JP2527632B2 - 差圧発信器の傾斜角補正方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、プロセス制御装置等に用いられる差圧発
信器取り付け時の傾斜による誤差を補正する差圧発信器
の傾斜角補正方法に関するものである。

〔従来の技術〕

一般に、プロセス制御装置は各種の制御対象の変化を
検出して監視し、制御状態が所望の状態となるように制
御している。この場合、検出する対象の一つに差圧があ
る。差圧を測定するには測定対象をオイルを介してセン
サまで導き、そのセンサによって検出を行う。このセン
サはその性質から、傾斜なく取り付ければ誤差は発生し
ないが、傾斜があるとΔＰ＝γ・ｄ・sinθで示す誤差
を発生する。

ここで、ΔＰは傾斜して取り付け場合における差圧が
零のときの差圧発信器出力（誤差）、γはオイルの比
重、ｄは第２図に示すセンサの幅、θは傾斜角度であ
る。このように、センサを傾斜して取り付けるとその角
度に応じた誤差が発生するがその誤差そのものは零調整
によって取り除くことができる。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、オイルの比重は温度によって変化する
ので、ある温度における誤差を吸収しても、温度が変わ
ると誤差が吸収しきれないという課題があった。

〔課題を解決するための手段〕

このような課題を解決するためにこの発明は、差圧が
与えられていないときに測定した発信器出力とこのとき
の温度におけるオイルの比重とから傾斜角の正弦値を求
めておき、差圧測定時に、この正弦値と測定時の温度に
おけるオイルの比重とから測定時の温度における誤差量
を求め、その温度における発信器の出力信号からその誤
差量を減算するものである。

〔作用〕

測定時の温度におけるオイルの比重、センサの幅、そ
のときのセンサ出力から傾斜角を求め、その演算によっ
て得られた角度の値から誤差量を求め、センサ出力値か
ら誤差量を減算することによって正確な出力を求める。

〔実施例〕

この補正を行うに先立って、オイルの各温度に対する
比重変化γ（ｔ）、センサの幅ｄをデータベース上に記
憶させておき、その後に第１図に示す順序で演算を行
う。そしてステップ100に示すように差圧零のときのセ
ンサ出力ΔＰ、測定時の温度ｔを測定し、その値を用い
てステップ101に示すようにsinθ＝ΔP/γ（ｔ）によっ
て傾斜角θの正弦値を求める。これで補正の準備が完了
する。

準備が完了するとステップ102に示すように測定時の
温度に基づいて、データベースからその温度に対するオ
イルの比重γ（ｔ）を読みだす。そして、ステップ103
に示すように差圧が与えられていないときの、測定時点
の温度に対応する誤差をΔＰ＝γ（ｔ）・ｄ・sinθの
演算を行って求める。

そして最後にステップ104に示すように、そのときのセ
ンサ出力Ｐから誤差量ΔＰを減算して正確な値PVを求め
る。この値PVは温度及び角度による誤差の補正が行われ
ているので、正確な検出データとなる。

なお、ステップ102以降は時々繰り返すことで、温度
が変化しても常に正しい値を得ることができる。

〔発明の効果〕

以上説明したようにこの発明は、既知の値から角度を
求めたので、取り付け時の角度を特別に測定する必要が
なく、温度の検出以外は予め既知データを使用すること
ができるので、傾斜による誤差を容易に、しかも正確に
補正することができるという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の方法を説明するためのフローチャー
ト、第２図はセンサの幅及び傾斜角度を説明するための
図である。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】オイルを介してセンサに導いた差圧の検出
   出力を伝送線路に適合した信号に変換して送出するもの
   であって、差圧発信器が傾斜して取り付けられたときの
   誤差を補正する差圧発信器の傾斜角補正方法において、 差圧が与えられていないときに測定した発信器出力と、
   このときの温度におけるオイルの比重とから、傾斜角の
   正弦値を求めておき、 差圧測定時に、この正弦値と測定時の温度におけるオイ
   ルの比重とから、測定時の温度における誤差量を求め、
   その温度における発信器の出力信号からその誤差量を減
   算して、 正確な出力を求める差圧発信器の傾斜角補正方法。