JP2530021B2 - 比色指示試験装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、液体媒質中に特定物質が微量含まれている
ことを判定するための試験カードとそれを用いた比色指
示試験装置及びその試験法に関する。

従来技術 広い様々な環境で種々様々な物質が、広般に使用され
るに伴って、例えば、抗生物質投与量の調節、或いは、
様々な種類の殺虫剤で処理された田畑に作業者が立入っ
ても安全かどうかを決定するのに、特定物質につき反復
試験を実施することが必要になっている。

従来の試験方法は、被検物質の抽出またはサンプルの
作製を要する。例えば、パラコートを動物の消毒に使用
した場合、消毒された植物のサンプルを実験室に持込
み、パラコートの懸濁液を作り、従来の一連の実験室試
験を実施し、パラコートが消失しているか、或いは、残
留量が、田畑に作業者を入れても安全な程度に少ないか
どうか決定する。物質試料を遠方で試験することが必要
なので、当然時間が掛かり、作物の収穫または他の必要
な作物処理を遅らせる。

同様に、患者に、ネオマイシン、ゲンタミシン等のよ
うな抗生物質を大量に投与する場合、通常、採血し、血
液サンプルを病院の試験室または他の試験室に持込み、
患者の血液中に存在する抗生物質量を測定するために必
要な試験を実施する。このように遠方で試験するため
に、試験結果に従い抗生物質の投与量を抑制または増量
するにしても、病院スタッフの対応に遅れをもたらすこ
とになる。

目的 本発明は、上述のごとき欠点を解決するためになされ
たもので、特定物質の有無を決定するために試験現場で
使用でき、遠方の実験室でその物質のための試験を行う
必要を除去する、比色指示試験装置を提供することにあ
る。

本発明の他の目的は、上記特定の比色試験装置で、ほ
ぼプラスチック製クレジットの寸法のパッケッジに収納
出来、試験現場への運搬、使用および試験結果の保管を
容易にしうる比色指示試験装置を提供することにある。

さらに、本発明の他の目的は、その構造と構成によ
り、試験目的である特定物質の有無を極めて迅速に表示
することが出来る、上記特性の試験カードを提供するこ
とにある。

本発明の関連させる目的は、フィルター室を形成する
ために中間フレーム部材に固定された上面壁と底面壁ま
たはシートにより構成されるハウジングまたは外被を含
む、上記特性の比色指示試験装置を提供することにあ
り、上記フィルター室には、ガラス繊維のような種々様
々な材質で製作出来、特定物質と使用試験液に対し不活
性である、平らで細長いフィルターが配置されている。

さらに、本発明の他の目的は、上記特性の比色指示試
験装置において、試験される特定物質に対する抗体を濃
厚に塗付した結合基質を含むフィルター本体に試験域ま
たは部分を設けることにあり、基質の能力と基質への濃
厚な塗付により、以下に述べる本発明の方法手順に従っ
てこの比色指示試験装置を使用することにより迅速に結
果が得られる。

さらに、本発明の他の目的は、上記特性の比色指示試
験装置において、フィルター本体上に、試験領域または
部分に並置した対照領域または部分を設けることにあ
り、該対照領域は対照領域に近接配置された試験領域と
同じ結合基質を抗体を含み、本発明の特定方法手順を経
て、試験孔に試験物質サンプルを供給し、次に種々の試
験物質と液体を塗付することにより生じる試験結果の指
示と比較しうる対照試験の指示を提供する。

本発明の関連する目的は、装置の試験孔に液体媒質に
懸濁させた特定物質のサンプルを塗付または供給する手
順を含む、本発明による比色指示試験装置の試験法を提
供することにあり、サンプルを試験孔に塗布または供給
すると、サンプルとその液体媒質がフィルター本体の試
験領域に直ちに吸いこまれ、もし、供給された液体媒質
中に抗原が存在すれば、結合基質上に支持された抗体
に、ほとんど直ちに結合する。

特定物質のサンプルを塗付後、この方法は、次の手順
として、試験孔に酵素標識抗原の水溶液を塗付する。こ
の溶液は、直ちに、サンプル溶液を、フィルター機中に
追い出し、実際に溶液が混ることがない。

この方法の次の手順は、基質溶液を供給して、未結合
の酵素標識抗原を含む溶液を置換させる。基質を塗付す
ると、抗体が試験物質中に保持される抗原と飽和される
抗原と飽和していれば、全然呈色反応しない。一方、試
験物質中による少い量の抗原がある場合は、わずかな呈
色が生じる。抗原が存在しない場合は、完全な色の飽和
が生じる。

この方法の補追手順は、対照孔を利用し、酵素試験の
飽和レベルの比色指示を提供することである。飽和状態
は、標識抗原と発色基質を対照孔を通じてフィルターの
対照領域に供給することにより実現される。標識抗原は
抗体を飽和させるので、完全な発色は、試験装置の有効
性と、試験物質中の抗原の有無を定性ならびに定量測定
するために予想出来また試験物質の色と比較出来る最大
色の決定の両方を指示することになる。

構成 本出願人は、種々な種類の有機化学薬品、抗生物質お
よび類似物質の従来の試験に付随する遅れをなくすため
に、大抵の財布に入れて持運べるプラスチック性クレジ
ットカードより小さいカードに具体化できる携帯式比色
試験装置を開発した。特定物質検出用にこのカードを利
用すれば、物質が採取される場所で直接、現場試験を実
施することが可能になる。

例えば、パラコート処理植物の場合、パラコートのサ
ンプルを液体媒質中に懸濁させ、直ちに試験カードに塗
付し、一連の手順を経て物質を試験し、植物上にパラコ
ートが残留している程度を定性ならびに定量的に迅速表
示させる。

同様に、患者が多量の抗生物質の投与を受けている病
院内では、患者の血を極く小量採血し、例えば、懸濁液
分離器を用いて抽出できる。血清は、直ちに、カードの
試験孔に供給し、各抗生物質の投与量を減少または増加
させるかを決定する。

本発明は、液体媒質中に特定物質が微量含まれている
ことを判定する比色指示薬による試験を具体化する試験
カードに係るもので、この試験カードは、中間フレーム
部材に上面シートと底面シートを接着してあり、このフ
レーム部材が上面および下面シートと共に、試験部を含
む平面フィルターを内臓したフィルター・チャンバーを
形成している。フィルターの試験部は、特定物質に対す
る抗体を結合させた結合基質を有している。また、本発
明による試験法では、未知量の抗原を含んでいる被験サ
ンプル試験孔を通じて投入し、サンプル投入後、酵素標
識抗原の水溶液を供給し、次に、液体基質を添加する
と、試験孔に投入したサンプル中に含まれている抗原量
に反比例して試験孔下のフィルター内で変色が生じるこ
とを特徴としたものである。以下、本発明の実施例に基
づいて説明する。

第１図は、本発明による試験カードを備えた比色試験
装置の一実施例を説明するための構成図で、図中、10は
比色指示試験装置、12は試験カード、14は上面シート、
15は通気孔、18は中間フレーム部材、20は長方形開口
部、22は分離又は遮断フィンガー、30はフィルターボデ
ィ、32は分離フィンガー、40は試験孔、42は対照孔であ
る。

比色指示試験装置10は、試験カード12に納められてお
り、先に記述の如く、通常のクレジットカードとほぼ同
寸法であり、ほぼ同じ容積である。比色指示試験装置
は、本発明の実施態様においては、カードに納められて
いるが、勿論、当業者には、この発明の種々な実施態様
を、この発明の主旨に反することなく、異なる形状で製
造できることは明らかである。

試験カード12は、通常、長方形の形状で、塩化ビニル
のような合成樹脂材料で製作した上面シート14を有して
いる。上面シート14には、その最下部付近に、以下に詳
述する方法で試験カードを通気する通気孔15が形成され
ている。

上面シート14は、中間フレーム部材18に接着されてお
り、この中間フレーム部材18は、塩化ビニルのような比
較的剛で薄いプラスチック材よりプレス加工または他の
方法で成形し、細長い長方形の開口部20を有し、中間フ
レーム部材18の上部から突き出ている。複数の液分離ま
たは遮断フィンガー22を有している。

上面シート14と同じ材質の底面シート24は、その上側
に圧力検出接着層26を有し、中間フレーム部材18の下側
に固定される。

比色指示試験装置10のフィルター室となる中間フレー
ム部材18の細長い長方形開口部20に、平で細長いフィル
ター・ボディ30が配置される。このフィルター・ボディ
30は圧縮したガラス繊維または類似の材料で成形され、
上方に突き出した複数のフィンガー、ならびに、下記に
詳述する目的のために、中間フレーム部材18上の対応フ
ィンガー間のスペースに挿入される部分または領域32を
含んでいる。

通気孔15は、フィルター室を構成する開口部20の下端
に重なり、また、フィルター30の本体の下端に重なる。

従って、種々の流体が試験孔と対照孔に入るので、フ
ィルターチャンバー20を大気と通じさせて、以下に詳述
するように、連続して供給された溶液の迅速分離を容易
にする。

明らかに、試験カード12の製造の第１段階は、フィル
ター・ボディ30上の突出しフィンガー32と中間フレーム
部材18上の共同作動分離フィンガー32を含む、フィルタ
ー・ボディ30を中間フレーム部材18の製作を含む。加え
て、上面シート14と底面シート24を製作し押印する。上
面シート14には、試験孔40ならびに対照孔42が並列して
設けられており、これらの孔の使用を容易にするための
説明文が該孔の近くに記されている。

フィルターは、広範な種類のフィルター材料製とし、
懸濁物質または粒子を捕捉出来る、任意数の深さのある
平面材で形成することが出来る。このような材料の好例
は、種々な多孔性範囲のものが入手できるガラス微小繊
維材料である。

使用するフィルター材料の固有な特性は、フィルター
の細孔がフィルターの平面において、互いに連絡してい
なければならないことである。従来の平面膜フィルター
は、懸濁物質または粒子は捕捉出来るが、この発明の実
施には適しておらず、即ち、対向面と連絡する細孔は有
しているが、表面間および表面にほぼ平行な側流のため
の流路を持っていない。

本発明の構造において、フィルター30の本体は、試験
および対照フィンガーからの液を濾過または吸いこむ。
これにより、続けて供給される液体を試験フィンガーお
よび対照フィンガー中に急速に吸い込むことが出来るの
で、特定物質に対する試験時に、種々の試験液を殆ど即
時処理しうる。

さらに、底面シート24には、試験結果を永続的な方法
で表示するために、例えば、第２図に示す凡例を押印す
る。正（陽）の箱を照合すると試験が正であった事実が
永久記録され、負（陰）の箱を照合すると試験が負であ
ったことを示し、無効箱を照合すると試験カードが正常
に作動しなかったことを示す。

カードの寸法が小さいため、試験結果を迅速に保存し
永久記録することが出来る。下面シート24上の説明に示
されているように、試験孔40が少しも発色しない場合、
試験は完全に正（陽）である。試験孔40が完全に発色す
る場合は、試験は負（陰）であり、以後に説明する通
り、試験孔と対照孔の両方共発色しなければ、試験は無
効である。

上面シート14および底面のシート16に上述のように押
印後、シートの裏面に、図面上の底面シート16と26に示
すように、圧力検出接着剤を塗布する。

試験キットの構成部品は、試験サンプルを対照フィン
ガー32に定量塗布する前に組立てる。フィルターボディ
30は、フィルター室を形成する開口部20に挿入し、上面
シート14と底面シート24は、各々、中間フレーム部材18
の周辺に接着する。試験キット12を物理的に組立てか
ら、結合基質を、各々、試験孔40と対照孔42を通じ試験
および対照フィンガー32に堆積させる。このような結合
基質は、勿論、試験の目的である特定の試験サンプルに
適応させねばならない。

代表的なバクテリア結合基質は、黄色ブドウ球菌およ
び類似の粘着バクテリアである。また、ゴムまたはガラ
ス製の微小な不完全球体のような固形基質をフィルター
の試験および対照フィンガー32中に使用することも考え
られる。

補助フィンガー32を設けてあり、必要に応じて、補助
試験または対照機能として使用できることにも注意した
い。

フィルターボディ30の試験部と対照部を構成するフィ
ンガー32に基質付着後、試験される抗原に対する必要な
抗体を試験および対照フィンガーの両方に付着させ、結
合基質を最大限飽和させる。

結合基質に抗体を付着後、試験キット12は使用できる
状態となる。勿論、試験キット12には、使用する試験名
を記したラベルを貼る。

従って、多数の組立ずみ試験キット12を準備保管して
おき、特定の試験の必要が生じた時に、試験孔40と対照
孔42を通じて基質抗体を組合せ付着させることが出来
る。

フィルター・ボディの試験部と対照部は、フィンガー
32により構成し、中間フレーム部材18のフィンガー22の
間に挿入し、該フィンガー22は、液状を通さず、試験お
よび対照フィンガー32の間の連絡を阻止する封鎖・分離
手段として働く。

上面シート14がフレーム部材18と共同作用し、フィル
ター・ボディ30と重なり合うように配置されている場
合、試験孔40と対照孔42は各々、フィルター・ボディ30
の試験および対照部分を形成する試験および対照フィン
ガー32との結合抗体を整列する。

試験および対照フィンガー32上に付着し、結合基質と
共に使用される抗体は、このような抗体を取扱う商社よ
り購入するか、或いは、実験動物に選別された抗原を注
射して発生させることが出来る。いずれにしても、抗体
は、当然、試験の主体である抗体と一致しなければなら
ない。

例えば、植物上のパラコートの有無に関する試験を実
施する場合、抗体は、パラコート抗原の存在に応じて発
生したものでなければならない。

パラコートに関する試験を行う場合、パラコートが残
留している恐れのある適当な懸濁液を試験孔40を通じて
供給し、また、該懸濁液中にパラコートの抗原が含まれ
ていれば、試験フィンガー32上の抗体と結合する。

抗原は抗体と結合して、試験フィンガー32上の抗体ゾ
ーンを通じ試験サンプルが吸い込まれて行くにつれ、ほ
ぼ非可逆な複合体を生成する。抗体が高濃度であるの
で、反応は、非常に早く、数秒以内で生じ、感度は、サ
ンプルの寸法を増大すれば高めることが出来る。

サンプルの吸い込みが完了してから、酵素標識抗原の
水溶液を一滴、試験孔40に加える。吸い込み作用でフィ
ルター30の本体中に移送されずに残っていた試験サンプ
ルの残液部分は、この溶液で置換される。酵素標識抗原
は、標識複合体の量が試験サンプル中の抗原量に反比例
するように、空の抗体と結合する。

酵素標識化抗原を試験孔40を通じて供給してから、基
質溶液を試験孔40に供給し、試験孔40付近に残っている
標識化抗原溶液部分を移送させる。結合した酵素は、基
質に作用し、色の変化を生じ、この変色は、試験孔40を
通じて容易に観察することが出来る。全然発色しないの
は、試験サンプルは、抗体を飽和させるのに十分な抗原
を含んでいたことを示すものである。

完全な発色が生じるのは、標識化抗原が全てまたは殆
どの抗体場所を占拠したためにサンプル中に抗原は殆ど
存在していないことを示している。

中間の色変化が生じるのは、サンプル中に抗原が存在
しており、抗原の性質により、この指示に基ずきしかる
べき決定をすべきであることを示している。

試験孔で発色がないのは、試験サンプル中の抗原によ
り抗体が完全に飽和していることを示しているのである
から、対照孔42を通じて対照フィンガー32上の抗体と結
合基質に近ずけることが望ましい。これにより、試験カ
ードを用いて、対照孔42に標識抗原溶液を供給すること
を可能にする。勿論、標識抗原は、直ちに抗体と結合
し、続いて、対照孔42に発色基質を供給すると完全な色
飽和がもたらされる。

もし、抗体標識抗原の組合せが正常に機能しなけれ
ば、比色法による発色が生じず、これは、その試験カー
ドには欠陥があるので、捨てて、新しい試験カードに交
換すべきことを示している。

試験キット12の機能上で最も重要なことは、カードの
構造は、通気口突きフィルターチャンバー20と大きなフ
ィルターボディ30上の試験および対照フィンガー32の組
合せにおいて、連続して供給された、各々、試験サンプ
ル、酵素標識抗原および基質を含む溶液の分離を本来的
に達成しうる事実である。溶液の液成分を即時消散でき
るので、連続してサンプル、標識抗原および発色基質を
連続供給し、迅速に試験結果を得ることが出来る。

さらに、上面壁14に設けられた通気穴15は、フィルタ
ー・ボディ30の下端で大気と連絡し、連続して溶液をフ
ィルター・ボディ30を通し下方に急速流下させることが
出来、試験手順を著しく促進する。

本発明の試験カードとその使用方法が可搬性、瞬時応
答性、対照機能の内臓および応用範囲の広さにおいて先
行技術より多大の進歩をとげていることは、当業者には
すぐに理解できるであろう。

同様に、フィルター・ボディの試験および対照部分に
供給された抗体の密度が、種々の試験を実行出来る速度
をかなり高めている事実も重要である。さらに、平面フ
ィルター・ボディに試験部分と対照部分が連絡してお
り、試験部分と対照部分に供給された種々の溶液の吸い
出しが著しく向上し、このようにして、本発明の方法手
順実行時に供給される種々の試験液および他の溶液が薄
められるのをかなり避けることが出来る。

本発明の他の実施態様に従い、第１図〜第４図に示さ
れたフィルターボディの構造に或る構造変化を加えるこ
とにより、これまでに記述せる形式のカードに関し、改
善された結果が得られることを発見した。

第５図に、この構造図が、フィルター・ボディ30に関
し示されている。第５図において、フィルターボディ
は、反応孔40,42および44から出発し延伸している。少
なくとも２本のフィンガー32を内含している。これによ
り、反応孔より、いわゆる《２方向》の液の流れが得ら
れる。盛上った島48は反応場所を互いに分離し、通気口
15は適当な通気を許す。

第１図〜第４図に示した単方向流カードに対するはっ
きりした利点が得られる。これは、部分的には、流体
が、今や１方向ではなく、２方向に流れることが出来、
より吸上げが早くなる事実によっている。また、これに
より試薬の要求量が少なくなり、試薬反応用の孔もより
小さくすることが出来る。

この実施態様のカードは、吸込み作用が単方向流カー
ドの場合の１槽と違い、２槽で生じるので、より集中し
た反応場所が得られ、より多量の液体を添加出来る点
で、より高い柔軟性が得られる。我々は、また、第５図
に示すように形式の２方向流カードを使用する場合、バ
ックグラウンドの読みがより低くなることを発見した。

追加槽を保持することが望ましい場合もある。例え
ば、第６図に示す形式の１枚のカード上で幾つかの反応
が行われる場合、より多量の液体を保持出来るように、
孔52を通じ、追加槽パッド50をフィルタパッド30の下に
配置することが出来る。

このカードは、単方向流カードと比べ同一カード上に
多数の試験孔を配置できるので、より望ましい製造面で
の節約がはかれる。カードは、勿論、単方向流カードに
ついて示した通り、剛性または軟性カードとすることが
出来る。但し本実施態様では２つの孔で吸いこみが得ら
れる。２重の流れが拡散液をより一様に分配するので、
６孔以上の孔を利用することが可能である。

第５図につき、さらに説明すると、フィルターパッド
30の構造は、放射状フィンガー32が上面層24の反応孔4
0,42および44の直下に、その海峡部を有し、２方向流を
生み出すようになっている。２個の貯臓体が放射状フィ
ンガー32から続いており、放射状フィンガーと連絡し、
２個の分離手段を提供し、液体を反応場所からより迅速
に吸い出せるようにしていることが明らかである。

フィルター・ボディ30の下に、フィルターに合致し、
分離部48を含むプラスチック製のテンプレート20が配置
される。これらの分離部分は、２方向流れモードにおい
て反応チャンバーを分離する。所望ならば、追加槽を、
プラスチックス製テンプレートとフィルタ30の中間に設
置出来、貯臓量を増大させることが出来る。

第５図に示した上記実施例は、好適な実施例である
が、１カード当りのフィンガーと反応孔の個数を６個以
上に増加させることが可能であり、特定の状況下におい
ては、実際により好ましい。運転モードと準備方法は、
６孔の場合も、第４図と第５図に示す２孔または３孔の
場合と同じである。第６図に、この複孔２方向流の実施
例を示すが、その運転は、特に説明せずとも明らかであ
ろう。試験カードに納めた比色指示試験装置を開示した
が、本発明の主旨または添付の特許請求範囲に反するこ
となく、多くの異なる実施例を製作しうることは当業者
には明らかであろう。

効果 以上の説明から明らかなように、本発明によると、試
験カードがプラスチック製クレジット寸法のパッケージ
に収納出来るので田畑等の試験現場への運搬使用等が容
易である。

また、フィルター本体上に、試験部分と対照部分とを
設け、試験結果の指示比較を可能とする。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明による試験カードの一実施例を説明す
るための平面図、第２図は、その底面図、第３図は、第
１図の破線III−IIIについての拡大部分断面図、第４図
は、第１図の試験カードの種々の構成部品を示す分解
図、第５図（ａ），（ｂ）と第６図（ａ），（ｂ）は、
本発明の他の実施例を示すもので、各々（ａ）は平面
図、（ｂ）は分解図である。 10……比色指示試験装置、12……試験カード（キッ
ト）、14……上面シート、15……通気孔、16……底面シ
ート、18……中間クレーム部材、20……長方形開口部、
22……分離・遮断フィンガー、24……底面シート、26…
…圧力検出接着層、30……フィルターボディ、32……対
照フィンガー、40……試験孔、42……対照孔、44……反
応孔、48……分離部。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−71832（ＪＰ，Ａ)

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】対照孔と試験孔とを有する上面壁と底面壁
   および側縁を含むハウジングと、該ハウジング内のフィ
   ルターチャンバーと、該フィルターチャンバーに配設さ
   れて前記上面壁の対照孔（40,44）と試験孔（42）に各
   々対応して並置された対照部分と試験部分とを有する平
   らな細長いフィルターボディ（30）と、該対照部分と該
   試験部分の間に配設されて該両部分を隔離する障壁手段
   （48）とからなる液体媒質中の特定物質の有無を決定す
   る比色指示試験装置において、前記フィルターボディの
   対照部分と試験部分は、前記上面壁の孔の各々からの液
   体を少なくとも２方向に搬送することを特徴とする比色
   指示試験装置。
2. 【請求項２】前記障壁手段は、底面壁の盛上った島（4
   8）によって形成されていることを特徴とする請求項１
   に記載の比色指示試験装置。