JP2529951B2 - 磁気エンコ−ダ用磁気抵抗センサ - Google Patents

磁気エンコ−ダ用磁気抵抗センサ

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JP2529951B2
JP2529951B2 JP61247062A JP24706286A JP2529951B2 JP 2529951 B2 JP2529951 B2 JP 2529951B2 JP 61247062 A JP61247062 A JP 61247062A JP 24706286 A JP24706286 A JP 24706286A JP 2529951 B2 JP2529951 B2 JP 2529951B2
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健三郎 飯島
勝之 横井
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は、例えば磁気ロータリーエンコーダ等に適
用され、磁気記録媒体に記録された磁気情報を、固有抵
抗が磁界の強さに応じて変化する磁気抵抗素子を用いて
検出することにより、磁気記録媒体の相対的変位を検出
する磁気エンコーダ用磁気抵抗センサに関する。
「従来の技術」 周知のように、磁気ロータリーエンコーダは、シャフ
トに固定された円盤状の磁気記録媒体と、この磁気記録
媒体と所定のギャップを隔てて対向配置された磁気抵抗
センサとから構成されているが、これらは、従来、一般
に第3図(イ)〜(ニ)に示すように構成されている。
これらの図において、1は磁気記録媒体、2は磁気抵
抗センサである。この磁気記録媒体1には、磁気抵抗セ
ンサ2と対向する円軌道に沿って波長λの正弦波を磁化
記録することにより、等間隔の磁化ピッチ1a,1a,…から
なる磁気情報(着磁パターン)が記録されている。一
方、磁気抵抗センサ2は、ガラス基板3と、このガラス
基板3上に蒸着された磁気抵抗素子4とから構成されて
いる。この磁気抵抗素子4は、磁界中に置かれた場合、
その磁界の強さに応じて固有抵抗が変化する現象、いわ
ゆる磁気抵抗効果が生じる素子材料によって構成されて
おり、この磁気抵抗効果を利用して、磁気記録媒体1が
図に示す矢印M方向に相対変位した場合に、磁気記録媒
体1上に記録された着磁パターンが読み取られ、これに
より、磁気記録媒体1と共に回転するシャフトの回転量
が検出されるようになっている。すなわち、磁気抵抗素
子4は、磁気記録媒体1の変位方向Mと直交する方向に
延びる検出部S1〜S16と、これら各検出部S1〜S16の間を
各々接続し、変位方向Mと平行に延びる接続部C1〜C16
とから構成されており、端子T3を接地して、端子T1とT5
に+Vccを印加すると、磁気記録媒体1の変位に伴っ
て、端子T2から正弦波の検出信号SinOUTが出力されると
共に、端子T4から余弦波の検出信号CosOUTが出力され
る。つまり、検出部S1〜S8と接続部C1〜C8からなる正弦
波検出用磁気抵抗素子Aによって検出される検出信号Si
nOUTは、検出部S9〜S16と接続部C9〜C16からなる余弦波
検出用磁気抵抗素子Bによって検出される検出信号CosO
UTと、位相がλ/4(90゜)ずれていることになる。これ
により、これらの検出信号SinOUTとCosOUTに基づいて、
磁気記録媒体1の変位方向および変位量が求められる。
ところで、上述した磁気抵抗センサ2の正弦波検出用
磁気抵抗素子Aと余弦波検出用磁気抵抗素子Bとの中心
間の距離は、約1mm(約8λ分)前後に設定されている
が、このような微少距離であっても、磁気記録媒体1側
に物理的な歪が発生している場合があり、これが高精度
の検出信号SinOUTおよびCosOUTを得ることができない原
因となっていた。すなわち、磁気記録媒体1に歪が生じ
ている場合、検出信号SinOUTとCosOUTに、互いに逆相の
うねりが発生し、これらの検出信号SinOUTおよびCosOUT
を、デジタル処理するために、波形整形回路により所定
のしきい値より高いか否かによって2値レベルの信号に
変換すると、これら2値信号のパルス値に広狭が生じ、
この結果、検出誤差が生じてしまう。
このような問題点を解決するために、本出願人は先に
第4図(イ)および(ロ)に示す磁気エンコーダ用磁気
抵抗センサを開発した。これらの図において、10は、例
えばホウ酸ガラスからなる基板であり、この基板10上に
は検出部S1〜S8と接続部C1〜C8からなる正弦波検出用磁
気抵抗素子Aが蒸着されている。また、正弦波検出用磁
気抵抗素子Aが蒸着された基板10上には、厚さが数百Å
〜1000Åの非磁性の、例えばシリコン酸化膜からなる絶
縁膜12が形成されており、この絶縁膜12上には検出部S9
〜S16と接続部C9〜C16からなる余弦波検出用磁気抵抗素
子Bが蒸着されている。さらに、この余弦波検出用磁気
抵抗素子Bが蒸着された絶縁膜12上には、例えばPSG膜
(phospho−silicate−glass;りんをドープしたシリコ
ン酸化膜)からなる保護膜14が形成されている。上記正
弦波検出用磁気抵抗素子Aおよび余弦波検出用磁気抵抗
素子Bからなる磁気抵抗素子4はNi−Fe(ニッケル−
鉄),Ni−Co(ニッケル−コバルト)などの強磁性材
料、またはInSb(アンチモン化インジウム)などの半導
体によって構成されている。また、各検出部S1〜S16
相対的位置関係について述べると、検出部S1〜S4は各々
λずつ離間し、検出部S5は検出部S4とλ/2離間し、検出
部S5〜S8は各々λずつ離間し、検出部S16〜S13は各々λ
ずつ離間し、検出部λ12は検出部λ13とλ/2離間し、検
出部S12〜S9は各々λずつ離間して配置されている。さ
らに、各検出部S1〜S8は、各S16〜S9に対して各々λ/4
ずつ離間して配置され、これにより、正弦波検出用磁気
抵抗素子Aと余弦波検出用磁気抵抗素子Bが、絶縁膜12
を介して絶縁された状態で、磁気記録媒体(第3図参
照)に記録された正弦波の波長λに対して位相がλ/4ず
れるように、重畳的に配置されている。
このように、正弦波検出用磁気抵抗素子Aと余弦波検
出用磁気抵抗素子Bを重畳的に配置することにより、磁
気記録媒体1に微少な物理的歪が生じている場合におい
ても、正弦波検出用磁気抵抗素子Aと余弦波検出用磁気
抵抗素子Bから各々出力される検出信号SinOUTとCosOUT
のうねりを同相化することができ、この結果、検出誤差
を低減することができる。
「発明が解決しようとする問題点」 しかしながら、上述した検出誤差の低減を図った磁気
エンコーダ用磁気抵抗センサにおいても、未だ次に述べ
るような欠点があった。
正弦波検出用磁気抵抗素子Aと余弦波検出用磁気抵抗
素子Bとの間に設けられた絶縁膜12が、余弦波検出用磁
気抵抗素子Bの検出特性に影響を与え、ヒステリシス特
性が増大してしまう。
λ/4の位相差を有する検出信号SinOUTとCosOUTを得る
ためには、正弦波検出用磁気抵抗素子Aと余弦波検出用
磁気抵抗素子Bの相対位置関係を、正確にλ/4に設定し
なければならないが、これら磁気抵抗素子AおよびBを
蒸着により形成する工程が別工程であるため、現在のマ
スクパターン合わせの技術では位置合わせ精度に限界が
あり、所望の精度が得られない。例れば、磁気ロータリ
ーエンコーダにおいては、検出信号SinOUTとCosOUTに基
づいて、ひとつの磁化ピッチ1aを電気的に細かく分割
し、高精度の変位データ(デジタルデータ)を得る分割
回路が設けられているが、ここで、8ビットの変位デー
タを得るためには1磁化ピッチについて256分割しなけ
ればならず、そのためには、電気角位相誤差を0.4%以
内に抑える必要があり、この結果、正弦波検出用磁気抵
抗素子Aと余弦波検出用磁気抵抗素子Bとの間の寸法公
差を0.4%以内(±0.3μm)に抑える必要がある。しか
しながら、このような位置合わせ精度を得ることは、現
在のマスクパターン合わせの技術では非常に困難であ
る。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたもので、絶
縁膜の影響を少なくすることができると共に、正弦波検
出用磁気抵抗素子と余弦波検出用磁気抵抗素子の位置合
わせの精度の向上を図ることができる構造の磁気エンコ
ーダ用磁気抵抗センサを提供することを目的としてい
る。
「問題点を解決するための手段」 この発明は、所定の軌道に沿って正弦波の磁気情報が
記録された磁気記録媒体と対向配置される磁気エンコー
ダ用磁気抵抗センサにおいて、同一基板上に設けられ、
前記磁気記録媒体との相対変位に応じて正弦波および余
弦波の各検出信号をそれぞれ出力する第1および第2の
磁気抵抗素子を備え、前記基板上に複数個形成される前
記第1および第2の磁気抵抗素子が互いに交差する部分
の各々は、いずれか一方の交差辺のみが連続的に形成さ
れ、他方の交差辺は交差する部分の両側で分断されこの
分断端部にジャンパ線接続用端子部を形成しこれらジャ
ンパ線接続用端子部の間を前記基板上に敷設されるジャ
ンパ線を介して接続することにより形成されており、か
つ、前記複数個の交差する部分における前記分断される
交差辺として、前記第1および第2の磁気抵抗素子が交
互に選定されるか、あるいは、いずれか一方の磁気抵抗
素子のみを常に選定するようにしたことを特徴としてい
る。
「作用」 第1の磁気抵抗素子と第2の磁気抵抗素子が共に同一
の基板上に形成されているため、従来のように、磁気抵
抗素子を覆う絶縁膜の影響により、一方の磁気抵抗素子
のヒステリシス特性が増大することがなく、また、第1
の磁気抵抗素子と第2の磁気抵抗素子を同一の基板上に
同時に形成することができるので、これら各磁気抵抗素
子間の位置合わせの精度の向上が図られ、これにより、
各磁気抵抗素子から高精度の位相差を有する検出信号が
出力される。
「実施例」 以下、図面を参照し、この発明の実施例について説明
する。
第1図(イ)〜(ハ)はこの発明の第1実施例の構成
を示す図である。なお、第1図(イ)においては、基板
10および磁気抵抗素子4のパターンを実線によって示
し、その他の構成は省略されている。
これらの図に示すように、基板10上には検出部S1〜S8
と接続部C1〜C7からなる正弦波検出用磁気抵抗素子A、
および、検出部S9〜S16と接続部C10〜C16からなる余弦
波検出用磁気抵抗素子Bが蒸着され、その上に絶縁膜12
が形成されている。これら各検出部S1〜S16の相対的位
置関係は、第4図に示すものと同様である。また、図に
おいてJ1〜J14はジャンパ部であり、これらは検出部S2,
S4,S5,S6,S9,S11,S13,S15の各端部、および接続部C2,
C6,C10,C12,C14,C16の各端部に各々設けられており、要
するに、正弦波検出用磁気抵抗素子Aと余弦波検出用磁
気抵抗素子Bとが互いに交差する部分に各々設けられて
いる。例えば、正弦波検出用磁気抵抗素子Aの検出部S2
と、余弦波検出用磁気抵抗素子Bの接続部C16とが交差
する部分に関して述べれば、第1図(ハ)に示すよう
に、接続部C16の端部にジャンパ部J14が設けられ、検出
部S15の端部にジャンパ部J13が設けられ、これらジャン
パ部J14と、ジャンパ部J13との間が、ジャンパ線20によ
って接続されている。
上述した構成によれば、正弦波検出用磁気抵抗素子A
と余弦波検出用磁気抵抗素子Bが共に同一の基板10上に
形成されているため、従来と比較して、絶縁膜12の影響
を受けなくなり、ヒステリシス特性が少なくなる。ま
た、製造時において、正弦波検出用磁気抵抗素子Aと余
弦波検出用磁気抵抗素子Bとを基板10上に同時に形成す
ることができ、言い替えれば1つのマスクパターンで磁
気抵抗素子AおよびBを基板10上に形成することができ
る。したがって、マスクパターンのパターン精度、すな
わち1μm以下のいわゆるサブミクロン単位の精度で、
各磁気抵抗素子AおよびB間の位置合わせを実現するこ
とができる。これにより、正弦波検出用磁気抵抗素子A
から出力される検出信号SinOUTと、余弦波検出用磁気抵
抗素子Bから出力される検出信号CosOUTの位相差をλ/4
に、高精度に設定することができる。
次に、この発明の第2実施例について第2図を参照し
て説明する。この図において上述した第1実施例と異な
る点は、ジャンパ部J1〜J14の位置である。すなわち、
余弦波検出用磁気抵抗素子Bを構成する検出部S8〜S16
と接続部C10〜C16の各端部にのみジャンパ部J1〜J14
設けられ、正弦波検出用磁気抵抗素子Aを構成する検出
部S1〜S8と接続部C1〜C7は連続的に接続されている。そ
の他、各検出部S1〜S16の相対位置関係等については、
第1図に示すものと同様である。
「発明の効果」 以上説明したように、この発明によれば、基板上に複
数個形成される第1および第2の磁気抵抗素子が互いに
交差する部分の各々は、いずれか一方の交差辺のみが連
続的に形成され、他方の交差辺は交差する部分の両側で
分断されこの分断端部にジャンパ線接続用端子部を形成
しこれらジャンパ線接続用端子部の間を前記基板上に敷
設されるジャンパ線を介して接続することにより形成さ
れており、かつ、複数個の交差する部分における分断さ
れる交差辺として、第1および第2の磁気抵抗素子が交
互に選定されるか、あるいは、いずれか一方の磁気抵抗
素子のみを常に選定するようにしたので、第1および第
2の磁気抵抗素子を同一基板上に同時に形成することが
でき、これにより、耐ノイズ性に優れ、しかも部品とし
ても信頼性が向上するという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図(イ)はこの発明の第1実施例の構成を示す概略
平面図、第1図(ロ)は同図(イ)のA−A線視断面
図、第1図(ハ)は同図(ロ)の部分拡大断面図、第2
図はこの発明の第2実施例の構成を示す概略平面図、第
3図(イ)〜(ニ)は従来の磁気ロータリーエンコーダ
の磁気記録媒体1と磁気抵抗センサ2の構成を示す図、
第4図(イ)は従来の磁気抵抗センサの構成を示す概略
平面図、第4図(ロ)は第4図(イ)のA−A線視断面
図である。 A……正弦波検出用磁気抵抗素子(第1の磁気抵抗素
子)、B……余弦波検出用磁気抵抗素子(第2の磁気抵
抗素子)、S1〜S16……検出部、C1〜C16……接続部、J1
〜J14……ジャンパ部、1……磁気記録媒体、4……磁
気抵抗素子、10……基板、12……絶縁膜、20……ジャン
パ線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横井 勝之 浜松市中沢町10番1号 日本楽器製造株 式会社内 (72)発明者 林 好典 浜松市中沢町10番1号 日本楽器製造株 式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−83910(JP,A) 特開 昭61−161418(JP,A) 特開 昭61−144508(JP,A) 実開 昭57−22261(JP,U) 実開 昭56−110605(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の軌道に沿って正弦波の磁気情報が記
    録された磁気記録媒体と対向配置される磁気エンコーダ
    において、 同一基板上に設けられ、前記磁気記録媒体との相対変位
    に応じて正弦波および余弦波の各検出信号をそれぞれ出
    力する第1および第2の磁気抵抗素子を備え、 前記基板上に複数個形成される前記第1および第2の磁
    気抵抗素子が互いに交差する部分の各々は、 いずれか一方の交差辺のみが連続的に形成され、他方の
    交差辺は交差する部分の両側で分断されこの分断端部に
    ジャンパ線接続用端子部を形成しこれらジャンパ線接続
    用端子部の間を前記基板上に敷設されるジャンパ線を介
    して接続することにより形成されており、 かつ、前記複数個の交差する部分における前記分断され
    る交差辺として、前記第1および第2の磁気抵抗素子が
    交互に選定されるか、あるいは、いずれか一方の磁気抵
    抗素子のみを常に選定するようにした ことを特徴とする磁気エンコーダ用磁気抵抗センサ。
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US07/059,941 US4806860A (en) 1986-06-10 1987-06-09 Overlapped magnetoresistive displacement detecting transducers having closely spaced longitudinal centers
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