JP2533652Y2 - 連続用紙切断装置における分離用紙引き落とし機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、複数の連続用紙を重ね合わせてなる多重連
続用紙をメインモータで駆動される移送装置によって所
定方向に移送し、この移送経路に設けた分離部材によっ
て重なり合った連続用紙を分離したうえ、所定の連続用
紙を上下一対のインフィードローラとインフィードロー
ラよりも高速で回転する上下一対のハイスピードローラ
との移送速度差を利用して単位用紙に切断する連続用紙
切断装置における、分離された切断しない連続用紙を下
方に強制的に引き落とすための分離用紙引き落とし機構
に関する。

従来の技術 連続用紙切断装置において、多重連続用紙をトラクタ
等の移送装置によって所定方向に移送し、この移送経路
に設けた分離部材によって重なり合った連続用紙を分離
したうえ、所定の連続用紙は単位用紙に切断する一方、
切断しない控用等の連続用紙は自然落下させつつ折り畳
み、下方に設けた回収部に折り畳み状態で回収すること
は、従来から知られている。

考案が解決しようとする課題 ところが、従来は切断しない控用等の連続用紙を回収
部に自然落下させて回収しているので、この連続用紙は
トラクタ等の移送装置によって後方から押し出される状
態となり、分離部材で分離される際に生ずる抵抗力のわ
ずかな変化によっても分離後の連続用紙の移送速度に乱
れが発生し、これにより連続用紙の切断動作に悪影響を
及ぼして正確な位置での切断が困難になるという欠点が
あった。

本考案はこのような欠点を解消した連続用紙切断装置
における分離用紙引き落とし機構を提供することを目的
とする。

課題を解決するための手段 複数の連続用紙を重ね合わせてなる多重連続用紙をメ
インモータで駆動される移送装置によって所定方向に移
送し、この移送経路に前記移送装置の後段に設けた分離
部材によって重なり合った連続用紙を分離したうえ、さ
らにこの分離部材の後段に順に設けた、前記移送装置の
移送速度と同速の上下一対のインフィードローラとこの
インフィードローラよりも高速で回転する上下一対のハ
イスピードローラとの移送速度差を利用して連続用紙を
単位用紙に切断する連続用紙切断装置において、分離さ
れた切断しない連続用紙を回収部に回収するため下方に
導くガイド部材を前記分離部材の下方に設け、このガイ
ド部材に導かれて落下する連続用紙に移送力を付与し回
収部に向けて引き落とすために前記移送装置および前記
インフィードローラより周速が速く回転駆動される回転
コロを設けたものである。

作用 分離された切断しない連続用紙は、移送装置およびイ
ンフィードローラより周速が速く回転駆動される回転コ
ロによって移送力が付与されて引き落とされ、後方から
押し出される状態にはならないので、分離部材で分離さ
れる際に生ずる抵抗力が変化しても分離後の連続用紙の
移送速度に乱れが発生することはない。したがって、切
断しない連続用紙は、確実に回収できるとともに、切断
を行う連続用紙の切断動作にも悪影響を及ぼすことがな
く、切断動作は正確かつ円滑になされる。

実施例 以下、本考案の好適な実施例を添付図面に基づいて詳
細に説明する。

ここにおいて、第１図は連続用紙切断装置の全体を概
略的に示す側面図、第２図はその要部を示す拡大側面
図、第３図は連続用紙の平面図である。

まず、第３図に基づいて連続用紙100の構成を説明す
ると、連続用紙100は折り兼切り用ミシン目101を介して
多数の単位用紙102が連接されてなる上位連続用紙100a
と下位連続用紙100bとが重ねられてなる二重連続用紙で
ある。連続用紙100の両側には、切り用ミシン目103を境
としてマージナル部104が設けられ、これらマージナル
部104には多数のマージナル孔105が等間隔に透設されて
いる。

第１図に示すように、連続用紙切断装置１には、連続
用紙100を折り兼切り用ミシン目101でジグザグ状に折り
畳んだ状態で載置するための載置部２が設けられてい
る。この載置部２の上方には、連続用紙100をガイドす
るガイド板３に続いて、前記連続用紙100を第１図上右
方向に移送するための移送装置であるトラクタ４が設け
られている。前記トラクタ４は連続用紙100のマージナ
ル孔105が係合されるトラクタピンを有し、モータ制御
装置５によって駆動制御されるメインモータ６に回転駆
動力伝達機構を介して連繋されることにより回転駆動さ
れる。前記トラクタ４の移送方向下流端両側には、連続
用紙100の左右のマージナル部104を各切り用ミシン目10
3から切り落とすスリッタ７が設けられている。このス
リッタ７に続いて、連続用紙100を上位連続用紙100aと
下位連続用紙100bとに上下に分離するための分離部材８
が、前記連続用紙100の移送経路に対応して設けられて
いる。

前記分離部材８の用紙移送方向下流端側は下方に折り
曲げられ、分離された下位連続用紙100bを導く上ガイド
部材９と一体化されている。前記上ガイド部材９と間隔
をおいてこれと対をなす下ガイド部材10が設けられ、こ
れら両ガイド部材9,10の間を分離された下位連続用紙10
0bが落下するものである。前記上ガイド部材９と前記下
ガイド部材10はともに、互いに間隔をおいて平行に伸び
る複数の板からなり、それらの幅方向中央の間隔部分に
は、互いに対接する一対の回転コロ11,12が配設されて
いる。

一方の回転コロ11は、回転駆動力伝達機構を介してメ
インモータ６に連繋されることにより、第１図上反時計
方向にトラクタ４の用紙移送速度よりも若干速い周速で
回転駆動される。また、他方の回転コロ12は、第２図で
明らかなように、前記回転コロ11の回転にともなって、
同図上時計方向に回転するようアーム13に支持されてい
る。前記アーム13はその支持軸に巻回された捻じりバネ
14により、第２図上反時計方向に揺動するよう付勢され
ている。これによって、回転コロ12は常に回転コロ11と
接し得るとともに、下位連続用紙100bに対しては適度に
スリップ可能に付勢され、これら回転コロ11,12に挟持
された下位連続用紙100bは引き裂かれない程度に移送力
を付与されて下方に引き落とされるものである。

第１図に示すように、前記回転コロ11,12の下方には
回収部15が設けられ、この回収部15に移送力を付与され
て引き落とされた連続用紙100bが折り兼切り用ミシン目
101で折り畳まれて載置されるよう構成されている。

一方、分離部材８で分離された上位連続用紙100aは、
上下一対の移送コロ16a,16bによって同じく上下一対の
インフィードローラ17a,17bに向けて移送されよう構成
されている。これら移送コロ16a,16bは、処理対象とな
る連続用紙100がマージナル部104を有せず、前段のトラ
クタ４で移送できない場合であっても、連続用紙100を
インフィードローラ17a,17b側へ移送して処理可能にす
るものである。これらインフィードローラ17a,17bに続
いて、ブレード18と上下一対のハイスピードローラ19a,
19bとが設けられている。また、下のハイスピードロー
ラ19bとブレード18の下方に位置する回転ローラ20には
無端状のフィードベルト21が循環移動するよう掛け渡さ
れている。前記移送コロ16b、前記インフィードローラ1
7a及び前記ハイスピードローラ19bは、前記トラクタ４
と同様に、それぞれ回転駆動力伝達機構を介してメイン
モータ６に連繋され、前記トラクタ４と前記移送コロ16
a,16bおよび前記移送コロ16a,16bと前記インフィードロ
ーラ17a,17bによる上位連続用紙100aの移送速度は同一
となり、前記ハイスピードローラ19a,19bによる移送速
度はそれよりも高速となるように回転駆動される。そし
て、このインフィードローラ17a,17bとハイスピードロ
ーラ19a,19bとの移送速度差によって上位連続用紙100a
に張力を与え、その折り兼切り用ミシン目101にブレー
ド18を当接して単位用紙102毎に切断するよう構成され
ている。

ハイスピードローラ19a,19bに続いて、ハイスピード
ローラ19a,19bによる単位用紙102の搬出速度よりも速い
速度で搬入する上下一対の搬入ローラ22a,22bが設けら
れている。この搬入ローラ22a,22bで移送された単位用
紙102は、ストッパー23に突き当てられて位置決めさ
れ、昇降自在な昇降テーブル24上に順次載置される。こ
の昇降テーブル24は最上位の単位用紙102の高さ位置が
検出されて、これが一定位置よりも高くなると下降され
るよう構成されている。

次に、上述のように構成した本実施例の動作について
説明する。

あらかじめ所定の処理、例えばコンピュータに連動さ
れたプリンタによって所定の事項が印字された二重の連
続用紙100は、折り兼切り用ミシン目101でジグザグ状に
折り畳まれ、載置部２に載置されたうえ、引き上げられ
てマージナル孔105がトラクタ４のトラクタピンに係合
された状態にセットされる。メインモータ６が駆動され
ると、連続用紙100は前記トラクタ４により第１図上右
方向に移送され、スリッタ７によって左右のマージナル
部104が切り落とされる。さらに移送された二重の連続
用紙100は、分離部材８によって、上位連続用紙100aと
下位連続用紙100bとに上下に分離され、上位連続用紙10
0aは移送コロ16a,16bによってインフィードローラ17a,1
7bに向けて移送される一方、下位連続用紙100bは上ガイ
ド部材９と下ガイド部材10に案内されて落下していく。

前記下位連続用紙100bが回転コロ11,12に挟持される
と、回転コロ11の回転駆動力により強制的に引き落とさ
れ、折り癖がついていることによって、再び折り兼切り
用ミシン目101で折り畳まれた状態で回収部15に載置さ
れていく。このとき、前記回転コロ11による下位連続用
紙100bに対する引き落とし速度は、連続用紙100のトラ
クタ４およびインフィードローラ17a,17bによる移送速
度よりもやや速く、かつ強制的に引き落とすので、分離
部材８による抵抗力に変化が生じても連続用紙100の分
離動作及びその後の上位連続用紙100a、下位連続用紙10
0bの移送動作は円滑になされ、分離後の下位連続用紙10
0bが各ガイド部材9,10間で弛んで停滞することがなく、
連続用紙100の移送に悪影響を及ぼすことがない。

一方、上位連続用紙100aは移送コロ16a,16b、インフ
ィードローラ17a,17b、フィードベルト21によってさら
に第１図上右方向に移送され、その先端がハイスピード
ローラ19a,19bに挟持されると、移送速度差によって張
力が与えられ、折り兼切り用ミシン目101にブレード18
が当接して単位用紙102に切断される。上述したよう
に、分離部材８による抵抗力に変化が生じても分離動作
は円滑になされ、連続用紙100の移送に悪影響を及ぼす
ことがないので、この切断動作も円滑かつ正確になされ
る。切断後の単位用紙102は、搬入ローラ22a,22bにより
移送されてストッパ23に突き当てられ、所定状態で順次
昇降テーブル24上に積み重ねられていく。

なお、本考案は上述した実施例に限定されず、例えば
捩じりバネ14によるアーム13を介した回転コロ12に対す
る付勢力の付与は必ずしも必要ではなく、また、下ガイ
ド部材10に回転コロ11が当接するように構成して前記回
転コロ12を設けなくてもよい。さらに、連続用紙切断装
置１における切断機構の構成や単位用紙の積み重ね機構
の構成も種々変更可能である。またさらに、多重の連続
用紙は二重に限らず、三重以上であってもよい。

効果 以上説明したところで明らかなように、本考案によれ
ば、分離後の切断しない連続用紙は、移送装置およびイ
ンフィードローラより周速が速く回転駆動される回転コ
ロによって移送力が付与されて確実に引き落とされるの
で、分離部材で分離される際に生ずる抵抗力が変化して
も分離後の連続用紙の移送速度に乱れが発生することが
ないから、切断しない連続用紙は確実に回収できるとと
もに、切断を行う連続用紙の切断動作にも悪影響を及ぼ
すことがなく、切断動作を円滑かつ正確になすことがで
きるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の好適な実施例を示し、第１図は連続用紙切
断装置の全体を概略的に示す側面図、第２図はその要部
を示す拡大側面図、第３図は連続用紙の平面図である。 １……連続用紙切断装置、２……載置部、４……トラク
タ、６……メインモータ、８……分離部材、９……上ガ
イド部材、10……下ガイド部材、11,12……回転コロ、1
5……回収部、17a,17b……インフィードローラ、18……
ブレード、19a,19b……ハイスピードローラ、24……昇
降テーブル

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】複数の連続用紙を重ね合わせてなる多重連
   続用紙をメインモータで駆動される移送装置によって所
   定方向に移送し、この移送経路に前記移送装置の後段に
   設けた分離部材によって重なり合った連続用紙を分離し
   たうえ、さらにこの分離部材の後段に順に設けた、前記
   移送装置の移送速度と同速の上下一対のインフィードロ
   ーラとこのインフィードローラよりも高速で回転する上
   下一対のハイスピードローラとの移送速度差を利用して
   連続用紙を単位用紙に切断する連続用紙切断装置におい
   て、分離された切断しない連続用紙を回収部に回収する
   ため下方に導くガイド部材を前記分離部材の下方に設
   け、このガイド部材に導かれて落下する連続用紙に移送
   力を付与し回収部に向けて引き落とすために前記移送装
   置および前記インフィードローラより周速が速く回転駆
   動される回転コロを設けたことを特徴とする連続用紙切
   断装置における分離用紙引き落とし機構。