JP2532823Y2 - ブレーキ装置 - Google Patents

ブレーキ装置

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JP2532823Y2
JP2532823Y2 JP1991069409U JP6940991U JP2532823Y2 JP 2532823 Y2 JP2532823 Y2 JP 2532823Y2 JP 1991069409 U JP1991069409 U JP 1991069409U JP 6940991 U JP6940991 U JP 6940991U JP 2532823 Y2 JP2532823 Y2 JP 2532823Y2
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佳樹 加賀谷
壯州 重原
一義 小池
秀夫 那須
章 竹下
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東洋運搬機株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、ホイールローダ等の荷
役車両に用いられるブレーキ装置に関し、特に、サービ
スブレーキとパーキングブレーキやエマージエンシーブ
レーキの配置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ホイールローダ等の荷役車両の
ブレーキ装置としては、通常の車両運転にあたつて作業
者がフツトブレーキを踏んだ際に駆動するサービスブレ
ーキSBと、パーキング時に駆動するパーキングブレー
キPBおよび車両運転中の非常時に駆動するエマージエ
ンシブレーキEBとが設けられている。以下、その従来
例を示す。
【0003】(1)従来のブレーキ装置の一例における
荷役車両中の取り付け位置を図3に示す(従来例1)。
本例のブレーキ装置は乾式多板式のものであり、サービ
スブレーキSBは、各ホイールに直接取り付けられてい
る。一方、パーキングブレーキPBまたはエマージエン
シブレーキEBは、トランスミツシヨン1のカウンタ軸
2の端部に配置されている。
【0004】ここで、図4は従来例1のパーキングブレ
ーキPBまたはエマージエンシブレーキEBを示す要部
断面図である。図4中、3はカウンタ軸2に固定された
回転デイスク、4はブレーキ時に回転デイスク3に当接
してカウンタ軸2の回転を制止させるブレーキデイス
ク、5はブレーキデイスク4を回転デイスク3側(以
下、制動方向X1という)へ押しやるプレート、6はブ
レーキ時にプレート5を制動方向X1へ押しやるピスト
ン、7はピストン6を制動方向X1に押しやるばね、8
はブレーキをかけないとき(以下、非制動時という)に
ピストン6をばね7に抗して制動方向X1と逆方向(以
下、X2方向という)に保持するための流体圧室、9は
シールである。
【0005】そして、通常時は流体圧室8に圧油を導い
ている。このため、ばね7は圧縮されているので、両デ
イスク3,4は互いに解放されており、ブレーキはかか
らない。
【0006】しかし、作業者の意志によつてブレーキを
効かす時は、レバーやボタンの操作により流体圧室8へ
の圧油をカツトする。流体圧室8に流体圧がなくなる
と、今度はばね7の力で両デイスク3,4を当接させ、
ブレーキを効かすことができる。
【0007】(2)従来の湿式多板式ブレーキ装置の例
を図5,6に示す(従来例2)。図5は従来例2のブレ
ーキ装置の車両中の取り付け位置を示す図、図6は同じ
くその断面図である。
【0008】図5の如く、本例のブレーキ装置は、サー
ビスブレーキ部とパーキングブレーキ部の兼用タイプ
で、機械的に作動させ、トランスミツシヨン1のアウト
プツトシヤフトL1を制動するもので、図6の如く、レ
バー10はコントロールケーブルに接続され、レバー1
0の引き具合でレバー10に接続されているピストン6
とハウジング8aの間のボールカム11がピストン6の
溝の斜面を移動することにより、ピストン6がデイスク
3をデイスク4に押し付け、アウトプツトシヤフトL1
を制動する。ここで、サービスブレーキSB、パーキン
グブレーキPBまたはエマージエンシブレーキEBはす
べてレバー10による機械式制動である。したがつて本
例によると、従来例1に比べ各ブレーキSB,PB,E
Bの要部機構を統一できるというメリツトがある。
【0009】
【考案が解決しようとする課題】(1)図4に示した従
来例1のパーキングブレーキPBおよびエマージエンシ
ーブレーキEBの機構は、容量上サービスブレーキSB
には使用できず、故に二系統のブレーキ機構が存在して
いた。したがつて、部品点数を多く要し、コストがかさ
んでいた。
【0010】(2)また、図5,6に示した従来例2で
は、次の欠点が指摘されている。
【0011】[a]サービスブレーキSBは、流体圧お
よび機械リンク(図示せず)を介してレバー10を駆動
し、一方、パーキングブレーキPBやエマージエンシブ
レーキEBは、機械リンクおよびケーブル(図示せず)
を介してレバー10を駆動している。このため、結局従
来例1と同様、操作系統が二系統となり、かつ、特にパ
ーキングブレーキPBやエマージエンシブレーキEBの
機械リンクやケーブル等の機構が複雑であつたため、部
品点数が多くなりコストがかさむ上、故障率も高かつ
た。
【0012】[b]また、長期稼動車では、ボールカム
11や、機械リンクのリンクピンの摩耗およびケーブル
の伸び等により、ブレーキタイムラグが発生するので、
ブレーキの作動が遅くなり、これを再調整するのに手間
がかかつていた。
【0013】[c]ブレーキのオーバーホール時に、ブ
レーキ装置がアウトプツトシヤフトL1に串刺し状に取
り付けられているので、車両本体からアウトプツトシヤ
フトごと取り外してからブレーキ装置を補修しなければ
ならず、その脱着に手間がかかつていた。
【0014】本考案は、上記に鑑み、各ブレーキの機械
構造を集約して部品点数を軽減し得るブレーキ装置の提
供を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本考案による課題解決手
段は、図1,2の如く、ハウジング21内の回転軸26
に取り付けられた回転デイスク22と、該回転デイスク
22に当接して回転軸26の回転を制止させるブレーキ
デイスク23と、作業者がフツトブレーキを踏んだ際に
前記両デイスク22,23を圧着させるサービスブレー
キ部SBXと、パーキング時または非常時に両デイスク
22,23を圧着させる補助ブレーキ部PBXとを備
え、前記サービスブレーキ部SBXは、前記ブレーキデ
イスク23を回転軸26に沿つて回転デイスク22に当
接離間させるピストン24と、ブレーキ時に該ピストン
24の制動方向X1と逆側に配された第一流体圧室30
に流体を供給する第一流体供給源31とからなり、前記
補助ブレーキ部PBXは、前記ピストン24と、該ピス
トン24の背面に当接して押圧する押圧体36と、該押
圧体36をピストン24に当接する方向へ付勢する付勢
手段37と、ブレーキの非作動時に、前記押圧体36の
ピストン24側前面とハウジング21との間に形成され
た第二流体圧室38に流体を供給して前記付勢手段37
に抗して押圧体36とピストン24とを離間させる第二
流体供給源39とからなる。
【0016】そして、前記回転デイスク22はトランス
ミツシヨンのカウンタ軸26の端部に固定され、前記
ービスブレーキ部SBXおよび補助ブレーキ部PBX
は、前記カウンタ軸26の端部に隣接配置されたもので
ある。
【0017】また、付勢手段37は、ハウジング21の
付勢室25d内で前記ハウジング21の背面と押圧体3
6と背面の間に介装された複数の圧縮ばね47からな
り、前記付勢室25d内に前記圧縮ばね47の倒れおよ
び曲がりを防止するための位置決め板48が設けられ、
該位置決め板48に前記圧縮ばね47の大きさに合わせ
た複数の貫通孔49が形成され、該貫通孔49を前記圧
縮ばね47が貫通している
【0018】
【作用】上記課題解決手段において、車両の非制動時
は、第二流体供給源39にて第二流体圧室38に流体を
供給し、押圧体36を制動方向X1と逆側に付勢して、
ピストン24から押圧体36を離す。そうすると、回転
デイスク22およびブレーキデイスク23は互いに非当
接状態となり、ブレーキはかかつていない状態となる。
【0019】ここで、作業者がフツトペダルを踏み込む
と、サービスブレーキ部SBXの第一流体供給源31は
流体を第一流体圧室30へ供給し、第一流体圧室30で
の流体圧にてピストン24の端部を制動方向X1へ移動
させる。そうすると、ブレーキデイスク23は回転デイ
スク22に圧着し、回転軸26は停止する。
【0020】また、作業者がパーキングノブや非常停止
ボタンを操作すると、補助ブレーキ部PBXの第二流体
供給源39は第二流体圧室38への流体の供給を停止す
る。そして、押圧体36は付勢手段37の力によつて制
動方向X1へ移動し、ピストン24を制動方向X1へ移
動させる。そうすると、回転デイスク22およびブレー
キデイスク23が圧着し、回転軸26は停止する。
【0021】このように、サービスブレーキ、パーキン
グブレーキおよびエマージエンシブレーキのすべてを、
機械的リンク機構を用いずに流体圧機構にて駆動し得
る。
【0022】そして、オーバーホール等のメンテナンス
でブレーキ装置を脱着する際、カウンタシヤフト軸26
の端部に隣接配置されたサービスブレーキ部SBXや補
助ブレーキ部PBXを順次脱着するだけでよく、従来の
ようにアウトプツトシヤフトを取り外す必要がなくな
る。
【0023】また、圧縮ばね47の取り付け作業中や、
ブレーキ中に回転軸26の回転力が押圧体36まで伝わ
つた場合に、圧縮ばね47が所望の位置から曲がること
がある。このとき、ハウジング21の付勢室25dに設
けた位置決め板48の貫通孔49に圧縮ばね47を貫通
させることにより、圧縮ばね47ハウジング21と押
圧体36との間で位置決めされ、その曲がりが防止され
る。
【0024】
【実施例】図1は本考案の一実施例を示す湿式多板式ブ
レーキ装置の断面図である。図示の如く、本実施例のブ
レーキ装置は、サービスブレーキ、パーキングブレーキ
およびエマージエンシブレーキのすべてを同一軸上で複
合構造とした湿式多板式のものである。
【0025】以下、その内部構造を中心に説明すると、
本実施例のブレーキ装置は、トランスミツシヨンのハウ
ジング21内で回転する回転デイスク22と、該回転デ
イスク22に当接してその回転を制止させるブレーキデ
イスク23と、作業者がフツトブレーキを踏んだ際に前
記両デイスク22,23を圧着させるサービスブレーキ
部SBXと、パーキング時または非常時に両デイスク2
2,23を圧着させる補助ブレーキ部PBXとを備えた
ものである。
【0026】ハウジング21は、一端が開口され、この
開口に背面カバー21cがボルト21eを介して固定さ
れている。該ハウジング21には、トランスミツシヨン
の回転軸(カウンタ軸)26が回転自在に内装され、そ
の端部に回転デイスク22が外嵌固定されている。該回
転デイスク22の近傍には、ブレーキデイスク23が、
回転デイスク22と一定の空隙を有して対向配置され、
デイスク取付板23aを介してハウジング21に摺動自
在に支持されている。そして、前記回転軸26と開口と
の間には、前記サービスブレーキ部SBXおよび補助ブ
レーキ部PBXが配置されている。
【0027】また、該ハウジング21の回転軸26の側
方の内周面には、段部25が形成されている。該段部2
5には、第一摺動孔25bと、該第一摺動孔25bに連
続しこれより小径とされた第二摺動孔25cが形成さ
れ、段部25と背面カバー21cとの間が付勢室25d
とされている。
【0028】前記サービスブレーキ部SBXは、前記ブ
レーキデイスク23を回転軸26に沿つて回転デイスク
22に当接離間させるピストン24と、ブレーキ時に該
ピストン24の制動方向X1と逆側に配された第一流体
圧室30に流体(以下、圧油という)を供給する第一流
体供給源31とからなり、前記カウンタ軸26の端部に
隣接配置されている。
【0029】前記ピストン24は、略円板状に形成さ
れ、非制動時には、その外縁部と前記デイスク取付板2
3aとの間に配されたウエーブばね27にてX2方向に
付勢されている。該ピストン24の制動方向X1と逆方
向(以下、X2方向という)側の背面中央部には、当接
皿28が突設されている。そして、該当接皿28は、前
記第一摺動孔25bに摺動自在に内嵌されている。
【0030】前記第一流体圧室30は、図1の如く、前
記ピストン24の当接皿28の縁端部と、前記第一摺動
孔25bの孔壁および底壁とで囲まれた空間で、第一摺
動孔25bの孔壁に穿設された流路25eを介してハウ
ジング21の外周面のポート30aに連通され、前記第
一流体供給源31に接続されている。
【0031】前記第一流体供給源31は、図2の如く、
既存の油圧シリンダが使用され、作業者が車両のフツト
ブレーキを踏んだ際に、第一流体圧室30に圧油を供給
するよう制御される。
【0032】前記補助ブレーキ部PBXは、図2の如
く、パーキングノブPNまたは非常停止ボタン(エマー
ジエンシボタン)ENを操作したときのみ油圧の供給が
停止されてブレーキがかかるネガテイブ方式のブレーキ
機構であり、前記サービスブレーキ部SBXのピストン
24と、該ピストン24の背面に当接して押圧する押圧
体36と、該押圧体36をピストン24に当接する方向
へ付勢する付勢手段37と、前記押圧体36のピストン
24側前面とハウジング21との間に形成された第二流
体圧室38に流体を供給する第二流体供給源39とから
なる。
【0033】前記押圧体36は、略円板状に形成され、
そのピストン24側には前記当接皿28と当接する円筒
状の凸部41が形成され、前記第二摺動孔25cに摺動
自在に内嵌されている。
【0034】前記付勢手段37は、前記付勢室25d内
で押圧体36の背面とハウジング21の背面カバー21
cとの間に介装された数十個のコイル圧縮ばね47であ
り、これらは押圧体36の面に対し均一に付勢するよう
一定間隔で配置されている。
【0035】前記第二流体圧室38は、図1の如く、前
記付勢室25dの前壁および側壁と、前記押圧体36の
前面とで囲まれた空間で、付勢室25dの孔壁に穿設さ
れた流路25fを介してハウジング21の外周面のポー
ト38aに連通され、前記第二流体供給源39に接続さ
れている。
【0036】前記第二流体圧供給源39は、既存の油圧
シリンダが使用され、ブレーキの非作動時に、前記押圧
体36のピストン24側前面とハウジング21との間に
形成された第二流体圧室38に流体を供給し、これによ
り前記付勢手段37に抗して押圧体36とピストン24
とを離間させる。一方、ブレーキ時には、パーキングノ
PNまたはエマージエンシボタンENにてスイツチン
グすると、第二流体圧室38への流体の供給を停止する
よう制御される。
【0037】また、本実施例では、前記圧縮ばね47の
主に中央部を位置決めするための位置決め板48を、前
記ハウジング21の背面カバー21cに内嵌固定してい
る。該位置決め板48は、円板に圧縮ばね47のコイル
径に合わせて貫通孔49が形成されたもので、スナツプ
リング50にて背面カバー21cに固定される。
【0038】該位置決め板48を設ける理由は次の通り
である。上述の如く、本例では、圧縮ばね47は数十個
設けるため、弾性力が大となり、その締付法、制動時の
ばね挙動の相異により、制動力が大きく変化する。この
場合、圧縮ばね47の具体的な取付の不具合としては、
次のものが挙げられる。
【0039】1)圧縮ばね47が倒れたまま締め付けら
れ、その付勢力が全体で不足することがある。この場
合、圧縮ばね47が倒れたまま組付けられても外から分
からないという構造上の問題があり、ベンチテスト等で
しかチエツクできない。
【0040】2)回転軸26の回転力がピストン24を
介して押圧体36まで伝わり、圧縮ばね47が曲げら
れ、付勢力が不足することがある。すなわち、断続して
ブレーキをかけると、回転デイスク22の回転方向にピ
ストン24がバツクラツシユの分だけされる。これが
連続することによつて押圧体36が回転し始める。この
結果、圧縮ばね47は、一端がハウジング21に固定さ
れたまま他端が押圧体36によつてされるので、圧縮
ばね47が曲がり、正規の付勢力が低くなり、制動力が
不足となる。そこで、本実施例では、前記位置決め板4
8を設け、圧縮ばね47の倒れを防止するのである。
【0041】さらに、本実施例では、前記押圧体36の
ハウジング21に対する回転を防止するための回転防止
手段42が設けられている。
【0042】該回転防止手段42は、押圧体36の表面
に回転方向に直交して穿設された嵌合孔44と、該嵌合
孔44に第二流体圧室38を介して対向するようハウジ
ング21に形成された対向孔45と、該嵌合孔44およ
び対向孔45に嵌入されて押圧体36の回転を規制する
規制ピン43とからなる。これにより、断続ブレーキ時
等の押圧体36の回転が阻止され、前記圧縮ばね47の
ねじれを防止できる。なお、図中、21aはブレーキデ
イスク22,23の潤滑および冷却用のオイル供給ポー
ト、52はシール、53はハブ、54,55はギヤを示
している。
【0043】次に、本実施例のブレーキ装置の作動原理
を説明する。車両の非制動時は、第二流体供給源31に
て第二流体圧室38に圧油が供給されている。このた
め、押圧体36は、付勢手段37の圧縮ばね47の力に
抗し、第二流体圧室38の押圧体36に直面した面積分
の力でX2方向へ寄せられている。また、ピストン24
はウエーブばね27によつてX2方向へ寄せられてい
る。このため、回転デイスク22およびブレーキデイス
ク23は互いに離間状態となり、ブレーキは非制動状態
となつている。
【0044】ここで、走行中、作業者がフツトペダルF
を踏み込むと、第一流体圧シリンダからの圧油は第一
流体圧室30へ送られてくる。この結果、ピストン24
は、第一流体圧室30に供給された圧油により、ピスト
ン24の面積分の力で制動方向X1へ移動される。な
お、このとき、押圧体36はピストン24から離間して
制止したままである。そして、ピストン24はウエーブ
ばね27に抗して制動方向X1へ移動し、ブレーキデイ
スク23を押圧する。そうすると、ブレーキデイスク2
3は回転デイスク22に圧着する。その結果、ハブ5
3、回転軸26、ギヤ54,55およびアウトプツトシ
ヤフトL1は回転状態から制動状態に切り換わり、車両
は停止する。
【0045】そして、再び作業者がフツトペダルFP
ら足を離すと、第一流体供給源31による第一流体圧室
30への圧油はカツトされドレーンされる。その結果、
ピストン24はウエーブばね27にてX2方向へ押しや
られ、回転デイスク22およびブレーキデイスク23は
互いに解放される。このため、ハブ53、回転軸26、
ギヤ54,55およびアウトプツトシヤフトL1は制動
状態から回転状態に切換わる。
【0046】次に、パーキングブレーキを使用した場合
を説明する。作業者がパーキングブレーキのパーキング
ノブPNを操作すると、第二流体供給源39による第二
流体圧室38への圧油がカツトされてドレーンされる。
この結果、押圧体36は付勢手段37の圧縮ばね47の
力によつて制動方向X1へ移動し、ピストン24と接す
ることになリ、ピストン24もウエーブばね27に抗
し、制動方向X1へ移動する。これによつて、回転デイ
スク22およびブレーキデイスク23が圧着し、ハブ5
3、回転軸26、ギヤ54,55およびアウトプツトシ
ヤフトL1は回転できなくなり、ブレーキがかかつた状
態となる。
【0047】この際、断続的にブレーキをかけると、回
転軸26の回転力がデイスク22,23やピストン24
を介して押圧体36に伝わることがあるが、規制ピン4
3等からなる回転防止手段42を設けているので、押圧
体36の回転を防止できる。さらに、位置決め板48を
設けたこととあわせて、圧縮ばね47の倒れを防止で
き、付勢手段37の付勢力を安定化させ得る。
【0048】次に、パーキングブレーキを解除し走行す
る場合は、ノブ操作で第二流体供給源39からの圧油を
第二流体圧室38へ供給する。すると、押圧体36に面
した第二流体圧室38の面積分の流体圧力で、押圧体3
6の圧縮ばね47に抗して押圧体36はX2方向へ移動
し、ピストン24は押圧体36の移動に伴つてウエーブ
ばね27によつてX2方向に移動する。そうすると、ブ
レーキデイスク23および回転デイスク22は互いに解
放され、走行状態となる。上記動作は、エマージエンシ
ブレーキについても同様である。
【0049】以上により、本実施例の特長をあげると下
記のとおりとなる。 (a)パーキングブレーキまたはエマージエンシブレー
キは、油圧のオンオフによるネガテイブ式なので、ノ
ブ、ボタンなどのワンタツチパーキングブレーキとする
ことができる。これにより、長期稼動車で、クラツチが
摩耗して来ても、自動的にピストンが追い込んで行くタ
イプなので、圧力を一定に保ち得、ブレーキ調整の必要
がない。
【0050】(b)サービスブレーキ部SBXおよび補
助ブレーキ部PBXが複合化されている上、カウンタシ
ヤフト軸26の端部に隣接配置されているため、アウト
プツトシヤフトに串刺し状に取り付けられていた従来に
比べて、背面カバー21を外すことでブレーキ装置の
脱着、メインテナンスが容易となる。
【0051】(c)サービスブレーキ、パーキングブレ
ーキおよびエマージエンシブレーキの各ブレーキの機械
構造を集約しているので、部品点数を軽減でき、コスト
の軽減を図り得る。
【0052】(d)圧縮ばね47の位置決め板48を設
けているので、取り付け時に、圧縮ばね47を直接見る
ことができくても、圧縮ばね47が倒れたり曲がつた
りするのを防止できる。
【0053】(e)押圧体36の回り止めとして、押圧
体36とハウジング21の間に規制ピン43を取付けて
いるので、継続ブレーキで押圧体36が回転しようとし
ても、規制ピン43にてその回転を阻止し得る。したが
つて、回転軸26の回転力が圧縮ばね47に伝わるのを
防止でき、圧縮ばね47が曲がるのを防止して付勢力を
安定化でき、一定の制動力の確保ができる。
【0054】なお、本考案は、上記実施例に限定される
ものではなく、本考案の範囲内で上記実施例に多くの修
正および変更を加え得ることは勿論である。
【0055】
【考案の効果】以上の説明から明らかな通り、本考案に
よると、サービスブレーキ、パーキングブレーキおよび
エマージエンシブレーキのすべてを一個の流体圧機構に
統合しているので、従来のように複雑な機械的リンク機
構を設ける必要がなく、簡単な構成でブレーキ動作を行
い得る。したがつて、部品点数の軽減を図り得る。
【0056】また、パーキングブレーキおよびエマージ
エンシブレーキをネガテイブ方式としているので、ブレ
ーキ時のブレーキデイスクと回転デイスクとの圧着力は
付勢手段の付勢力で規定でき、緊急時等の車両の制動力
を常に安定化させ得る。
【0057】特に、サービスブレーキ部および補助ブレ
ーキ部をカウンタシヤフト軸の端部に隣接配置している
ので、アウトプツトシヤフトに串刺し状に取り付けられ
ていた従来に比べて、ハウジングの背面カバーを外すこ
とでブレーキ装置の脱着、メインテナンス等を容易に行
い得、サービス性が向上する。
【0058】また、押圧体をピストンに当接させるため
の圧縮ばねをハウジングの付勢室内でハウジングと押圧
体との間に複数個介装しているので、弾性力が大とな
り、緊 急時に確実に制動力を得ることができる。しか
も、付勢室内に圧縮ばねの倒れおよび曲がりを防止する
ための位置決め板が設けられているので、取り付け時や
ブレーキ中において圧縮ばねの倒れや曲がりを防止で
き、その付勢力を安定化させ得、制動力を確保し得る。
【0059】さらに、圧縮ばねは、その大きさに合わせ
て位置決め板に形成された複数の貫通孔を貫通して取り
付けられているので、圧縮ばねの位置決めが容易とな
り、取り付け作業が簡単となる。そのため、安定した制
動力を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本考案の一実施例を示す湿式多板式ブレ
ーキ装置の断面図である。
【図2】図2は同じくそのブレーキ力の伝達を示すブロ
ツク図である。
【図3】図3は従来の湿式多板式ブレーキ装置の一例に
おける車両中の取り付け位置を示す図である。
【図4】図4は同じくそのうちパーキングブレーキある
いはエマージエンシブレーキを示す要部断面図である。
【図5】図5は湿式多板式ブレーキ装置の車両中の取り
付け位置を示す図である。
【図6】図6は同じくその断面図である。
【符号の説明】
21 ハウジング 22 回転デイスク 23 ブレーキデイスク 24 ピストン 26 回転軸 30 第一流体圧室 31 第一流体供給源 37 付勢手段 38 第二流体圧室 39 第二流体供給源 42 回転防止手段 43 規制ピン 44 嵌合孔 47 圧縮ばね 48 位置決め板 SBX サービスブレーキ部 PBX 補助ブレーキ部 X1 制動方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 那須 秀夫 大阪市西区京町堀1丁目15番10号 東洋 運搬機株式会社内 (72)考案者 竹下 章 大阪市西区京町堀1丁目15番10号 東洋 運搬機株式会社内 (56)参考文献 実開 平1−82342(JP,U) 実開 昭59−7927(JP,U)

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジング内の回転軸に取り付けられた
    回転デイスクと、該回転デイスクに当接して回転軸の回
    転を制止させるブレーキデイスクと、作業者がフツトブ
    レーキを踏んだ際に前記両デイスクを圧着させるサービ
    スブレーキ部と、パーキング時または非常時に両デイス
    クを圧着させる補助ブレーキ部とを備え、前記サービス
    ブレーキ部は、前記ブレーキデイスクを回転軸に沿つて
    回転デイスクに当接離間させるピストンと、ブレーキ時
    に該ピストンの制動方向と逆側に配された第一流体圧室
    に流体を供給する第一流体供給源とからなり、前記補助
    ブレーキ部は、前記ピストンと、該ピストンの背面に当
    接して押圧する押圧体と、該押圧体をピストンに当接す
    る方向へ付勢する付勢手段と、ブレーキの非作動時に、
    前記押圧体のピストン側前面とハウジングとの間に形成
    された第二流体圧室に流体を供給して前記付勢手段に抗
    して押圧体とピストンとを離間させる第二流体供給源と
    からなり、前記回転デイスクはトランスミツシヨンのカ
    ウンタ軸の端部に固定され、前記サービスブレーキ部お
    よび補助ブレーキ部は、前記カウンタ軸の端部に隣接配
    置されたことを特徴とするブレーキ装置。
  2. 【請求項2】 付勢手段は、ハウジングの付勢室内で前
    記ハウジングの背面と押圧体の背面との間に介装された
    複数の圧縮ばねからなり、前記付勢室内に前記圧縮ばね
    の倒れおよび曲がりを防止するための位置決め板が設け
    られ、該位置決め板に前記圧縮ばねの大きさに合わせた
    複数の貫通孔が形成され、該貫通孔を前記圧縮ばねが貫
    通したことを特徴とする請求項1記載のブレーキ装置。
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