JP2530720B2 - セメント混和材及びセメント組成物 - Google Patents

セメント混和材及びセメント組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明はセメント混和材に関し、詳しくは、高強度や
高耐久性を与えるセメント混和材であり、一般土木建築
構造物やコンクリート製品など、常温又は常圧蒸気養生
条件下で製造されるモルタル又はコンクリートに使用す
るセメント混和材に関する。
<従来の技術とその課題> 近年、良質のセメント原料の涸渇、焼成方法の乾式
化、焼成燃料の微粉炭化等によりセメント中のR2Oが増
える一方、骨材の涸渇と品質の低下に基づく、アルカリ
骨材反応によるひびわれが課題となっている。
また、海洋開発の進展に伴い、耐塩性や耐硫酸塩性の
モルタル又はコンクリートの開発が重要視され始めてい
るが、これらを解決する手段として化学的方法、物理的
方法及びそれらの併用で対処する方法が提案されてい
る。
化学的方法とは高炉スラグを利用する方法で、高炉ス
ラグがアルカリ骨材反応を抑制し、浸透してくる塩素イ
オンや硫酸イオンをエトリンガイトやフリーデル塩の形
で固定し、それ以上の浸透を防止することは良く知られ
ていることであり、セメントと高炉スラグの合計100重
量部に対し、高炉スラグを40重量部以上配合することが
推奨されている。
また、物理的方法とは、高強度化や密実化することに
よりR2Oの動きを封じ、塩素イオンや硫酸イオンの浸透
を遅くする方法でシリカヒュームや微粉末フライアッシ
ュ及び石膏類等を使用する方法が提案されている。例え
ば、シリカヒューム等の超微粉と高性能減水剤を使用す
ること(特開昭61−21950号公報)やII型無水石膏とシ
リカ質物質を使用すること(特開昭53−2529号公報)な
どが提案されている。
また、両者を併用する方法として、高炉スラグを微粉
砕して15μ以下のものを多量に使用することにより高強
度化を高耐久性を両立させる方法が提案されている(特
開昭61−281057号公報)。
しかしながら、高炉スラグを多量に使用する方法は、
高炉スラグが還元雰囲気で生成されることから酸素が不
足していると考えられ、CO2ガスによる炭酸化だけでな
く、酸化も受けることが推測され、例えば、1,000kgf/c
m2程度の高強度コンクリートでも外側から内部にかけて
白色化してくることが提案され、鉄筋の発錆等が懸念さ
れるなどの課題があった。
さらに、セッコウ類を主体とした高強度化の場合は、
セメント中のカルシウムアルミネートが安定なエトリン
ガイト(3CaO・Al2O3・3CaSO4・32H2O)として固定され
るので、特に塩素イオンの浸透に対してはフリーデル塩
(3CaO・Al2O3・CaCl2・10H2O)として化学吸着する能
力を失うので、顕著な耐塩性の改善が期待できないなど
の課題があった。
シリカヒューム等のシリカ物質では、特にアルカリ骨
材反応の抑制に関し、シリカ物質自身がR2Oと反応し膨
張するということもあり、配合量によってはむしろ膨張
を増大するという課題が示されている。
本発明者らは、種々検討を重ねた結果、特定の組成を
用いることにより、前述のような従来の課題が解決し、
高強度や高耐久性のセメント混和材が得られる知見を得
て、本発明を完成するに至った。
<課題を解決するための手段> 即ち、本発明は、(1)水酸化アルミと、セッコウ類
及びポゾラン物を主成分とするセメント混和材、(2)
セメントと(1)記載のセメント混和材とを主成分とす
るセメント組成物である。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明で使用する水酸化アルミとしては、非晶質、結
晶質いずれの水酸化アルミも使用可能である。
非晶質の水酸化アルミは、アルミ加工の際スラッジと
して副生するものや、アルミナゲルなどを製造する時の
中間体などがあり、多量の水分を含んだウェットケーキ
やゾル状の場合が多い。これらは、乾燥して使用するよ
りも、適量の水を加減し、スラリー状で、又は、スラリ
ー状のものを湿式粉砕して使用するのが好ましい。
結晶質の水酸化アルミは、工業用等で、一般に市販さ
れているものが好ましい。
水酸化アルミの粒度は、一見さらさらして細かいよう
にみえるが、ブレーン比表面積を測定すると1,000cm2/g
前後よりなく、このままでは少なくとも常圧蒸気養生条
件の温度以下では反応しにくい。各種耐久性を改善する
面から、2,500cm2/g以上が好ましい。
本発明で使用するセッコウ類とは二水、半水、II型無
水及びIII型無水セッコウを示し、天然産のものや、リ
ン酸、排脱及び弗酸セッコウ等の化学セッコウ又はそれ
らを熱処理して得られたものが使用可能であり、通常含
まれる不純物の種類や量には影響されないものである。
そして、密実化や高強度化の面から、II型無水セッコウ
が、特に、常温又は常圧蒸気養生条件下では、最も優れ
ており、通常、未反応物を残さないため、ブレーン比表
面積で3,000cm2/g以上に粉砕したものの使用が好まし
い。
さらに、II型無水セッコウは、弗酸発生工程から多量
に副生するので、そのまま、又は、CaCO3、Ca(OH)
及びCaOなどfree−H2SO4分を中和したものを使用するこ
とが最も便利である。
本発明で使用するポゾラン物とは、シリカヒューム、
ケイソウ土、アエロジル、ワラ灰等硅化木の焼成灰、高
炉スラグ及びフライアッシュ等、ポゾラン反応を容易に
生じ易いものである。
これらは市販品をそのままの状態で使用できるが、高
炉スラグやフライアッシュは細かいほど好ましく、ブレ
ーン比表面積で4,000cm2/g以上、特に、6,000〜10,000c
m2/g程度の微粉末がより好ましい。
前述の各成分を使用し本発明のセメント混和材を配合
するにあたり、水酸化アルミとセッコウ類の系において
は、セメント100重量部に対し、水酸化アルミは0.5〜15
重量部、セッコウ類はCaSO4換算で1〜25重量部の範囲
が好ましい。
セッコウ類は水酸化アルミの反応性を高め、耐塩性を
改善する。一方、水酸化アルミは適量であればセッコウ
類の高強度化を促進するという相互作用を示す。
水酸化アルミの使用比率が大きくなると耐塩性が向上
し、セッコウ類の使用比率が高くなるとセッコウ類単独
使用より高強度が得られる。
水酸化アルミとセッコウ類が、各々0.5と1重量部未
満では使用効果が小さく、各々が15重量部と25重量部を
超えた場合は、耐塩性の改善効果の伸びが小さくなるな
ど、経済的に好ましくない。好ましい範囲は、セメント
100重量部に対し、水酸化アルミは1〜10重量部、セッ
コウ類は2〜20重量部である。
なお、セッコウ類の中で半水セッコウやIII型無水セ
ッコウは使用量によって偽凝結が生ずる場合がある。そ
の場合、セメント100重量部に対し、多くても0.3重量部
の範囲で、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸及
びヘプトン酸又はそれらの塩類等の有機酸を配合するこ
とにより偽凝結を押さえることができ、耐塩性や強度等
に支障を与えない。
また、水酸化アルミとポゾラン物の系においては、水
酸化アルミは、耐塩性の向上の他に、シリカヒュームそ
の他のポゾラン物が、セメント100重量部に対し、5重
量部前後の低使用量の場合に生じ易いアルカリ骨材反応
を抑制し、高炉スラグと一緒に配合される場合は、高炉
スラグ単独使用における耐塩性やアルカリ骨材反応抑制
効果と同程度の効果を引き出すのに高炉スラグの使用量
を下げることができ、前述の酸化等の課題が低減され
る。
水酸化アルミとポゾラン物の使用割合はセメント100
重量部に対し、各々0.5〜15重量部と1〜20重量部が好
ましく、各々0.5重量部と1重量部未満では使用効果は
小さく、各々15重量部と20重量部を超えて使用した場合
は、耐塩性などの効果に対する伸びが小さく、経済性に
乏しいので好ましくない。
好ましい範囲は、セメント100重量部に対し、水酸化
アルミは1〜10重量部、ポゾラン物は2〜15重量部であ
る。
さらに、水酸化アルミ、セッコウ類及びポゾラン物を
配合したセメント混和材の系では、より高強度やより高
耐久性が達成できる。
各成分の使用割合は、セメント100重量部に対し、水
酸化アルミは0.5〜15重量部、セッコウ類はCaSO4換算で
1〜25重量部及びポゾラン物は1〜20重量部となるよう
に使用するのが好ましく、それぞれ下限の数値未満では
使用効果が小さく、上限を超える量では強度や各種耐久
性の改善効果に対する伸びが小さく、経済的に好ましく
ない。好ましい範囲は、水酸化アルミは1〜12重量部、
セッコウ類は2〜20重量部、ポゾラン物は2〜15重量部
である。
本発明のセメント混和材の製造方法は、各々の成分を
適正なブレーン比表面積に調整したもの、あるいは、シ
リカヒューム、ケイソウ土、アエロジル及び硅化木の焼
却灰など、充分に市販品のままで細かく、活性の高いも
のはそのまま混合するか、混合しておいて粉砕しても良
い。
また、モルタル又はコンクリートへのセメント混和材
の添加方法も、混練時各成分を別々に同時に添加しても
良いし、セメントに予め混合しておいても、混合物とし
てから添加しても良く、さらに、各成分を混練水に分散
してスラリー状態で添加しても良い。非晶質の水酸化ア
ルミを使用する場合は、各々の成分を混合して、スラリ
ー状にしたものを、セメント混和材とすることが性能面
や経済性から好ましい。
本発明のセメント混和材を使用してモルタル又はコン
クリートを製造するにあたり、各種減水剤や膨張材など
の混和剤又は混和材が併用でき、特に、高性能減水剤は
高強度を得るためその併用は好ましい。
高性能減水剤とは、多量に添加しても凝結の過遅延や
過度の空気連行を伴わない、分散能力の大きな界面活性
剤であって、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮
合物の塩、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物
の塩、高分子量リグニンスルホン酸塩及びポリカルボン
酸塩などを主成分とするものなどである。
具体的には、例えば、花王(株)製商品名「マイティ
150」、電気化学工業(株)製商品名「FT−500」、ポゾ
リス物産(株)製商品名「NL−4000」等が挙げられる。
高性能減水剤の使用量は、特に限定されるものではな
いが、固形分換算でセメント100重量部に対し、0.2〜2
重量部程度が好ましい。
また、膨張材の併用は、耐久性が大きく、高曲げ強度
のコンクリート部材の製造の面から好ましい。
膨張材は、現在、CaO系とCaO−Al2O3−SO3系が市販さ
れており、前者は、例えば、小野田セメント(株)製商
品名「小野田エクスパン」、後者は、例えば、電気化学
工業(株)製商品名「デンカCSA#20」などがあるが、
これらに限られるものではない。
なお、本発明で使用されるセメントとしては、普通・
早強・超早強・中庸熱・白色等の各ポルトランドセメン
ト、シリカやフライアッシュを混合した混合ポルトラン
ドセメントが使用可能である。
<実施例> 以下、実施例にて本発明を説明する。
参考例1 表−1のコンクリート配合を用いて、アルミ加工工場
からでる非晶質の水酸化アルミスラッジと工業用で市販
されている結晶質の水酸化アルミの粉末度をかえ、セッ
コウ類と併用して、常圧蒸気養生し、コンクリートの圧
縮強度及び塩素イオンの浸透性試験を行なった。
常圧蒸気養生は、5時間前養生したφ10×20cmの供試
体を、15℃/hで65℃まで昇温し、4時間保持した後自然
放冷とした。
圧縮強度は翌日脱型後の1日強度とし、塩素イオンの
浸透性は、脱型後直ちに3%NaCl水溶液に浸漬して、材
令6ケ月後の浸漬した塩素イオン量を測定した。塩素イ
オン量の測定は、コンクリート中央部をφ10×1cmに切
り出し、200℃で乾燥後、全量微粉砕して蛍光X線分析
で定量した。
その結果を表−2に示す。
なお、セメント混和材は、セメント100重量部に対す
る重量部で、砂と容積で置きかえた。また、セッコウ類
はCaSO4換算で添加し、セッコウ類−ハと−ニのセッコ
ウ類を添加する場合は、試薬のクエン酸をセメント100
重量部に対し、0.05重量部併用した。
また、非晶質の水酸化アルミは、同重量の水を加え、
磁製ポットミルで湿式粉砕したスラリーを用い、水酸化
アルミとして、7.25重量%とした。
<使用材料> セメント:普通ポルトランドセメント、電気化学工業
(株)製 砂:新潟県姫川産川砂 砕石:新潟県姫川産砕石 減水剤:高性能減水剤、電気化学工業(株)製商品名
「デンカFT−500」主成分ナフタレンスルホン酸ホルム
アルデヒド縮合物 水酸化アルミ−A:非晶質の水酸化アルミ、YKK社製アル
ミスラッジ、結晶水5%、固形分9.5%、自由水85.5%
のウェットケーキ状 水酸化アルミ−B:結晶質の水酸化アルミ、粉砕品、ブレ
ーン比表面積2,000cm2/g 水酸化アルミ−C:結晶質の水酸化アルミ、粉砕品、ブレ
ーン比表面積2,500cm2/g −D:結晶質の水酸化アルミ、粉砕品、ブレーン比表面積
3,000cm2/g 水酸化アルミ−E:結晶質の水酸化アルミ、粉砕品、ブレ
ーン比表面積4,000cm2/g 水酸化アルミ−F:結晶質の水酸化アルミ、粉砕品、ブレ
ーン比表面積6,000cm2/g 水酸化アルミ−G:結晶質の水酸化アルミ、粉砕品、ブレ
ーン比表面積11,000cm2/g セッコウ類−イ:II型無水セッコウ(弗酸セッコウ)ブ
レーン比表面積6,000cm2/g −ロ:二水セッコウ(排脱セッコウ)ブレーン比表面積
6,500cm2/g −ハ:半水セッコウ、排脱品を150℃で処理、ブレーン
比表面積10,000以上 −ニ:III型無水セッコウ、排脱品を200℃で熱処理、ブ
レーン比表面積10,000以上 水酸化アルミはセッコウ類と併用するとブレーン比表
面積2,500cm2/g以上で、細かいほど、さらには、添加量
が多いほど、耐塩性の向上が顕著に示され、適当な添加
量ではセッコウ類単独添加の場合の圧縮強度より高い値
が示される。水酸化アルミは0.5重量部から、圧縮強度
及び耐塩性の効果が認められるが、15重量部を超えて添
加しても耐塩性の伸びは期待できず、圧縮強度はむしろ
大きく低下することが予想される。
セッコウ類と水酸化アルミとを併用すると、水酸化ア
ルミが5重量部程度の場合、1重量部以上から圧縮強度
及び耐塩性が、向上するようになるが、25重量部を超え
て添加しても、圧縮強度及び耐塩性は若干低下気味とな
り、水酸化アルミを15重量部と多くしても、耐塩性は改
善されるが圧縮強度の低下が大きい。
参考例2 実験No.1−1〜1−7の材令1日の供試体中央部をφ
10×2cmに切断し、ブラウンクラッシャーのクリアラン
スを調節し、最大粒径が0.25mm前後となるように粉砕
し、その全量を3%NaSO4水溶液11中に入れ、20℃で3
日間養生したものを濾過、水洗を行ない、200℃で乾燥
し、それを微粉砕して、蛍光X線分析によって化学吸着
した硫酸イオンを定量した。
なお、吸着した硫酸イオンの量は、実験No.1−1の浸
漬前のものをブランクとして差し引いた。その結果を表
−3に示す。
水酸化アルミのブレーン比表面積が2,500cm2/g以上で
細かいほど、硫酸イオンの吸着量が多くなることが示さ
れ、浸透してくる硫酸イオンを喰い止める作用の大きい
ことが示される。
参考例3 実験No.1−1〜1−7の供試体を蒸気養生しないで28
日間標準養生した時の圧縮強度と、その後、3%NaCl水
溶液に参考例1と同様に浸漬し、浸透した塩素イオン量
を測定した。その結果を表−4に示す。
表−4から明らかなように、常温においても、ブレー
ン比表面積2,500cm2/g以上の水酸化アルミは反応し、セ
ッコウ類単独添加の場合の圧縮強度及び耐塩性を改善す
ることが示され、ブレーン比表面積が大きいほど顕著と
なる。
参考例4 参考例1で使用した水酸化アルミと、ポゾラン物の種
類と添加量を表−6のように変化させ、セメント800g、
表−5に示す粒度を持つ砂1,800g及び1規定のNaOH水溶
液400gを混合し、浸透した塩素イオン量、アルカリ骨材
反応による膨張量及び圧縮強度を測定した。
塩素イオン量と圧縮強度用の供試体は4×4×16cm、
アルカリ骨材反応試験用の供試体は4×4×16cmの供試
体の両端に膨張測定用のゲージプラグを埋め込んだもの
を使用した。
養生方法は20±3℃、RH80%以上の室内でモルタルを
成形し、約6時間でキャッピングしてから、15℃/hで65
℃まで昇温し、そのまま4時間保持した後、自然放冷し
て翌日脱型した。
塩素イオン量は、脱型後、直ちに3%NaCl水溶液に浸
漬し、3ケ月後、供試体中央部を4×4×2cmに切り出
し、参考例1と同様の方法で定量した。
アルカリ骨材反応試験は、脱型した供試体を20±3℃
の水中で、さらに24時間養生してから基長し、その後、
40±2℃、RH95%以上で、6ケ月養生してから膨張量を
測定した。,また、圧縮強度は材令1日で測定した。結
果を表−6に示す。
なお、セメント混和材の各成分は、砂の部分と重量で
置きかえ、セメント100重量部に対する重量部とし、モ
ルタルの軟度がかわっても、実際モルタル又はコンクリ
ートを配合する場合は、減水剤で調整できるので、この
場合は無視した。
<使用材料> 砂:表−5に示す粒度を持った天然砂90重量部と硫黄島
産オパール質硅石10重量部の混合物 ポゾラン物−a:シリカヒューム、日本重化学工業(株)
製 ポゾラン物−b:アエロジル、日本アエロジル(株)製商
品名「アエロジル50」 ポゾラン物−c:ケイソウ土、昭和化学(株)製商品名
「SPF」粉砕品、63μ以下 ポゾラン物−d:ワラ灰、稲ワラの焼却灰 ポゾラン物−e:高炉スラグ、川鉄リバメント社製ブレー
ン比表面積6,500cm2/g ポゾラン物−f:フライアッシュ、常盤火力産業社製、ブ
レーン比表面積6,500cm2/g 上記以外は参考例1と同様。
表−6から明らかなように、水酸化アルミのブレーン
比表面積が2,500cm2/g以上で、細かくなるほど塩素イオ
ンの浸透やアルカリ骨材反応等の抑制効果や、強度発現
効果などの各効果が顕著に示される。
そして水酸化アルミは、0.5重量部以上から添加効果
が示され、ポゾラン物は水酸化アルミと併用すると1重
量部以上で効果が示される。
実施例1 表−7のように、セメント混和材の各成分の添加量を
種々組み合わせ参考例1と同様の試験を行った。結果を
表−7に併記する。
なお、セメント混和材の各成分は、セメント100重量
部に対する重量部で、砂と容積を置きかえた。また、ス
ランプが設計値に入らない時は、減水剤を加えること
で、水セメント比をかえないでスランプを合わせた。
表−7から明らかなように、水酸化アルミ、セッコウ
類及びポゾラン物の適量の併用で、高強度で高耐久性の
コンクリートが容易に得られる。
実施例2 実験No.1−1、1−7及び5−5のコンクリートを用
い、外径300mm、厚さ60mmで、長さ4mの曲げモーメント
用と、1mの圧縮用のPC抗を、常法により成形し、参考例
1と同様の蒸気養生条件で養生して作成した。その後、
気乾養生材令7日で曲げ試験及び圧縮試験を行なった。
結果を表−8に示す。
なお、PC抗の配筋は、ストレート筋は、高周波熱練
(株)製PC鋼棒φ13mm×4本とφ11mm×4本、スパイラ
ル筋は、φ3mmの鉄線を10cm間隔で入れ、PC鋼棒の初期
緊張応力は10,150kgf/cm2となるようにした。
実施例3 実施例2で使用したコンクリートに、さらに市販の膨
張材小野田セメント(株)製商品名「小野田エクスパ
ン」をセメントに対し、13重量部使用して、参考例1と
同様の蒸気養生条件を用い、常法による遠心力成形を行
なってヒューム管を作成し、気乾養生材令7日で外圧強
度試験を行なった。結果を表−9に示す。
なお、ヒューム管は内径100mm、厚さ82mm、長さ2,430
mmで、配筋は、ストレート筋の鉄筋比0.26%、スパイラ
ル筋はダブルで1.49%のA型管である。
実施例4 実施例2のコンクリートを使用して、常法により遠心
力成形し、参考例1と同様の蒸気養生条件でポールを作
成し、その後気乾養生7日で曲げ試験を行なった。結果
を表−10に示す。
なお、ポールはひびわれ設計荷重が350kgf、破壊設計
荷重が700kgf以上の、長さ13m、未口径190mmのA型で、
PC鋼棒φ7.4×8本、RC補強筋φ7.4×4本のストレート
筋、スパイラル筋はφ3mmの鉄線をピッチ100mm間隔で設
置した。
また、PC鋼棒の初期緊張応力度は10,150kgf/cm2で行
なった。
<発明の効果> 以上、実施例で示したように水酸化アルミと、セッコ
ウ類及びポラゾン物を併用することにより強度、耐塩性
及び耐硫酸塩性等が向上し、アルカリ骨材反応を抑制す
ることが示される。例えば、コンクリートパイル、ヒュ
ーム管及びポール等のコンクリート製品の高強度や高耐
久性を容易に得ることができ、常温養生においても耐塩
性等の効果が認められ、一般の土木建築構造物へも適用
できることが示される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−144425(JP,A) 特開 昭52−66523(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水酸化アルミと、セッコウ類及びポゾラン
    物を主成分とするセメント混和材。
  2. 【請求項2】セメントと請求項1記載のセメント混和材
    とを主成分とするセメント組成物。
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