JP2528614B2 - 起振力打消し歯車の形成方法 - Google Patents
起振力打消し歯車の形成方法Info
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- JP2528614B2 JP2528614B2 JP5293572A JP29357293A JP2528614B2 JP 2528614 B2 JP2528614 B2 JP 2528614B2 JP 5293572 A JP5293572 A JP 5293572A JP 29357293 A JP29357293 A JP 29357293A JP 2528614 B2 JP2528614 B2 JP 2528614B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、噛み合い時の起振力を
打消すことができる歯車の形成方法に関し、更に詳しく
は、はすば歯車あるいはやまば歯車において噛み合い時
の起振力を打消すことができる歯車形成方法に関するも
のである。
打消すことができる歯車の形成方法に関し、更に詳しく
は、はすば歯車あるいはやまば歯車において噛み合い時
の起振力を打消すことができる歯車形成方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来より、歯車機構においては、歯端の
不完全歯部近傍の噛み合い剛さ及び噛み合い線の長さの
特殊性(歯幅中央部に比して)に起因して噛み合い時に
起振力を生じている。この起振力は、はすば歯車(本明
細書においてはやまば歯車を含む)においては平歯車に
比べて小さいが、歯幅が有限であるため必ず歯端の2ヶ
所を有しており、そのため、噛み合い時に発生する起振
力を避けることができない。
不完全歯部近傍の噛み合い剛さ及び噛み合い線の長さの
特殊性(歯幅中央部に比して)に起因して噛み合い時に
起振力を生じている。この起振力は、はすば歯車(本明
細書においてはやまば歯車を含む)においては平歯車に
比べて小さいが、歯幅が有限であるため必ず歯端の2ヶ
所を有しており、そのため、噛み合い時に発生する起振
力を避けることができない。
【0003】この起振力を生じる歯車の一例として、図
5の一部断面図に示すはすば歯車のように、歯車部材5
1の歯端52から所定ネジレ角度βと所定ピッチPで斜
めに形設した歯53を有するはすば歯車hにおいては、
歯幅54が有限であるため、必ず歯端の2ヶ所で起振力
を生じている。
5の一部断面図に示すはすば歯車のように、歯車部材5
1の歯端52から所定ネジレ角度βと所定ピッチPで斜
めに形設した歯53を有するはすば歯車hにおいては、
歯幅54が有限であるため、必ず歯端の2ヶ所で起振力
を生じている。
【0004】この起振力は、図6に示す線図のように、
1ピッチ毎に位相55のように生じており、この起振力
により生じる噛み合い周波数から、歯車機構が振動及び
騒音を発生している。そのため、この起振力により発生
する振動及び騒音の低減が要望されている。
1ピッチ毎に位相55のように生じており、この起振力
により生じる噛み合い周波数から、歯車機構が振動及び
騒音を発生している。そのため、この起振力により発生
する振動及び騒音の低減が要望されている。
【0005】このような歯車機構における振動及び騒音
を低減させる従来技術として、実開昭61−161463号公報
記載の考案があり、この公報記載の考案は、同軸上に同
形の歯車を複数固定し、かつ、同時に噛み合う複数対の
歯車を軸まわり方向に所定の位相差をもたせて配置した
ものである。そして、このように構成した歯車は、噛み
合い時の歯のばね剛さをみると、複数対のそれぞれの歯
のばね剛さの時間的変動が、位相差により互いに相殺さ
れ、全体としての歯のばね剛さの時間的変動が小さくな
り、歯車の軸まわり方向の振動及び歯車騒音を低減させ
ようとするものである。
を低減させる従来技術として、実開昭61−161463号公報
記載の考案があり、この公報記載の考案は、同軸上に同
形の歯車を複数固定し、かつ、同時に噛み合う複数対の
歯車を軸まわり方向に所定の位相差をもたせて配置した
ものである。そして、このように構成した歯車は、噛み
合い時の歯のばね剛さをみると、複数対のそれぞれの歯
のばね剛さの時間的変動が、位相差により互いに相殺さ
れ、全体としての歯のばね剛さの時間的変動が小さくな
り、歯車の軸まわり方向の振動及び歯車騒音を低減させ
ようとするものである。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】しかし、上記実開昭61
−161463号のように、同時に噛み合う複数対の同形歯車
を製作しようとしても、機械加工により製作する歯車等
は加工時に必ず異なった製作誤差を生じるため、全く同
一形状の歯車を複数製作することは不可能である。仮
に、誤差の極めて小さい歯車を製作しようとしても、非
常に困難な加工に膨大な労力と費用を費やすこととな
り、しかも期待する製作誤差も実現することが難しい。
−161463号のように、同時に噛み合う複数対の同形歯車
を製作しようとしても、機械加工により製作する歯車等
は加工時に必ず異なった製作誤差を生じるため、全く同
一形状の歯車を複数製作することは不可能である。仮
に、誤差の極めて小さい歯車を製作しようとしても、非
常に困難な加工に膨大な労力と費用を費やすこととな
り、しかも期待する製作誤差も実現することが難しい。
【0007】つまり、同一軸心上に複数固定する歯車は
互いに異なった製作誤差を有する歯車となってしまう。
従って、製作誤差に起因する噛み合い誤差等を生じてし
まい、期待する所定の位相差によって歯車が噛み合わな
くなり、あるいは、複数対のそれぞれの歯のばね剛さの
時間的変動が互いに相殺されなくなり、歯車の軸まわり
方向の振動及び歯車騒音低減を実現することが極めて難
しい。
互いに異なった製作誤差を有する歯車となってしまう。
従って、製作誤差に起因する噛み合い誤差等を生じてし
まい、期待する所定の位相差によって歯車が噛み合わな
くなり、あるいは、複数対のそれぞれの歯のばね剛さの
時間的変動が互いに相殺されなくなり、歯車の軸まわり
方向の振動及び歯車騒音低減を実現することが極めて難
しい。
【0008】また、このことは上記従来のような小型歯
車に比べて、例えば、船舶用等の大型歯車にあっては誤
差が更に大きくなるため、所定の位相差で歯車を噛み合
わすことは更に難しくなり、振動及び歯車騒音低減の実
現が極めて難しくなる。
車に比べて、例えば、船舶用等の大型歯車にあっては誤
差が更に大きくなるため、所定の位相差で歯車を噛み合
わすことは更に難しくなり、振動及び歯車騒音低減の実
現が極めて難しくなる。
【0009】更に、上記歯車構造は、複数の歯車を軸ま
わり方向に所定の位相差をもたせて設ける構成であるた
め、歯車以外の構成、例えば、軸穴加工,キー溝加工等
の構成が複数存在するため、組立が複雑化して手間を要
すると共に、これらの構成において生じた製作誤差によ
っても噛み合い誤差を生じてしまう。従って、上記製作
誤差と同様に期待する振動及び歯車騒音低減の実現が難
しい。
わり方向に所定の位相差をもたせて設ける構成であるた
め、歯車以外の構成、例えば、軸穴加工,キー溝加工等
の構成が複数存在するため、組立が複雑化して手間を要
すると共に、これらの構成において生じた製作誤差によ
っても噛み合い誤差を生じてしまう。従って、上記製作
誤差と同様に期待する振動及び歯車騒音低減の実現が難
しい。
【0010】このように、上記実開昭61−161463号にあ
っては、製作が極めて難しく、しかも製作誤差により十
分な歯車の軸まわり方向の振動及び歯車騒音低減を実現
することが難しい。
っては、製作が極めて難しく、しかも製作誤差により十
分な歯車の軸まわり方向の振動及び歯車騒音低減を実現
することが難しい。
【0011】一方、例えば、舶用等の大形歯車において
振動や騒音が大きい場合、特に水中探査船等にあって
は、計測機器の探査能力に悪影響を及ぼし、探査を困難
なものにしている。しかし、このような大形歯車におい
て上記従来技術を採用した場合、更に製作誤差が大きく
なってしまい起振力を打消すことが実現不可能となる。
振動や騒音が大きい場合、特に水中探査船等にあって
は、計測機器の探査能力に悪影響を及ぼし、探査を困難
なものにしている。しかし、このような大形歯車におい
て上記従来技術を採用した場合、更に製作誤差が大きく
なってしまい起振力を打消すことが実現不可能となる。
【0012】本発明は上記課題に鑑みて、製作誤差を生
じることがなく、正確に位相をずらすことができ、噛み
合い時に起振力を打消すことができる起振力打消し歯車
の形成方法を提供することを目的とすると共に、大形歯
車においても起振力打消し歯車が形成できる起振力打消
し歯車の形成方法を提供することを目的とする。
じることがなく、正確に位相をずらすことができ、噛み
合い時に起振力を打消すことができる起振力打消し歯車
の形成方法を提供することを目的とすると共に、大形歯
車においても起振力打消し歯車が形成できる起振力打消
し歯車の形成方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1発明における起振力打消し歯車の形成方法は、
歯端から所定ネジレ角度及び所定ピッチで斜めに形設し
た歯を有するはすば歯車を形成し、該はすば歯車の軸方
向における、前記歯端から前記歯のピッチが半分となる
所定位置の円周上に、前記歯端と同一方向の歯端を形成
するように不干渉溝を削成して歯面を分割し、該不干渉
溝により分割した歯面が同一歯幅となるように該不干渉
溝を所定の溝幅に削成したことを特徴とするものであ
る。
に、第1発明における起振力打消し歯車の形成方法は、
歯端から所定ネジレ角度及び所定ピッチで斜めに形設し
た歯を有するはすば歯車を形成し、該はすば歯車の軸方
向における、前記歯端から前記歯のピッチが半分となる
所定位置の円周上に、前記歯端と同一方向の歯端を形成
するように不干渉溝を削成して歯面を分割し、該不干渉
溝により分割した歯面が同一歯幅となるように該不干渉
溝を所定の溝幅に削成したことを特徴とするものであ
る。
【0014】また、第2発明における起振力打消し歯車
の形成方法は、両歯端から所定ネジレ角度及び所定ピッ
チで斜めに形設した歯を有するやまば歯車を形成し、該
やまば歯車の軸方向における、前記両歯端から前記歯の
ピッチが半分となる所定位置の円周上に、前記両歯端と
同一方向の歯端を形成するように2本の不干渉溝を削成
して歯面を分割し、該不干渉溝により分割した歯面が歯
面中央に対して左右それぞれ同一歯幅となるように該不
干渉溝を所定の溝幅に削成したことを特徴とするもので
ある。
の形成方法は、両歯端から所定ネジレ角度及び所定ピッ
チで斜めに形設した歯を有するやまば歯車を形成し、該
やまば歯車の軸方向における、前記両歯端から前記歯の
ピッチが半分となる所定位置の円周上に、前記両歯端と
同一方向の歯端を形成するように2本の不干渉溝を削成
して歯面を分割し、該不干渉溝により分割した歯面が歯
面中央に対して左右それぞれ同一歯幅となるように該不
干渉溝を所定の溝幅に削成したことを特徴とするもので
ある。
【0015】
【作用】上記第1発明の構成によれば、同一製作誤差の
はすば歯車の歯面を、不干渉溝により分割して歯のピッ
チが互いに半分にずれた2つの歯面を形成するため、製
作誤差が同一で歯のピッチが半分にずれた2つの同一歯
幅の歯面を形成することができる。このはすば歯車は、
一体的に製作したはすば歯車から、半ピッチずれた2つ
の歯面を製作するため、噛み合い時の誤差も左右同一と
なり、両歯面が噛み合う誤差は正確に半ピッチとなる。
はすば歯車の歯面を、不干渉溝により分割して歯のピッ
チが互いに半分にずれた2つの歯面を形成するため、製
作誤差が同一で歯のピッチが半分にずれた2つの同一歯
幅の歯面を形成することができる。このはすば歯車は、
一体的に製作したはすば歯車から、半ピッチずれた2つ
の歯面を製作するため、噛み合い時の誤差も左右同一と
なり、両歯面が噛み合う誤差は正確に半ピッチとなる。
【0016】また、上記第2発明の構成によれば、同一
製作誤差のやまば歯車の左右の歯面を、2本の不干渉溝
により歯面中央に対して左右それぞれ分割して、歯のピ
ッチが互いに半分にずれた中央部の歯面と両側部の歯面
とを形成するため、製作誤差が同一で、歯のピッチが半
分にずれた左右それぞれ2つの同一歯幅の歯面を形成す
ることができる。このやまば歯車は、一体的に製作した
やまば歯車から、左右それぞれ半ピッチずれた2つの歯
面を製作するため、噛み合い時の誤差も左右それぞれ同
一となり、左右それぞれの両歯面が噛み合う誤差は正確
に半ピッチとなる。
製作誤差のやまば歯車の左右の歯面を、2本の不干渉溝
により歯面中央に対して左右それぞれ分割して、歯のピ
ッチが互いに半分にずれた中央部の歯面と両側部の歯面
とを形成するため、製作誤差が同一で、歯のピッチが半
分にずれた左右それぞれ2つの同一歯幅の歯面を形成す
ることができる。このやまば歯車は、一体的に製作した
やまば歯車から、左右それぞれ半ピッチずれた2つの歯
面を製作するため、噛み合い時の誤差も左右それぞれ同
一となり、左右それぞれの両歯面が噛み合う誤差は正確
に半ピッチとなる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。なお、図において左側歯車の構成にはA、右側歯
車の構成にはBを付して説明する。
する。なお、図において左側歯車の構成にはA、右側歯
車の構成にはBを付して説明する。
【0018】図1(a),(b),(c) は、第1実施例のはすば
歯車における起振力打消し歯車の形成方法を示す工程図
であり、図2は同実施例により形成したはすば歯車を示
す半断面図で、図3は同はすば歯車による起振力を示す
線図である。
歯車における起振力打消し歯車の形成方法を示す工程図
であり、図2は同実施例により形成したはすば歯車を示
す半断面図で、図3は同はすば歯車による起振力を示す
線図である。
【0019】まず、図1によりはすば歯車形成方法の工
程を説明すると、(a) に示すように、所定幅の歯車部材
1 の一方の歯端2Aから、所定ネジレ角度β及び所定ピッ
チPで斜めに形設した歯3 を有するはすば歯車Hを形成
し、(b) に示すように、はすば歯車Hの軸方向におけ
る、前記一方の歯端2Aから前記歯3 のピッチPが半分、
すなわち半ピッチpとなる所定位置4 の円周上に、前記
歯端2Aと同一方向の歯端2Bを形成するように不干渉溝7
を削成して歯面6 を歯面6Aと歯面6Bとに分割し、(c) に
示すように、上記不干渉溝7 により分割した歯面6A,6B
が同一歯幅8A,8Bとなるように不干渉溝7 を所定の溝幅5
に削成する。
程を説明すると、(a) に示すように、所定幅の歯車部材
1 の一方の歯端2Aから、所定ネジレ角度β及び所定ピッ
チPで斜めに形設した歯3 を有するはすば歯車Hを形成
し、(b) に示すように、はすば歯車Hの軸方向におけ
る、前記一方の歯端2Aから前記歯3 のピッチPが半分、
すなわち半ピッチpとなる所定位置4 の円周上に、前記
歯端2Aと同一方向の歯端2Bを形成するように不干渉溝7
を削成して歯面6 を歯面6Aと歯面6Bとに分割し、(c) に
示すように、上記不干渉溝7 により分割した歯面6A,6B
が同一歯幅8A,8Bとなるように不干渉溝7 を所定の溝幅5
に削成する。
【0020】なお、上記不干渉溝7 を削成する所定位置
4 は、斜めに形設した歯3 のピッチPが半ピッチpとな
る位置であればよいが、上記第1実施例では歯端2 から
複数選択することができる半ピッチpずれた位置の歯面
6 の略中央付近に決定することにより、従来よりも溝幅
5 の分だけが広い歯車としている。
4 は、斜めに形設した歯3 のピッチPが半ピッチpとな
る位置であればよいが、上記第1実施例では歯端2 から
複数選択することができる半ピッチpずれた位置の歯面
6 の略中央付近に決定することにより、従来よりも溝幅
5 の分だけが広い歯車としている。
【0021】このようにして形成したはすば歯車Hは、
図2に示すように、歯幅の中央に設けた不干渉溝7 によ
って分割された左右同一歯幅8A,8B の2列の歯面6A,6B
が、互いに半ピッチpずれた歯3A,3B を有している。す
なわち、歯面6Aの歯端2Aと歯面6Bの歯端2Bとにおける歯
3A,3B のピッチPが半ピッチpずれるように形成されて
おり、歯端2Aと歯端2Bとの噛み合いが半ピッチpずれる
ようになっている。
図2に示すように、歯幅の中央に設けた不干渉溝7 によ
って分割された左右同一歯幅8A,8B の2列の歯面6A,6B
が、互いに半ピッチpずれた歯3A,3B を有している。す
なわち、歯面6Aの歯端2Aと歯面6Bの歯端2Bとにおける歯
3A,3B のピッチPが半ピッチpずれるように形成されて
おり、歯端2Aと歯端2Bとの噛み合いが半ピッチpずれる
ようになっている。
【0022】このことは、図3に示すように、仮に、歯
3Aが位相9Aの起振力を生じて噛み合っているとすると、
歯幅中央に設けた不干渉溝7 によって歯3Bは逆位相9Bの
起振力を生じながら噛み合うこととなるので、それぞれ
の歯面6A,6B に形設された歯3A,3B が互いに半ピッチ
p、すなわち 180°ずれながら噛み合う始点と終点とを
有しながら噛み合うことになり、歯3Aと歯3Bとの起振力
を示す位相9A,9B が、互いに逆方向の位相となって噛み
合うことにより相殺され、結果として、はすば歯車H全
体の噛み合い時の起振力を打消している。
3Aが位相9Aの起振力を生じて噛み合っているとすると、
歯幅中央に設けた不干渉溝7 によって歯3Bは逆位相9Bの
起振力を生じながら噛み合うこととなるので、それぞれ
の歯面6A,6B に形設された歯3A,3B が互いに半ピッチ
p、すなわち 180°ずれながら噛み合う始点と終点とを
有しながら噛み合うことになり、歯3Aと歯3Bとの起振力
を示す位相9A,9B が、互いに逆方向の位相となって噛み
合うことにより相殺され、結果として、はすば歯車H全
体の噛み合い時の起振力を打消している。
【0023】つまり、歯3A,3B の始点と終点とを半ピッ
チpずらすことで、1個のはすば歯車Hによって生じる
起振力を互いに打消し合うようにずらし、理論上起振力
が零になる起振力打消しはすば歯車Hを形成している。
チpずらすことで、1個のはすば歯車Hによって生じる
起振力を互いに打消し合うようにずらし、理論上起振力
が零になる起振力打消しはすば歯車Hを形成している。
【0024】また、本発明は、上記第1実施例のよう
に、一体の歯車部材1 からはすば歯車Hを形成した後、
位相のずれた歯面6A,6B を形成する構成であるため、は
すば歯車H自体の製作誤差は両歯面6A,6B 共同一誤差で
あり、従来のように極力誤差を合わせるために多大な労
力と費用を費やす必要がない。
に、一体の歯車部材1 からはすば歯車Hを形成した後、
位相のずれた歯面6A,6B を形成する構成であるため、は
すば歯車H自体の製作誤差は両歯面6A,6B 共同一誤差で
あり、従来のように極力誤差を合わせるために多大な労
力と費用を費やす必要がない。
【0025】更に、歯3が形設されたはすば歯車Hの軸
方向において、一方の歯端2Aから歯3 のピッチPが半分
となる所定位置4 に不干渉溝7 を設けて歯面6 を分割す
るため、正確に半ピッチpずれた歯面6A,6B を加工する
ことが容易にでき、多大な労力及び費用を要することな
く起振力打消しはすば歯車Hを形成することができる。
方向において、一方の歯端2Aから歯3 のピッチPが半分
となる所定位置4 に不干渉溝7 を設けて歯面6 を分割す
るため、正確に半ピッチpずれた歯面6A,6B を加工する
ことが容易にでき、多大な労力及び費用を要することな
く起振力打消しはすば歯車Hを形成することができる。
【0026】次に、第2実施例のやまば歯車における起
振力打消し歯車の形成方法を、図4(a),(b),(c) に示す
工程図に基づいて説明する。なお、以下の説明では、図
において両側部の歯車の構成にはA、中央部の歯車の構
成にはBを付して説明する。
振力打消し歯車の形成方法を、図4(a),(b),(c) に示す
工程図に基づいて説明する。なお、以下の説明では、図
において両側部の歯車の構成にはA、中央部の歯車の構
成にはBを付して説明する。
【0027】まず、(a) に示すように、所定幅の歯車部
材11の両歯端12A から、所定ネジレ角度β及び所定ピッ
チPで斜めに形設した歯13を有するやまば歯車Dを形成
し、(b) に示すように、やまば歯車Dの軸方向におけ
る、前記両歯端12A から中央部に向けて前記歯13のピッ
チPが半分となる所定位置14の円周上に、前記両歯端12
A と同一方向の歯端12B を形成するように不干渉溝17を
それぞれ削成して歯面16を両側部の歯面16A と中央部の
歯面16B とに分割し、(c) に示すように、上記不干渉溝
17により分割した歯面16A,16B が歯面中央に対して左右
それぞれ同一歯幅18A,18B となるように不干渉溝17を所
定の溝幅15に削成する。なお、中溝20は、歯13を形設す
るために必要な工具逃げスペースである。
材11の両歯端12A から、所定ネジレ角度β及び所定ピッ
チPで斜めに形設した歯13を有するやまば歯車Dを形成
し、(b) に示すように、やまば歯車Dの軸方向におけ
る、前記両歯端12A から中央部に向けて前記歯13のピッ
チPが半分となる所定位置14の円周上に、前記両歯端12
A と同一方向の歯端12B を形成するように不干渉溝17を
それぞれ削成して歯面16を両側部の歯面16A と中央部の
歯面16B とに分割し、(c) に示すように、上記不干渉溝
17により分割した歯面16A,16B が歯面中央に対して左右
それぞれ同一歯幅18A,18B となるように不干渉溝17を所
定の溝幅15に削成する。なお、中溝20は、歯13を形設す
るために必要な工具逃げスペースである。
【0028】このようにして形成したやまば歯車Dは、
歯面16の中央に対して左右それぞれに設けた不干渉溝17
によって分割された、それぞれ同一歯幅18A,18B の歯面
16A,16B が、互いに半ピッチpずれた歯13A,13B を有し
ている。すなわち、歯面16Aの歯端12A と歯面16B の歯
端12B とにおける歯13A,13B のピッチPが半ピッチpず
れるように形成されており、歯端12A と歯端12B との噛
み合いが半ピッチpずれるようになっている。
歯面16の中央に対して左右それぞれに設けた不干渉溝17
によって分割された、それぞれ同一歯幅18A,18B の歯面
16A,16B が、互いに半ピッチpずれた歯13A,13B を有し
ている。すなわち、歯面16Aの歯端12A と歯面16B の歯
端12B とにおける歯13A,13B のピッチPが半ピッチpず
れるように形成されており、歯端12A と歯端12B との噛
み合いが半ピッチpずれるようになっている。
【0029】従って、この第2実施例におけるやまば歯
車Dによれば、上述した第1実施例におけるはすば歯車
Hを2列並べた状態となり、それぞれの歯面16A,16B に
形設された歯13A,13B が、互いに半ピッチp、すなわち
180°ずれながら噛み合う始点と終点とを有しながら噛
み合うことになる。
車Dによれば、上述した第1実施例におけるはすば歯車
Hを2列並べた状態となり、それぞれの歯面16A,16B に
形設された歯13A,13B が、互いに半ピッチp、すなわち
180°ずれながら噛み合う始点と終点とを有しながら噛
み合うことになる。
【0030】つまり、歯13A,13B の始点と終点とを互い
に逆位相とすることで、歯面16A と歯面16B とで生じる
起振力を上述した図3に示すように互いに逆方向の位相
19A,19B で噛み合わせて相殺させ、これを左右それぞれ
同様に行わせるので、結果として、1個のやまば歯車D
によって自己の歯面16A,16B が発生する起振力を互いに
打消して、理論上起振力を零にしている。
に逆位相とすることで、歯面16A と歯面16B とで生じる
起振力を上述した図3に示すように互いに逆方向の位相
19A,19B で噛み合わせて相殺させ、これを左右それぞれ
同様に行わせるので、結果として、1個のやまば歯車D
によって自己の歯面16A,16B が発生する起振力を互いに
打消して、理論上起振力を零にしている。
【0031】また、この第2実施例においても、上述し
た第1実施例と同様に、一体の歯車部材11からやまば歯
車Dを形成した後、位相のずれた歯面16A,16B を形成す
る構成であるため、やまば歯車D自体の製作誤差は両歯
面16A,16B 共同一誤差であり、従来のように極力誤差を
合わせるために多大な労力と費用を費やす必要がない。
た第1実施例と同様に、一体の歯車部材11からやまば歯
車Dを形成した後、位相のずれた歯面16A,16B を形成す
る構成であるため、やまば歯車D自体の製作誤差は両歯
面16A,16B 共同一誤差であり、従来のように極力誤差を
合わせるために多大な労力と費用を費やす必要がない。
【0032】更に、歯13が形設されたやまば歯車Dの軸
方向において、両方の歯端12A からそれぞれの歯13のピ
ッチPが半分となる所定位置14に不干渉溝17を設けて歯
面16を分割するため、正確に半ピッチpずれた歯面16A,
16B を加工することが容易にでき、多大な労力及び費用
を要することなく起振力打消しやまば歯車Dを形成する
ことができる。
方向において、両方の歯端12A からそれぞれの歯13のピ
ッチPが半分となる所定位置14に不干渉溝17を設けて歯
面16を分割するため、正確に半ピッチpずれた歯面16A,
16B を加工することが容易にでき、多大な労力及び費用
を要することなく起振力打消しやまば歯車Dを形成する
ことができる。
【0033】なお、この第2実施例においても、斜めに
歯13を形設した歯面16を分割する所定位置14を、歯面16
の略中央付近に決定して不干渉溝17を削成することによ
り、従来よりも溝幅15の分だけが広い歯車としている。
歯13を形設した歯面16を分割する所定位置14を、歯面16
の略中央付近に決定して不干渉溝17を削成することによ
り、従来よりも溝幅15の分だけが広い歯車としている。
【0034】また、上記いずれの実施例においても、不
干渉溝7 ,17 により分割する歯面6,16 は動力を伝達す
るのに十分な面積を有していればよく、従来とあまり大
差ない重量及び大きさで、振動,騒音の極めて少ない起
振力打消し歯車が形成できる。
干渉溝7 ,17 により分割する歯面6,16 は動力を伝達す
るのに十分な面積を有していればよく、従来とあまり大
差ない重量及び大きさで、振動,騒音の極めて少ない起
振力打消し歯車が形成できる。
【0035】更に、本発明は、舶用等の大形歯車であっ
ても容易に実施可能な起振力打消し歯車の形成方法であ
るため、特に水中探査船等においては、振動,騒音を低
下させることによる探査能力の確保を実現することがで
きるという効果も奏する。
ても容易に実施可能な起振力打消し歯車の形成方法であ
るため、特に水中探査船等においては、振動,騒音を低
下させることによる探査能力の確保を実現することがで
きるという効果も奏する。
【0036】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成して
いるので、以下に記載するような効果を奏する。
いるので、以下に記載するような効果を奏する。
【0037】第1発明によれば、同一製作誤差のはすば
歯車の歯面を、不干渉溝により所定位置で分割して歯の
ピッチが半分にずれた2つの歯面を形成するため、製作
誤差が同一の2つの歯面を左右に有する起振力打消しは
すば歯車が容易に形成できる。従って、噛み合い時の誤
差も左右同一となるため、両歯面が生じる起振力は互い
に逆位相となって相殺され、噛み合い時に生じる起振力
がなくなり、はすば歯車の振動及び騒音を大幅に低減す
ることができる。
歯車の歯面を、不干渉溝により所定位置で分割して歯の
ピッチが半分にずれた2つの歯面を形成するため、製作
誤差が同一の2つの歯面を左右に有する起振力打消しは
すば歯車が容易に形成できる。従って、噛み合い時の誤
差も左右同一となるため、両歯面が生じる起振力は互い
に逆位相となって相殺され、噛み合い時に生じる起振力
がなくなり、はすば歯車の振動及び騒音を大幅に低減す
ることができる。
【0038】また、第2発明によれば、同一製作誤差の
やまば歯車の歯面を、2本の不干渉溝により歯面中央に
対して左右それぞれ分割して中央部の歯面と両側部の歯
面とを形成するため、製作誤差が同一の歯面を有する起
振力打消しやまば歯車が容易に形成できる。従って、噛
み合い時の誤差も左右同一となるため、歯面中央に対し
て左右それぞれに形成した両歯面が生じる起振力は互い
に逆位相となって相殺され、噛み合い時に生じる起振力
がなくなり、やまば歯車においても振動及び騒音を大幅
に低減することができる。
やまば歯車の歯面を、2本の不干渉溝により歯面中央に
対して左右それぞれ分割して中央部の歯面と両側部の歯
面とを形成するため、製作誤差が同一の歯面を有する起
振力打消しやまば歯車が容易に形成できる。従って、噛
み合い時の誤差も左右同一となるため、歯面中央に対し
て左右それぞれに形成した両歯面が生じる起振力は互い
に逆位相となって相殺され、噛み合い時に生じる起振力
がなくなり、やまば歯車においても振動及び騒音を大幅
に低減することができる。
【図1】(a),(b),(c) は本発明の第1実施例に係るはす
ば歯車の形成方法を示す工程図である。
ば歯車の形成方法を示す工程図である。
【図2】第1実施例に係るはすば歯車を示す半断面図で
ある。
ある。
【図3】図2のはすば歯車による起振力を示す線図であ
る。
る。
【図4】(a),(b),(c) は本発明の第2実施例に係るやま
ば歯車の形成方法を示す工程図である。
ば歯車の形成方法を示す工程図である。
【図5】従来のはすば歯車を示す半断面図である。
【図6】図5のはすば歯車による起振力を示す線図であ
る。
る。
1 ,11 …歯車部材 2 ,12 …歯端 3 ,13 …歯 4 ,14 …所定位置 5 ,15 …溝幅 6 ,16 …歯面 7 ,17 …不干渉溝 8 ,18 …歯幅 9 ,19 …位相 20…中溝 P…ピッチ p…半ピッチ β…ネジレ角度 H…はすば歯車 D…やまば歯車
Claims (2)
- 【請求項1】 歯端から所定ネジレ角度及び所定ピッチ
で斜めに形設した歯を有するはすば歯車を形成し、該は
すば歯車の軸方向における、前記歯端から前記歯のピッ
チが半分となる所定位置の円周上に、前記歯端と同一方
向の歯端を形成するように不干渉溝を削成して歯面を分
割し、該不干渉溝により分割した歯面が同一歯幅となる
ように該不干渉溝を所定の溝幅に削成したことを特徴と
する起振力打消し歯車の形成方法。 - 【請求項2】 両歯端から所定ネジレ角度及び所定ピッ
チで斜めに形設した歯を有するやまば歯車を形成し、該
やまば歯車の軸方向における、前記両歯端から前記歯の
ピッチが半分となる所定位置の円周上に、前記両歯端と
同一方向の歯端を形成するように2本の不干渉溝を削成
して歯面を分割し、該不干渉溝により分割した歯面が歯
面中央に対して左右それぞれ同一歯幅となるように該不
干渉溝を所定の溝幅に削成したことを特徴とする起振力
打消し歯車の形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5293572A JP2528614B2 (ja) | 1993-11-24 | 1993-11-24 | 起振力打消し歯車の形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5293572A JP2528614B2 (ja) | 1993-11-24 | 1993-11-24 | 起振力打消し歯車の形成方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07145860A JPH07145860A (ja) | 1995-06-06 |
JP2528614B2 true JP2528614B2 (ja) | 1996-08-28 |
Family
ID=17796477
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5293572A Expired - Fee Related JP2528614B2 (ja) | 1993-11-24 | 1993-11-24 | 起振力打消し歯車の形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2528614B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3990848B2 (ja) * | 1999-11-25 | 2007-10-17 | キヤノン株式会社 | 成形方法及び成形装置 |
US6912786B2 (en) * | 2002-08-08 | 2005-07-05 | Lufkin Industries, Inc. | Herringbone gear teeth and method for manufacturing same |
JP2006144865A (ja) * | 2004-11-18 | 2006-06-08 | Nippon Yusoki Co Ltd | 駆動装置、及びその製造方法 |
JP2018003938A (ja) * | 2016-06-30 | 2018-01-11 | いすゞ自動車株式会社 | 低騒音ギア及びギア騒音低減方法 |
JP7301281B2 (ja) * | 2019-11-25 | 2023-07-03 | 株式会社リコー | 歯車、駆動伝達装置及び画像形成装置 |
CN113404842A (zh) * | 2021-05-11 | 2021-09-17 | 重庆大学 | 一种可实现齿轮时变啮合刚度近零波动的高阶调谐方法 |
-
1993
- 1993-11-24 JP JP5293572A patent/JP2528614B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07145860A (ja) | 1995-06-06 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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