JP2533827B2 - 殺花粉剤及び殺花粉方法 - Google Patents

殺花粉剤及び殺花粉方法

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JP2533827B2
JP2533827B2 JP5047206A JP4720693A JP2533827B2 JP 2533827 B2 JP2533827 B2 JP 2533827B2 JP 5047206 A JP5047206 A JP 5047206A JP 4720693 A JP4720693 A JP 4720693A JP 2533827 B2 JP2533827 B2 JP 2533827B2
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pollen
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保夫 太田
進 永井
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NORIN SUISAN KOKU KYOKAI
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NORIN SUISAN KOKU KYOKAI
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  • Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、種子のやく(葯)で
作られる受精の働きのある花粉に対して選択的に枯殺さ
せることができる殺花粉剤と、この殺花粉剤による殺花
粉方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】植物の花粉によって感作されるアレルギ
ー疾患として、各種の花粉症が問題となっており、その
中でもスギ花粉症が世上で特に問題になっている。ま
た、一代雑種(F1のハイブリッド品種)による農作物
の優良品種や種子の開発には、雄花のみを除去して雌花
に対して異品種の雄花を交配させることが行われてお
り、かゝる雄花の摘除は現状では人の労力によって行わ
れている。前記の花粉症の対策として、出願人等は先に
花粉を枯殺することによって飛散を防止する花粉飛散防
止剤と花粉飛散防止方法について提案し、これを特願平
4−75494号として出願した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記特願平4−754
94号による花粉飛散防止剤は、オレイン酸又は/及び
リノール酸を主成分とする植物油脂を、直接あるいは界
面活性剤で乳化させてエマルジョンとしたもの、さらに
は前記エマルジョンを水などで希釈した希釈液を花粉の
飛散を防止したい雄花に対して塗布もしくは散布するも
ので、かゝる植物油脂は、散布した植物体内で自動酸化
およびリポキシナーゼなどの酵素による酸化の過程を経
て種々なアルデヒドやアルコールを生ずるものと考えら
れる。このことから発明者等は、オレイン酸又は/及び
リノール酸などの脂肪酸に代えて植物の雄花(花粉)を
直接的にしかも短時間に死滅することができる化合物と
して各種のアルデヒド・アルコールについて検討した結
果、この発明の殺花粉剤の主成分となる前記のアルデヒ
ド・アルコールを見出したのである。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明の殺花粉剤は、
炭素数6の飽和および不飽和のアルデヒド、炭素数7〜
12の飽和および不飽和のアルデヒドおよび炭素数7〜
9の芳香族アルデヒドならびに炭素数6のアルコールか
ら選ばれた1種もしくは2種以上を主成分とすることを
特徴とするものである。
【0005】また、この発明の殺花粉方法は、炭素数6
の飽和および不飽和のアルデヒド、炭素数7〜12の飽
和および不飽和のアルデヒドおよび炭素数7〜9の芳香
族アルデヒドならびに炭素数6のアルコールから選ばれ
た1種もしくは2種以上を、エマルジョン又はサイクロ
デキストリンによる包接体の剤型として植物の花粉に散
布することを特徴とすることを特徴とするものである。
【0006】この発明において、殺花粉剤の主成分(以
下これをアルデヒド・アルコールと略称する)となる代
表的なアルデヒド・アルコールは下記のとおりである。 1.炭素数6の飽和アルデヒド n−ヘキセナール 2.炭素数6の不飽和アルデヒド トランス−2−ヘキセナール 3.炭素数7〜12の飽和アルデヒド n−オクチルアルデヒド(C=9) 4.炭素数7〜12の不飽和アルデヒド トランス−2−ヘプテナール(C=7) トランス−2−オクテナール(C=8) トランス−2−ノネナール(C=9) トランス−2−デセナール(C=10) トランス−2−ドデセナール(C=11) トランス−2−ウンデセナール(C=12) 5.炭素数7〜9の芳香族アルデヒド アニスアルデヒド(C=8) ベンズアルデヒド(C=7) シンナムアルデヒド(C=9) 6.炭素数6のアルコール トランス−2−ヘキサノール n−ヘキサノール
【0007】これらのアルデヒド・アルコールは、その
1種もしくは2種以上をエマルジョン化し、必要に応じ
て水などで希釈して所定の濃度の液状の剤型とし、ま
た、このアルデヒド・アルコールをサイクロデキストリ
ンに包接させて包接体の剤型として使用することができ
る。また、前記のエマルジョンをサイクロデキストリン
に包接させて包接体として使用してもよい。
【0008】かゝる殺花粉剤におけるアルデヒド・アル
コールの濃度は、3〜25重量%の範囲が望ましく、3
重量%未満では有効な殺花粉の作用が発揮できず、25
重量%を超える濃度では殺花粉剤としての選択性が低下
して枝葉などの他の部位に影響を及ぼす傾向となるので
好ましくない。
【0009】包接体を剤型とするものは、アルデヒド・
アルコールのうちの比較的揮散し易いものを揮散を抑え
ながら徐放させ、殺花粉の効果を持続させる場合に有利
に使用することができる。包接体を構成するサイクロデ
キストリンとしては、比較的安価で入手が容易なβ−サ
イクロデキストリンが好ましく使用される。
【0010】
【作用】この発明の殺花粉剤の主成分となるアルデヒド
・アルコール類は、いずれも雄花に対して特異的に細胞
毒性を発揮するものであり、そのあるものはエマルジョ
ンとして植物体に散布することによって有効な殺花粉を
行うが、揮発性が高いなどの理由で実際に植物に適用し
た場合に充分な殺花粉の機能を発揮できないものもあ
る。かゝる揮散性のあるアルデヒド・アルコール類に対
しては、サイクロデキストリンに包接させ、この包接物
を植物体の特に雄花に向けて散布することによって充分
にその機能を発揮することができる。なお、これらのア
ルデヒド・アルコールは、本来人畜に対する毒性を有し
ないので、使用によって有害となるものではない。
【0011】
〔以下余白〕
【0012】
【表1】
【0013】前記表1において、殺花粉の効果は以下の
とおり判断される。 1)トランス−2−ヘキセナールは、濃度5%で針葉の
褐変を低く抑えて雄花を顕著に褐変させ、選択的な殺花
粉が行われていることが判る。 2)n−ヘキセナールは、濃度5%〜10%の領域で概
ね良好な殺花粉が行われると推定される。 3)トランス−2−ヘキセノールは、濃度10%でほゞ
良好な殺花粉が行われていることが認められる。 4)n−ヘキセノールは、濃度5%で殺花粉の有効性が
認められる。
【0014】実施例2 炭素数6〜12の不飽和アルデヒドとして、前記のトラ
ンス−2−ヘキセナール(C=6)およびトランス−2
−ヘプテナール(C=7)、トランス−2−オクテナー
ル(C=8)、トランス−2−ノネナール(C=9)、
トランス−2−デセナール(C=10)、トランス−2
−ドデセナール(C=11)、トランス−2−ウンデセ
ナール(C=12)からなるトランス−2−アルケナー
ル類を用い、実施例1と同様にして濃度10%の殺花粉
剤溶液を調製し、これを実施例1と同様の雄花と針葉か
らなるスギに散布し、開放系において24時間放置し、
その後の雄花と針葉の褐変の状態を観察した。その結果
を表2に示す。 〔以下余白〕
【0015】
【表2】
【0016】上記の各種のトランス−2−アルケナール
類のうち、C=10のアルデヒド(トランス−2−デセ
ナール)が開放系における雄花の褐変のピークを有する
ことが判る。これに対して炭素数の低いアルデヒド類
(C=6のトランス−2−ヘキセナール、C=7のトラ
ンス−2−ヘプテナールなど)は、雄花の褐変状態がよ
くないが、これらのアルデヒドがスギの雄花に対する細
胞毒性を持っていないのではなくて、揮発性があるため
空中に揮散して事実上無毒化され、その効果を発揮し得
なくなるものと考えられる。したがって、これら炭素数
の低いアルデヒドは、β−サイクロデキストリンなどに
包接せしめて、その揮散を適度に抑制させて徐放性を付
与することにより、充分な有用性を持つことが期待され
る。
【0017】実施例3 炭素数7〜9のその他のアルデヒドとして、アニスアル
デヒド(C=8)、ベンズアルデヒド(C=7)、n−
オクチルアルデヒド(C=9)、シンナムアルデヒド
(C=9)を用い、実施例1と同様にして濃度20%の
殺花粉剤溶液を調製し、これを実施例1と同様の雄花と
針葉からなるスギに散布し、開放系において24時間放
置し、その後の雄花と針葉の褐変の状態を観察した。そ
の結果を表3に示す。 〔以下余白〕
【0018】
【表3】
【0019】上記の表3で明らかなように、いずれのア
ルデヒドも開放系において雄花に対して選択的な殺花粉
効果を示している。その中で、シンナムアルデヒド(ケ
イ皮アルデヒド)が雄花に対して特に強い毒性を示して
いるが、選択的な効果に優れていたのはn−オクチルア
ルデヒドであり、雄花が褐変したのに対し針葉にはほと
んど褐変が認められなかった。
【0020】
【発明の効果】この発明の殺花粉剤は、炭素数6の飽和
および不飽和のアルデヒド、炭素数7〜12の飽和およ
び不飽和のアルデヒドおよび炭素数7〜9の芳香族アル
デヒドならびに炭素数6のアルコールから選ばれ化合物
の1種もしくは2種以上を主成分とするもので、これら
のアルデヒド・アルコールは、その特定の濃度範囲にお
いて植物体の雄花に対して優れた選択性をもってこれを
死滅させることができ、他の枝葉等に対して影響を及ぼ
さないので、花粉症として問題になっている各種の植物
の花粉の死滅に、また、一代雑種(F1のハイブリッド
品種)に関連する各種植物の雄花(花粉)の除去、さら
には、殺花粉に基づく除草剤などに有効に利用すること
ができる。
【0021】この発明の殺花粉方法は、前記の炭素数6
の飽和および不飽和のアルデヒド、炭素数7〜12の飽
和および不飽和のアルデヒドおよび炭素数7〜9の芳香
族アルデヒドならびに炭素数6のアルコールから選ばれ
た1種もしくは2種以上を、エマルジョン又はサイクロ
デキストリンによる包接体の剤型として花粉に散布する
もので、エマルジョンの剤型による散布では、前記のオ
レイン酸又は/及びリノール酸などの脂肪酸の散布に比
べて圧倒的短時間に花粉の死滅を図ることができ、サイ
クロデキストリンによる包接体を剤型としたものは、そ
の徐放性によって比較的長時間に花粉を死滅させること
ができるものであり、これらによって殺花粉剤の有用性
の拡大に大きく貢献することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A01N 35/04 A01N 35/04 (56)参考文献 特開 平5−238902(JP,A) 特開 平3−86802(JP,A) 特開 平3−279305(JP,A)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数6の飽和および不飽和のアルデヒ
    ド、炭素数7〜12の飽和および不飽和のアルデヒドお
    よび炭素数7〜9の芳香族アルデヒドならびに炭素数6
    のアルコールから選ばれた1種もしくは2種以上を主成
    分とすることを特徴とする殺花粉剤。
  2. 【請求項2】 n−ヘキセナール、トランス−2−ヘキ
    セナール、n−ヘキサノール、トランス−2−ヘキサノ
    ール、n−オクチルアルデヒド、トランス−2−ヘプテ
    ナール、トランス−2−オクテナール、トランス−2−
    ノネナール、トランス−2−デセナール、トランス−2
    −ドデセナール、トランス−2−ウンデセナール、アニ
    スアルデヒド、ベンズアルデヒド、シンナムアルデヒド
    から選ばれた1種もしくは2種以上を主成分とすること
    を特徴とする殺花粉剤。
  3. 【請求項3】 前記殺花粉剤は、主成分を界面活性剤に
    よってエマルジョンとするか又はサイクロデキストリン
    で包接して包接体としたことを特徴とする請求項1又は
    2記載の殺花粉剤。
  4. 【請求項4】 前記殺花粉剤は、主成分を界面活性剤に
    よってエマルジョンとし、該エマルジョンをサイクロデ
    キストリンで包接して包接体としたことを特徴とする請
    求項1又は2記載の殺花粉剤。
  5. 【請求項5】 前記殺花粉剤は、主成分を濃度3〜25
    重量%として含有させてなることを特徴とする請求項3
    又は請求項4記載の殺花粉剤。
  6. 【請求項6】 炭素数6の飽和および不飽和のアルデヒ
    ド、炭素数7〜12の飽和および不飽和のアルデヒドお
    よび炭素数7〜9の芳香族アルデヒドならびに炭素数6
    のアルコールから選ばれた1種もしくは2種以上を、エ
    マルジョン又はサイクロデキストリンによる包接体の剤
    型として植物の花粉に散布することを特徴とする殺花粉
    方法。
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JP5608381B2 (ja) * 2010-02-02 2014-10-15 株式会社ファイトクローム 植物の高温耐性誘導剤および高温耐性誘導方法

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