JPH08762B2 - 花粉飛散防止剤及び花粉飛散防止方法 - Google Patents
花粉飛散防止剤及び花粉飛散防止方法Info
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- JPH08762B2 JPH08762B2 JP7549492A JP7549492A JPH08762B2 JP H08762 B2 JPH08762 B2 JP H08762B2 JP 7549492 A JP7549492 A JP 7549492A JP 7549492 A JP7549492 A JP 7549492A JP H08762 B2 JPH08762 B2 JP H08762B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、種子植物のやく
(葯)で作られる受精の働きのある花粉が飛散しないよ
うにするための花粉飛散防止剤と、この花粉飛散防止剤
を使用した花粉飛散防止方法に関するものである。
(葯)で作られる受精の働きのある花粉が飛散しないよ
うにするための花粉飛散防止剤と、この花粉飛散防止剤
を使用した花粉飛散防止方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】種子植物の雄しべのやく中にある粉状の
生殖細胞である花粉は、大別すると風媒花粉と虫媒花粉
とに区別することができる。これら花粉中、風媒花粉は
風に乗って空中に飛散し、雌しべの柱頭に付着して増殖
活動を行うものであるが、この風に吹かれて飛び散る花
粉を人が吸引すると花粉症というきわめて厄介な症状が
惹起される。特に、春先のスギの花粉による花粉症は、
スギ花粉症とよばれ日本に特異なもので、目のかゆみ、
充血、くしゃみ、鼻汁、鼻づまりなどの目や鼻にアレル
ギー症状を起こしている。
生殖細胞である花粉は、大別すると風媒花粉と虫媒花粉
とに区別することができる。これら花粉中、風媒花粉は
風に乗って空中に飛散し、雌しべの柱頭に付着して増殖
活動を行うものであるが、この風に吹かれて飛び散る花
粉を人が吸引すると花粉症というきわめて厄介な症状が
惹起される。特に、春先のスギの花粉による花粉症は、
スギ花粉症とよばれ日本に特異なもので、目のかゆみ、
充血、くしゃみ、鼻汁、鼻づまりなどの目や鼻にアレル
ギー症状を起こしている。
【0003】かゝる花粉による人的障害に対しては、ア
レルゲンへの抵抗力をつけ、体質改善を図る減感作療法
などの原因療法に加え、抗ヒスタミン剤や副腎皮質ホル
モンなどの投与、目薬やマスクなどによる防御措置が講
じられているが、最善の対策は人に障害をもたらす花粉
の空中への飛散を確実に防止することである。
レルゲンへの抵抗力をつけ、体質改善を図る減感作療法
などの原因療法に加え、抗ヒスタミン剤や副腎皮質ホル
モンなどの投与、目薬やマスクなどによる防御措置が講
じられているが、最善の対策は人に障害をもたらす花粉
の空中への飛散を確実に防止することである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】花粉の空中への飛散を
防止する手段としては、原因となる樹木の伐採を行うこ
とが最も簡便であるが、樹木の伐採は自然環境の破壊を
もたらすため、花粉の飛散を有効的に防止する対策がな
いのが現状である。
防止する手段としては、原因となる樹木の伐採を行うこ
とが最も簡便であるが、樹木の伐採は自然環境の破壊を
もたらすため、花粉の飛散を有効的に防止する対策がな
いのが現状である。
【0005】この発明の発明者らはかゝる現状に鑑み、
樹木本体はもちろんのこと、枝葉も一切損傷することな
く、人体に有害な花粉の飛散のみを抑えることについて
植物生理の面から鋭意研究の結果、ある種の脂肪酸を含
む油脂が花粉の飛散を抑えることを発見し、この発明の
花粉飛散防止剤及びこれによる花粉飛散防止方法を完成
したものである。
樹木本体はもちろんのこと、枝葉も一切損傷することな
く、人体に有害な花粉の飛散のみを抑えることについて
植物生理の面から鋭意研究の結果、ある種の脂肪酸を含
む油脂が花粉の飛散を抑えることを発見し、この発明の
花粉飛散防止剤及びこれによる花粉飛散防止方法を完成
したものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の花粉飛散防止
剤は、基本的にはオレイン酸又は/及びリノール酸を主
成分とした植物油脂からなることを特徴とするものであ
る。
剤は、基本的にはオレイン酸又は/及びリノール酸を主
成分とした植物油脂からなることを特徴とするものであ
る。
【0007】この発明において、植物油脂の主成分を構
成するオレイン酸は、1個の二重結合を有する炭素数1
8の不飽和脂肪酸であり、リノール酸は2個の二重結合
を有する炭素数18の不飽和脂肪酸である。
成するオレイン酸は、1個の二重結合を有する炭素数1
8の不飽和脂肪酸であり、リノール酸は2個の二重結合
を有する炭素数18の不飽和脂肪酸である。
【0008】前記オレイン酸、リノール酸を多く含む植
物油脂としては、具体的にはアーモンドナッツ油、オリ
ーブ油、ごま油、つばき油、コーン油、サフラワー油、
なたね油及びひまわり油などを挙げることができる。
物油脂としては、具体的にはアーモンドナッツ油、オリ
ーブ油、ごま油、つばき油、コーン油、サフラワー油、
なたね油及びひまわり油などを挙げることができる。
【0009】これらオレイン酸、リノール酸は、天然物
から抽出して精製によって得た比較的純度の高いもので
あってもよく、また、前記のオレイン酸又は/及びリノ
ール酸の合計量が50%(重量%;以下同じ)以上で、
これら主成分をできるだけ多量に含む植物油脂が好まし
い。
から抽出して精製によって得た比較的純度の高いもので
あってもよく、また、前記のオレイン酸又は/及びリノ
ール酸の合計量が50%(重量%;以下同じ)以上で、
これら主成分をできるだけ多量に含む植物油脂が好まし
い。
【0010】前記オレイン酸又は/及びリノール酸の合
計量が50%未満の植物油脂や、炭素数16の飽和脂肪
酸であるパルミチン酸、炭素数18の飽和脂肪酸である
ステアリン酸、さらには3個の二重結合を有する炭素数
18の不飽和脂肪酸であるリノレン酸を多量に含む植物
油脂は、エタンが生成され、花粉の飛散は阻止される
が、雄花の周囲の枝葉の成長も阻害し、悪影響を与える
ため好ましくない。
計量が50%未満の植物油脂や、炭素数16の飽和脂肪
酸であるパルミチン酸、炭素数18の飽和脂肪酸である
ステアリン酸、さらには3個の二重結合を有する炭素数
18の不飽和脂肪酸であるリノレン酸を多量に含む植物
油脂は、エタンが生成され、花粉の飛散は阻止される
が、雄花の周囲の枝葉の成長も阻害し、悪影響を与える
ため好ましくない。
【0011】この発明の花粉飛散防止剤は、使用に際し
てはオレイン酸又は/及びリノール酸を主成分とした植
物油脂に界面活性剤を添加してエマルジョンとすること
が好ましい。エマルジョン形成のための界面活性剤は、
前記の主成分に対して5〜40%の範囲で加えることが
望ましく、この範囲の添加によって良好なエマルジョン
を形成することができる。
てはオレイン酸又は/及びリノール酸を主成分とした植
物油脂に界面活性剤を添加してエマルジョンとすること
が好ましい。エマルジョン形成のための界面活性剤は、
前記の主成分に対して5〜40%の範囲で加えることが
望ましく、この範囲の添加によって良好なエマルジョン
を形成することができる。
【0012】界面活性剤を添加してエマルジョンとした
花粉飛散防止剤は、これに水などの希釈剤を添加して希
釈することによって、例えばヘリコプターなどの飛翔体
から散布し広い範囲において花粉の飛散を防止すること
ができる。
花粉飛散防止剤は、これに水などの希釈剤を添加して希
釈することによって、例えばヘリコプターなどの飛翔体
から散布し広い範囲において花粉の飛散を防止すること
ができる。
【0013】一方、この発明の花粉飛散防止方法は、花
粉の飛散を防止せんとする雄しべに対し、オレイン酸又
は/及びリノール酸を主成分とした植物油脂を界面活性
剤によってエマルジョンとした花粉飛散防止剤、又はオ
レイン酸又は/及びリノール酸を主成分とした植物油脂
を界面活性剤によって乳化させ、かつ水などの希釈剤に
よって希釈した花粉飛散防止剤を散布することを特徴と
するものである。
粉の飛散を防止せんとする雄しべに対し、オレイン酸又
は/及びリノール酸を主成分とした植物油脂を界面活性
剤によってエマルジョンとした花粉飛散防止剤、又はオ
レイン酸又は/及びリノール酸を主成分とした植物油脂
を界面活性剤によって乳化させ、かつ水などの希釈剤に
よって希釈した花粉飛散防止剤を散布することを特徴と
するものである。
【0014】具体的には、エマルジョンタイプの花粉飛
散防止剤の原液に対し、10〜20倍の範囲で水を添加
して希釈化し、これを例えばヘリコプターによって群生
しているスギなどに対し、空中散布することによって行
うものである。
散防止剤の原液に対し、10〜20倍の範囲で水を添加
して希釈化し、これを例えばヘリコプターによって群生
しているスギなどに対し、空中散布することによって行
うものである。
【0015】
【作用】この発明の花粉飛散防止剤は、オレイン酸又は
/及びリノール酸を主成分とする植物油脂からなるもの
で、該植物油脂を直接、あるいは界面活性剤で乳化させ
てエマルジョンとしたもの、さらには前記エマルジョン
を水などで希釈した希釈液を、花粉の飛散を防止したい
雄花に対して塗布もしくは散布すると、液は雄花に接触
して雄花の表面から内部に浸透し、その主成分が花粉に
到達して接触し、花粉の飛散を防止する。
/及びリノール酸を主成分とする植物油脂からなるもの
で、該植物油脂を直接、あるいは界面活性剤で乳化させ
てエマルジョンとしたもの、さらには前記エマルジョン
を水などで希釈した希釈液を、花粉の飛散を防止したい
雄花に対して塗布もしくは散布すると、液は雄花に接触
して雄花の表面から内部に浸透し、その主成分が花粉に
到達して接触し、花粉の飛散を防止する。
【0016】かゝるオレイン酸又は/及びリノール酸を
主成分とする植物油脂からなる花粉飛散防止剤が雄花中
の花粉に対して如何なる作用をなすのか明確な理由はわ
からないが、植物油脂中に含まれるオレイン酸又は/及
びリノール酸が雄花内においてエチレンの生成を盛んに
し、発生したエチレンが花粉の急激な呼吸促進、言い換
えれば花粉の消耗を速やかにして花粉を迅速に老化、枯
殺するものと考えられる。
主成分とする植物油脂からなる花粉飛散防止剤が雄花中
の花粉に対して如何なる作用をなすのか明確な理由はわ
からないが、植物油脂中に含まれるオレイン酸又は/及
びリノール酸が雄花内においてエチレンの生成を盛んに
し、発生したエチレンが花粉の急激な呼吸促進、言い換
えれば花粉の消耗を速やかにして花粉を迅速に老化、枯
殺するものと考えられる。
【0017】この発明においては、花粉の飛散を防止せ
んとする対象として、特に裸子植物の松柏類に属するス
ギを選択し、球果の成熟の見られる10月頃の雄花に対
して花粉飛散防止剤を散布したところ、雄花のみが褐変
し、散布に際してこの発明の花粉飛散防止剤が付着した
枝葉や樹幹はなんらの変化も生じなかった。そこで、褐
変した雄花を切断して花粉を調査したところ、発明の花
粉飛散防止剤が付着した花粉はすべて死滅していた。
んとする対象として、特に裸子植物の松柏類に属するス
ギを選択し、球果の成熟の見られる10月頃の雄花に対
して花粉飛散防止剤を散布したところ、雄花のみが褐変
し、散布に際してこの発明の花粉飛散防止剤が付着した
枝葉や樹幹はなんらの変化も生じなかった。そこで、褐
変した雄花を切断して花粉を調査したところ、発明の花
粉飛散防止剤が付着した花粉はすべて死滅していた。
【0018】しかしながら、オレイン酸やリノール酸以
外の不飽和脂肪酸やかゝる他の不飽和脂肪酸を多量に含
む植物油脂、たとえば、あまに油やカカオ脂を使用して
行った実験においては、あまに油やカカオ脂が付着した
枝葉や樹幹も褐変し、花粉のみを死滅させることができ
なかった。
外の不飽和脂肪酸やかゝる他の不飽和脂肪酸を多量に含
む植物油脂、たとえば、あまに油やカカオ脂を使用して
行った実験においては、あまに油やカカオ脂が付着した
枝葉や樹幹も褐変し、花粉のみを死滅させることができ
なかった。
【0019】
【実施例】以下、試験例、実施例および比較例によっ
て、この発明をさらに具体的に説明する。
て、この発明をさらに具体的に説明する。
【0020】試験例1 炭素数18の各種脂肪酸として、ステアリン酸、オレイ
ン酸、リノール酸及びリノレン酸の4種の脂肪酸を使用
し、花粉飛散に対する選択的効果の調査のために、スギ
の雄花(花粉)と針葉についてエチレンとエタン及び二
酸化炭素の生成量の関係を以下のとおり試験した。すな
わち、スギの雄花(花粉)と針葉をそれぞれ3g精秤
し、これを炭素数18の脂肪酸であるステアリン酸、オ
レイン酸、リノール酸およびリノレン酸にそれぞれ浸漬
(dipping)し、これを50mlの三角フラスコ
につめ、温度25℃に保温した。この処理後3日目に、
三角フラスコをシリコンの二重栓で密封して温度25℃
で6時間保温し、その間に生成したエチレン(C
2 H4 )とエタン(C2 H6 )についてガスクロマトグ
ラフィーで定量した。カラムはSumpack Aを用
い、FIDで検出した。また、二酸化炭素(CO2 )の
発生について、赤外線CO2 アナライザーによって呼吸
量を測定した。それらの結果を表1〜表3に示す。
ン酸、リノール酸及びリノレン酸の4種の脂肪酸を使用
し、花粉飛散に対する選択的効果の調査のために、スギ
の雄花(花粉)と針葉についてエチレンとエタン及び二
酸化炭素の生成量の関係を以下のとおり試験した。すな
わち、スギの雄花(花粉)と針葉をそれぞれ3g精秤
し、これを炭素数18の脂肪酸であるステアリン酸、オ
レイン酸、リノール酸およびリノレン酸にそれぞれ浸漬
(dipping)し、これを50mlの三角フラスコ
につめ、温度25℃に保温した。この処理後3日目に、
三角フラスコをシリコンの二重栓で密封して温度25℃
で6時間保温し、その間に生成したエチレン(C
2 H4 )とエタン(C2 H6 )についてガスクロマトグ
ラフィーで定量した。カラムはSumpack Aを用
い、FIDで検出した。また、二酸化炭素(CO2 )の
発生について、赤外線CO2 アナライザーによって呼吸
量を測定した。それらの結果を表1〜表3に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】これらの脂肪酸処理によるスギの雄花と針
葉について、1週間後の褐変の度合を肉眼視により観察
した。その結果を表4に示す。なお、表4における+記
号は褐変の度合を示すものであり、+記号が多いほど褐
変の度合が高いことを示し、また、*記号は花粉の飛散
度合を示したものである。
葉について、1週間後の褐変の度合を肉眼視により観察
した。その結果を表4に示す。なお、表4における+記
号は褐変の度合を示すものであり、+記号が多いほど褐
変の度合が高いことを示し、また、*記号は花粉の飛散
度合を示したものである。
【0025】
【表4】
【0026】以上の表1〜4の結果から、ステアリン
酸、オレイン酸、リノール酸およびリノレン酸と、脂肪
酸の不飽和度(二重結合)が高くなるにしたがってエチ
レンの生成量が増し、CO2 の発生(呼吸作用)が著し
く促進されて花粉枯殺の作用が強くなっていることが判
る。
酸、オレイン酸、リノール酸およびリノレン酸と、脂肪
酸の不飽和度(二重結合)が高くなるにしたがってエチ
レンの生成量が増し、CO2 の発生(呼吸作用)が著し
く促進されて花粉枯殺の作用が強くなっていることが判
る。
【0027】たゞし、リノレン酸による処理では針葉に
対しても強い褐変を与え、花粉の飛散のみを防止すると
いう選択性を喪失している。これはリノレン酸処理では
大量のエタンが発生してこのエタンが針葉に対して強い
影響を与えているものと考えられ、したがって、雄花
(花粉)と針葉を100ppmのエタンで処理した場合
の褐変の影響を調査して表5の結果を得た。なお、表5
における+記号は褐変の度合を示し、+記号が多いほど
褐変の度合が高いことを示す。
対しても強い褐変を与え、花粉の飛散のみを防止すると
いう選択性を喪失している。これはリノレン酸処理では
大量のエタンが発生してこのエタンが針葉に対して強い
影響を与えているものと考えられ、したがって、雄花
(花粉)と針葉を100ppmのエタンで処理した場合
の褐変の影響を調査して表5の結果を得た。なお、表5
における+記号は褐変の度合を示し、+記号が多いほど
褐変の度合が高いことを示す。
【0028】
【表5】
【0029】以上の結果をまとめると、表1〜3からオ
レイン酸、リノール酸、ノリレン酸の各処理がスギの雄
花(花粉)のエチレン生成量を増大させ、呼吸作用を活
性化して花粉の飛散防止に有効であることが判る。たゞ
し、表4および表5の結果から、リノレン酸処理では、
エタンが大量に発生してスギの雄花(花粉)のみなら
ず、針葉までも枯らしてしまうことが明らかであり、し
たがって選択性の面からオレイン酸、リノール酸による
処理がスギの花粉飛散防止に最も適していると判断され
るものである。
レイン酸、リノール酸、ノリレン酸の各処理がスギの雄
花(花粉)のエチレン生成量を増大させ、呼吸作用を活
性化して花粉の飛散防止に有効であることが判る。たゞ
し、表4および表5の結果から、リノレン酸処理では、
エタンが大量に発生してスギの雄花(花粉)のみなら
ず、針葉までも枯らしてしまうことが明らかであり、し
たがって選択性の面からオレイン酸、リノール酸による
処理がスギの花粉飛散防止に最も適していると判断され
るものである。
【0030】実施例1〜5及び比較例1〜4 (スギに対する浸漬試験)主要な成分組成が下記表6の
とおりの飽和若しくは不飽和の脂肪酸及びこれらを含む
植物油脂に、それぞれ10%の界面活性剤(いずれも花
王株式会社製の商品名「レオドールAO−10」)を加
えて、スターラーで約10分間撹拌して各々エマルジョ
ンエマルジョンを得た。
とおりの飽和若しくは不飽和の脂肪酸及びこれらを含む
植物油脂に、それぞれ10%の界面活性剤(いずれも花
王株式会社製の商品名「レオドールAO−10」)を加
えて、スターラーで約10分間撹拌して各々エマルジョ
ンエマルジョンを得た。
【0031】
【表6】
【0032】表6におけるA〜Eは、つぎの成分を示
す。 A;オレイン酸 B;リノール酸 C;パルミチン酸 D;ステアリン酸 E;リノレン酸
す。 A;オレイン酸 B;リノール酸 C;パルミチン酸 D;ステアリン酸 E;リノレン酸
【0033】一方、先端に雄花20個を着けた長さ約8
cmのスギの針葉の多数を、同じスギの木から採取し、
これらをそれぞれ5本を1群として分けて各群毎に前記
のエマルジョンのうちの同じエマルジョンの中に浸漬し
た。約1分間浸漬後に液から引き上げて1本宛ビーカー
に入れて3日間経過後における変化を観察した。その結
果を表7に示す。
cmのスギの針葉の多数を、同じスギの木から採取し、
これらをそれぞれ5本を1群として分けて各群毎に前記
のエマルジョンのうちの同じエマルジョンの中に浸漬し
た。約1分間浸漬後に液から引き上げて1本宛ビーカー
に入れて3日間経過後における変化を観察した。その結
果を表7に示す。
【0034】
【表7】
【0035】実施例6〜9及び比較例5〜8 (スギに対する散布試験)前記実施例1〜5及び比較例
1〜4で得た各エマルジョンと同じエマルジョンを水で
10倍に希釈し、この希釈液を前記実施例1〜5及び比
較例1〜4で使用先端に雄花20個を着けた長さ約8c
mのスギの針葉に噴霧した。噴霧方法は、雄花を下にし
て吊り下げて30cmの距離から噴霧し、薬剤が植物体
から滴る程度に噴霧して3日後の状態を観察したもので
ある。その結果は表8のとおりである。
1〜4で得た各エマルジョンと同じエマルジョンを水で
10倍に希釈し、この希釈液を前記実施例1〜5及び比
較例1〜4で使用先端に雄花20個を着けた長さ約8c
mのスギの針葉に噴霧した。噴霧方法は、雄花を下にし
て吊り下げて30cmの距離から噴霧し、薬剤が植物体
から滴る程度に噴霧して3日後の状態を観察したもので
ある。その結果は表8のとおりである。
【0036】
【表8】
【0037】
【発明の効果】この発明の花粉飛散防止剤は、オレイン
酸又は/及びリノール酸を主成分とする植物油脂からな
るもので、主成分が雄花の表面から内部に浸透すること
によって植物体から生成されるエチレンで呼吸の増大を
伴う消耗を促して花粉を死滅させるため、この花粉飛散
防止剤を塗布もしくは散布した植物体の雄花からは花粉
が空中に飛散することがない。
酸又は/及びリノール酸を主成分とする植物油脂からな
るもので、主成分が雄花の表面から内部に浸透すること
によって植物体から生成されるエチレンで呼吸の増大を
伴う消耗を促して花粉を死滅させるため、この花粉飛散
防止剤を塗布もしくは散布した植物体の雄花からは花粉
が空中に飛散することがない。
【0038】特にこの発明の花粉飛散防止剤は、雄花の
花粉のみを選択的に死滅させ、枝葉などに全く悪影響を
及ぼさない点において際立った利点を有している。
花粉のみを選択的に死滅させ、枝葉などに全く悪影響を
及ぼさない点において際立った利点を有している。
【0039】リノレン酸も花粉を死滅させる効果に優れ
ているが、使用によりエタンの著しい発生で枝葉も褐変
させるので好ましくなく、植物性の食用油脂類でリノレ
ン酸を多く含むものは避けた方がよい。
ているが、使用によりエタンの著しい発生で枝葉も褐変
させるので好ましくなく、植物性の食用油脂類でリノレ
ン酸を多く含むものは避けた方がよい。
【0040】また、前記花粉飛散防止剤の主成分である
オレイン酸やリノール酸は、これらを多量に含む通常の
植物性食用油脂類をもって代替させることができるの
で、安価かつ量産的に製造することができる。
オレイン酸やリノール酸は、これらを多量に含む通常の
植物性食用油脂類をもって代替させることができるの
で、安価かつ量産的に製造することができる。
【0041】オレイン酸又は/及びリノール酸を主成分
とする植物油脂を界面活性剤によって乳化させてエマル
ジョンとした花粉飛散防止剤、あるいは前記エマルジョ
ンの原液を水などの希釈剤で希釈してなる花粉飛散防止
剤は、これを直接花粉の飛散を防止したい雄花に対して
散布することができるので、その取扱いがきわめて容易
でしかも確実に花粉の飛散を防止することができる。
とする植物油脂を界面活性剤によって乳化させてエマル
ジョンとした花粉飛散防止剤、あるいは前記エマルジョ
ンの原液を水などの希釈剤で希釈してなる花粉飛散防止
剤は、これを直接花粉の飛散を防止したい雄花に対して
散布することができるので、その取扱いがきわめて容易
でしかも確実に花粉の飛散を防止することができる。
【0042】特に、希釈された花粉飛散防止剤はこれを
空中散布することによってきわめて広い範囲において雄
花中の花粉の飛散を阻止することができる。
空中散布することによってきわめて広い範囲において雄
花中の花粉の飛散を阻止することができる。
【0043】一方、この発明の花粉飛散防止方法は、花
粉の飛散を防止したい雄花に対してオレイン酸又は/及
びリノール酸を主成分とする植物油脂からなる花粉飛散
防止剤を散布するというきわめて簡単な方法によって広
い範囲において雄花における花粉を死滅させることがで
きる。
粉の飛散を防止したい雄花に対してオレイン酸又は/及
びリノール酸を主成分とする植物油脂からなる花粉飛散
防止剤を散布するというきわめて簡単な方法によって広
い範囲において雄花における花粉を死滅させることがで
きる。
【0044】特に、散布する花粉飛散防止剤が枝葉に散
布されても雄花の花粉のみを選択的に作用するため、人
畜になんらの被害を及ぼすことなく花粉の発生源を根本
から絶つことができるものである。
布されても雄花の花粉のみを選択的に作用するため、人
畜になんらの被害を及ぼすことなく花粉の発生源を根本
から絶つことができるものである。
Claims (7)
- 【請求項1】 オレイン酸又は/及びリノール酸を主成
分とした植物油脂からなることを特徴とする花粉飛散防
止剤。 - 【請求項2】 オレイン酸又は/及びリノール酸を主成
分とした植物油脂を界面活性剤によってエマルジョンと
したことを特徴とする花粉飛散防止剤。 - 【請求項3】 オレイン酸又は/及びリノール酸を主成
分とした植物油脂を界面活性剤によって乳化させ、かつ
水などの希釈剤によって希釈したことを特徴とする花粉
飛散防止剤。 - 【請求項4】 前記オレイン酸又は/及びリノール酸
は、合計量が50重量%以上であることを特徴とする請
求項1ないし3のいずれかに記載の花粉飛散防止剤。 - 【請求項5】 前記界面活性剤は、主成分であるオレイ
ン酸又は/及びリノール酸に対し5〜40重量%の範囲
で加えることを特徴とする請求項2又は3記載の花粉飛
散防止剤。 - 【請求項6】 希釈剤による希釈は、オレイン酸又は/
及びリノール酸を主成分とした植物油脂を界面活性剤に
よってエマルジョンとした原液に対して10〜20倍の
範囲であることを特徴する請求項3記載の花粉飛散防止
剤。 - 【請求項7】 花粉の飛散を防止せんとする雄しべに対
し、オレイン酸又は/及びリノール酸を主成分とした植
物油脂を界面活性剤によってエマルジョンとした花粉飛
散防止剤、又はオレイン酸又は/及びリノール酸を主成
分とした植物油脂を界面活性剤によって乳化させ、かつ
水などの希釈剤によって希釈した花粉飛散防止剤を散布
することを特徴とする花粉飛散防止方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7549492A JPH08762B2 (ja) | 1992-02-26 | 1992-02-26 | 花粉飛散防止剤及び花粉飛散防止方法 |
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1992
- 1992-02-26 JP JP7549492A patent/JPH08762B2/ja not_active Expired - Fee Related
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