JP2531342Y2 - 支柱上下可動式自動車修正機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は自動車の衝突や接触事故
によって生じた車体のへこみやゆがみを元に戻す為の車
体の修正機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の自動車の衝突や接触事故によって
生じたへこみやゆがみを修正する修正機においては、架
台に固定ポールを設け固定ポールに車体のへこみやゆが
み部分を引出して修正する工具（プラー）を取付ける為
の取付穴を設けた修正機となっている。

【０００３】

【考案が解決しょうとする課題】従来の事故車の修正機
である平成３年実用新案登録願第０８５２８３号の考案
にあっては、修正機の補助車輪ブラケット、固定ブラケ
ット、移動用の取手、架台支持板などの本体補助部分は
全て溶接などで本体と一体となっていた為部材の出っ張
りで移動時に物にひっかかるなど持ち運びや運搬が困難
なものとなっていた。

【０００４】また、修正機の固定も限られた金具にしか
対応することが出来ないといった難点を有していた。

【０００５】さらに、吊上アームも引出し方向が限られ
ているため車体のへこみに対して最適な方向から引くこ
とが出来ないことがしばしばであった。

【０００６】本考案は自動車の事故によって生じた車体
のへこみやゆがみを復元する修正機において、修正機の
移動、運搬、梱包の容易なものとし、また、補助用の部
材の高さや長さの調整を可能とした。かつ、種々の条件
に合わせた部材を取付けることにより適用条件に多様性
をもたらすものを提供することを目的としいる。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本考案の自動車の事故によって生じた車体のへこみ
やゆがみを復元する修正機において、修正機本体に取付
いている補助用の部材、すなわち車輪ブラケット、固定
ブラケット、移動用ハンドル、架台支持板などの全てを
ボルト、ナット、ピンなどによって着脱自在とし、か
つ、架台の先端部にスプリングによって上下動する車輪
を取付けた。また、床に埋め込まれているレールやフッ
クに対応できる形状とした固定ブラケットを設けた。ま
た、固定ポール又はスライドポールに車体のへこみ及び
ゆがみを上方に引張るための吊上アーム及び吊上アーム
を支持する伸縮自在な支持アームを着脱自在に設けた。

【０００８】

【作用】上記のように構成された修正機は梱包や運搬の
際、各部材の取付けボルトやピンを取外し部材を分解し
て移動させ、移動場所で手作業によって組立て使用に復
すものである。補助車輪ブラケットや固定ブラケットは
取付け位置を調整するため一旦取外して、床に設置した
取付金具の構造に合わせた高さに調整した後床に固定す
る。この場合、床面に設置された修正機固定金具がレー
ルであればレール取付金具とボルトで固定し、フックで
あればチェーンで固定する。

【０００９】また、へこみを引出すための吊上アームの
角度を支持アームの長さを調整して変えることによって
引出し方向を最適とする。

【００１０】

【実施例】実施例について図面を参照して説明すると、
図１において、架台上に立設した内部空洞の角柱状の固
定ポール１と該固定ポール１の一面と架台３の上面とに
張られた工具取付板体６。工具取付板体６には複数の穴
が設けられ、該穴に引出工具を取付けて引出し作業をす
ると同時に該板体６自体が引出し荷重の支えとなってい
る。固定ポール１にはポール内を上下に移動するスライ
ドポール２を設ける。スライドポール２の高さ調整をす
る為に固定ポール１とスライドポール２には夫々軸に等
間隔で複数のピン穴９が明いていて、適切な高さで固定
ポール１とスライドポール２のピン穴９を合わせピン１
０を入れて固定する。架台３には修正機を移動する為の
車輪ブラケット５と車輪、修正機を固定する為の固定ブ
ラケット４、自動車の車体のへこみ部を上方へ引張る為
の吊上アーム２０などが備わっている。

【００１１】図２、図３及び図４に示される実施例で
は、架台３には固定ブラケット４がピン又はボルトによ
って取外し又は高さ調整可能に取付いている。固定ブラ
ケット４には鍵穴状の開口１８があり、穴にはワッシャ
ー１７を介して固定用ボルト１４が通される。固定用ボ
ルト１４はレール取付金具１５のネジ部に螺合し固定ブ
ラケット４を締め付ける。レール取付金具１５はレール
の溝に嵌まり、引出し荷重のかかる方向には抜け出ない
構造となっている。また、開口の溝部１９はチエーンが
嵌まり、床に埋め込まれたフックに固定される。これに
よって修正機は床に固定される。

【００１２】固定ブラケット４に取付く車輪ブラケット
５は取付高さが段階的に変えられるように固定ブラケッ
ト４にボルト穴が縦列に複数設けていて、床に取付く金
具の高さに合わせてボルト穴の位置を決め固定する。

【００１３】図５に示される実施例では、架台３の先端
にはスプリング１６に取付いた前部車輪７が備えられて
いて、前部車輪７は車体のへこみの引出し時にかかる荷
重によってスプリング１６が屈曲して架台３内に引込
み、荷重を架台の下端で支えるようになっている。荷重
の掛らない時は前部車輪７は架台３の下端から顔をだし
て、修正機を移動させる為の車輪となる。

【００１４】図６に示される実施例では、吊上アーム２
０の一端は固定ポール１にピン１０によって取付けら
れ、吊上アーム２０の他端にはピン穴１０が等間隔で軸
方向に配列されている。吊上アーム２０には吊上アーム
２０を支持する支持アーム２１，２２が設けられ、支持
アーム２１，２２の一端は固定ポール１のピン穴９に他
端は吊上アーム２０のピン穴９に取付く、支持アームの
長さは固定支持アーム２２とスライド支持アーム２１に
設けたピン穴の位置によって調整でけるようになってい
る。この構造から吊上アーム２０の角度を支持アームの
長さ調整をすることにより種々に変化させることができ
る。

【００１５】

【考案の効果】架台及び固定ポールからなる修正機本体
から各部材を取外すことによってコンパクトに梱包する
ことができるので、手作業によって容易に遠距離の運
搬、輸送が可能である。また、各部材の取外し取付け可
能することで、部材の交換が容易にできる。これは、修
正作業の状況に合わせた部材を取付けられるといったよ
うに修正機の多様化を図ることができる。

【００１６】架台の前部に車輪を取付けることによっ
て、作業場内での移動が容易になった。

【００１７】吊上アームの角度を種々に変えることが出
来るので、車体のへこみの引出し方向に最も効果的に合
わせた吊上アームの角度を決めて、引出し作業を行うこ
とができる。

【００１８】本考案の修正機は手動式となっているため
軽量なものとなり、かつ安価に製作する事ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の支柱上下可動式自動車修正機の斜視図
である。

【図２】本考案の支柱上下可動式自動車修正機の固定ポ
ール下部斜視図である。

【図３】本考案の支柱上下可動式自動車修正機の固定ポ
ール下部後面図である。

【図４】本考案の支柱上下可動式自動車修正機の固定部
断面図である。

【図５】本考案の支柱上下可動式自動車修正機の架台前
部断面図である。

【図６】本考案の支柱上下可動式自動車修正機の吊上ア
ーム部斜視図である。

【符号の説明】 １ 固定ポール ２ スライドポール ３ 架台 ４ 固定ブラケット ５ 車輪ブラケット ６ 工具取付板体 ７ 前部車輪 ８ 移動用ハンドル ９ ピン穴 １０ ピン １１ ブリジパイプ １２ ブリジパイプブラケット １３ 車輪 １４ 固定用ボルト １５ レール取付け金具 １６ スプリング １７ ワッシャー １８ 鍵穴状開口 １９ 溝部 ２０ 吊上アーム ２１ スライド支持アーム ２２ 固定支持アーム ２３ レール

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 架台に立設した内部空洞の角柱状の固定
   ポールの内部を上下に移動する内部空洞の角柱状のスラ
   イドポールを設け、固定ポールとスライドポールとには
   スライドポールの高さを調整するためのピンまたはボル
   トを差し込むピン穴を設け、架台を床に埋設したレール
   またはフックに固定するための固定ブラケットを架台に
   着脱自在、上下に調整可能に設け、固定ブラケットにポ
   ール移動用の補助車輪ブラケットを着脱自在、上下に調
   整可能に設け、架台の前部にスプリングによって上下動
   するポール移動用の車輪を設けて、手動によって自動車
   の車体のへこみ及びゆがみを修正することを特徴とする
   支柱上下可動式自動車修正機。
2. 【請求項２】 固定ポール又はスライドポールに車体の
   へこみ及びゆがみを上方に引張るための吊上アーム及び
   吊上アームを支持する伸縮自在な支持アームを着脱自在
   に設けたことを特徴とする請求項１に記載の支柱上下可
   動式自動車修正機。