JP2530344B2 - 還元されたアベルメクチン誘導体 - Google Patents

還元されたアベルメクチン誘導体

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JP2530344B2
JP2530344B2 JP62273590A JP27359087A JP2530344B2 JP 2530344 B2 JP2530344 B2 JP 2530344B2 JP 62273590 A JP62273590 A JP 62273590A JP 27359087 A JP27359087 A JP 27359087A JP 2530344 B2 JP2530344 B2 JP 2530344B2
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Description

【発明の詳細な説明】 用語アベルメクチン(以前C−076と表示した。)は
ストレプトミセス・アベルミチリス(Streptomyces ave
rmitilis)のアベルメクチン生産菌又はその誘導体の発
酵液から単離される一連の化合物を記載するのに使用さ
れる。培養の形態学的特徴は、米国特許第4,310,519号
に完全に記載されている。アベルメクチン化合物は一連
のマクロライドであり、その各々は13位が4′−(α−
L−オレアンドロシル)−α−L−オレアンドロース基
により置換されている。アベルメクチン化合物及び本発
明のその誘導体は極めて高度の駆虫及び抗寄生虫活性を
持つ。
又、先行技術には米国特許第4,199,569号に開示さ
れ、イベルメクチンとして知られている22,23−ジヒド
ロアベルメクチンB1a/B1bのようなある種の合成により
変換されたアベルメクチンも含まれる。
発酵液から単離されるアベルメクチン系の化合物は次
の構造式 〔Rは構造式 の4′−(α−L−オレアンドロシル)−α−L−アレ
アンドロース基であり、又破線は単結合又は二重結合を
表し、R1は水酸基であって前記破線が単結合の場合のみ
存在し、R2はイソプロピル基又は第二ブチル基であり、
又R3はメトキシ基又は水酸基である。〕を持つ。
8つの異なる主要なアベルメクチンの天然生産物化合
物があり、それらは個別の化合の構造に基づいてA1a、A
1b、A2a、A2b、B1a、B1b、B2a及びB2bと表示される。
前掲の構造式において、個別のアベルメクチン化合物
は下表に示す通りである。但しRは4′−(α−L−オ
レアンドロシル)−α−L−オレアンドロースである。
R1 R2 R3 A1a 二重結合 第二ブチル −OCH3 A1b 二重結合 イソプロピル −OCH3 A2a −OH 第二ブチル −OCH3 A2b −OH イソプロピル −OCH3 B1a 二重結合 第二ブチル −OH B1b 二重結合 イソプロピル −OH B2a −OH 第二ブチル −OH B2b −OH イソプロピル −OH アベルメクチン化合物は一般にa及びb成分の混合物
として単離される。そのような化合物はR2置換基の性質
のみが異なり、小さな構造上の差異はそのような化合物
の単離方法、化学反応性及び生物活性にほとんど影響を
与えないことが認められた。
25位にメチル基又はエチル基を持ち、13位の二糖類が
欠除するミルベマイシン化合物もこの発明の化合物の出
発物質である。それらは米国特許第3,950,360号に開示
されている。25位に1つの不飽和結合を含む分枝状のブ
チル基、ペンチル基、又はヘキシル基を持ち、13位の二
糖類を欠く抗生物質LL−F28249化合物も又、本発明の化
合物の出発物質である。それらは欧州特許願第8510684
4.5号に開示されている。
本発明の化合物は8,9二重結合及び/又は10,11二重結
合が化学的又は接触的に水素添加されてその位置に単結
合を作り、そのような単結合は任意に付加的な置換基を
含むことができるアベルメクチン化合物のある種の誘導
体に関する。従ってそのような還元されたアベルメクチ
ン化合物について記述することがこの発明の一つの目的
である。第二の目的は、そのような化合物の製造法を記
述することである。第三の目的はそのような化合物の抗
寄生虫剤及び殺虫剤としての使用法を記述することであ
る。第四の目的は以下の記述を読むことにより明らかに
なるであろう。
本発明の化合物は次の構造式 〔式中、常にA及びBの一つは単結合であるか、又はA
及びBは単結合を表し、そしてA及びBの間の9、10結
合は二重結合を表すことを条件として、A、B及びCは
単結合、二重結合又はエポキシド結合を表し、又Dは単
結合又は二重結合を表し; R1はDが単結合の場合のみ存在することを条件として
水素、水酸基又はケトンであり; R2はメチル基、エチル基、イソプロピル基又は第二ブ
チル基又は−C(CH2)=CHR10(R10はメチル基、エチ
ル基又はイソプロピル基である。)であり; R3は水酸基、ケトン、低級アルコキシ基、低級アルカ
ノイルオキシ基又は他の保護された水酸基であり; R4は水素、水酸基、ハロゲン、低級アルコキシ基、低
級アルカノイルオキシ基、=NNHCONH2、=NNHSO2−C6H4
CH3、−OCONR6R7、−NHCOAlk(Alkは低級アルキル基、 である)であり; R5は水酸基、ケトン又は−NR6R7であり; R6及びR7は独立に水素、低級アルキル基、低級アルカ
ノイル基、低級アルキルスルホニル基又は置換されたベ
ンゼンスルホニル基(置換基はハロゲンである。)であ
り; R8は水素又はハロゲンであり; R9は水素、ハロゲン、水酸基、ケトンである〕で表わ
される化合物である。
この記述において、用語「低級アルキル」は直鎖又は
分枝鎖又は環状結合の1ないし6個の炭素原子を含むア
ルキル基を含む。そのようなアルキル基の例はメチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、第二ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロペ
ンチル基、シクロヘキシル基などである。
用語「低級アルカノイル」は直鎖又は分枝鎖の2ない
し6個の炭素原子のアルカノイル基を含む。そのような
基の例はアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ペ
ンタノイル基、ヘキサノイル基などである。
用語「ハロゲン」はハロゲン原子、フッ素、塩素、臭
素及びヨウ素を含む。
本発明の好ましい化合物は、Aは単結合、Bは二重結
合又はエポキシド結合、Cは二重結合及びDは単結合又
は二重結合であり;R1は水素又は水酸基であり;R2はメチ
ル基、エチル基、イソプロピル基又は第二ブチル基であ
り;R3は水酸基であり;R4は水素、水酸基、ハロゲン、低
級アルコキシ基、低級アルカリノイルオキシ基、4′−
R5−(α−L−オレアンドロシルオキシ〕基、4″−R5
−〔(α−L−オレアンドロシル)−α−L−(オレア
ンドロシルオキシ)]基であり;R5は水酸基、アミノ
基、低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基で
あり;R8は水素、クロロ又はブロモであり;そしてR9
水素、ハロゲン、水酸基又はオキソである上の構造に実
現されている。
本発明の好ましい化合物の例は、次の 10,11−ジヒドロアベルメクチンB1a、 10,11−ジヒドロアベルメクチンB1b、 10,11,22,23−テトラヒドロアベルメクチンB1a、 10,11,22,23−テトラヒドロアベルメクチンB1b、 10,11−ジヒドロミルベマイシンα、 10,11−ジヒドロミルベマイシンα、 13−デオキシ−10,11,22,23−テトラヒドロアベルメ
クチンB1aアグリコン、 13−デオキシ−10,11,22,23−テトラヒドロアベルメ
クチンB1bアグリコン、 10,11−ジヒドロアベルメクチンB2a、 10,11−ジヒドロアベルメクチンB2b、 4″−アミノ−4″−デオキシ−10,11−ジヒドロア
ベルメクチンB1a及びB1b、 4″−メチルアミノ−4″−デオキシ−10,11−ジヒ
ドロアベルメクチンB1a及びB1b、 4″−ジメチルアミノ−4″−デオキシ−10,11−ジ
ヒドロアベルメクチンB1a及びB1b、 10,11−ジヒドロ−10−ヒドロキシアベルメクチンB1a
及びB1b、 10,11−ジヒドロ−10−フルオロアベルメクチンB1a及
びB1b、 10,11,22,23−テトラヒドロ−10−ヒドロキシアベル
メクチンB1a及びB1b、 10,11,22,23−テトラヒドロ−10−フルオロアベルメ
クチンB1a及びB1b、 4″−アミノ−4″−デオキシ−10,11−ジヒドロ−1
0−フルオロアベルメクチンB1a及びB1b、 4″−メチルアミノ−4″−デオキシ−10,11−ジヒ
ドロ−10フルオロアベルメクチンB1a及びB1b、 13−デオキシ−10−フルオロ−10,11,22,23−テトラ
ヒドロアベルメクチンB1aアグリコン、 13−デオキシ−10−フルオロ−10,11,22,23−テトラ
ヒドロアベルメクチンB1bアグリコン、 10,11−ジヒドロアベルメクチンB1a8,9−オキシド、 10,11−ジヒドロアベルメクチンB1b8,9−オキシドに
実現されている。
25位にイソプロピル基を持つ“b"化合物は相当する25
位に第二ブチル基を持つ“a"化合物と分離することがい
くらか困難であり、そのような化合物は一般に2つの化
合物の混合物として単離される。従ってこの出願におけ
るB1a、A1aなどのような“a"化合物の表示は、純粋な化
合物と同様に実際にある割合で相当する“b"化合物を含
むものも含めると解釈する。
代りにこの混合物の表示はしばしば“B1又はB2化合物
(複数)”と表すか、“a"化合物を“b"化合物からB1a/
B1b、B2a/B2bなどと斜線(/)で分離することにより成
される。
本発明の化合物は他のアベルメクチン化合物と8,9又
は10,11二重結合の一つ又は両方が還元されている点で
異なる。8,9及び/又は10,11二重結合が還元されている
効果は、共役ジエン系が破壊されていることである。共
役二重結合の除去は分子の紫外部吸収性に多大な影響を
持ち、それを紫外線並びに紫外線が主要な成分である通
常の太陽光に露光した場合、驚く可き極めて重要な分子
の安定性の増加が結果として起る。この紫外線存在下に
おける増加した安定性は、特にこの化合物を光不安定性
が各々の化合物の適切な実用に有害となっている農業用
途及び局所的動物用途に適合させる。
アベルメクチン出発物質の8,9及び10,11二重結合は接
触的に還元されるか化学的に変換される。接触還元は白
金、パラジウム、ロジウムなどのような白金属金属を触
媒として使用し実行する。一般に、金属触媒は粉末化炭
素のような基質の上に分散し支持される。この反応はそ
のような反応に通常使用される耐圧容器中で大気圧又は
10気圧(ゲージ)まで加圧された水素圧の水素ガスに包
囲させて行なう。この反応は水素添加条件下で安定で、
触媒に有害な影響を与えない溶媒中で行う。メタノー
ル、エタノール、イソプロパノールなどのような低級ア
ルカノール、酢酸エチル、シクロヘキサンなどが適当で
ある。反応は一般に室温で行なわれるが50℃のような高
い温度も適当であり、そのような条件下では反応は1な
いし24時間で完了する。水素添加装置がそのようにとり
つけられている場合には、消費された水素の量又は圧力
低下を観察しながら反応の進行を追跡する。生産物は当
業者に公知の方法を使用して単離する。
アベルメクチン出発物質は水素添加され得る3つ又は
4つの二重結合を持つので、一般に接触的水素添加によ
って複数生産物の混合物が得られる。これには3,4及び2
2,23二重結合も含まれる。14,15二重結合は立体的に妨
害されているので、有効に水素添加するためには、一般
に上述より激しい反応条件を必要とする。
種々の水素添加生産物が分別結晶化及びクロマトグラ
フのような標準の技術を使用して反応生産物の混合物か
ら単離される。最終生成物に残すのが望ましい二重結合
は、水素添加工程で不反応性にするために保護すること
ができる。水素添加が完了したら、二重結合は保護基を
除去して再生することができる。
10,11二重結合も化学的に反応することができ、工程
中で10及び11位に種々の置換基(それぞれR9及びR8)を
次の反応工程図によって導入することができ、こゝでは
フラン環及び6ないし12個の炭素原子のみを部分構造式
に示す。
上図でR8及びR9は上で定義した通りであり、Halはハ
ロゲンを表す。
部分構造(1)をハロヒドリン基(10−ヒドロキシ、
11−ハロ官能基)を作ることのできる試薬と反応させ
る。N−ハロアセタミド、N−ハロスクシミドのような
ものから、あるいはエポキシドへの塩酸の付加のような
種々の試薬及び反応条件により、ハロヒドリンを製造す
ることが可能である。臭素は好ましいハロゲンである。
N−ハロアセタミド及びN−ハロスクシミドのような反
応剤を使用する場合、反応はアセトン、エーテル、テト
ラヒドロフランなどのような不活性溶媒中で行なう。反
応は一般に−20゜ないし50℃で行ない、30分ないし24時
間で終了し、又一般に暗所で行なう。
ハロヒドリン化合物(2)はトリアルキルスズヒドリ
ドのような還元剤で処理してハロゲンを水素で置換する
ことができ、11位置換基がハロゲン又は水素である部分
構造(2)及び(3)は部分構造(3)に見られるよう
にR8の定義を構成する。10位で水酸基を当業者に知られ
た技術を使って他のR9の基(部分構造(4))に変換す
るその先の反応も可能である。
本発明の化合物の基本的な出発物質は、25位にイソプ
ロピル基又は第二ブチル基を持つ上で定義したアベルメ
クチン発酵生産物である。25位にメチル基又はエチル基
を持ち、13位に炭水化物官能基を持たない化合物はしば
しばミルベマイシン化合物と称し、アオキ(Aoki)等に
より米国特許第3,950,360号に開示されている。従って
この発明の化合物のための多くの直接の出発物質を製造
するために付加的な反応を必要とすることは明らかであ
る。特に、4″位、13位、22位及び23位において反応が
実行される。更に上述及び下記の種々の反応の過程では
種々の反応性に富む基を望ましくない反応から防ぐため
にそのような基を保護することが賢明と云える。又その
ような反応性の基を保護することは種々な生産物の分離
を容易にする。適当な位置を保護することにより、水素
添加反応及び他の反応を分子の残りの部分に影響を与え
ることなく実行することができる。記述した反応に続い
て、保護基を除き、保護されていない化合物を単離する
ことができる。使用する保護基は容易に合成され、使用
する種々な試薬に影響されず、分子の他の官能基に影響
されることなく容易に除去されるものが理想的である。
この保護された化合物は新規であり、又相当な抗寄生虫
活性を持つことに注意すべきである。それらは本発明の
範囲に含まれる。アベルメクチン及びミルベマイシン型
の分子の保護基の好ましい種類は三置換シリル基、好ま
しくはトリアルキルシリル基である。特に好ましい例は
t−ブチルジメチルシリル基である。保護された化合物
を製造する反応は、ジメチルホルムアミドのような非プ
ロトン性極性溶媒中でヒドロキシ化合物を適当に置換さ
れたシリルハライド、好ましくはシリルクロリドと反応
させることにより実行される。イミダゾールを触媒とし
て添加する。反応は0ないし25℃で1ないし24時間で完
了する。5位水酸基のためには、反応は0℃ないし室温
で1/2ないし3時間で完了する。この反応は上述の条件
下では5位に選択的であり、他の水酸基置換位置のシリ
ル化はたとえ起ってもきわめてわずかである。
次いでシリル基は他の反応が完了した後除去される。
一つ又は複数のシリル基は、シリル化合物を触媒的量の
酸、好ましくはp−トルエンスルホン酸のようなスルホ
ン酸で接触しながらメタノール中で撹拌しながら除去す
る。反応は0゜ないし50℃で約1ないし12時間で完了す
る。代りに、一つ又は複数のシリル基はテトラヒドロフ
ランのような有機溶媒中でフッ化水素−ピリジン錯体に
より除去することができる。反応は3ないし24時間で完
了し、室温で行なうのが好ましい。
前掲の反応工程図で使用される他の出発物質は、A1及
びB1化合物の22,23二重結合が単結合の還元されている
ような化合物である。アベルメクチン出発物質の解析か
ら容易にわかるように、“1"シリーズの化合物には5個
所の不飽和結合がある。従って“1"シリーズの化合物に
おいては、22,23二重結合は分子の残りの4個所の不飽
和結合又は他の如何なる官能基も影響されることなく選
択的に還元することが可能である。一連の不飽和結合か
ら妨害されることが最も少なく選択的に水素添加するよ
うな特異的な水素添加の触媒を選択することが必要であ
る。そのような選択的水素添加方法に好ましい触媒は式
[(Ph3P)3PhY](式中、Phはフェニル基、Yはハロゲ
ンである。)の化合物である。還元方法はチャバラ(Ch
abala)等の米国特許第4,199,569号に完全に記載されて
いる。
本発明の化合物の製造のために行なうことができる他
の反応はα−L−オレアンドロシル部分の一つの選択的
除去であり、ムロジク(Mrozik)等の米国特許第4,206,
205号に完全に記載されている。
単糖類又はアグリコンの双方の製造に通常摘要可能な
反応条件には、アベルメクチン化合物又は水素添加され
たアベルメクチン化合物を水性の酸性非求核性有機水混
和性溶媒、好ましくはジオキサン、テロラヒドロフラ
ン、ジメトキシエタン、ジメチルホルムアミド、ビス−
2−メトキシエチルエーテルなどに溶解することを含む
(水の濃度を0.1ないし20容量%とすることを含む)。
濃酸を水性有機溶媒に0.01ないし10容量%の範囲で添加
する。反応混合物は通常約20〜40℃、好ましくは室温で
6ないし24時間撹拌する。約0.01ないし0.1%の低い酸
濃度では上の反応条件下で優先的に単糖類が生産され
る。約1ないし10%の高い酸濃度では、上の反応条件下
で優先的にアグリコンが生産される。中間の酸濃度では
通常単糖類とアグリコンの混合物が生産される。カラム
クロマトグラフ、薄層分取用クロマトグラフ及び高圧液
体クロマトグラフ及び他の公知技術により生産物を単離
し、混合物を分離する。
上の方法で使用することのできる酸は硫酸、ハロゲン
化水素酸、リン酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメ
タンスルホン酸などのような鉱酸及び有機酸を含む。ハ
ロゲン化水素酸は塩酸又は臭化水素酸が好ましい。上の
方法で好ましい酸は硫酸である。
アベルメクチン化合物又は水素添加されたアベルメク
チン化合物の単糖類又はアグリコンを製造する他の方法
は、単糖類及びアグリコンのために異なる溶媒系を使用
する。単糖類の製造はイソプロパノール中1容量%の酸
を使用し、20〜40℃好ましくは室温で6ないし24時間行
なう。アグリコンの製造には前述の条件下でメタノール
中1容量%の酸を使用するのが適当であることが分っ
た。
この方法を22,23二重結合を含む出発物質に使用する
場合、二重結合への溶媒の酸接触付加が起る可能性があ
る。それが起った場合、クロマトグラフによる精製で副
産物を除いて更に反応を進めることができる。
上に挙げた酸はこの工程に適しており、ここでも硫酸
が適している。
又、トリアルキルシリル保護基を除くのに使用する反
応の過程で単糖類が製造されることが認められた。酸接
触が保護基を除くのに使用されるので、これは期待され
ることである。しかしながら、このような場合、所望の
生産物と単糖類の双方が製造されるので、それらを上述
の技術を使用して容易に分離することができる。
4′位又は4″位がケト又はアミノ基で置換された化
合物の製造においては、アベルメクチン出発物質は4″
位が相当するケト化合物に酸化される。そのような化合
物の製造方法はムロジクの米国特許第4427663号に記載
されている。この方法の過程では5位及び23位に水酸基
が存在する場合、それらが酸化されないように水酸基を
保護することが必要である。7位の水酸基は極めて反応
性に乏しく、保護する必要はない。保護された中間体の
製造に使用される方法は上に記載されている。酸化反応
は二塩化メチレンのような不活性溶媒中で、ジメチルス
ルホキシド中オキザリルクロリド又はトリフルオロ酢酸
無水物を酸化剤として使用して行なう。更に硫化ジメチ
ル中N−クロロスクシンイミドを使用することができ
る。反応は二塩化メチレンにオキザリルクロリド又はト
リフルオロ酢酸無水物及びジメチルスルホキシド(又は
他の酸化試薬)を溶解し、−50゜ないし−80℃に冷却
し、酸化されるべきアベルメクチン化合物の二塩化メチ
レン溶液を滴下添加することにより進行する。添加は15
分ないし1時間にわたって行ない、次いでトリエチルア
ミンを1ないし15分間にわたって添加する。4′又は
4″−ケト化合物を当業者に知られた技術を使用して単
離する。
次の工程で、4′又は4″−ケト化合物をアミノ化し
て置換されていないアミノ化合物(R6=R7=水素)を製
造する。反応はアンモニウム塩及びナトリウムシアノボ
ロヒドリドをそれぞれアミノ化剤及び還元剤として使用
し、メタノールのような不活性溶媒中で−10゜〜+25℃
で行なう。反応15分ないし24時間で完了し、生産物4″
−デオキシ−4″−アミノ化合物を当業者に知られた技
術を使用して単離する。適当なアンモニウム塩は酢酸
塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩などであり、酢酸塩が
好ましい。
前述のアミノ化反応の変法として、メチルアンモニウ
ム塩をアンモニウム塩の代りに使用してモノメチル置換
化合物を直接製造することができる。上に記述したのと
同一の試薬、塩及び反応条件をそのような反応に使用す
ることができる。
置換基がアシル基である置換反応は不活性溶媒中塩基
の存在下でアシル化試薬を使用して行なう。アベルメク
チン化合物のアシル化はムロジク等への米国特許第4201
861号に完全に記載されている。好ましいアシル化試薬
は低級アルカノイルアンヒドリド、低級アルカノイルハ
ライド、置換されたベンゼンスルホニルクロリド、低級
アルキルスルホニルクロリドなどである。反応は二塩化
メチレンのような不活性溶媒中で、反応の過程で生産さ
れる酸を中和するためピリジン又はトリエチルアミンの
ような非反応性塩基の存在下で行なう。反応温度は−10
゜ないし25℃であり、反応は5分ないし8時間で完了す
る。生産物は公知の方法で単離される。
4′−又は4″−デオキシ−4′−又は4″−ジアル
キルアミノ化合物を製造するための反応は、メタノール
中カルボニル化合物好ましくはホルムアルデヒドの過剰
とナトリウムシアノボロヒドリドのような還元剤のアル
キル化反応条件を使用して行なう。反応は過剰のホルム
アルデヒド水溶液を使用し、反応を容易にするため小量
の酢酸のような酸の存在下で有機出発物質を溶解するの
に適した溶媒中で行なう。反応は−10゜ないし25℃でメ
タノール中アベルメクチン化合物の溶液をアルキル化試
薬混合物に30ないし60分間にわたって滴下添加して行な
い、生産物を公知の方法で単離する。
還元反応の前又は後にアベルメクチン化合物の反応を
更に行なって本発明の化合物を製造することが可能であ
る。3,4;8,9;及び10,11位の二重結合はムロジクの米国
特許第4530921号に記載の方法を使用してエポキシドに
変換することができる。前記文献に記述の方法は特異的
に8,9及び14,15二重結合に向いている。しかしながら、
それらは上に同定した他の二重結合に同様に適用するこ
とができる。反応はm−クロロ過安息香酸、t−ブチル
ヒドロパーオキシドのような穏やかな酸化剤を用い、バ
ナジルアセチルアセトネートなどで接触して行なう。一
つ以上の二重結合をエポキシ化する場合、種々の生産物
は分別結晶化及びクロマトグラフ技術を使用して容易に
分離することができる。
アグリコン(R4は13位で水酸基である。)の製造に続
いて、チャバラ等の米国特許第Re32006号及び第Re32034
号は、ベンゼンスルホニルハライドのような試薬を使用
するハロゲンによる水酸基の置換とトリアルキルスズハ
ライドのような還元剤を使用する還元によるハロゲンの
除去を開示している。
更に、13位水酸基をハロゲン又は水素で置換するので
はなく、水酸基をケトン、アミノ、イミノセミカルバシ
ド及び他の13位(R4)置換基を製造するために反応させ
ることも可能であり、リン(Linn)等の米国特許第4579
864号に記述されている。
5位、13位、23位、4′位及び4″位のような種々の
水酸基はフィッシャー(Fisher)等の米国特許第420058
1号に記述の方法に従ってアルキル化することができ
る。13−(アルコキシ)メトキシアベルメクチンアグリ
コン誘導体の製造は米国特許第4,587,247号に記述され
ている。
本発明の新規な化合物は人間及び動物及び農業におけ
る駆虫剤、殺外部寄生虫剤、殺昆虫剤及び殺ダニ剤とし
て重要な殺寄生虫活性を持つ。
一般に寄生虫症として表わされる疾病群は、動物宿主
に蠕虫として知られて寄生虫が感染することによる。寄
生虫症は豚、羊、馬、牛、山羊、犬、猫及び家禽のよう
な家畜に流行し、重大な経済的問題である。蠕虫の中
で、線虫と称する虫の類は種々な動物種に対して広範囲
でしばしば重大な感染を引き起こす。上に挙げた動物に
感染する最も一般的な線虫の属はヘモンカス(Haemonch
us)、トリコストロンギルス(Trichostrongylus)、オ
ステルタギア(Ostertagia)、ネマトジラス(Nematodi
rus)、クーペリア(Cooperia)、アスカリス(Ascari
s)、ブノストマム(Bunostomum)、エソファゴストマ
ム(Oesophagostomum)、チャベルチア(Chabertia)、
トリクリス(Trichuris)、ストロンギルス(Stronghlu
s)、トリコネマ(Trichonema)、ジクチオコーラス(D
ictyocaulus)、カピラリア(Capillaria)、ヘテラキ
ス(Heterakis)、トキソカラ(Toxocara)、アスカリ
ジア(Ascaridia)、オキシウリス(Oxyuris)、アンシ
ロストマ(Ancylostoma)、アンシナリア(Uncinari
a)、トキサスカリス(Toxascaris)、及びパラスカリ
ス(Parascaris)である。これらの中ネマトジラス、ク
ーペリア及びエソファゴストマムのような属は主として
消化管をおかし、他のヘモンカス及びオステルタギアの
ような属は胃でより優勢であり、更に他のジクチオコー
ラスのような属は肺臓に見出される。更に他の寄生虫は
心臓及び血管、皮下及びリンパ組織のような体の他の組
織及び器官に存在することができる。寄生虫症として知
られる寄生虫感染は貧血、栄養不良、衰弱、体重減少、
消化管壁及び他の組織や器官の重大な損傷を引き起こ
し、もし治療をせずに放置すると感染宿主の死に至るこ
とがある。本発明の置換されたアベルメクチン化合物
は、予期しなかったことであるが、これらの寄生虫に高
い活性を持ち、更に犬のジロフィラリア(Dirofilari
a)、齧歯類のナマトスピロイデス(Namatospiroide
s)、シフアシア(Syphacia)、アスピクラリス(Aspic
uluris)、真壁蝨、ダニ、シラミ、ノミ、アオバエ羊の
ルシリア・エスピー(Lucilia sp)、咬癖昆虫及び牛の
ヒポデルマ・エスピー(Hypodelma sp)、馬のガストロ
フィルス(Gastrophilus)、及び齧歯類のクテレブラ・
エスピー(Cuterebra sp)のような移動性双翅類の幼虫
のような動物及び鳥類の節足動物外部寄生虫に対しても
活性を示す。
又この化合物は人間に感染する寄生虫に対しても有用
である。人間の消化管の寄生虫の最も一般的な属はアン
シロストマ、ネカトール(Necator)、アスカリス、ス
トロンギロイデス(Strongyloides)、トリキネラ(Tri
chinrlla)、カピラリア、トリクリス及びエンテロビウ
ス(Enterobius)である。血液又は消化管外の他の組織
及び器官に見出される他の医学的に重要な寄生虫の属
は、ウケレリア(Wuchereria)、ブルギア(Brugia)、
オンコセルカ(Onchocerca)及びロア(Loa)、ドラカ
ンクルス(Dracunculus)のような糸状虫及び消化管寄
生虫であるストロンギロイデス及びトリキネラの消化管
外ステージである。又これらの化合物は人間に寄生する
節足動物、咬癖昆虫及び他の人間を悩ませる双翅類害虫
に対しても価値がある。
これらの化合物は又、ゴキブリ(ブラテラ・エスピー
(Blatella sp))、シミ(チネオラ・エスピー(Tineo
la sp))、ヒメマルカツオブシムシ(アダゲヌス・エ
スピー(Attagenus sp))及びイエバエ(マスカ・ドメ
スチカ(Musca domestica))のような家庭害虫に対し
ても活性を示す。
又これらの化合物はトリボリウム・エスピー(Tribol
ium sp)、テネブリオ・エスピー(Tenebrio sp)のよ
うな貯蔵穀物の、及び二斑点クモダニ(two−spotted s
pider mites(テトラニクス・エスピー(Tetranychus s
p))、アブラムシ(アシルチオシフォン・エスピー(A
cyrthlo siphon sp))のような農作業の昆虫害虫に対
して、又バッタのような移動性直翅類及び植物組織上に
生活する昆虫の未成熟期に対して有用である。この化合
物は土壌線虫及び農業で重大になることのあるメロイド
ジン・エスピーピー(Meloidogyne spp)のような植物
寄生虫を抑制するための殺線虫剤として有用である。こ
の化合物はアワヨトウ(Southern army worm)及びテン
トウムシ(Mexican bean beetle)のような他の植物害
虫に対して活性を示す。
これらの化合物はカプセル、大丸薬又は錠剤、もしく
は哺乳動物の駆虫剤として使用する水薬などのような単
位投与形体として経口的に投与することができる。水薬
は通常溶液、活性成分をベントナイトのような懸濁剤及
び湿潤剤などの賦形剤と共に通常は水に添加した懸濁製
剤又は分散物である。又、水薬は通常、消泡剤を含む。
水薬の処方は通常、約0.001ないし0.5重量%の活性化合
物を含む。好ましい水薬の処方は0.01ないし0.1重量%
含むことができる。カプセル及び大丸薬は澱粉、タル
ク、ステアリン酸マグネシウム、又はリン酸二カルシウ
ムのような担体賦形剤と混合した活性成分を含む。
アベルメクチン誘導体を乾燥した、固形の単位投与形
体で投与することが望まれるときは、所望の量の活性化
合物を含むカプセル、大丸薬又は錠剤が通常使用され
る。これらの投与形体は活性成分を適当に微粉砕した澱
粉、乳糖、タルク、ステアリン酸マグネシウム、植物ゴ
ムなどのような希釈剤、充填剤、崩壊剤及び/又は結合
剤と緊密且つ均一に混合することにより製造する。その
ような単位投与処方は、治療を受ける宿主動物の種類、
感染の重篤度及び型及び宿主の体重に依存して、それら
の全重量及び抗寄生虫剤の含量について広範囲に変動さ
せることができる。
活性化合物を動物飼料を経由して投与するときは、飼
料中に充分に分散させるか又はトップドレッシング又は
ペレット形体で完成した飼料に添加するか任意に別に与
える形で使用することができる。代りに、本発明の抗寄
生虫化合物は動物に対して非経口的、例えば反芻胃内、
筋肉内、気管内又は皮下注射により投与することがで
き、この場合活性成分は液体担体賦形剤に溶解又は分散
させる。非経口投与のためには、活性物質は受容可能な
賦形剤、好ましくは落花生油、綿実油などのような種々
な植物油と適当に混合する。ソルケタール(Solketa
l)、グリセロール・ホルマール(glycerol formal)を
使用する有機製品のような他の非経口的賦形剤及び水性
非経口的処方も使用される。活性のあるアベルメクチン
の一つ又は複数の化合物を非経口投与のための処方に溶
解又は懸濁し、そのような処方は通常0.005ないし5重
量%の活性化合物を含む。
本発明の抗寄生虫剤は寄生虫症の治療及び/又は予防
にその主要な用途を見出すが、それらは他の寄生虫例え
ば真壁蝨、シラミ、ノミ、ダニ、及び他の家畜及び家禽
に対する咬癖昆虫のような節足動物寄生虫によって引き
起こされる疾患の予防及び治療にも有用である。それら
は人間を含む他の動物に起こる寄生虫疾患の治療にも有
効である。最良の結果を得るために使用する適量は、使
用する個別の化合物、治療を受ける動物の種類、及び寄
生虫感染又は蔓延の種類及び重篤度に基づく。通常我々
の新規化合物は経口投与で動物体重kg当り約0.001ない
し10mgを全量を1回投与又は1ないし5日のような比較
的短期間にわたって分割投与で好結果が得られる。本発
明の好ましい化合物により、動物に体重kg当り約0.025
ないし0.5mgを1回投与することによりそのような寄生
虫のすぐれた抑制が得られる。再感染と戦うため必要に
より再治療を行なうが、それは寄生虫の種及び用いる農
業技術に基づく。動物にこれらの物質を投与する技術は
獣医学分野で当業者に知られている。
こゝに記述した化合物を動物飼料の成分として又は飲
水に溶解又は懸濁して投与する場合、活性化合物の一つ
又は複数を不活性担体又は希釈剤に充分に分散した組成
物を作る。不活性担体は抗寄生虫剤と反応せず、動物に
安全に投与できるものを意味する。好ましくは飼料投与
の担体は動物食料の成分か又は成分となり得るものであ
る。
適当な組成物は飼料プレミックス又は補充物を含み、
これらは活性成分を比較的大量に含み、動物に直接与え
るかもしくは飼料に直接又は中間希釈後又は混合工程で
添加するのに適している。そのような組成物に適した典
型的な担体又は希釈剤は、例えば蒸留乾燥グレイン(di
stillers′ cried grain)、コーンミール、シトラスミ
ール、発酵残渣、粉砕カキ殻、ホイート・シヨーツ(wh
eat shorts)、モラセス・ソリュブルス(molasses sol
ubles)、コーン・コブ・ミール(Corn cob meal)、エ
ディブル・ビーン・ミル・フイード(edble bean mill
feed)、粗ひき大豆、粉砕石灰意志などを含む。活性化
合物は粉砕、撹拌、転倒のような方法により、担体中に
充分に分散させる。約0.005ないし2.0重量%の活性化合
物を含む組成物は飼料プレミックスとして特に適してい
る。動物に直接与える飼料補充物は約0.002ないし0.3重
量%の活性化合物を含む。
そのような補充物(supplements)は寄生虫疾患の治
療及び抑制に望ましい活性化合物の濃度の完成した飼料
にする量を動物飼料に添加する。活性化合物の望ましい
濃度は前述の要因並びに使用する個別のアベルメクチン
誘導体によって変動するが、本発明の化合物は望ましい
抗寄生虫結果を得るために通常0.00001ないし0.002%の
濃度で飼料に添加する。
又、本発明のアベルメクチン化合物は、作物に対して
それらが生長し又は保存されている間に損害を与える農
業害虫と戦わせるのにも有用である。化合物は生長又は
保存している作物をそのような農業害虫から保護するた
め、噴霧剤、粉剤及び乳剤のような公知の技術を用いて
使用する。
本発明の化合物を使用する場合、個々の置換されたア
ベルメクチン成分はその形体で製造し使用する。代り
に、2つ又はそれ以上の化合物の混合物、並びに本発明
の化合物の親のアベルメクチン化合物、他のアベルメク
チン化合物又はアベルメクチンと関係のない活性化合物
との混合物を使用することもできる。
この方法で出発物質となるアベルメクチン化合物を発
酵液から単離する場合、種々なアベルメクチン化合物が
等しくない量で製造されることが認められている。特に
“a"シリーズ化合物は相当する“b"シリーズ化合物より
高い比率で製造される。“a"シリーズ及び“b"シリーズ
の差異はアベルメクチン化合物を通じて一定であり、そ
れぞれ25位が第二ブチル基及びイソプロピル基から成
る。もちろん、この差異は本発明の反応のいずれも妨害
しない。これらの密接に関練する化合物の分離は、“b"
化合物は小数重量%でのみ存在し、又構造的差異の反応
工程及び生物活性への影響は無視し得るため、通常は行
なわない。
特に本発明の化合物の出発物質は、極めてしばしば約
80%のアベルメクチンB1a又はA1aと、20%のアベルメク
チンB1b又はA1bの割合で作られることが認められた。従
って、本発明の好ましい組成は80%の“a"成分と20%の
“b"成分を含むものである。
以下の実施例は本発明をより十分に理解するため提供
されており、発明を限定するものと解すべきではない。
以下の実施例で製造される置換されたアベルメクチン
誘導体は通常無定形固形物として単離され、結晶状固形
物としてではない。従ってそれらは質量分析法、核磁気
共鳴などの技術を使用して分析的に確認される。無定形
であると、化合物を鋭敏な融点で確認することはできな
いが、使用するクロマトグラフ的及び分析方法で化合物
の純度を示す。
以下の実施例において、種々な出発物質はアベルメク
チン化合物又はアベルメクチン化合物の誘導体である。
アベルメクチン化合物とその発酵液からの製造及び単離
法は1982年1月12日に与えられた米国特許第4,310,519
号に記述されている。アベルメクチン化合物の選択的な
22,23−ジヒドロ誘導体は米国特許第4,199,569号に記述
されている。アベルメクチン化合物のアグリコン及び単
糖類誘導体は米国特許第4,206,205号に記述されてい
る。13−デオキシ化合物は米国特許第Re32006号及び第R
e32034号に記述されている。ミルベマイシン化合物は米
国特許第3,950,360号に記述されている。4′及び4″
アミノ化合物は米国特許第4,427,663号に記述されてい
る。アシル誘導体は米国特許第4,201,861号に記載され
ている。エポキシド誘導体は米国特許第4,530,971号に
記述されている。13−ケト及びアミノ化合物は米国特許
第4,579,864号に開示され、o−アルキル化合物は米国
特許第4,200,581号に開示されている。13−(アルコキ
シ)メトキシ化合物は米国特許第4,587,247号に開示さ
れている。以下の実施例は発明をより充分に理解し得る
ために提供される。それらは本発明を限定するものと解
釈すべきではない。
実施例1 5−O−t−ブチルジフエニルシリルアベルメクチン−
B1a/B1b 60mlのN,N−ジメチルホルムアミド中7.25gのアベルメ
クチンB1a/B1bの溶液を、3mlのt−ブチルジフエニルシ
リルクロリド、1.5gのイミダゾール、及び100mgのN,N−
ジメチルアミノピリジンと共に室温で48時間攪拌した。
反応を水を添加して停止し、二塩化メチレンで抽出して
生産物を油状物として得た。1.4:3(V:V)の酢酸エチ
ル:ヘキサンを使用するシリカゲル上の高速液体クロマ
トグラフにより、7.7gの精製した5−O−t−ブチルジ
フエニルアベルメクチン−B1a/B1bを泡状物として得、
その1HNMRスペクトルにより確認した。
実施例2 5−O−tert−ブチルジフエニルシリル−10,11,22,23
−テトラヒドロアベルメクチンB1a/B1b 10mlの無水エタノール中1.1gの5−O−tert−ブチル
ジフエニルシリルアベルメクチンB1a/B1bの溶液及び0.2
gの炭素上5%パラジウムを、パー(Perr)水素添加装
置中で室温で40.8kg(90ポンド)の圧力の水素と共に圧
力低下が1モル当量の吸収を示すまで攪拌した。水素添
加を停止し、小量の試料を分析のため採取した。メタノ
ール−水を液相とする逆相のC18カラム上の高速液体ク
ロマトグラフは、5−O−tert−ブチルジフエニルシリ
ル−10,11,22,23−テトラヒドロアベルメクチンB1a/B1b
が主要成分であることを示していた。パー水素添加装置
に別の0.2gの炭素上5%パラジウムを添加し、装置を水
素で38.1kg(84ポンド)に再加圧した。別の圧力低下が
別の1モル当量の水素の吸収を示した後、触媒を濾過に
より除去した。濾液を蒸発して混合物を得、標記化合物
が主要成分であった。メタノール−水の液相を使用する
調製用逆相C18カラムの高速液体クロマトグラフにより
5−O−tert−ブチルジフエニルシリル−10,11,22,23
−テトラヒドロアベルメクチンB1a/B1bを無定形固形物
として得、その1HNMR及び質量スペクトルにより確認し
た。
実施例3 10,11,22,23−テトラヒドロアベルメクチンB1a/B1b 1mlのテトラヒドロフラン中25mgの5−O−tert−ブ
チル−ジフエニルシリルアベルメクチンB1a/B1bの溶液
を14mlのテトラヒドロフラン、4mlのピリジン及び2mlの
市販のフッ化水素−ピリジン溶液(70%までのフッ化水
素及び30%以上のピリジンから成り、アルドリッチ・ケ
ミカル・コンパニー(Aldrich Chemical Company)から
供給される。)から調製した3mlのテトラヒドロフラン
中無水フッ化水素−ピリジンの溶液を使用し、室温、窒
素ガス下で20時間かけて脱シリルした。反応物を水を添
加し、次いで重炭酸ナトリウム溶液で中和し、エーテル
で抽出して仕上げた。エーテル抽出液を合併し蒸発して
残留物を得、これを2枚の500ミクロン調製用シリカゲ
ル板に添加した。ヘキサン−酢酸エチル溶液で溶離して
10,11,22,23−テトラヒドロアベルメクチンB1a/B1bを無
定形固形物として得、その1HNMR及び質量スペクトルに
より確認した(分子イオン876)。
実施例4 10,11,22,23−テトラヒドロアベルメクチンB1a/B1b及び
3,4,10,11,22,23−ヘキサヒドロアベルメクチンB1a/B1b 100mlの無水エタノール中10.0gの22,23−ジヒドロア
ベルメクチンB1(約90%の22,23−ジヒドロアベルメク
チンB1aと9%の低級同族体B1bを含む)の溶液を、2.5g
の炭素上5%パラジウム触媒の存在下で40.4kg(89ポン
ド)の圧力の水素気体下、室温で1時間攪拌し、水素圧
の低下が1モル当量の吸収を示した。水素添加を停止
し、触媒を濾過して除き、濾液を濃縮して9.9gの白色泡
状物を得た。CH3CN−MeOH−H2Oを液相とする逆相C18
ラムの高速液体クロマトグラフは23%の22,23−ジヒド
ロアベルメクチンB1a/B1b、46%の10,11,22,23−テトラ
ヒドロアベルメクチンB1a/B1b及び数種の他の未同定化
合物を含む粗反応生産物の組成であることを示唆した。
8.7gの粗生産物をヘキサン−アセトン系を溶媒とするシ
リカゲルカラムで更に精製して所望の10,11,22,23−テ
トラヒドロアベルメクチンB1に富む3.8gを得た。一部の
500mgをMeOH−H2Oを液相とする調製用逆相高速液体クロ
マトグラフにより最終精製を行ない、ベンゼン溶液から
凍結乾燥後280mgの10,11,22,23−テトラヒドロアベルメ
クチンB1aを白色無定形固形物として得た。その1HNMRと
876の質量に分子イオンを持つその質量スペクトルと245
nmに吸収を欠くそのUVスペクトルにより確認した。上に
記述したように更に分画して10,11,22,23−テトラヒド
ロアベルメクチンB1b、3,4,10,11,22,23−ヘキサヒドロ
アベルメクチンB1a及びB1bを得た。10,11,22,23−テト
ラヒドロアベルメクチンの質量スペクトルは876(M+
及び588(テトラヒドロアグリコン)に主要なピークを
示した。化合物の核磁気共鳴スペクトル(400MHz、CDCl
3中、テトラメチルシランを内部標準とする)は次の主
要なピークを示した。
4.3ppm(t,1H,J=6Hz)、C5−H;4.55ppm(tq,2H,J=
2,17Hz)、8a−Hz;4.73ppm(d,1H,J=3Hz)、1′−H;
5.01ppm(brd,1H,J=10Hz)、C15−H;5.14ppm(S,1
H)、7−OH;5.32ppm(dd,1H)、C9−H;5.34ppm(S,1
H)、C3−H;5.4ppm(m,1H)、C19−H;5.4ppm(d,1H,J=
3Hz)、1″H。
実施例5 10,11−ジヒドロアベルメクチンB2a/B2b及び3,4,10,11
テトラヒドロアベルメクチンB2a/B2b 25mlの無水エタノール中870mgのアベルメクチンB2a/B
2bの溶液と100mgの炭素上5%パラジウムを1気圧の水
素ガス下、室温で攪拌した。1.5モル当量の水素の吸収
後、触媒を濾過して除いた。メタノール−水の液体系と
逆相C18カラムを使用する高速液体クロマトグラフ分析
により、混合物の組成が20%のアベルメクチンB2a/B2
b、50%の10,11−ジヒドロアベルメクチンB2a/B2b、30
%の3,4−ジヒドロアベルメクチンB2a/B2b及び10%の3,
4,10,11−テトラヒドロアベルメクチンB2a/B2bであるこ
とが示された。逆相C18カラムとメタノール−水系を用
いる調製用高速液体クロマトグラフにより分離し、各々
の標記化合物をその1HNMR及び質量スペクトルにより確
認した。
実施例6 13−デオキシ−10,11,22,23−テトラヒドロアベルメク
チンB1a/B1bアグリコン及び13−デオキシ−8,11,22,23
−テトラヒドロアベルメクチンB1a/B1bアグリコン 7.6mlのエタノール中、500mgの13−デオキシ−22,23
−ジヒドロアベルメクチンB1a/B1bアグリコンを含む溶
液を、176mgの炭素上5%パラジウムと共に室温、わず
かに上昇した圧力の水素気体下で攪拌した。反応の経過
を高速液体クロマトグラフ分析用に一部分を抜き取って
追跡した。45分後水素気体を窒素に置き替え、反応混合
物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して492mgの軽い泡状
物を得た。粗水素添加生産物を、52.8%CH3CH−35.2%M
eOH−12.0%H2Oの溶媒混合物を用いるワットマン・パー
チシル(Whatman Partisil)M 20 10/50ODS−3逆相
カラム上の高速液体クロマトグラフにより分離した。分
画は分析用高速液体クロマトグラフ及び薄層クロマトグ
ラフ法により同定した。二つの純粋な化合物を単離し、
1H,13C−NMR及び質量スペクトルにより白色泡状形体で
ある141mgの13−デオキシ10,11,22,23−テトラヒドロア
ベルメクチンB1aアグリコン及び86mgの13−デオキシ−
8,11,22,23−テトラヒドロアベルメクチンB1aアグリコ
ンと確認した。水素添加混合物を更に注意深く分画する
ことにより、少量の13−デオキシ10,11,22,23−テトラ
ヒドロアベルメクチンB1b及び13−デオキシ−8,11,22,2
3−テトラヒドロアベルメクチンB1bアグリコンを得るこ
とができた。
実施例7 10,11−ジヒドロミルベマイシンα及びα並びに8,1
1−ジヒドロミルベマイシンα及びα ミルベマイシンα及びαを実施例6の条件下で反
応させて10,11−ジヒドロミルベマイシンα及びα
並びに8,11−ジヒドロミルベマイシンα及びαを得
た。
実施例8 5−O−t−ブチルジメチルシリル−10,11,22,23−テ
トラヒドロアベルメクチンB1a/B1bアグリコン 15mlのエタノール中1.0gの5−O−t−ブチルジメチ
ルシリル−22,23−ジヒドロアベルメクチンB1a/B1bアグ
リコンを含む溶液を、300mgの炭素上5%パラジウム触
媒の存在下で攪拌し、実施例6に記述のように仕上げて
5−O−t−ブチルジメシルシリル−10,11,22,23−テ
トラヒドロアベルメクチンB1a/B1bアグリコンを無定形
の軽い泡状物として得、1H,13C−NMR及び質量スペクト
ルにより同定した。
実施例9 5−O−tert−ブチルジフエニルシリル−4″−オキソ
−10,11,22,23−テトラヒドロアベルメクチンB1a/B1b 6mlの二塩化メチレン中1.8gの5−O−tert−ブチル
ジフエニルシリル−10,11,22,23−テトラヒドロアベル
メクチンB1a/B1b(実施例2で製造)の溶液を、6mlの二
塩化メチレン中スワーン(Swern)試薬(250μのジメ
チルスルホキシド及び190μのオキザリルクロリド)
の−78℃溶液に滴下添加した。−78℃で1時間後、1.1m
lのトリエチルアミンを添加し、混合物を更に1時間攪
拌した。塩化アンモン飽和水溶液を添加し、二塩化メチ
レンで抽出して1.85gの生産物を黄色泡状物として得
た。ヘキサン−酢酸エチル溶媒系を使用するシリカゲル
カラムクロマトグラフにより精製して1.8gの5−O−te
rt−ブチルジフエニルシリル−4″−オキソ−10,11,2
2,23−テトラヒドロアベルメクチンB1a/B1bを無定形固
形物として得、その1HNMR及び質量スペクトルにより確
認した。
実施例10 4″−アミノ−5−O−tert−ブチルジフエニルシリル
−4″−デオキシ−10,11,22,23−テトラヒドロアベル
メクチンB1a/B1b 300mgの実施例9からのケトンに500mgの酢酸アンモニ
ウム、500mgの粉末化した3Aモレキュラーシーブ及び5ml
のメタノールを添加した。この攪拌している混合物に1m
lのメタノール中50mgのナトリウムシアノボロヒドリド
の溶液を添加した。1時間後、混合物を濾過し、濾液を
蒸発した。残留物をエーテルにとり、重炭酸ナトリウム
溶液で洗浄した。エーテルを真空下で除き、残留物を4
枚の1000ミクロンの厚さの調製用板上のシリカゲルクロ
マトグラフにより精製して4″−アミノ−5−O−tert
−ブチルジフエニルシリル−4″−デオキシ−10,11,2
2,23−テトラヒドロアベルメクチンB1a/B1b(71mg)を
無定形固形物として得、1HNMRで確認した。
実施例11 4″−アミノ−4″−デオキシ−10,11,22,23−テトラ
ヒドロアベルメクチンB1a/B1b 60mgの実施例10の化合物を実施例3で確立された方法
により脱シリルして22mgの4″−アミノ−4″−デオキ
シ−10,11,22,23−テトラヒドロアベルメクチンB1a/B1b
を無定形固形物として得、1HNMR(200Mzs,CDCl3、トリ
メチルシラン)におけるC−4″Hの3.08ppm(brs,1
H)及び質量スペクトルにおける4″−エピアミノ−
4″−デオキシ−10,11,22,23−テトラヒドロアベルメ
クチンB1a,C48H77O13N(計算値875.5395)の実測値875.
5396により確認した。
実施例12 10,11−ジヒドロアベルメクチンA2a/A2bアグリコン アベルメクチンA2a/A2bアグリコンを実施例6の条件
下で反応させて10,11−ジヒドロアベルメクチンA2a/A2b
アグリコンを得た。
実施例13 10,11,22,23−テトラヒドロアベルメクチンB1a/B1bアグ
リコン アベルメクチンB1a/B1bアグリコンに実施例6に記述
した接触水素添加条件を与えて10,11,22,23−テトラヒ
ドロアベルメクチンB1a/B1bアグリコンを得た。
実施例14 10,11−ジヒドロ−11−ブロモ−10−ヒドロキシアベル
メクチンB1a/B1b 9mlのアセトン及び1mlの水中380mgのアベルメクチンB
1a/B1bに100mgのN−ブロモアセタミドを添加した。混
合物を室温、暗所で1時間攪拌し、水を添加し、二塩化
メチレンで抽出して仕上げた。溶媒を真空下で除き、残
留する固形物を酢酸エチル−ヘキサン溶媒系を使用する
調製用厚層シリカゲルクロマトグラフにより精製して80
mgの10,11−ジヒドロ−11−ブロモ−10−ヒドロキシア
ベルメクチンB1a/B1bを無定形固形物として得、1HNMRス
ペクトルで確認した。
実施例15 10,11−ジヒドロ−11−ブロモ−10−ヒドロキシ−
4″、5−ジ−O−t−ブチルジメチルシリルアベルメ
クチンB1a/B1b 6.0gの4″,5−ジ−O−tert−ブチル−ジメチルシリ
ルアベルメクチンB1a/B1bを出発物質として用い、実施
例14に示した方法を行なった。生産物(4.0g)は無定形
固形物であり、1HNMRスペクトルにより確認した。
実施例16 10,11−ジヒドロ−10−ヒドロキシアベルメクチンB1a/B
1b 5mlのトルケン中80mgの10,11−ジヒドロ−ブロモ−10
−ヒドロキシアベルメクチンB1a/B1b及び300μのトリ
−n−ブチルスズヒドリドの溶液を窒素ガス下100℃で
2時間加熱した。ヘキサン−酢酸エチルを使用するシリ
カゲル上のカラムクロマトグラフによりスズ化合物から
の生産物の最初の分離を行なった。スズ化合物の最終精
製は、メタノール−水の液相を使用するC18逆相カラム
による高速液体クロマトグラフにより行なった。1HNMR
及び質量スペクトルにより10,11−ジヒドロ−10−ヒド
ロキシアベルメクチンB1a/B1bと構造が確認された。C41
H60O11CM+、糖欠除、水欠除)と計算される10,11−ジヒ
ドロ−10−ヒドロキシアベルメクチンB1aの質量スペク
トルの計算値:782.4136に対して実測値:728.4138であっ
た。生産物の核磁気共鳴スペクトル(400MHz,CDCl3、テ
トラメチルシラン)は次の主要なピークを示した。
4.30ppm(brt,J=8Hz)、C5−H;4.40ppm(brs)、C10
H:4.74ppm(d,J=3Hz)、C1−H;4.80ppm(tq,J=3,15H
z)、8a−H;4.99ppm(d,J=10Hz)、C15H;5.25ppm
(s)、C7−OH;5.31ppm(sq,J=2Hz)、C3−H;5.33ppm
(q,J=3H)、C9−H;5.40ppm(d,J=4Hz)、C−1″−
H;5.44ppm(m)、C19−H;5.59ppm(dd,J=3,10Hz)、C
22−H;5.79ppm(dd,J=2,10Hz)、C23−H. 実施例17 10,11−ジヒドロ−10−ヒドロキシ−4″,5−ジ−O−t
ert−ブチルジメチルシリルアベルメクチンB1a/B1b 標記化合物は実施例15のブロモヒドリンから実施例16
に概要を記述した水素化スズ還元法に従って得られた。
高速液体クロマトグラフにより精製した生産物は無定形
固形物であり、その1HNMR及び質量スペクトルにより10,
11−ジヒドロ−10−ヒドロキシ−4″,5−ジ−O−tert
−ブチルジメチルシリルアベルメクチンB1a/B1bと確認
された。
実施例18 10,11−ジヒドロ−10−オキソ−4″,5−ジ−O−tert
−ブチルジメチルシリルアベルメクチンB1a/B1b 実施例17からの化合物を出発物質として実施例9で確
立したスワーン酸化方法に従って10−ヒドロキシ官能基
をケトンに酸化して無定形固形物として得、その1HNMR
により10,11−ジヒドロ−10−オキソ−4″,5−ジ−O
−tert−ブチルジメチルシリルアベルメクチンB1a/B1b
と確認された。
実施例19 10,11−ジヒドロ−10−オキソ−アベルメクチンB1a/B1b 実施例18からの化合物を実施例3の方法に従ってフッ
化水素−ピリジンで脱シリルして無定形固形物を得、そ
1HNMR及び質量スペクトルにより10,11−ジヒドロ−10
−オキソ−アベルメクチンB1a/B1bと確認された。10,11
−ジヒドロ−10−オキソ−アベルメクチンB1aの質量ス
ペクトルの計算値は852.4460、実測値は852.4656であっ
た(M+、水2分子欠除)。核磁気共鳴スペクトル(200M
Hz、CDCl3、トリメチルシラン)の主要ピークは次の通
りである。
4.74ppm(d,J=3Hz)、C −H:4.98ppm(M)、C
8a−H;5.02ppm(br d)、C15−H;5.32ppm(S)、C3
H;5.40ppm(d,J=3Hz)、C ″H;5.50ppm(M)、
C19−H;5.58ppm(dd,J=3,10Hz)、C22−H:5.80ppm(d
d,J=2,10Hz)、C23H;6.15ppm(S)、C9−H. 実施例20 10,11−ジヒドロ−10−フルオロ−4″,5−ジ−O−ter
t−ブチルジメチルシリルアベルメクチンB1a/B1b 3mlのヘキサン中100mgの10,11−ジヒドロ−10−ヒド
ロキシ−4″,5−ジ−O−tert−ブチルジメチルシリル
アベルメクチンB1a/B1bの溶液を、−78℃で100μのジ
エチルアミノサルフアートリフルオリドと共に窒素ガス
下で攪拌した。1.5時間後、反応物を7%重炭酸ナトリ
ウム溶液で急冷し、生産物を二塩化メチレンで抽出し
た。酢酸エチル−ヘキサン溶媒系を使用して調製用厚層
シリカゲルクロマトグラフで精製して45mgの10,11−ジ
ヒドロ−10−フルオロ4″,5−ジ−O−tert−ブチルジ
メチルシリルアベルメクチンB1a/B1bを無定形固形物と
して得、その1H−NMRで確認した。
実施例21 10,11−ジヒドロ−10−クロロ4″,5−ジ−O−tert−
ブチルジメチルシリルアベルメクチンB1a/B1b 1.0mlのテトラヒドロフラン中400mgの10,11−ジヒド
ロ−10−ヒドロキシ−4″,5−ジ−O−tert−ブチルジ
メチルシリルアベルメクチンB1a/B1bへ、0℃で150μ
のヘキサクロロアセトン、次いで1mlのテトラヒドロフ
ランに溶解した300mgのトリフエニルホスフインを添加
した。0℃で1.5時間後、溶媒を真空下で除き、残留固
形物をヘキサン−酢酸エチル溶媒系を使用する調製用厚
層シリカゲル上で分画して120mgの10,11−ジヒドロ−10
−クロロ4″,5−ジ−O−tert−ブチルジメチルシリル
アベルメクチンB1a/B1bをオレンヂ色無定形固形物とし
て得、その1HNMRスペクトルにより確認した。
実施例22 10,11−ジヒドロ−10−フルオロアベルメクチンB1a/B1b 実施例20からの化合物を実施例3に概要を記述した方
法により、フッ化水素−ピリジンで脱シリルした。調整
用厚層シリカゲル板上で分画後、化合物をメタノール−
水系を使用するC18逆相カラム上の高速液体クロマトグ
ラフにより精製して無定形固形物を得、その1HNMR及び
質量スペクトルにより、10,11−ジヒドロ−10−フルオ
ロアベルメクチンB1a/B1bであることを確認した。10,11
−ジヒドロ−10−フルオロアベルメクチンB1a/B1bの質
量スペクトルの実測値は730.4091であった(M+、糖欠
除、水欠除)。核磁気共鳴(300Hz、CDCl3、トリメチル
シラン)の主要ピークは次の通りである。
4.70ppm(M)、C1−H,C8a−H:4.80ppm(br m)、C9
−H;4.94ppm(S)、C7−OH;5.04ppm(d)、C15−H;5.
31ppm(S)、C3−H;5.40ppm(d)、C −H;5.45
ppm(M)、C19−H;5.57ppm(dd,J=3,10Hz)、C22−H;
5.78ppm(dd,J=2,10Hz)、C23−H. 実施例23 10,11−ジヒドロ−4″,5−ジ−O−t−ブチルジメチ
ルシリルアベルメクチンB1a/B1b 10mlの乾燥二塩化メチレン中500mg(0.45ミリモル)
の4″−5−ジ−O−t−ブチルジメチルシリル−10−
ヒドロキシ−アベルメクチンB1a/B1bの溶液に0.5mlの新
しく蒸留したトリエチルアミンを添加した。混合物を0
℃に冷却し、500mg(1.5ミリモル)のジクロロトリフェ
ニルホスホラン)を一度に添加した。30分後、冷却浴を
除き、混合物を更に室温で1.5時間撹拌した。次いで混
合物を直接75gのシリカゲルを含む5.5×40cmのガラスカ
ラムに移し、2カラム量の20%酢酸エチル:ヘキサンで
溶離した。溶媒分画を蒸発して460mgの黄色ガラス状物
を得た。この塩化物の混合物(8−クロロ−8,11−ジヒ
ドロ−及び10−クロロ−10,11−ジヒドロ−4″−5−
ジ−O−t−ブチルジメチルシリルアベルメクチンB1a/
B1b)を、3mlのトルエン中で3mlのトリ−n−ブチルス
ズヒドリドで110℃、12時間還元し、フラッシュシリカ
ゲルクロマトグラフの後306mgの生産物を得た。1HNMR分
析は、10,11−ジヒドロ及び8,11−ジヒドロ−4″−5
−ジ−O−t−ブチルジメチルシリルアベルメクチンB1
a/B1bの2:1の混合物であることを示した。これらの2つ
の異性体はメタノール−水溶媒系を使用する逆相高速液
体クロマトグラフにより分離し、個々にその1HNMR及び
質量スペクトルより確認した。
実施例24 5−O−Tert−ブチルジメチルシリル−11−ブロモ−1
0,11−ジヒドロ−10,13−ジヒドロキシ−ミルベマイシ
ンα及びα(A3及びA4とも呼称する。) 30mlのアセトン及び3mlの水中1.25gの5−O−tert−
ブチルジメチルシリル−13−ヒドロキシミルベマイシン
α及び/又はα(欧州特許願、公開番号0186043、
実施例1.17)の溶液を、実施例34に記述の方法により36
5mgのN−ブロモアセタミドと反応させて5−O−tert
−ブチルジメチルシリル−11−ブロモ−10,11−ジヒド
ロ−10,13−ジヒドロキシ−ミルベマイシンα及びα
を得、1H,13C−NMR及び質量スペクトルにより同定し
た。
実施例25 5−O−Tert−ブチルジメチルシリル−10,11−ジヒド
ロ−10,13−ジヒドロキシミルベマイシンα及びα
(A3及びA4とも呼称する。) 25mlのトルエン中5−O−tert−ブチルジメチルシリ
ル−11−ブロモ−10,11−ジヒドロ−10,13−ジヒドロキ
シミルベマイシンα及びαを主要成分として含む実
施例24に記述した反応で得られる粗反応生産物、100mg
の2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)及
び3.0mlのトリ−n−ブチルスズヒドリドの溶液を、実
施例35に詳しく記述したように85℃に加熱した油浴中、
窒素ガス下で加熱した。実施例35の方法による主要反応
生産物の単離と精製により5−O−tert−ブチルジメチ
ルシリル−10,11−ジヒドロ−10,13−ジヒドロキシミル
ベマイシンα及びαを得、1H,13C−NMR及び質量ス
ペクトルにより単離した。
実施例26 5−O−Tert−ブチルジメチルシリル−10,11−ジヒド
ロ−10−フルオロアベルメクチンB1a/B1bアグリコン 20mlのジメチルホルムアミド中1.0gの10,11−ジヒド
ロ−10−フルオロアベルメクチンB1a/B1bアグリコン
(実施例32から)の溶液を窒素ガス下室温で撹拌した。
引き続き、0.6gのイミダゾール、次いで0.75gのt−ブ
チルジメチルシリルクロリドを添加した。40分後反応混
合物を150mlの水に注入し、二塩化メチレンで抽出し
た。抽出液を水で洗浄し、乾燥し、真空下で濃縮して粘
重な油状物を得た。これを二塩化メチレン−酢酸エチル
溶媒混合物を使用する30gのシリカゲルのカラム上のク
ロマトグラフにより精製して5−O−Tert−ブチルジメ
チルシリル−10,11−ジヒドロ−10−フルオロアベルメ
クチンB1a/B1bアグリコンを得、質量スペクトル及びNMR
スペクトルにより確認した。
実施例27 5−O−Tert−ブチルジメチルシリル−13−クロロ−1
0,11−ジヒドロ−10−フルオロアベルメクチンB1a/B1b
アグリコン 500mgの5−O−tert−ブチルジメチルシリル−10,11
−ジヒドロ−10−フルオロアベルメクチンB1a/B1bアグ
リコン、0.75ml(600mg)のN,N−ジイソプロピルエチル
アミン、及び750mgの4−ジメチルアミノピリジンの溶
液を、窒素ガス下室温で撹拌した。これに10mlの二塩化
メチレン中800mgの2−ニトロベンゼンスルホニルクロ
リドの溶液を10分間にわたって滴下添加し、反応混合物
を室温で2時間撹拌した。次いでこれを200mlの水に注
入し、エーテルで抽出した。抽出液を水で洗浄し、乾燥
し、真空下で濃縮して軽い泡状物を得た。数枚の100ミ
クロン厚層クロマトグラフ板により精製して純粋な5−
O−tert−ブチルジメチルシリル−13−クロロ−10,11
−ジヒドロ−10−フルオロアベルメクチンB1a/B1bアグ
リコンを得、質量及びNMRスペクトルで確認した。
実施例28 5−O−Tert−ブチルジメチルシリル−13−デオキシ−
10,11−ジヒドロ−10−フルオロアベルメクチンB1a/B1b
アグリコン 5mlの乾燥トルエン中260mgの5−O−tert−ブチルジ
メチルシリル−13−クロロ−10,11−ジヒドロ−10−フ
ルオロアベルメクチンB1a/B1bアグリコン及び35mgの2,
2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)の溶液
を、80ないし85℃に維持した油浴中で撹拌し、窒素ガス
下に保った。注射器により、1.0mlのトリ−n−ブチル
スズヒドリドを速やかに添加し、反応経過を逆相高速液
体クロマトグラフカラム上で試料を分析することにより
追跡した。4時間の反応時間後混合物を高真空下で濃縮
して約2mlの残留物を得た。これを二塩化メチレンで希
釈し、15gのシリカゲルを含むカラムで精製した。溶媒
を二塩化メチレン−酢酸エチル(9:1)に変更し、生産
物を集めてその質量及び1HNMRスペクトルにより5−O
−tert−ブチルジメチルシリル−13−デオキシ−10,11
−ジヒドロ−10−フルオロアベルメクチンB1a/B1bアグ
リコンであることを確認した。
実施例29 13−デオキシ−10,11−ジヒドロ−10−フルオロアベル
メクチンB1a/B1bアグリコン 17mlのメタノール中167mgの5−O−tert−ブチルジ
メチルシリル−13−デオキシ−10,11−ジヒドロ−10−
フルオロアベルメクチンB1a/B1bアグリコン及び170mgの
p−トルエンスルホン酸−水和物を含む溶液を室温で30
分間撹拌し、次いで直ちに40mlの重炭酸ナトリウム水溶
液に注入した。これを100mlのエーテルで蒸発し、重炭
酸ナトリウム水溶液及び水で順次洗浄し、硫酸マグネシ
ウム上で乾燥し、真空下で濃縮して軽い泡状物を得た。
これをヘキサン−酢酸エチル(1:1)溶媒混合物を使用
する2枚の調整用1mm厚層シリカゲル板で精製して13−
デオキシ−10,11−ジヒドロ−10−フルオロアベルメク
チンB1a/B1bアグリコンを得、その質量及び1HNMRスペク
トルで確認した。
実施例30 10,11−ジヒドロアベルメクチン−B1a/B1b ポリプロピレン容器中の2mlのテトラヒドロフラン中3
00mgの10,11−ジヒドロ−4″,5−ジ−O−t−ブチル
ジメチルシリルアベルメクチン−B1a/B1bの溶液に、16m
lのテトラヒドロフラン中フッ化水素−ピリジン(15ml
の市販の70%フッ化水素−ピリジンを35mlの乾燥ピリジ
ン及び60mlのテトラヒドロフランで希釈して調製)を添
加した。反応混合物を窒素ガス下20℃で3日間撹拌し
た。次いで混合物を水で急冷し、重炭酸ナトリウムで中
和し、有機生産物をエーテルで抽出した。エーテル抽出
液を合併し、乾燥(無水硫酸マグネシウム)し、真空下
で濃縮して200mgの生産物を得、漂記化合物が主要成分
であった。次いで85:15のメタノール−水溶媒系を使用
するワットマン・パーチシルM20 10/50ODS−3逆相カラ
ム上の高速液体クロマトグラフにより精製して86mgの1
0,11−ジヒドロアベルメクチンB1a/B1bを白色無定形固
形物として得、その1H及び13C−NMR及び質量スペクトル
により同定した。
実施例31 10,11−ジヒドロ抗生物質LL−F28249β 500mgの抗生物質LL−F28249β(微生物ストレプトミ
セス・シアノグリシウス・サブスピンス・ノンシアノゲ
ナス(Streptomyces cyaneogriseus subsp.noncyanogen
us)LL−F28249,NRRL No.15773の発酵により得られ、欧
州特許願第85106844・5号、公開第0 170 006号に記述
の方法により単離)の溶液を実施例6に記述の方法によ
り水素添加し、精製して10,11−ジヒドロ抗生物質LL−F
28249βを得、その1H,13CNMR及び質量スペクトルにより
同定した。
実施例32 10,11−ジヒドロ−10−フルオロアベルメクチンB1a/B1b
モノサッカリド及び10,11−ジヒドロ−10−フルオロア
ベルメクチンB1a/B1bアグリコン 4.6mlの水、4.6mlの濃硫酸、及び17mlのテトラヒドロ
フランの混合物を2.2gの10,11−ジヒドロ−10−フルオ
ロ−4″,5−ジ−O−tert−ブチルジメチルシリルアベ
ルメクチンB1a/B1b(実施例20から得られる。)の溶液
にゆっくり添加し、窒素ガス下室温で24時間静置した。
次いで暗色の反応混合物を100mlの氷と水の混合物に注
入し、二塩化メチレンで抽出し、希重炭酸ナトリウム水
溶液及び水で洗浄した。二塩化メチレン溶液を硫酸マグ
ネシウム上で乾燥し、真空下で濃縮して暗色の泡状物を
得た。粗反応生産物の二塩化メチレン−酢酸エチル溶媒
混合物を使用するシリカゲル上のクロマトグラフにより
純粋な10,11−ジヒドロ−10−フルオロアベルメクチンB
1a/B1bアグリコン及び10,11−ジヒドロ−10−フルオロ
アベルメクチンB1a/B1bモノサッカリドを得、質量及び1
HNMRスペクトルにより確認した。
実施例33 8,9−エポキシ−10,11,22,23−テトラヒドロアベルメク
チン−B1a/B1b 5mlの乾燥二塩化メチレン中100ml(0.11ミリモル)の
10,11,22,23−テトラヒドロアベルメクチンB1a/B1bの溶
液に、5mgのバナジウム・アセチルアセトネート、次い
でトルエン中5μの3モルのt−ブチルヒドロパーオ
キシドの溶液(1.3当量)を添加した。溶液の色は直ち
に緑色から褐色に変化し、次いで30分にわたって黄色に
変化した。混合物を20℃で18時間撹拌し、溶媒を真空下
で濃縮した。濃縮物を2枚の調製用の500ミクロン厚層
シリカゲル板で2:1酢酸エチル−ヘキサン溶媒系を用い
て溶離した。Rfが0.2ないし0.6の黄色バンドを抽出して
92mgの黄色泡状物を得た。更に90:10メタノール−水系
を用いる逆相高速液体クロマトグラフにより精製して49
mgの8,9−エポキシドを無定形固形物として得、その1HN
MR及び質量スペクトルにより確認した。
実施例34 11−ブロモ−10−ヒドロキシ−10,11,22,23−テトラヒ
ドロアベルメクチンB1a/B1b 31.2mlのアセトン及び3.12mlの水中2.0gのイベルメク
チン(22,23−ジヒドロアベルメクチンB1a及びB1bの混
合物)の溶液を室温で撹拌した。364mgのN−ブロモア
セタミドを一度に添加し、反応混合物を暗所で21時間撹
拌を継続した。そのとき混合物試料の薄層クロマトグラ
フ及び高速液体クロマトグラフ分析は3種の新規な生産
物の生成と、出発物質はほとんど存在しないことを示し
た。主要成分は実施例14との類似から11−ブロモ−10−
ヒドロキシ−10,11,22,23−テトラヒドロアベルメクチ
ンB1a/B1bと仮定し、反応生産物を更に実施例35で反応
させ、この構造指定が確認された。
実施例35 10−ヒドロキシ−10,11,22,23−テトラヒドロアベルメ
クチンB1a/B1b 25mlのトルエン中2.0gの11−ブロモ−10−ヒドロキシ
−10,11,22,23−テトラヒドロアベルメクチンB1a/B1bを
主要成分として含む実施例34で得られた粗反応生産物及
び106mgの2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリ
ル)の溶液を85℃に熱した油浴中、窒素ガス下で撹拌し
た。これに3.0mlのトリ−n−ブチルスズヒドリドを一
度に添加し、加熱を1.25時間継続した。反応混合物を室
温になるまで放置し、次いで水に注入した。生産物をエ
ーテルで抽出し、抽出液を水で洗浄し、乾燥し、高真空
下で濃縮して6gの油状物を得た。これを0ないし5%の
メタノールを含む二塩化メチレンを溶媒とする200gのシ
リカゲルのカラムクロマトグラフにより精製して612mg
の10−ヒドロキシ−10,11,22,23−テトラヒドロ−アベ
ルメクチンB1a/B1bを無色ガラス状物質として得、1H,13
C−NMR及び質量スペクトルにより確認した。逆相調製用
高速液はクロマトグラフカラムにより更に分画すると、
このシリカゲルカラムの幾つかの分画に生産物が存在
し、その一つは主要生産物の異性体であり、第二の副産
物は後者の脱水生産物であった。
実施例36 10−ヒドロキシ−10,11,22,23−テトラヒドロアベルメ
クチンB1a/B1bアグリコン 1容量%の濃硫酸を含む15mlのメタノール中657mgの1
0−ヒドロキシ−10,11,22,23−テトラヒドロアベルメク
チンB1a/B1bの溶液を室温で25時間保った。次いで溶液
をエーテルで希釈し、水、重炭酸ナトリウム水溶液及び
水で順次洗浄し、乾燥し、真空下で濃縮して438mgのガ
ラス状物を得た。これを逆相調製用高速液体クロマトグ
ラフカラム上でクロマトグラフして275mgの10−ヒドロ
キシ−10,11,22,23−テトラヒドロアベルメクチンB1a/B
1bアグリコンを得、1H,13C−NMR及び質量スペクトルに
より同定した。
実施例37 5−O−tert−ブチルジメチルシリル−10−ヒドロキシ
−10,11,22,23−テトラヒドロアベルメクチンB1a/B1bア
グリコン 0.5mlのジメチルホルムアミド中65mgの10−ヒドロキ
シ−10,11,22,23−テトラヒドロアベルメクチンB1a/B1b
アグリコン及び36mgのイミダゾールの溶液を室温で撹拌
した。38mgのtert−ブチルジメチルシリルクロリドを一
度に添加し、2時間反応させた。次いで10mlの水で希釈
し、生産物を酢酸エチルで抽出した。抽出液を濃縮して
88mgの白色泡状物を得た。二塩化メチレン−酢酸エチル
溶媒混合物を使用する1mmの厚層シリカゲル板上のクロ
マトグラフにより精製して40mgの5−O−tert−ブチル
ジメチルシリル−10−ヒドロキシ−10,11,22,23−テト
ラヒドロアベルメクチンB1a/B1bアグリコン及び30mgの
回収出発物質を得、両者をその1H,13C−NMR及び質量ス
ペクトルにより同定した。
実施例38 5−O−tert−ブチルジメチルシリル−10,13−ジフル
オロ−10,11,22,23−テトラヒドロアベルメクチンB1a/B
1bアグリコン 2.0mlの二塩化メチレン中50μのジエチルアミノサ
ルファートリフルオリドの溶液を窒素ガス下、−78℃で
撹拌した。これに10,11−ジヒドロ−10−フルオロアベ
ルメクチンB1a/B1bアグリコン(実施例32から)から実
施例37の方法により製造した250mgの5−O−tert−ブ
チルジメチルシリル−10−フルオロ−10,11,22,23−テ
トラヒドロアベルメクチンB1a/B1bアグリコンの溶液を
注射器でゆっくり添加し、混合物を−78℃に30分間保っ
た。次いでこれを重炭酸ナトリウム水溶液に注入し、エ
ーテルで抽出した。抽出液を水で洗浄し、濃縮して軽い
泡状物を得、これをヘキサン−酢酸エチル溶媒混合物を
使用する1000及び500ミクロン厚層板による調製用シリ
カゲルクロマトグラフを繰返して精製し、1H,13CNMR及
び質量スペクトルにより5−O−tert−ブチルジメチル
シリル−10,13−ジフルオロ−10,11,22,23−テトラヒド
ロアベルメクチンB1a/B1bアグリコンと同定した。
実施例39 10,13−ジフルオロ−10,11,22,23−テトラヒドロアベル
メクチンB1a/B1bアグリコン 40mg(1%)のp−トルエンスルホン酸一水和物を含
む4.0mlのメタノール中80mgの5−O−tert−ブチルジ
メチルシリル−10,13−ジフルオロ−10,11,22,23−テト
ラヒドロアベルメクチンB1a/B1bアグリコンの溶液を室
温で30分保ち、次いで重炭酸ナトリウム水溶液に注入し
た。これをエーテルで抽出し、抽出液を水で洗浄し、乾
燥し、真空下で濃縮した。残留物を1000ミクロン厚層調
製用シリカゲルクロマトグラフ板により精製して10,13
−ジフルオロ−10,11,22,23−テトラヒドロアベルメク
チンB1a/B1bアグリコンを得、1H,13CNMR及び質量スペク
トルにより同定した。
実施例40 8,9,10,11−テトラヒドロ−10−オキソ−4″,5−ジ−
O−t−ブチルジメチルシリル−B1a/B1bアベルメクチ
ン エチルエーテル中市販の1.0モル水素化リチウムアル
ミニウム溶液の5.0mlを、窒素ガス下で0.5mlの無水メタ
ノールに添加した。得られる白色のスラリーを20℃で30
分間撹拌し、次いで溶媒を真空下で除去した。次いで臭
化第一銅(0.36g)を水素化リチウムトリメトキシアル
ミニウムを窒素ガス下でグローブバック(glovebag)中
に含むフラスコに移した。得られる固形物混合物を含む
フラスコをゴム隔壁で密封し、0℃に冷却した。次いで
テトラヒドロフラン(5.0ml)添加すると黒色沈澱が生
成し。この混合物を0℃で30分撹拌し、−78℃に冷却
し、0.5mlの乾燥第二ブタノールを添加し、次いで2mlの
テトラヒドロフラン中100mgの10−オキソ−4″,5−ジ
−O−t−ブチルジメチルシリル−10,11−ジヒドロア
ベルメクチンB1a/B1bを添加した。得られる混合物は黒
色ペーストであり、撹拌するには更に6mlのテトラヒド
ロフランを添加することが必要であった。混合物を約−
22℃(凍結四塩化炭素浴)で2時間撹拌した。次いで飽
和塩化アンモン溶液を添加して反応物を冷却し、生産物
をエーテルで抽出した。エーテル抽出液を合併し、乾燥
し、蒸発して、85mgの粗生産物を得た。2:1のヘキサ
ン:酢酸エチル溶媒系を使用する調製用厚層シリカゲル
クロマトグラフにより精製した50mgの純粋な生産物を得
た。部分的1HNMR(300MHz):4.3(t,1H,J=9Hz)、4.4
(br s,1H)、4.7(d,1H,J=3Hz)、4.9(S,1H)、5.15
(br m,1H)、5.3(br s,2H)、5.34(m,1H)、5.6(d
d,1H,J=2,9HZ)、5.8(dd,1H,J=1.9Hz);13CNMR,116.
72,120.18,127.55,135.87,136.39,137.19。
実施例41 5−O−t−ブチルジメチルシリル−10,11−ジヒドロ
アベルメクチンB1a/及びB1b並びに5−O−t−ブチル
ジメチルシリル−8,11−ジヒドロアベルメクチンB1a及
びB1b 5−O−t−ブチルジメチルシリルアベルメクチンB1
a/B1b(ムロジク等がジャーナル・オブ・メディシナル
・ケミストリー(J.Med.Chem,)25巻、658〜663ページ
(1982年)に記述した方法により製造される。)を実施
例14、16及び23に記述の方法により反応させ、当業者に
知られた方法により高速液体クロマトグラフで分離して
漂記生産物を得た。
5−O−t−ブチルジメチルシリル−10,11−ジヒド
ロアベルメクチンB1bの質量スペクトル:974.5801。
核磁気共鳴(300MHz,CDCl3,トリメチルシラン)は次
の通りである。1.05ppm(d,J=7Hz)、メチルまたはi
−プロピル;1.99ppm(d,J=Hz)、メチル又はi−プロ
ピル4.45ppm(br s)、C5−H;4.51ppm(AB,Jab=13H
z)、C8a−H;4.74ppm(d,J=4Hz)、C1′−H;5.00ppm
(d,J=7Hz)、C15−H;5.23ppm(s)、C7−OH;5.25ppm
(dd)、C9−H;5.27ppm(s)、C3−H;5.40ppm(d,J=4
Hz)、C1″−H;5.45ppm(m)、C19−H;5.58ppm(dd,J
=3,10Hz)、C22−H;5.75ppm(dd,J=2,10Hz)、C23
H. 8,11−ジヒドロ−5−O−t−ブチルジメチルアベル
メクチン−B1bの質量スペクトル:974.5820。
核磁気共鳴(300MHz、CDCl3、トリメチルシラン)の
主要ピークは次の通りである。
1.05ppm(d,J=8Hz)、メチル又はi−プロピル;1.09
ppm(d,J=8Hz)、メチル又はi−プロピル;1.95ppm
(m,J=3.6Hz);2.95ppm(q,J=9Hz);4.10ppm(t,J=9
Hz);4.98ppm(dd,J=8.13Hz)、C10−H;5.80ppm
(m)、C−11−H. 実施例42 10,11,22,23−テトラヒドロアベルメクチンB1及び22,23
−ジヒドロアベルメクチンB1の紫外線照射 アベルメクチンを農作物に適用する場合太陽光露光下
の安定性をまねる目的で、アベルメクチン誘導体を石英
容器中に入れた溶液に紫外線(最高300nm)を照射し
た。すべての場合、8,9,10,11−ジエン官能基を欠く化
合物は長期にわたる安定性を示した。
5.0mlのメタノール中5mgの10,11,22,23−テトラヒド
ロアベルメクチンB1の溶液を、石英営中で合計40時間照
射した。試料をある時間間隔で抜き取り、分析のため直
接逆相高速液体クロマトグラフカラムに注入した。化合
物は200nmにおける紫外部吸収により検出した。保持時
間及びピークの面積(AUC単位で)は反応混合物中に残
る化合物の同一性及び定量性の指標として記録した。溶
液の照射の開始時、“b"及び“a"同族体にそれぞれ対応
する10.2分及び12.1分のピークが20ないし80%の比率で
認められ、合計全面積は28238であった。40分、6時
間、20時間及び40時間後の面積はそれぞれ29465、2453
0、21206、及び10265であり、これは残存する10,11,22,
23−テトラヒドロアベルメクチンB1の104%、87%、75
%及び36%に相当する。
比較のために、5.0mlのメタノール中5mgの22,23−ジ
ヒドロアベルメクチンB1の溶液を石英営中で合計20時間
照射した。試料を抜き取り、上に記述のように分析し
た。しかしながら、8,9,10,11−ジエン官能基を含むア
ベルメクチンの分解は、8,9−及び10,11−二重結合の異
性体の速やかな形成のために更に複雑であった。照射開
始時、この溶液はそれぞれ“b"及び“a"同族体に相当す
る8.7分及び10.2分のピークを9ないし85%の比率で示
し、合併した全面積は21045であった。40分照射後、3
つのピークが8.6分、10.3分及び11.6分の保持時間に15
%、48%及び36%の比率で認められた。独立した実験に
より3つのピークを単離を行ない、8.6分のピークは更
にクロマトグラフによる精製の結果2つの明瞭な化合物
に分けられ、質量及びNMRスペクトルで構造決定をした
結果、8.6分のピークは22,23−アベルメクチンB1b及び1
0,11−Z−22,23−ジヒドロアベルメクチンB1aであり、
10.2分のピークは所望の22,23−ジヒドロアベルメクチ
ンB1aであり、又11.6分のピークは8,9−Z−22,23−ジ
ヒドロアベルメクチンB1aであることが確認された。か
くして22,23−ジヒドロアベルメクチンB1aの分解を追跡
して開始時、40分後、6時間及び20時間後の10.2分のピ
ークの面積が17407、9774、6236、及び1000以下であっ
たことより、残存する22,23−ジヒドロアベルメクチンB
1aは100%、56%、36%及び5%以下と決定さた。
この実験において20時間及び40時間の紫外線照射後、
分解されずに残存したアベルメクチンはそれぞれ、10,1
1−ジヒドロ誘導体で75%及び36%であったのに対して
8,9,10,11−ジエンは5%以下であった。
実施例43 二斑点クモダニ(テトラニクス・アルチカ(Tetranychu
s Urticae))に対するアベルメクチンB1及び10,11−ジ
ヒドロ−10−フルオロアベルメクチンB1に対する残存活
性 やぶ豆草(Bush bean plants,var.Tendercrop)を特
定濃度の殺虫剤の水溶液に短時間浸漬することにより殺
虫剤処理を行なった。植物を3群に分け、各群はそれぞ
れ処理後0日、8日及び15日にダニを感染させた。更に
4日後死亡及び生存しているダニの数を測定した。この
実験方法は残存ダニ活性の測定に使用する標準法に相当
する。
結果: この実験結果は10,11−ジヒドロ化合物は分子内に紫
外線を吸収する8,9,10,11−ジエンを含む化合物より長
期間にわたってより高い活性を保持することを示してい
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A01N 47/34 A01N 47/34 G 51/00 51/00 55/00 55/00 C A23K 1/16 302 A23K 1/16 302B 303 303D A61K 31/365 AEC A61K 31/365 AEC 31/71 AFJ 31/71 AFJ C07F 7/18 C07F 7/18 A

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 〔式中、常にA及びBの一つは単結合を表すか、又はA
    及びBは単結合を表しかつA及びBの間の9、10結合は
    二重結合を表すことを条件として、A、B及びCは単結
    合、二重結合又はエポキシド結合を表し、そしてDは単
    結合又は二重結合を表し; R1は、Dが単結合の場合のみ存在することを条件とし
    て、水素、水酸基又はケトンであり; R2はメチル基、エチル基、イソプロピル基、又は第二ブ
    チル基又は−C(CH3)=CHR10(R10はメチル基、エチ
    ル基又はイソプロピル基である)であり; R3は水酸基、ケトン、低級アルコキシ基、低級アルカノ
    イルオキシ基又は他の保護された水酸基であり; R4は水素、水酸基、ハロゲン、低級アルコキシ基、低級
    アルカノイルオキシ基、=NNHCONH2、=NNHSO2−C6H4CH
    3、−OCONR6R7、−NHCOAlk(Alkは低級アルキル基、又
    である)であり; R5は水酸基、ケトン又は−NR6R7であり; R6及びR7は独立に水素、低級アルキル基、低級アルカノ
    イル基、低級アルキルスルホニル基、又は置換されたベ
    ンゼンスルホニル基(置換基はハロゲンである)であ
    り; R8は水素又はハロゲンであり; R9は水素、ハロゲン、水酸基、ケトンである〕を有する
    化合物、又は三置換シリル基で保護されたその水酸基誘
    導体である化合物。
  2. 【請求項2】Aは単結合、Bは二重結合又はエポキシ
    ド、Cは二重結合及びDは単結合又は二重結合であり; R1は水素又は水酸基であり; R2はメチル基、エチル基、イソプロピル基、又は第二ブ
    チル基であり; R3は水酸基であり; R4は水素、水酸基、ハロゲン、低級アルコキシ基、低級
    アルカノイルオキシ基、4′−R5−(α−L−オレアン
    ドロシルオキシ)基、4″−R5−〔(α−L−オレアン
    ドロシル)−α−L−(オレアンドロシルオキシ)〕基
    であり; R5は水酸基、アミノ基、低級アルキルアミノ基又はジ低
    級アルキルアミノ基であり; R8は水素、クロロ又はブロモであり;そして R9は水素、ハロゲン、水酸基又はオキソ基である特許請
    求の範囲第1項記載の化合物。
  3. 【請求項3】10,11−ジヒドロアベルメクチンB1a及びB1
    bである特許請求の範囲第2項記載の化合物。
  4. 【請求項4】10,11,22,23−テトラヒドロアベルメクチ
    ンB1a及びB1bである特許請求の範囲第2項記載の化合
    物。
  5. 【請求項5】13−デオキシ−10,11,22,23−テトラヒド
    ロアベルメクチンB1a及びB1bアグリコンである特許請求
    の範囲第2項記載の化合物。
  6. 【請求項6】4″−デオキシ−10,11−ジヒドロ−4″
    −メチルアミノ−10−フルオロアベルメクチンB1a及びB
    1bである特許請求の範囲第2項記載の化合物。
  7. 【請求項7】4″−メチルアミノ−4″−デオキシ−1
    0,11−ジヒドロアベルメクチンB1a及びB1bである特許請
    求の範囲第2項記載の化合物。
  8. 【請求項8】10,11−ジヒドロ−10−フルオロアベルメ
    クチンB1a及びB1bである特許請求の範囲第2項記載の化
    合物。
  9. 【請求項9】式 I: 〔式中、常にA及びBの一つは単結合を表すか、又はA
    及びBは単結合を表しかつA及びBの間の9、10結合は
    二重結合を表すことを条件として、A、B及びCは単結
    合、二重結合又はエポキシド結合を表し、そしてDは単
    結合又は二重結合を表し; R1は、Dが単結合の場合のみ存在することを条件とし
    て、水素、水酸基又はケトンであり; R2はメチル基、エチル基、イソプロピル基、又は第二ブ
    チル基又は−C(CH3)=CHR10(R10はメチル基、エチ
    ル基又はイソプロピル基である。)であり; R3は水酸基、ケトン、低級アルコキシ基、低級アルカノ
    イルオキシ基又は他の保護された水酸基であり; R4は水素、水酸基、ハロゲン、低級アルコキシ基、低級
    アルカノイルオキシ基、=NNHCONH2、=NNHSO2−C6H4CH
    3、−OCONR6R7、−NHCOAlk(Alkは低級アルキル基、又
    である)であり; R5は水酸基、ケトン又は−NR6R7であり; R6及びR7は独立に水素、低級アルキル基、低級アルカノ
    イル基、低級アルキルスルホニル基、又は置換されたベ
    ンゼンスルホニル基(置換基はハロゲンである)であ
    り; R8は水素又はハロゲンであり; R9は水素、ハロゲン、水酸基、ケトンである〕を有する
    化合物、又は三置換シリル基で保護されたその水酸基誘
    導体である化合物を製造する方法であって、 A又はBが二重結合である前記式Iを有する化合物、又
    は三置換シリル基で保護されたその水酸基誘導体である
    化合物を、触媒の存在下で水素雰囲気中において還元す
    ることからなる方法。
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