JP2526090B2 - スピロ〔4.5〕デセン誘導体、その製造法及びこれを含有する香料組成物 - Google Patents
スピロ〔4.5〕デセン誘導体、その製造法及びこれを含有する香料組成物Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規なスピロ〔4.5〕デセン誘導体、その製
造法及びこれを含有する香料組成物に関する。
造法及びこれを含有する香料組成物に関する。
〔従来の技術〕 従来より種々の化合物が香料の調合素材として知られ
ているが、品質が安定している、低価格である等の点
で、天然香料から合成香料に移行しつつある。その中
で、工業原料として入手容易なイソホロンを原料とする
次の誘導体が香料として利用されている。
ているが、品質が安定している、低価格である等の点
で、天然香料から合成香料に移行しつつある。その中
で、工業原料として入手容易なイソホロンを原料とする
次の誘導体が香料として利用されている。
すなわち、化合物(II)はカンフアー様、メントール
様の香気を、化合物(III)は穏やかな甘いミント及び
ハーバルな香気を、また化合物(IV)はグリーン様、フ
ルーツ様、ハーバル様の香気を有している。しかし、こ
れらのイソホロン誘導体は木様の香気を持たず、またそ
の香気特性はトツプからミドルにかけてのものであり、
しかも残香性に乏しいものであつた。
様の香気を、化合物(III)は穏やかな甘いミント及び
ハーバルな香気を、また化合物(IV)はグリーン様、フ
ルーツ様、ハーバル様の香気を有している。しかし、こ
れらのイソホロン誘導体は木様の香気を持たず、またそ
の香気特性はトツプからミドルにかけてのものであり、
しかも残香性に乏しいものであつた。
香料の調合において、その素材には、低価格であるこ
と、化学的に安定であること、他の香料との調合性がよ
いこと、新しい香りであることなどの多くの条件が要求
されるが、イソホロン誘導体は、比較的揮散性の高い香
りで残香性に乏しく、しかも香りも限られた範囲のもの
であつた。
と、化学的に安定であること、他の香料との調合性がよ
いこと、新しい香りであることなどの多くの条件が要求
されるが、イソホロン誘導体は、比較的揮散性の高い香
りで残香性に乏しく、しかも香りも限られた範囲のもの
であつた。
斯かる実状において、本発明者らは、イソホロンを原
料として多くの化合物を製造し、その香料特性を調べた
結果、後記一般式(I)で表わされる新規なスピロ〔4.
5〕デセン誘導体が、残香性のある甘い木様の優れた香
気を有することを見出し、本発明を完成した。
料として多くの化合物を製造し、その香料特性を調べた
結果、後記一般式(I)で表わされる新規なスピロ〔4.
5〕デセン誘導体が、残香性のある甘い木様の優れた香
気を有することを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、次の一般式(I) (式中、R1及びR2は一方が水素原子で、他方が水酸基、
メトキシル基、ホルミルオキシル基もしくはアセトキシ
ル基を示すか、または両方が一緒になつてオキソ基を示
し、破線はいずれかの位置に二重結合があることを示
す)で表わされるスピロ〔4.5〕デセン誘導体、その製
造法及びこれを含有する香料組成物を提供するものであ
る。
メトキシル基、ホルミルオキシル基もしくはアセトキシ
ル基を示すか、または両方が一緒になつてオキソ基を示
し、破線はいずれかの位置に二重結合があることを示
す)で表わされるスピロ〔4.5〕デセン誘導体、その製
造法及びこれを含有する香料組成物を提供するものであ
る。
本発明のスピロ〔4.5〕デセン誘導体(I)のうち、R
1とR2が一緒になつてオキソ基を示す化合物は、次の反
応式に従つてイソホロンに塩基の存在下、1,4−ジハロ
ゲノブタンを反応させることにより製造される。
1とR2が一緒になつてオキソ基を示す化合物は、次の反
応式に従つてイソホロンに塩基の存在下、1,4−ジハロ
ゲノブタンを反応させることにより製造される。
(式中、Xはハロゲン原子を示す) 本反応に用いられる1,4−ジハロゲノブタンとして
は、1,4−ジクロロブタン、1,4−ジブロモブタン及び1,
4−ジヨードブタンが挙げられ、特にジクロル体または
ジブロム体が価格の面から好ましい。
は、1,4−ジクロロブタン、1,4−ジブロモブタン及び1,
4−ジヨードブタンが挙げられ、特にジクロル体または
ジブロム体が価格の面から好ましい。
本反応は通常のアルキル化と同様にして行なうことが
できる。塩基としては例えばアルカリ金属アミド、アル
カリ金属ハイドライド、アルカリ金属三級アルコキシド
などの一般にアルキル化に用いられる塩基が用いられる
が、特にナトリウムアミド、カリウム−t−ブトキシ
ド、ナトリウムハイドライド等が好ましい。また反応溶
媒としては例えばn−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪
族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン、ジメチルセロソルブ等のエーテル溶媒;ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチ
ルホスホアミド等の非プロトン性の極性溶媒などを用い
ることができる。
できる。塩基としては例えばアルカリ金属アミド、アル
カリ金属ハイドライド、アルカリ金属三級アルコキシド
などの一般にアルキル化に用いられる塩基が用いられる
が、特にナトリウムアミド、カリウム−t−ブトキシ
ド、ナトリウムハイドライド等が好ましい。また反応溶
媒としては例えばn−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪
族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン、ジメチルセロソルブ等のエーテル溶媒;ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチ
ルホスホアミド等の非プロトン性の極性溶媒などを用い
ることができる。
本発明のスピロ〔4.5〕デセン誘導体(I)のうち、R
1及びR2が、一方が水素原子で他方が水酸基である化合
物は、例えば次の反応式に従つて化合物(Ia)を還元す
ることにより得られる。
1及びR2が、一方が水素原子で他方が水酸基である化合
物は、例えば次の反応式に従つて化合物(Ia)を還元す
ることにより得られる。
本反応は通常のケトン類の還元と同様にして行なうこ
とができる。代表的な方法としては、水素化アルミニウ
ムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム等の金属水素化物
による還元反応が挙げられる。この反応は文献記載の通
常の条件に従つて行なうことができる〔例えばL.F.Fies
er and M.Fieser;Reagents for Organic Synthesis(Jo
hn Wiley and Sons Inc.),581頁及び1049頁(196
7)〕。
とができる。代表的な方法としては、水素化アルミニウ
ムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム等の金属水素化物
による還元反応が挙げられる。この反応は文献記載の通
常の条件に従つて行なうことができる〔例えばL.F.Fies
er and M.Fieser;Reagents for Organic Synthesis(Jo
hn Wiley and Sons Inc.),581頁及び1049頁(196
7)〕。
本発明のスピロ〔4.5〕デセン誘導体(I)のうち、R
1及びR2が、一方が水素原子で他方がメトキシル基であ
る化合物は、例えば次の反応式に従つて化合物(Ib)を
メトキシル化することにより製造される。
1及びR2が、一方が水素原子で他方がメトキシル基であ
る化合物は、例えば次の反応式に従つて化合物(Ib)を
メトキシル化することにより製造される。
本反応は常法により行なうことができる。すなわち化
合物(Ic)は、例えば化合物(Ib)を水素化ナトリウム
等の金属水素化物と反応させて対応するアルコキシドと
した後、ヨウ化メチル等のアルキルハライドまたはジメ
チル硫酸等のジアルキル硫酸と反応させることにより製
造される。
合物(Ic)は、例えば化合物(Ib)を水素化ナトリウム
等の金属水素化物と反応させて対応するアルコキシドと
した後、ヨウ化メチル等のアルキルハライドまたはジメ
チル硫酸等のジアルキル硫酸と反応させることにより製
造される。
また、本発明のスピロ〔4.5〕デセン誘導体(I)の
うち、R1及びR2が、一方が水素原子で他方がアセトキシ
ル基またはホルミルオキシル基である化合物は、例えば
次の反応式に従つて化合物(Ib)をエステル化すること
により製造される。
うち、R1及びR2が、一方が水素原子で他方がアセトキシ
ル基またはホルミルオキシル基である化合物は、例えば
次の反応式に従つて化合物(Ib)をエステル化すること
により製造される。
(式中、R3はアセトキシル基またはホルミルオキシル
基を示す) 本反応は常法により行なうことができる。すなわち化
合物(Id)は、蟻酸エステルの場合は例えば化合物(I
b)と蟻酸を混合することにより製造される。また、酢
酸エステルの場合は例えばピリジン等の3級アミンの存
在下、化合物(Ib)と無水酢酸を反応させることにより
製造される。
基を示す) 本反応は常法により行なうことができる。すなわち化
合物(Id)は、蟻酸エステルの場合は例えば化合物(I
b)と蟻酸を混合することにより製造される。また、酢
酸エステルの場合は例えばピリジン等の3級アミンの存
在下、化合物(Ib)と無水酢酸を反応させることにより
製造される。
本発明化合物(I)はアンバー様、木様の香気を有し
ており、香水、石鹸、シヤンプー、ヘアリンス、洗剤、
化粧品、ヘアスプレー、芳香剤等の賦香が必要とされる
ものに広汎に使用できる。
ており、香水、石鹸、シヤンプー、ヘアリンス、洗剤、
化粧品、ヘアスプレー、芳香剤等の賦香が必要とされる
ものに広汎に使用できる。
本発明化合物(I)は、アンバー様、木様の香気を有
すること、残香性を有することなどの点で、従来知られ
ていたイソホロン誘導体とは大きく異なつた新しい香料
素材である。また、安価で入手容易なイソホロンを香料
とするため、工業的生産にも適している。
すること、残香性を有することなどの点で、従来知られ
ていたイソホロン誘導体とは大きく異なつた新しい香料
素材である。また、安価で入手容易なイソホロンを香料
とするため、工業的生産にも適している。
次に実施例を挙げて本発明の説明する。
実施例1 8,8,10−トリエチルスピロ〔4.5〕デカン−9−エン−
6−オン及び10−メチレン−8,8−ジメチルスピロ〔4.
5〕デカン−6−オン(Ia)の合成: ナトリウムハイドライド24g(1モル)、トルエン350
mlからなる溶液中に、イソホロン69.1g(0.5モル)、1,
4−ジブロモブタン108g(0.5モル)からなる溶液を、80
℃で滴下し、系からの水素ガスの発生が止まるまで撹拌
した。その後、室温まで冷却した後、水を加えて分層
し、5%硫酸、飽和重炭酸水素ナトリウム水溶液、水で
洗浄後、無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。溶媒を
留去し、減圧下で分留することにより、表題の化合物が
得られた。ガスクロ分析(カラム:SE−30(20%))の
面積比より、異性体比率は34:66であつた。
6−オン及び10−メチレン−8,8−ジメチルスピロ〔4.
5〕デカン−6−オン(Ia)の合成: ナトリウムハイドライド24g(1モル)、トルエン350
mlからなる溶液中に、イソホロン69.1g(0.5モル)、1,
4−ジブロモブタン108g(0.5モル)からなる溶液を、80
℃で滴下し、系からの水素ガスの発生が止まるまで撹拌
した。その後、室温まで冷却した後、水を加えて分層
し、5%硫酸、飽和重炭酸水素ナトリウム水溶液、水で
洗浄後、無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。溶媒を
留去し、減圧下で分留することにより、表題の化合物が
得られた。ガスクロ分析(カラム:SE−30(20%))の
面積比より、異性体比率は34:66であつた。
収量:66.6g(収率69%) IR(液膜,cm-1):1715(νC=O) 890(δC=CH2)1 H−NMR(CDCl3溶媒,TMS内部標準,δppm):0.90(一重
線,CH 3) 1.43〜2.10(複雑な多重線,−CH 2−,CH 3) 2.22〜2.35(幅広い一重線,−CH 2−) 4.73(二重線,=CH2) Mass〔m/e(相対強度)〕:193(M+,15),192(100),17
7(13),136(14),108(43),93(37),83(70),79
(32),67(10),41(10) 元素分析:分析値 C;81.29%,H;10.50% 計算値 C;81.20%,H;10.48% 実施例2 8,8,10−トリメチルスピロ〔4.5〕デカン−9−エン−
6−オール及び10−メチレン−8,8−ジメチルスピロ
〔4.5〕デカン−6−オン(Ib)の合成: 水素化アルミニウムリチウム1.9g(0.05モル)、エー
テル10mlからなら溶液中に、スピロケトン(Ia)9.6g
(0.05モル)、エーテル20mlからなる溶液を室温、約30
分で滴下した。2時間同温で撹拌を行なつた後、水8m
l、10%水酸化ナトリウム水溶液2mlを加え、固形物を
過して除去した。
線,CH 3) 1.43〜2.10(複雑な多重線,−CH 2−,CH 3) 2.22〜2.35(幅広い一重線,−CH 2−) 4.73(二重線,=CH2) Mass〔m/e(相対強度)〕:193(M+,15),192(100),17
7(13),136(14),108(43),93(37),83(70),79
(32),67(10),41(10) 元素分析:分析値 C;81.29%,H;10.50% 計算値 C;81.20%,H;10.48% 実施例2 8,8,10−トリメチルスピロ〔4.5〕デカン−9−エン−
6−オール及び10−メチレン−8,8−ジメチルスピロ
〔4.5〕デカン−6−オン(Ib)の合成: 水素化アルミニウムリチウム1.9g(0.05モル)、エー
テル10mlからなら溶液中に、スピロケトン(Ia)9.6g
(0.05モル)、エーテル20mlからなる溶液を室温、約30
分で滴下した。2時間同温で撹拌を行なつた後、水8m
l、10%水酸化ナトリウム水溶液2mlを加え、固形物を
過して除去した。
液を飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネ
シウムで乾燥後、溶媒を留去することにより、表題の化
合物が得られた。ガスクロ分析(カラム:SE−30(20
%))の面積比より、異性体の比率は、34:66であつ
た。
シウムで乾燥後、溶媒を留去することにより、表題の化
合物が得られた。ガスクロ分析(カラム:SE−30(20
%))の面積比より、異性体の比率は、34:66であつ
た。
収量:8.88g(収率91.4%) IR(KBr錠剤,cm-1):3470(νO-Hの幅広い吸収) 890(δC=CH2)1 H−NMR(CDCl3溶媒,TMS内部標準,δppm):0.83(一重
線,CH 3) 0.97(一重線,CH 3) 1.15〜2.06(複雑な多重線,−CH 2−,CH 3) 2.42(二重線,−CH 2−) 3.55(四重線,−CH) 4.73(二重線,=CH 2) Mass〔m/e(相対強度)〕:194(M+,32),179(30),161
(100),133(25),119(33),105(24),91(27),83
(28),41(34),28(36) 元素分析:分析値 C;80.49%,H;11.45% 計算値 C;80.36%,H;11.44% 実施例3 6−メトキシ−8,8,10−トリメチルスピロ〔4.5〕デカ
ン−9−エン及び6−メトキシ−10−メチレン−8,8−
ジメチルスピロ〔4.5〕デカン(Ic)の合成: ナトリウムハイドライド24g(1モル)、ヘキサン350
mlからなる溶液中に、アルコール(Ib)190g(0.93モ
ル)、ヘキサン150mlからなる溶液を60℃で滴下し、系
からの水素ガスの発生が止まるまで撹拌を行なつた。そ
の後、室温まで冷却した後、ヨウ化メチル156g(1.1モ
ル)、ヘキサン100mlからなる溶液を2時間で滴下し
た。還流温度で5時間熟成した後、室温まで冷却し、5
%硫酸で中和、分層し、有機層を無水硫酸マグネシウム
により乾燥した。溶媒を留去し、減圧下で分留すること
により、表題の化合物が得られた。ガスクロ分析(カラ
ム:SE−30(20%))の面積比より、異性体比率は34:66
であつた。
線,CH 3) 0.97(一重線,CH 3) 1.15〜2.06(複雑な多重線,−CH 2−,CH 3) 2.42(二重線,−CH 2−) 3.55(四重線,−CH) 4.73(二重線,=CH 2) Mass〔m/e(相対強度)〕:194(M+,32),179(30),161
(100),133(25),119(33),105(24),91(27),83
(28),41(34),28(36) 元素分析:分析値 C;80.49%,H;11.45% 計算値 C;80.36%,H;11.44% 実施例3 6−メトキシ−8,8,10−トリメチルスピロ〔4.5〕デカ
ン−9−エン及び6−メトキシ−10−メチレン−8,8−
ジメチルスピロ〔4.5〕デカン(Ic)の合成: ナトリウムハイドライド24g(1モル)、ヘキサン350
mlからなる溶液中に、アルコール(Ib)190g(0.93モ
ル)、ヘキサン150mlからなる溶液を60℃で滴下し、系
からの水素ガスの発生が止まるまで撹拌を行なつた。そ
の後、室温まで冷却した後、ヨウ化メチル156g(1.1モ
ル)、ヘキサン100mlからなる溶液を2時間で滴下し
た。還流温度で5時間熟成した後、室温まで冷却し、5
%硫酸で中和、分層し、有機層を無水硫酸マグネシウム
により乾燥した。溶媒を留去し、減圧下で分留すること
により、表題の化合物が得られた。ガスクロ分析(カラ
ム:SE−30(20%))の面積比より、異性体比率は34:66
であつた。
収量:186.2g(収率89.4%) IR(液膜,cm-1):1108(νC-O) 890(δC=CH2)1 H−NMR(CDCl3溶媒,TMS内部標準,δppm):0.95(一重
線,CH 3) 1.36〜1.95(複雑な多重線,−CH 2−,CH 3) 3.14(四重線,−CH) 3.32(一重線,−OCH 3) 5.00(幅広い一重線,−CH) Mass〔m/e(相対強度)〕:208(M+,16),161(52),150
(95),135(100),119(41),112(34),107(43),10
5(36),93(29),91(41) 元素分析:分析値 C;80.73%,H;11.62% 計算値 C;80.71%,H;11.61% 実施例4 6−ホルミルオキシ−8,8,10−トリメチルスピロ〔4.
5〕デカン−9−エン及び6−ホルミルオキシ−10−メ
チレン−8,8−ジメチルスピロ〔4.5〕デカン(Id1)の
合成: アルコール(Ib)22.5g(0.12モル)、蟻酸110ml、ヘ
キサン20mlの混合溶液を室温で17時間撹拌した。単蒸留
により、ヘキサンと蟻酸を留去することにより、表題の
化合物が得られた。ガスクロ分析(カラム:SE−30(20
%))の面積比より異性体比率は34:66であつた。
線,CH 3) 1.36〜1.95(複雑な多重線,−CH 2−,CH 3) 3.14(四重線,−CH) 3.32(一重線,−OCH 3) 5.00(幅広い一重線,−CH) Mass〔m/e(相対強度)〕:208(M+,16),161(52),150
(95),135(100),119(41),112(34),107(43),10
5(36),93(29),91(41) 元素分析:分析値 C;80.73%,H;11.62% 計算値 C;80.71%,H;11.61% 実施例4 6−ホルミルオキシ−8,8,10−トリメチルスピロ〔4.
5〕デカン−9−エン及び6−ホルミルオキシ−10−メ
チレン−8,8−ジメチルスピロ〔4.5〕デカン(Id1)の
合成: アルコール(Ib)22.5g(0.12モル)、蟻酸110ml、ヘ
キサン20mlの混合溶液を室温で17時間撹拌した。単蒸留
により、ヘキサンと蟻酸を留去することにより、表題の
化合物が得られた。ガスクロ分析(カラム:SE−30(20
%))の面積比より異性体比率は34:66であつた。
収量:21.4g(収率93.5%) IR(液膜,cm-1):1728(νC=O) 1179(νC-O)1 H−NMR(CDCl3溶媒,TMS内部標準,δppm):0.95(一重
線,CH 3) 0.97(一重線,−CH 3) 1.04(一重線,−CH 3) 1.25〜2.31(複雑な多重線,−CH 2−) 4.85(複雑な多重線,−CH) Mass〔m/e(相対強度)〕:222(M+,4),176(64),161
(100),133(61),119(60),107(38),105(57),93
(47),91(77),79(42) 元素分析:分析値 C;77.01%,H;10.03% 計算値 C;75.63%,H;9.97% 実施例5 6−アセトキシ−8,8,10−トリメチルスピロ〔4.5〕デ
カン−9−エン及び6−アセトキシ−10−メチレン−8,
8−ジメチルスピロ〔4.5〕デカン(Id2)の合成: アルコール(Ib)20.6g(0.11モル)、ピリジン12.6g
(0.16モル)、トルエン120mlの混合液中に、氷冷下で
無水酢酸13.0g(0.13モル)、トルエン30mlの混合溶液
を20分滴下した。その後、90℃で、16時間撹拌を行い、
無水酢酸を減圧下留去し、エーテルを加えて分層した。
有機層を1規定塩酸で2度、飽和炭酸水素ナトリウム水
溶液、水の順で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥
した。これより、減圧下、溶媒を留去することにより、
表題の化合物を得た。ガスクロ分析(カラム:SE−30(2
0%))の面積比より、異性体比率は34:66であつた。
線,CH 3) 0.97(一重線,−CH 3) 1.04(一重線,−CH 3) 1.25〜2.31(複雑な多重線,−CH 2−) 4.85(複雑な多重線,−CH) Mass〔m/e(相対強度)〕:222(M+,4),176(64),161
(100),133(61),119(60),107(38),105(57),93
(47),91(77),79(42) 元素分析:分析値 C;77.01%,H;10.03% 計算値 C;75.63%,H;9.97% 実施例5 6−アセトキシ−8,8,10−トリメチルスピロ〔4.5〕デ
カン−9−エン及び6−アセトキシ−10−メチレン−8,
8−ジメチルスピロ〔4.5〕デカン(Id2)の合成: アルコール(Ib)20.6g(0.11モル)、ピリジン12.6g
(0.16モル)、トルエン120mlの混合液中に、氷冷下で
無水酢酸13.0g(0.13モル)、トルエン30mlの混合溶液
を20分滴下した。その後、90℃で、16時間撹拌を行い、
無水酢酸を減圧下留去し、エーテルを加えて分層した。
有機層を1規定塩酸で2度、飽和炭酸水素ナトリウム水
溶液、水の順で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥
した。これより、減圧下、溶媒を留去することにより、
表題の化合物を得た。ガスクロ分析(カラム:SE−30(2
0%))の面積比より、異性体比率は34:66であつた。
収量:21.0g(収率84.0%) IR(液膜,cm-1):1740(νC=O) 1242(νC-O)1 H−NMR(CDCl3溶媒,TMS内部標準,δppm):0.90(一重
線,CH 3) 0.95(一重線,−CH 3) 1.02(一重線,−CH 3) 1.14〜1.93(複雑な多重線,−CH 2−) 2.02(幅広い一重線,−CH 2−) Mass〔m/e(相対強度)〕:237(M+,25),176(100),16
1(80),133(63),119(53),107(55),105(54),93
(59),91(74),43(41) 元素分析:分析値 C;76.33%,H;10.25% 計算値 C;76.23%,H;10.23% 実施例6 シプレ調フレグランス用香料 重量部 ベルガモツト油 イタリー 250 オレンジ油 ギニア 20 ラベンダー油 モンブラン40/42 20 バジル油 10 ローズベース 100 ミユーズベース 50 フエニルエチルアルコール 100 メチルジヒドロジヤスモネート 50 ヘキシルシンナミツクアルデヒド 150 パチユリ油アイアンフリー 20 オークモスアブソリユート 40 ガラクソリド50DEP* 50 ムスクケトン 30 クマリン 20 ラブダナムクレアー 10 シベツトベース 2 ジエチルフタレート 28 950 上記香料950部に本発明化合物(Id2)を50部加えるこ
とにより残香のパワーアツプとウツデイー、アンバー感
の増したシプレ調フレグランス用香料が得られた。
線,CH 3) 0.95(一重線,−CH 3) 1.02(一重線,−CH 3) 1.14〜1.93(複雑な多重線,−CH 2−) 2.02(幅広い一重線,−CH 2−) Mass〔m/e(相対強度)〕:237(M+,25),176(100),16
1(80),133(63),119(53),107(55),105(54),93
(59),91(74),43(41) 元素分析:分析値 C;76.33%,H;10.25% 計算値 C;76.23%,H;10.23% 実施例6 シプレ調フレグランス用香料 重量部 ベルガモツト油 イタリー 250 オレンジ油 ギニア 20 ラベンダー油 モンブラン40/42 20 バジル油 10 ローズベース 100 ミユーズベース 50 フエニルエチルアルコール 100 メチルジヒドロジヤスモネート 50 ヘキシルシンナミツクアルデヒド 150 パチユリ油アイアンフリー 20 オークモスアブソリユート 40 ガラクソリド50DEP* 50 ムスクケトン 30 クマリン 20 ラブダナムクレアー 10 シベツトベース 2 ジエチルフタレート 28 950 上記香料950部に本発明化合物(Id2)を50部加えるこ
とにより残香のパワーアツプとウツデイー、アンバー感
の増したシプレ調フレグランス用香料が得られた。
注)*ガラクソリド50DEP:IFF社商品名1,3,4,6,7,8−ヘ
キサヒドロ−4,6,6,7,8,8−ヘキサメチルシクロペンタ
−γ−2−ベンゾピラン
キサヒドロ−4,6,6,7,8,8−ヘキサメチルシクロペンタ
−γ−2−ベンゾピラン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 45/68 C07C 45/68 49/623 49/623 49/653 49/653 69/07 69/07 69/145 69/145 C11B 9/00 C11B 9/00 D G M T
Claims (3)
- 【請求項1】次の一般式(I) (式中、R1及びR2は一方が水素原子で、他方が水酸基、
メトキシル基、ホルミルオキシル基もしくはアセトキシ
ル基を示すか、または両方が一緒になつてオキソ基を示
し、破線はいずれかの位置に二重結合があることを示
す)で表わされるスピロ〔4.5〕デセン誘導体。 - 【請求項2】イソホロンに、塩基の存在下、1,4−ジハ
ロゲノブタンを反応させることを特徴とする次式(Ia) (式中、破線はいずれかの位置に二重結合があることを
示す) で表わされるスピロ〔4.5〕デセン誘導体の製造法。 - 【請求項3】第1請求項記載のスピロ〔4.5〕デセン誘
導体を含有する香料組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63086751A JP2526090B2 (ja) | 1988-04-08 | 1988-04-08 | スピロ〔4.5〕デセン誘導体、その製造法及びこれを含有する香料組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63086751A JP2526090B2 (ja) | 1988-04-08 | 1988-04-08 | スピロ〔4.5〕デセン誘導体、その製造法及びこれを含有する香料組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01258634A JPH01258634A (ja) | 1989-10-16 |
JP2526090B2 true JP2526090B2 (ja) | 1996-08-21 |
Family
ID=13895468
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63086751A Expired - Lifetime JP2526090B2 (ja) | 1988-04-08 | 1988-04-08 | スピロ〔4.5〕デセン誘導体、その製造法及びこれを含有する香料組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2526090B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
ES2290393T3 (es) * | 2002-10-14 | 2008-02-16 | Firmenich Sa | Espirocompuestos como ingredientes perfumantes. |
WO2008151455A1 (en) * | 2007-06-11 | 2008-12-18 | Givaudan Sa | Organic compounds |
-
1988
- 1988-04-08 JP JP63086751A patent/JP2526090B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01258634A (ja) | 1989-10-16 |
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