JP2527125B2 - 無機繊維フェルトの製造方法 - Google Patents

無機繊維フェルトの製造方法

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JP2527125B2 JP9220193A JP9220193A JP2527125B2 JP 2527125 B2 JP2527125 B2 JP 2527125B2 JP 9220193 A JP9220193 A JP 9220193A JP 9220193 A JP9220193 A JP 9220193A JP 2527125 B2 JP2527125 B2 JP 2527125B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属折版屋根裏打材、
外壁パネルの裏打材、及び耐火目地材、空調ダクトカバ
ー、パイプカバー、車のエンジン又はマフラーカバー、
熱調理器具断熱材、プラント用ガスケットシール材等に
利用される無機繊維ニードルパンチングフェルトの製造
方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、無機繊維質ニードルパンチングフ
ェルトは、ガラス繊維(ガラス長繊維を所定長にカッ
トしたチョップファイバー)ガラス繊維(チョップフ
ァイバー)にロックウール、セラミックウール、ガラス
ウールを混合した無機混合繊維、又はにカーボン
ファイバー、アラミドファイバー、レーヨン繊維(いず
れもチョップファイバーの形で)等の有機繊維を混合し
た無機、有機混合繊維を原料とし、該繊維をホッパーを
経由してフェルト製造設備に計量投入し、続いてスカッ
チャー又はカーディングマシーン等で繊維を解繊混合
し、フェルト振分機で層上積層されたフェルト状マット
に成型し、フェルトの保形性、層状剥離性を防止するた
め、ニードルパンチャーで層間縫合を施して製造されて
いる(参考例特公昭56−44819、実開昭58−4
2191)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記したのタイプの
フェルトは、不燃性、断熱性、吸音性に優れるが、耐熱
性が低いという問題がある。のタイプのフェルトは、
不燃性、断熱性、吸音性、耐熱性に優れるが、フェルト
の引張強度が低く、又、強度のばらつき、密度のばらつ
きが大きく品質が安定しないという問題がある。のタ
イプのフェルトは、断熱性、吸音性、引張強度に優れ施
工性も良いが、不燃性と耐熱性に欠けるという問題があ
る。それ故、のフェルトは夫々の長所欠点を考慮
した使い方がなされている。本発明はタイプのフェル
トの問題点である引張強度のばらつき、密度のばらつき
を改良し、且つ、生産性を向上させる無機繊維ニードル
パンチングフェルトの製造方法の提供を目的とするもの
である。
【0004】
【課題を解決するための手段及び作用】ロックウールと
ガラス繊維の性能を比較すると、前者は耐熱温度も高く
安価である反面、繊維強度が低く、解繊及びニードルパ
ンチングに対し繊維が破砕されやすいため、これに対す
る加工適性が極端に低い。一方、後者のガラス繊維は繊
維強度も高く、解繊及びニードルパンチングに対する加
工適性はあるが、耐熱温度は低く高価である。この両者
の繊維を生かすべく、両者の繊維を別々のホッパーを経
由しフェルトマシーンに計量、投入し、続いてスカッチ
ャー又はカーディングマシーンで解繊混合しフェルト振
分機で層状に積層したフェルト状に加工する従来の製造
方法において、ロックウールとガラス繊維の解繊と均一
混合を計るため、スカッチャー又はカーディングマシー
ンでの処理時間を長くする方式が採られている。この場
合、処理時間とともに混合は均一になって来るが、ロッ
クウールの破砕が大となる結果フェルト状マットの強
度、保形性が低下しすぎ、且つ、粉塵発生と、繊維の脱
落も多く加工歩留と生産スピードが低下するという技術
的な問題がある。従って、従来の製造方法では、フェル
トの引張強度、保形性も良く、又、引張強度のばらつ
き、密度のばらつきの少ない無機繊維ニードルパンチン
グフェルトを供給出来ないのが現状である。なお、ロッ
クウ−ルとガラス繊維をあらかじめ混合攪拌すればロッ
クウ−ル原料は繊維がもろいため、製品に密度むら、強
度むらが発生し好ましくない。
【0005】本発明の製造方法は、ロックウールとガラ
ス繊維を計量、解繊、混合する従来方法と比較し、計量
混合と解繊とを分割することにある。即ち、均一所定量
のガラス繊維を混合したロックウールを先に製造し、こ
の原料を出発原料として無機繊維ニードルパンチングフ
ェルトを製造する本発明の方法は、スカッチャー又はカ
ーディングマシーン等での解繊は短時間処理が可能とな
り、そのためにロックウールの破砕、脱落もなく、加工
歩留、生産スピード等の生産性も良く、且つ、フェルト
の引張強度、保形性及び強度、密度のばらつきの少ない
外観良好な無機繊維ニードルパンチングフェルトの提供
を可能とした。本発明のロックウールとガラス繊維の混
合方法は、ロックウールの製造工程に於て繊維化後のロ
ックウール集綿工程から、脱ショット工程(ロックウー
ルに混在する非繊維粒子(ショット)を除去する工程)
までの、ロックウールの空気輸送工程においてロービン
グカッターで所定長にカットしたガラス繊維(チョップ
ファイバー)を投入する装置を介して、所定量の配合割
合になるように投入し、ロックウールとほぼ均等に混合
させ輸送する方式を採用している。ガラス繊維の混合割
合は、複数のロービングカッター及びガラス繊維の本数
(ロービングフィラメントの本数)を変更することによ
り行い、又、繊維のカット長の変更は、ロービングカッ
ターの歯間距離を変えることにより可能となる。上記ガ
ラス繊維含有ロックウールは、空気輸送により移送さ
れ、脱ショット装置(通常、トロンミル装置と呼ばれ
る)で非繊維粒子(ショット)が除去されるが、トロン
ミルによる脱ショット率は、ガラス繊維含有ロックウー
ルの高い空隙性を反映し、ロックウール単独の場合より
も高いというメリットもある。本発明のフェルトを製造
するためのガラス繊維含有ロックウール原料は、前記し
た方法で得られるが、原料の搬送方法を考慮し、通常、
圧縮梱包機で圧縮梱包された形態で供給される。
【0006】本発明に使用するロックウールは、鉄鉱ス
ラグ、ニッケルスラグ、クロムスラグ、シリコンマンガ
ンスラグ、珪石、玄武岩、輝緑岩、石灰石、ドロマイト
等のスラグ又は天然石を混合し、キュポラ炉又は電気炉
で溶融した熔湯を複数の高速回転体(ホイール)及び回
転体の外周より高速エアを吹付けるエアプレナムからな
る繊維化装置(4ホイールスピンナー)に落として繊維
化し、続いて集綿室に集綿し、空気輸送を経て脱ショッ
ト装置(トロンミル)でショットを除去されたタイプの
ものが該当する。
【0007】本発明のガラス繊維含有ロックウールを製
造するにあたり、前記したロックウールの繊維化の段階
で、4ホイールの外周に取り付けたスプレーノズルよ
り、アルキルトリメチルアンモニウム、クロライド等の
第4級アンモニウム塩タイプの帯電防止剤や鉱物油・陽
イオン界面活性剤配合の繊維柔軟剤(例えば、松本油脂
製薬(株)製TG−5100)、更にはγ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤をロ
ックウールに対し0.5wt%以下吹付けるとより効果
的である。その理由とするところは、フェルト製造のス
カッチャー又はカーディングマシーンによる繊維の解繊
工程に於て、処理剤の働きによりロックウールの破砕が
更に防止されるため、フェルトの引張強度、生産性に関
しプラス効果となるからである。
【0008】本発明に使用するガラス繊維とは、通常C
ガラス、Eガラス、Dガラスと呼ばれる長繊維であって
数十本の単繊維が収束されたロービング形状のものであ
る。一般にEガラス繊維が使用される。本発明の無機繊
維ニードルパンチングフェルトに、更に、毛羽だち防止
を目的にコロイダルシリカ、酢酸ビニル樹脂エマルジョ
ン、デンプン等の無機又は有機のコート剤をフェルト表
面に少量塗布したり、あるいは、簡易施工を目的にフェ
ルト表面に粘着テープ加工する事は従来と同様可能であ
る。
【0009】
【実施例】本発明のガラス繊維含有ロックウールの製造
工程及び無機繊維ニードルパンチングフェルトの製造工
程の一例を図1、図2に示す。以下、本発明の実施例を
説明する。なお、本発明の技術的範囲はこの実施例また
は特許請求の範囲記載の文言に限定されず均等な範囲に
も及ぶ。シリカ分42wt%、アルミナ分11wt%、
カルシウム分37wt%、マグネシウム分6wt%、チ
タン分+鉄分+マンガン分+その他微量成分4wt%の
組成となる鉄鉱スラグ・珪石原料1を電気炉3で溶融
し、その熔湯5を湯口4から4ホイールスピンナー繊維
化装置6に落下し繊維化7した。この時4ホイールスピ
ンナーの外周に取り付けられたエアプレナム及び複数の
スプレーノズルより、高速エアの吹付けとTG−510
0(5%濃度)をロックウールに対約0.2wt%とな
るよう吹付けた。このロックウールを図1の集綿室8を
経て集綿コンベヤ−9、移送コンベヤ−10で空気輸送
管11に移送した。空気輸送工程中、ロービングカッタ
ー13で2インチにカットしたEガラス繊維(チョップ
ファイバー)を、ガラス繊維投入装置14よりロックウ
ールに対し約20wt%の配合割合になるよう投入し
た。なお、ガラス繊維のカット長さは適宜に変えて良
い。空気輸送中、部分的に分離されるショットを除去す
るショットセパレーター15及びサイクロン17、グラ
ニュレーター(粒状化装置)18、解繊機34を経て、
ガラス繊維含有ロックウールを脱ショット装置(円錐台
形の外周をワイヤーメッシュで被覆した回転式フルイで
トロンミルと呼ばれる)19に投入した。脱ショット
後、圧縮梱包し、フェルト用原料を製造した。なお、ガ
ラス繊維投入過程は、図1では集綿室8とサイクロン1
7の間に設定してある。この場合、ロックウ−ルは小さ
いちぎれ綿となり空気輸送中にガラス繊維が常時投入さ
れるので、混合が均一化される。ガラス繊維の投入は、
集綿室の上部から、ある脱ショット装置(トロンミル)
の入口附近からでも良く、要はロックウ−ル繊維化工程
と脱ショット工程の間で両原料が混合されれば良い。ま
た混合方法はロックウ−ルの空気輸送中の混合が好まし
い。
【0010】上記原料を図2のホッパー23より投入
し、移送コンベヤ−24、25で移送した後カーディン
グマシーン26で解繊し、フェルト振分機27で層状に
積層したフェルト状マット(厚み約11mm、密度11
0キログラム/立方メ−トル)とし、移送コンベヤ−2
8を経てニードルを15本/平方センチメ−トルのピッ
チ(これは適宜に変えて良い)で取り付けたニードルパ
ンチャ−29でフェルトの層間を縫合するニードルパン
チング加工をし、無機繊維ニードルパンチングフェルト
とし、フェルト表面を酢酸ビニル樹脂エマルジョンで約
10g/平方メートルコートし、本発明のフェルト33
を製造した(実施例)。一方、ロックウール80wt
%、2インチカットしたEガラス繊維20wt%をそれ
ぞれ計量し、図2のホッパーより原料を別々に投入し、
従来と同様の方法で無機繊維ニードルパンチングフェル
トを製造した(比較例)。得られたフェルトの性能及び
生産性を比較すると下表の通りである。
【0011】
【表1】
【0012】以上の結果により、本発明の無機繊維ニー
ドルパンチングフェルトの製造方法は、従来のものと比
較し、引張強度も良好で、強度、密度、外観のばらつき
も少なく生産性も向上することが理解される。
【0013】
【発明の効果】本発明の無機繊維ニードルパンチングフ
ェルトの製造方法は、均一に混合されたガラス繊維含有
ロックウールを出発原料とするため、フェルトの引張強
度も良好で、強度、密度、外観のばらつきも少なく生産
性も向上し、フェルトの品質及び生産性に関し大きな実
用的著効を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法を実施する製造装置の概略側
面図である。
【図2】本発明の製造方法の脱ショット後の工程を説明
する製造装置の概略側面図である。
【符号の説明】
1 ロックウ−ル原料 2 電極 3 電気炉 5 熔湯 6 繊維化装置 7 ロックウ−ル 8 集綿室 11 空気輸送管 14 ガラス繊維投入装置 15 ショットセパレ−タ− 16 空気輸送ファン 17 サイクロン 18 グラニュレ−タ− 19 脱ショット装置 20 空気輸送ファン 21 サイクロン 22 圧縮梱包機 23 ホッパ− 24 移送コンベヤ− 26 カ−ディングマシ−ン 27 フェルト振分機 29 ニ−ドルパンチャ− 30 スプレ−コ−ティング装置 31 乾燥機 32 粘着テ−プ 33 製品 34 解繊機

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロックウールとガラス繊維からなる無機
    繊維ニードルパンチングフェルトの製造方法において、
    ロックウールの繊維化工程と脱ショット(非繊維粒子の
    除去)の工程間で、所定の長さにカットしたガラス繊維
    を投入する装置を介して、ロックウールとガラス繊維を
    ほぼ均一に混合輸送し、続いて脱ショット処理してなる
    ガラス繊維含有ロックウールを原料として製造すること
    を特徴とする無機繊維ニードルパンチングフェルトの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 ロックウ−ルの空気輸送中にガラス繊維
    を混合することを特徴とする請求項1記載の無機繊維ニ
    ードルパンチングフェルトの製造方法。
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JP2002004830A (ja) * 2000-06-27 2002-01-09 Nakagawa Sangyo Kk 消音材と消音材の製造方法
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KR20030078123A (ko) * 2002-03-28 2003-10-08 주식회사 케이피아이 폐유리섬유를 이용한 고순도 실리카 유리섬유 제조방법 및이에 의해 제조된 고순도 실리카 유리섬유, 이를 이용하여제조된 울 매트 및 니들리드 블랑켓
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