JP2531216B2 - 制動力保持装置 - Google Patents

制動力保持装置

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JP2531216B2
JP2531216B2 JP62328138A JP32813887A JP2531216B2 JP 2531216 B2 JP2531216 B2 JP 2531216B2 JP 62328138 A JP62328138 A JP 62328138A JP 32813887 A JP32813887 A JP 32813887A JP 2531216 B2 JP2531216 B2 JP 2531216B2
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  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は制動力保持装置に関し、特に保持している制
動力の解除条件となるクラッチ位置を調整素子により調
整することにより車両の制動力の解除を円滑且つ安全に
行うための装置に関するものである。
〔従来の技術〕
登坂道路上に停止した車両を発進させる場合、従来の
車両では、ドライバーが片手でパーキングブレーキ(ハ
ンドブレーキ)を使い、車両に制動力を与えて停車状態
に保ちながらクラッチを徐々に繋いで行き同時にアクセ
ルペダルを踏み込んで行く。そして、この間、パーキン
グブレーキは徐々に緩めて行く。
しかしながら、このようなブレーキとアクセルの連係
をとりながら複雑な操作が要求されるために、円滑な発
進を行うには熟練を要し、所謂エンストや車両後退を起
こしてしまう。
そこで、本発明者は本出願人に係る特願昭62−195553
号(特開平1−41450号)において第4図に示す制動力
保持装置を提案した。
即ち、第3図において、1はアクセルペダル2の開放
時にオン(接点接続)となり踏み込みを検出した時にオ
フとなるアクセルスイッチ、3はクラッチペダル4を踏
み込んだときのストローク量を検出する可変抵抗式のク
ラッチ位置センサ、5はパーキング(ハンド)ブレーキ
6を引いて制動操作したときにオンとなるパーキングブ
レーキスイッチ、7はブレーキペダル8を踏み込んだ時
にオンとなるフットブレーキ(ストップランプ)スイッ
チ、9は変速機(T/M)10のギヤニュートラルを検出し
た時にオンとなるニュートラルスイッチ、11は変速機10
の出力軸12の回転から車両の速度を検出する車速セン
サ、SWは制動力解除クラッチ位置調整素子としての手動
調整スイッチ、14はスイッチ1、5、7、9、SW及びセ
ンサ3、11の検出信号を入力する制御手段としてのコン
トロールユニット(CPU)、15はコントロールユニット1
4からの出力信号により消勢された時に、既にブレーキ
ペダル8を踏み込んだことにより油圧ルート16a、16bを
通ってホイールブレーキ17に送られている制動油をブレ
ーキペダル8の開放時にルート16bを介して逆流させて
制動力を解除し、付勢されているときには油圧ルート16
aとともに制御油の逆流を阻止してその時の制動力を保
持する制動用電磁逆止弁である。尚、センサ3の出力信
号は通常のアナログ信号処理と同様にコントロールユニ
ット14の入口でA/D変換器により一旦A/D変換されてから
制御に用いられるようになっている。また、調整スイッ
チSWは、特願昭62−94042号(特開昭63−258247号)に
本出願人が開示したアナログ式の手動設定用可変抵抗を
用いた調整素子の欠点を解消するために用いたものであ
る。
この調整スイッチSWは第4図に示すように所謂シーソ
ータイプの自動戻りスイッチ(オートクルーズのコース
トスイッチ、リジュームスイッチ、又はサイドミラーの
調整スイッチに用いられる周知のもの)で、無調整状態
は第4図(a)に示すように切り替え接点が固定接点
及びのいずれにも接続されない状態であり、制動力を
解除するクラッチ位置は何ら調整されない。
第4図(b)の状態は、切り替え接点が固定接点に
接続された状態を示し、この状態は後述するように制動
力解除のクラッチ位置のクラッチを切る側(以下、単に
断側という)に調整するために行われる。但し、このス
イッチは自動戻り式のものであるので、図示のように左
側にスイッチを倒してから更に押す必要がある。
第4図(c)の状態は、切り替え接点が固定接点に
接続された状態を示し、この状態は今度は後述するよう
に制動力解除のクラッチ位置をクラッチを接続する側
(以下、単に接側という)に調整するために行われる。
その他は第4図(b)の場合と同様である。
このように、調整スイッチSWによって補正設定された
クラッチ位置よりクラッチが接続された時、制動力が解
除されることとなる。この調整スイッチSWによって補正
設定された値はコントロールユニット14内のRAM(第3
図参照)に記憶し、再設定されるまでその値を保持す
る。尚、RAMに記憶される値(調整位置)及びクラッチ
センサ3によって検出される実際のクラッチの位置を示
す値は数値の大きい方がクラッチ断側を示している。
第5図はコントロールユニット14内に予め格納された
プログラムのフローチャートを示す図で、このフローチ
ャートを参照しながら、第3図の制動力保持装置の動作
を説明する。尚、アクセルスイッチ1の出力信号は特に
用いなくてもよい。
まず、コントロールユニット14は、車速センサ11、ク
ラッチセンサ3、パーキングブレーキスイッチ5、及び
ニュートラルスイッチ9からの出力信号を一定時間毎に
読み込むとともにコントロールユニット14内のRAMに保
持された調整スイッチSWの調整値、即ちクラッチ調整位
置を読み込む(第5図のステップT1)。
次に、制動力保持用の電磁逆止弁(M/V)15が現在オ
ン(制動力保持状態)かオフ(制動力解除状態)かをチ
ェックする(同ステップT2)。
オンのときには、ニュートラルスイッチ9の出力から
ギヤがニュートラルか否かをチェックする(同ステップ
T3)。
ギヤがニュートラル状態にない時には、調整スイッチ
SWが押されているかどうかをチェックする(同ステップ
T4、5)。このうち、ステップT4では調整スイッチSWが
クラッチ接側調整のために押された(第4図(c)の状
態)か否かをチェックし、ステップT5では調整スイッチ
SWがクラッチ断側調整のために押された(第4図(b)
の状態)か否かをチェックする。
クラッチ接側に制動力解除クラッチ位置を調整するよ
うに調整スイッチSWを作動させた時には、そのRAMに記
憶された値に対応した調整位置を一定値βと比較する
(同ステップT6)。この一定値βは第6図に示すよう
に、予め分かっているクラッチが戻り切った位置よりも
若干断側に寄った値に設定されて接側の条件が設けられ
ている。
この比較の結果、調整位置がβよりも大きく、制動力
解除クラッチ位置が未だ断側にあるときには、現在の調
整位置から接側に寄せるための一定値xを引き、これを
新たな調整位置としてRAMに記憶する(同ステップT
7)。この一定値xは例えば“1"に設定すると、RAMに格
納された調整位置は第5図のルーチンが一定周期毎に実
行される度に“1"づつ減少して行くことになる。
調整位置がβよりも小さい時には、第6図に示す如
く、調整位置を接側に寄せる必要はない程接側に調整さ
れているので、ステップT7を実行した場合と同様にステ
ップT8に進む。
ステップT4で、調整スイッチSWが接側に押されてな
く、断側に押されている時(第4図(b)の場合)は、
これをステップT5で検出し、その調整位置がクラッチセ
ンサ3で検出された実際のクラッチ位置とどのような位
置関係にあるのかをステップT9でチェックする。即ち、
調整位置が、第6図に示す如く、αという断側の条件を
設けるための余裕値(マージン)だけ実際のクラッチ位
置を接側に寄せたとすると、この擬制したクラッチ位置
よりも調整位置の方が小さい時には、まだ断側に余裕が
あると判断して調整位置に一定値xを加えて断側に調整
位置を寄せて(同ステップT10)、ステップT8に進む
が、擬制したクラッチ位置よりも調整位置の方が大きい
時には、調整位置が第6図に示したα領域に入っている
ため、調整位置を断側に寄せることはせずステップT8に
進む。
調整スイッチSWを何ら操作しない時には、ステップT4
及びT5を通って直接ステップT8へ進むことになる。
ステップT8では、クラッチセンサ3により検出された
実際のクラッチ位置と、RAMに保持された上記の調整位
置とを比較し、クラッチセンサ3によるクラッチ位置を
示す値が調整位置の値より小さい時には、クラッチが接
続されていると擬制して逆止弁15をオフし(同ステップ
T11)、制動力を解除するとともに、クラッチ位置の値
が調整位置の値以上の時には、クラッチが切られている
と擬制し、パーキングブレーキ5が解除状態にあれば
(同ステップT12)、逆止弁15をオン状態に維持し(同
ステップT13)、制動力を保持する。但し、パーキング
ブレーキ5が制動状態にあれば、ステップT11により制
動力を解除する。このパーキングブレーキ5の状態は、
ギヤがニュートラル状態にある時(同ステップT3)にも
チェックされる。
この他、次のステップも実行される。
ブレーキペダル8が踏み込まれてフットブレーキスイ
ッチ7がオンになっているか否かをチェックする(同ス
テップT14)。ステップT15では、車速センサ11からの車
速信号(パルス信号)が所定の速度V以下を示している
か否かをチェックする。この場合の所定速度とは、車速
センサ11が速度“0"を検出できないため、“0"にできる
だけ近い速度を用いる。車速が“0"に近くなったとき、
即ち車両がほぼ停止状態になったとき、その車速が更に
所定の減速度以下になっているか否かをチェックするこ
とが好ましい(同ステップT16)。これは、雨や雪の中
を車両が走行するときに制動をかけるとタイヤがすべり
放しになってホイールロック状態を呈してしまい、この
制動状態を保持するのは危険であるからである。
これらのステップT14〜T16において、フットブレーキ
8が解除されており、車速が“0"に近くなっておらず、
減速度もまだ大きい時には、第5図のルーチンを終了す
る。それ以外の時は、ギヤがニュートラル状態にあるか
否かをチェックし(同ステップT17)、ニュートラル状
態のときはステップT12に進み、そうでない時には、ス
テップT8に進んで上述したように制動力の解除又は保持
を行う。
〔発明が解決しようとする問題点〕
このような先に提案した制動力保持装置は、調整スイ
ッチSWが何らかの障害でクラッチ接側又は断側に短絡し
た場合、制動力を発生させる電磁逆止弁15の作動(オ
ン)時は、正常に働くが、その後はクラッチを切ったま
まギヤシフトを行うと、αとβの間の調整領域において
制動力解除のクラッチ位置の更新を上記の通り開始して
しまう。
一方、この解除クラッチ位置の更新が行われているこ
とは運転者は知らないので、この後に発進のためにクラ
ッチ接続を始めた場合、早目に解除して坂路で車両が後
退したり、遅目に解除してブレーキの引きずりを起こし
たりして危険であるという問題点があった。
従って、本発明の目的は、制動力を解除するクラッチ
位置を調整できる調整スイッチが短絡故障を起こしても
安全な制動力の保持・解除を行うことができる装置を実
現することに在る。
〔問題点を解決するための手段〕
上記の問題点を解決する手段として、本発明に係る制
動力保持装置においては、クラッチ位置センサと、制動
力解除クラッチ位置調整素子と、ニュートラルスイッチ
と、該ニュートラルスイッチがオフのとき該制動力解除
クラッチ位置調整素子をオンからオフに作動させる毎に
該制動力解除クラッチ位置を一定範囲内で調整し該制動
力解除クラッチ調整位置よりも該クラッチ位置センサに
よって検出された現クラッチ位置が接続側にあるときに
制動力保持用逆止弁を消勢する制御手段と、を備えてい
る。
〔作用〕
本発明の制動力保持装置においては、ニュートラルス
イッチがギヤイン状態を示している時、制御手段は、制
動力解除クラッチ位置調整素子をオン操作してからオフ
操作を行う度に制動力解除クラッチ位置を一定範囲内で
調整し、この調整された制動力解除クラッチ位置と、ク
ラッチ位置センサが示す実際のクラッチ位置とを比較
し、その調整位置よりも実際のクラッチ位置の方がクラ
ッチの接続側にあるとき、制動力保持用逆止弁を消勢し
て制動力を解除する。
この場合、調整位置の更新が調整素子をオン→オフさ
せることを条件とするために、調整素子が短絡しても更
新し続けることはない。
〔実施例〕
以下、本発明に係る制動力保持装置の一実施例を説明
する。
第1図は本発明に係る制動力保持装置の一実施例によ
る動作のフローチャートを示した図であり、本発明の制
動力保持装置のハードウェア構成は第3図に示した構成
と同じものである。
また、第1図の実施例においては、第5図のフローチ
ャートと同一ステップは同一符号で示し、その説明は省
略する。
この実施例では、調整スイッチSWによる調整位置の更
新を、オン状態にした回数によって行うこととしてお
り、特にこの実施例では、調整スイッチSWをオン→オフ
する毎に調整位置を更新するものである。
即ち、制動力保持中及びギヤがニュートラル状態にな
いとき(第1図のステップT40、T41)、調整スイッチSW
が接側にオンされたか否かをチェックし(同ステップT4
2)、オン状態にあるときには、フラグをセットし
(同ステップT43)、次に調整スイッチSWが断側にオン
されたか否かをチェックし(同ステップT44)て、オン
状態にあるときには、フラグをセットする(同ステッ
プT45)。これが、最初に調整スイッチSWをオンにした
とき又は最初から短絡状態にあるときである。
次に運転者が調整スイッチSWをオフにすると、フラグ
又はがセット状態にあるか否かをチェックする(同
ステップT46、T47)。このとき、セットされている時に
は、それぞれフラグ又はをリセットする(同ステッ
プT48、T49)。これにより、調整スイッチSWが接側又は
断側にオン→オフされたことが分かるので、このときに
は上述したようにそれぞれステップT50、T51、T52、T53
(これらのステップはそれぞれ第5図のステップT6、T
7、T9、T10に対応している)で接側又は断側への調整位
置の更新が行われる。但し、この場合の更新は1回のス
イッチオン→オフにつき調整量xのみ調整されることと
なる。
従って、調整スイッチSWが短絡障害を起こした時に
は、ステップT42→T45へ進むため、調整位置の更新は行
われない。また、最初に調整スイッチSWがオフになって
いる時には、フラグ及び共にセットされていないの
でステップT46、T47によりやはり調整位置の更新は行わ
れない。
このようにして、制動力保持中でありギヤニュートラ
ル状態でない(クラッチ断状態)という調整可能状態に
おいて、調整スイッチSWをオン→オフ操作する度に調整
位置の更新が行われる。
第2図は、第1図のフローチャートの後に実行される
制動用電磁逆止弁15をオン/オフさせるためのプログラ
ムのフローチャートを示すもので、図示のステップT26
〜T33は実質的には第5図に示したステップT12、T17、T
8、T14、T15、T16、T13、T11にそれぞれ対応するもので
ある。即ち、このフローチャートでは、パーキングブレ
ーキが制動状態にあるか、又はギヤがシフトされていて
実際のクラッチ位置が調整位置より小さく接側にある時
のみ逆止弁15をオフにして制動力を解除し、その他の場
合には制動力を保持する。
尚、この実施例では、運転者は調整スイッチSWをオン
→オフする度毎に所定量の調整位置の更新が行われるこ
とを知っている必要がある。
尚、以上のソフトウェア制御を、特願昭62−94042号
(特開昭63−258247号)に示したのと同様にハードウェ
ア回路で構成することは当業者にとって容易なことであ
ることは言うまでもない。
〔発明の効果〕
以上のように、本発明の制動力保持装置では、制動力
を解除するのに、調整素子をオン→オフ作動する度に解
除クラッチ位置の調整を可能にさせたので、調整素子の
短絡障害時にも不必要な解除クラッチ位置の調整が行わ
れず、発進時に後退したり、ブレーキの引きずりを起こ
したりする危険を無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る制動力保持装置の一実施例を示
すフローチャート図、 第2図は、第1図のフローチャートに接続されて制動力
の保持・解除を行うための既知のフローチャート図、 第3図は、本発明及び従来例に係る制動力保持装置の一
実施例のハードウェア構成図、 第4図は、第3図に示した調整スイッチの動作を説明す
るための図、 第5図は、本発明者が先に提案した制動力保持装置のコ
ントロールユニットに格納されたプログラムのフローチ
ャート図、 第6図は、制動力解除クラッチ位置の調整を説明するた
めの図、である。 第3図において、3はクラッチ位置センサ、9はニュー
トラルスイッチ、14はコントロールユニット、15は制動
用電磁逆止弁、SWは制動力解除クラッチ位置調整素子と
しての調整スイッチ、をそれぞれ示す。 尚、図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クラッチ位置センサと、制動力解除クラッ
    チ位置調整素子と、ニュートラルスイッチと、該ニュー
    トラルスイッチがオフのとき該制動力解除クラッチ位置
    調整素子をオンからオフに作動させる毎に該制動力解除
    クラッチ位置を一定範囲内で調整し該制動力解除クラッ
    チ調整位置よりも該クラッチ位置センサによって検出さ
    れた現クラッチ位置が接続側にあるときに制動力保持用
    逆止弁を消勢する制御手段と、を備えたことを特徴とす
    る制動力保持装置。
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