JP2529249Y2 - データライン用フィルタ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、一対の磁性コア部材を接合することにより
データライン挿通孔が形成される磁性コアを用いたデー
タライン用フィルタに関する。

（従来の技術） 従来より、電子機器の本体とその端末（例えばコンピ
ュータ本体とディスプレイ等）とを接続するデータライ
ンをリング形状の磁性コアに挿通することにより、その
データラインに流れる信号に混入しているノイズを除去
することが知られ、これを改良するものとして、接合す
ることによりデータライン挿通孔が形成される一対の磁
性コア部材をそれぞれ収納した一対のケース部材の一方
に係止用爪を設け、他方にこの係止用爪の受部を設けて
該係止用爪をその弾力によって受部に係止して一方のケ
ース部材を他方のケース部材に固定し、一対の磁性コア
部材を接合するようにしたものが知られている（実公昭
62-14770号公報参照）。

（考案が解決しようとする課題） 上述のデータライン用フィルタは、予め配設されたデ
ータラインに装着してその特性をチェックし、特性が好
ましくない場合には一対のケース部材を分離してケース
内の磁性コア部材を取り出し、磁気特性の異なる別の磁
性コア部材を選択してケース内に収納し、再び特性をチ
ェックする。そして最も好ましい特性のフィルタが得ら
れるまでこれを繰返す。

したがって、前記係止用爪及びその受部の弾力の劣化
し易く、そのため一対の磁性コア部材の接合が不十分に
なり、その結果、フィルタ特性が低下するという課題が
あった。

本考案は、従来のこのような課題を解決することをそ
の目的とするものである。

（課題を解決するための手段） 本考案は、上記の目的を達成するために、一対の磁性
コア部材から成り、該一対の磁性コア部材を接合すると
データライン挿通孔が形成される磁性コアと、樹脂材で
成型され前記一対の磁性コア部材を収容する一対のケー
ス部材から成り、該一対のケース部材は、これらを閉成
状態に接合したときデータライン挿通孔が形成されると
共に前記一対の磁性コア部材を接合して閉磁路を形成す
るデータライン用フィルタにおいて、前記一対のケース
部材は、それぞれの周壁の両端縁に孔が形成された係止
用突起を有し、一つのケース部材の一方及び他方の端縁
の係止用突起の孔は、該一対のケース部材を閉成状態に
接合したとき、それぞれ、他のケース部材の一方及び他
方の端縁の係止用突起の孔と一直線上に並ぶように構成
され、一直線上に並んだ一対のケース部材の一方の端縁
の孔及び他方の端縁の孔にそれぞれ挿通し一つのケース
部材を他のケース部材に固定するピンを具備することを
特徴とする。

（作用） 樹脂材から成る一対のケース部材のそれぞれの周壁の
両端縁の係止用突起に孔を形成し、一対のケース部材を
閉成状態に接合したとき、一直線上に並んだ一対のケー
ス部材の一方の端縁の孔及び他方の端縁の孔にそれぞれ
ピンを挿通することにより一つのケース部材を他のケー
ス部材に固定するので、ケースの開閉を繰り返したとき
磨耗する係止用爪及びその受部を有する従来のもののよ
うな磨耗する箇所がなく、それ故、ケースの開閉を繰り
返しても一対のケース部材を接合した状態において、ケ
ースに収納された一対の磁性コア部材の接合面の接合状
態は変わることがなく、フィルタ特性が良好に保持され
且つ再現性が損なわれない。又、一対のケース部材の他
方の端縁に一つのケース部材を他のケース部材を互いに
連結する一体構成の蝶番片を有する従来のもののよう
に、蝶番片を有しないので、その疲労による切断でケー
スが破損するという欠点を生じない。

（実施例） 以下本考案の実施例を図面につき説明する。

第１図乃至第４図は本考案の一実施例を示す。

同図において、１、２はそれぞれ半円筒状の磁性コア
部材で、その接合面３には凹部４が形成され、両磁性コ
ア部材１、２を接合面３において混合したきその凹部４
によりデータライン挿通孔５が形成されるようになって
いる。この磁性コアを構成する一対の磁性コア部材１、
２はそれぞれ半円筒状凹部が形成される一対のケース部
材６、７に収納される。この一対のケース部材６、７は
同形で樹脂材でモールド成型される。その周壁の一端縁
にはその中央に円柱状突起８を有し、他端縁には前記突
起８の幅の間隔をおいて一対の円柱状突起９、９を有す
る。突起８及び突起９の１つには貫通孔10が形成され、
突起９の他の１つには一端がネジ11になった孔12が形成
される。

それぞれ磁性コア部材１、２が収納されたケース部材
６、７を第２図示のように開放した状態において、磁性
コア２の凹部４及びケース部材７の両端壁に形成された
凹部13にデータライン14を嵌合した後、第１図示のよう
に両ケース部材６、７を接合し、次いで一直線上に並ん
だ突起８及び９の貫通孔10及び12にピン15を挿入し、回
転してピン15のネジ16を孔12のネジ11に螺合してネジ止
めする。

（考案の効果） 本考案は、上述のような構成を有するから、データラ
インへの装着を繰り返してもフィルタ特性が劣化するこ
とがないと共にフィルタ特性の再現性に優れ、又、ケー
スが破損することがないという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例の斜面図、第２図はデータ
ライン装着時の開放状態を示すその斜面図、第３図はそ
の分解斜面図、第４図は第１図のIV-IV線截断面図であ
る。 1,2……磁性コア片、３……接合面、５……データライ
ン挿通孔、6,7……ケース部材、8,8a,9,9a……突起、1
0,10a,10b,10c……貫通孔、12,12c……孔、14……デー
タライン、15……ピン

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】一対の磁性コア部材から成り、該一対の磁
   性コア部材を接合するとデータライン挿通孔が形成され
   る磁性コアと、樹脂材で成型され前記一対の磁性コア部
   材を収容する一対のケース部材から成り、該一対のケー
   ス部材は、これらを閉成状態に接合したときデータライ
   ン挿通孔が形成されると共に前記一対の磁性コア部材を
   接合して閉磁路を形成するデータライン用フィルタにお
   いて、前記一対のケース部材は、それぞれの周壁の両端
   縁に孔が形成された係止用突起を有し、一つのケース部
   材の一方及び他方の端縁の係止用突起の孔は、該一対の
   ケース部材を閉成状態に接合したとき、それぞれ、他の
   ケース部材の一方及び他方の端縁の係止用突起の孔と一
   直線上に並ぶように構成され、一直線上に並んだ一対の
   ケース部材の一方の端縁の孔及び他方の端縁の孔にそれ
   ぞれ挿通し一つのケース部材を他のケース部材に固定す
   るピンを具備することを特徴とするデータライン用フィ
   ルタ。