘型複合繊維のトウを溶融紡糸法に
より製造し、得られたトウを60℃以上に設定された湿熱
浴で延伸し、次いで捲縮を付与した直後、トウの表面温
度が75℃以上となるよう湿熱処理を行うことを特徴とす
る熱融着性複合繊維の製造方法である。かかる方法によ
り得られる熱融着性芯鞘型複合繊維は140℃の雰囲気
中、15分間乾熱処理した後の収縮率が15%以下となり、
本発明の上記目的を達成する。
本発明の製造方法において芯鞘型複合繊維は、常法の
溶融紡糸法によって製造される。引き取り速度は通常採
用されている速度(600〜1500m/分)が適当であるが、
例えば3000m/分以上の高速であってもよい。
本発明の製造方法において鞘成分のポリエチレンとし
ては融点が105〜135℃で、JIS K 7210で規定される
メルトインデックスが5〜50、好ましくは15〜30で、か
つ高密度のものが望ましい。
また、芯成分のポリエステルとしては、テレフタル酸
と炭素数2〜4の脂肪族ジオールとからなる芳香族ポリ
エステルおよびこれらに20モル%以下の第3成分を共重
合したものが望ましい。共重合成分としては、例えばイ
ソフタル酸、ナフタリンジカルボン酸などの芳香族ジカ
ルボン酸、p−オキシ安息香酸、p−β−オキシエトキ
シ安息香酸などのオキシカルボン酸、シクロヘキサンジ
カルボン酸などの脂環式ジカルボン酸、1,4−ヘキサメ
チレンジメタノール、1,6−ヘキサンジオール、などの
脂肪族ジオール、ポリエチレングリコール、ポリブチレ
ングリコール、メトキシポリエチレングリコールなどが
好ましい。このポリエステルの極限粘度(フェノール/
テトラクロロエタンの等量混合溶媒中、30℃で測定した
ときの極限粘度)は0.4〜0.8dl/gの範囲にあるのが望ま
しい。
本発明の複合繊維の芯部と鞘部の配合構成は芯部:鞘
部の重量比率で20:80〜80:20、好ましくは、40:60〜60:
40であることが望ましい。芯成分の偏心度はできるだけ
小さい方が望ましい。
溶融紡糸法によって得られた芯鞘型複合繊維は集束し
てトウとし、延伸工程に供される。延伸するに際して
は、湿熱浴、とりわけ、温水浴で行うのが必要である。
乾熱処理は芯鞘型複合繊維同志の融着がおこりやすく、
問題である。湿熱浴の温度は60℃以上、好ましくは80℃
以上が好ましい。60℃未満の温度で延伸すると、繊維が
無理に引き伸されることになり、繊維中に大きな歪を残
すことになり、不織布にし、熱をかけた場合に収縮斑を
生ずるなどの問題を引き起す。延伸比としては1.5〜5
倍の範囲にあるのが好ましい。延伸は1回で(1段延
伸)で十分であるが、数回にわけて行って(多段延伸)
でもよい。
このようにして得られる延伸されたトウは、捲縮工程
に供され、次いで熱処理工程に供される。捲縮の付与
は、押込型捲縮機で行うのが好ましい。所望の捲縮数
(例えば12〜20個/インチ)の捲縮が付与されたトウ
は、捲縮付与直後、熱処理装置でトウの表面温度が75℃
以上の温度で処理されることが必要である。この熱処理
温度は鞘成分であるポリエチレンが融着しない限りより
高い方が得られる繊維の熱収縮率の点から好ましいが、
その上限はせいぜい110℃である。これらのことおよび
繊維製造の生産性を考慮すると、熱処理温度としては85
℃〜105℃さらに好ましくは90〜100℃が望ましい。使用
する熱処理装置としては、高圧水蒸気を用いたスチーム
セッターが好ましい。
このようにして熱融着性複合繊維が得られるが、該繊
維は後で定義する乾熱収縮率が15%以下となり、そのた
め、不織布のバインダー繊維として使用した場合、不織
布を加熱接着時に過度の収縮を起こさず、密度や厚みの
均一な不織布を与える。
なお、本発明において乾熱収縮率(%)は、50mg/dの
荷重を加えたときの糸長(l0)と、140℃の雰囲気中で1
5分間、乾熱処理した後に50mg/dの荷重を加えたときの
糸(l)を測定し、(l0−l)/l0×100から算出される
ものである。
本発明の製造方法によって得られる熱融着性複合繊維
は、不織布または詰綿のバインダー繊維として最適であ
る。その際の一般物性としては、繊度が1〜10デニール
(d)、繊維長が20〜100mm、捲縮数が5〜20個/イン
チのものが好ましい。
また、その際のバインダー繊維としての混合量はとく
に限定されるものではないが、5〜50重量%であるが、
得られる製品の収縮バランス、風合等の点より10〜25重
量%の範囲にあるのが望ましい。
<実施例> 次に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれ
らによって何ら限定されるものではない。
実施例1〜3および比較例1〜4 芯成分として極限粘度(フェノール/テトラクロロエ
タン等量混合溶媒中、30℃で測定した粘度)0.62dl/gの
ポリエチレンテレフタレートを285℃で加熱供給し、鞘
成分としてメルトインデックス25のポリエチレンを280
℃で加熱供給した後、285℃に設定された紡糸頭に組込
まれた、芯鞘型複合紡糸ノズル(ノズル個数:1300)で
溶融紡糸し、単糸デニールが6デニールの未延伸糸を得
た。紡糸速度は1000m/分であり、紡糸性は良好であっ
た。得られた未延伸糸におけるポリエチレンテレフタレ
ート:ポリエチレンの重量比率は50:50であった。
得られた未延伸糸を引き揃えてトウとなし、湿熱浴中
で3倍の延伸率にて1段延伸した。次いで捲縮数12〜13
個/インチの機械捲縮を付与し、スチームセッターで熱
処理した後、繊維長51mmの長さに切断した。なお、湿熱
浴は温水浴とし、該浴の温度および捲縮付与後の熱処理
時のトウの表面温度は第1表に示すとうりである。
このようにして得られた繊維を140℃の雰囲気中で15
分間放置した後、乾熱収縮率を測定した。その結果を第
1表に示す。
上記繊維と別に準備したナイロン繊維(2.5デニー
ル、5.1mmの繊維長)とを重量比で25:75の割合で混綿し
た後、日付50g/m2のウェッブを作り、140℃で数秒間熱
処理し、不織布をつくった。得られた不織布について収
縮斑の有無を観察した。その結果を第1表に示す。
これより比較例1〜3では、スチームセッターでのト
ウの表面温度が本発明で規定する範囲から外れているお
り、トウに十分な熱量が与えられないため、繊維中の歪
が完全に緩和されず高い乾熱収縮率をもち、その結果、
不織布に収縮斑が起ったと考えられる。また比較例4で
は、延伸温水浴の温度が本発明で規定する範囲から外れ
ており、無理をして引き伸したために大きな歪が繊維中
に残っている結果、収縮率が高くなったと考えられる。
<発明の効果> 本発明の製造方法により得られた熱融着性複合繊維を
不織布あるいは詰綿用にバインダーとして用いた結果、
優れた接着効果を示し、かつ収縮斑もなく均一な厚みを
有した、また良好な風合を有した製品を得ることができ
た。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−176217(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鞘成分がポリエチレンであり、芯成分がポ
    リエステルである芯鞘型複合繊維のトウを溶融紡糸法に
    より製造し、得られたトウを60℃以上に設定された湿熱
    浴で延伸し、次いで捲縮を付与した直後、トウの表面温
    度が75℃以上となるよう湿熱処理を行うことを特徴とす
    る熱融着性複合繊維の製造方法。
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