JP2525938Y2 - 把手付プラスチック製容器蓋 - Google Patents

把手付プラスチック製容器蓋

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JP2525938Y2
JP2525938Y2 JP1533592U JP1533592U JP2525938Y2 JP 2525938 Y2 JP2525938 Y2 JP 2525938Y2 JP 1533592 U JP1533592 U JP 1533592U JP 1533592 U JP1533592 U JP 1533592U JP 2525938 Y2 JP2525938 Y2 JP 2525938Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、容器持ち運び用の把手
を有するプラスチック製容器蓋に関するものであり、特
に合成樹脂製容器に使用され、良好な密封構造を形成し
得る把手付き容器蓋に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、石油製品、塗料等や、種々の
油性、水性、または粉体等の容器として、通常ペール缶
と呼ばれる金属製容器が使用されており、また最近では
金属製のものに代って成形プラスチックによる合成樹脂
製容器が使用されている。このような合成樹脂製容器
は、例えば実開昭59−175044号公報に開示され
ている。
【0003】この先行技術の合成樹脂製容器では、中空
状逆円錐形または円筒形とした容器本体の上面開口端に
外側に向って湾曲させた係合縁を設け、一方蓋には、天
板の外周部に下方に突出す内側フランジと外側フランジ
を同心円状に一体に設けて逆U字型の嵌合溝を形成し、
更にこの外側フランジの内面に楔状突起部が形成されて
いる。また容器本体の外周面には前記蓋の外側フランジ
より外方へ突出す補強兼保護リブを設けている。かかる
容器において、蓋の容器本体への装着は、該蓋を容器本
体に被せて蓋を押圧し、蓋の嵌合溝内に容器本体の係合
縁を嵌合せしめることにより行われる。嵌合溝内に嵌め
込まれた容器本体の係合縁は、その下端が楔状突起部上
面に係止して固定され、容器蓋は、取り外し不能に装着
され、かくして容器本体はシールされる。
【0004】上記の合成樹脂製容器では、容器を持ち運
びするための把手部(ハンドル)を容器本体に設けてい
る。この把手部は、通常、金属製のツルに木製、プラス
チック製等のグリップを設けたものであり、容器本体と
は別に造られ、容器本体の把手取付部に後から装着する
方式がとられている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】前記の従来公知の合成
樹脂製容器には、次のような問題点がある。 (1)容器1セットが最低蓋、容器本体、把手部品の3
種類の部品から構成される為、3種類分の製造コストが
かかる。 (2)把手部品を容器本体へ取付ける作業を要し、手間
が余計にかかりコストアップとなっている。 (3)廃棄処分となりこれをリサイクルする際、把手部
分の多くはその材質が容器本体と異なるため分離する工
程を要し、コストアップとなる。 (4)容器を置く場合に容器本体の外寸法より把手部分
がはみ出す為、それだけ余裕のあるスペースが必要であ
る。 (5)容器を相互に段積みする場合、当然把手部分が張
り出すので、把手部分の位置を確認して積む必要があ
り、作業性(連続性)に欠ける。
【0006】従って本考案の目的は、合成樹脂製容器に
用いられるプラスチック製容器蓋において、容器蓋自体
に把手が一体に形成されており、これにより、容器本体
に把手の取り付け部を形成する必要がなく且つ容器本体
への把手の取り付け作業も省略でき、容器の製造工程の
合理化、労力、コスト等の低減が可能となると共に、良
好な密封性能を有しており、容器を置くスペースも減少
でき、容器の積み重ね作業も迅速に行うことができ、且
つリサイクリングをも容易にする容器蓋を提供すること
にある。
【0007】
【問題点を解決するための手段】本考案によれば、天板
と、該天板の周縁部に形成された環状フランジとから成
り、該環状フランジは、天板に連なり且つ少なくとも高
さ方向上方に延びている内側フランジ部と、該内側フラ
ンジ部の上端に連なり且つ内側フランジ部とは間隔を置
いて高さ方向下方に延びている外側フランジ部とを有し
ており、外側フランジ部の内面と内側フランジ部の外面
とによって、容器の開口部端縁と嵌合し得る環状溝が形
成されており、前記外側フランジ部の内面には楔状突起
部が周方向に延びており、該楔状突起部が前記環状溝内
に嵌め込まれた容器の開口部端縁と係合することによ
り、容器開口部端縁に固定されるプラスチック製容器蓋
において、前記天板は、実質上水平な平板部と、該平板
部の中央部に形成されている凹部とから成り、前記凹部
の中央上部を横切るようにして且つ平板部とほぼ同じ高
さで延びている把手部が設けられており、該把手部の両
端部は、それぞれ凹部の側面上部乃至平板部に一体に結
合されていると共に、天板周縁部上面から前記内側フラ
ンジ部の内面にかけて、周方向に間隔をおいて複数個の
垂直リブが形成されており、外側フランジ部には、高さ
方向に延びている細幅の切込孔が周方向に間隔をおいて
複数形成されており、該切込孔の下端は、外側フランジ
部下端とは間隔を置いて位置しており、且つ該切込孔の
上端は、前記楔状突起部の上端よりもやや上方に位置し
ていることを特徴とする把手付プラスチック製容器蓋が
提供される。
【0008】本考案において、前記楔状突起部は、周方
向に微小間隔を置いて複数個設けられており、該微小間
隔部に前記切込孔が形成されていることが蓋の密封性能
を確保すると同時に、蓋の取り外しを容易に行うという
点で好適である。
【0009】
【作用】本考案のプラスチック製容器蓋においては、天
板を、実質上水平な平板部と該平板部中央部の凹部とか
ら形成し、該凹部の中央上部を横切るようにして延びて
いる把手部を設けたことが重要である。即ち、この容器
蓋を容器本体に固定した状態で、上記把手部を手で持っ
て容器を持ち運びできるため、容器本体には把手部を設
ける必要がない。従って、容器本体からはみ出した把手
部がなく、容器を置くためのスペースを最小限とするこ
とができる。また天板に形成されている凹部は、把手部
を容易に手で持つようにすると同時に、天板の強度を増
大させ、また耐変形性を向上させるという機能を有す
る。即ち、容器蓋を容器本体に装着する際、容器蓋に設
けられている把手部を持って容器を持ち運びする際、容
器蓋が装着されている容器を積み上げた時、或いは気温
の上昇等により容器内の圧力が上昇した時等において、
容器蓋の天板に圧力が加わると、その圧力は凹部によっ
て吸収乃至緩和され、容器蓋の変形や破損が有効に防止
されるのである。
【0010】また前記把手部は、平板部とほぼ同じ高さ
で延びており、段差が殆ど無く、その上面は、天板の周
縁部に形成されている環状フランジ(内側フランジ部)
の上端より低い。従って、容器本体に容器蓋が固定され
ている容器同士を積み上げる場合、この把手部が邪魔と
なることがない。更に上記把手部は、天板に一体に固定
されており、プラスチックの射出成形等の一体成形によ
り容器蓋を成形する際に同時に形成されるものである。
従って、これを取り付けるための工程は不要であり、コ
ストの点で極めて有利であり、また容器蓋と同じ材質で
形成されているため、リサイクルの点でも優れている。
【0011】本考案において、天板周縁部上面から前記
内側フランジ部の内面にかけて、周方向に間隔をおいて
形成されている複数個の垂直リブは、特に天板の強度を
補強し、容器蓋の変形を防止する上で極めて重要であ
る。即ち、本考案の容器蓋は、天板に把手部が設けられ
ており、該把手部を持って容器の持ち運びが行われる。
従って、容器の持ち運びに際しては、容器蓋、特にその
周縁部に容器全重量に相当する応力が集中する。また、
この容器蓋を容器に固定する場合にも、容器蓋の周縁部
に応力が集中する。本考案においては、このような応力
集中部分である天板周縁部上面から前記内側フランジ部
の内面にかけて、上記垂直リブにより、強度が補強され
ているため、容器蓋の変形乃至破損が有効に防止される
のである。また上記垂直リブは、所謂寄せリブとしても
機能する。即ち、容器蓋が装着されている容器を積み上
げた場合、この垂直リブによって、積み上げられた容器
がしっかりと所定位置に固定され、段積みがずれたり、
或いはくずれたりするのが有効に防止される。
【0012】本考案においては、外側フランジ部に、高
さ方向に延びている細幅の切込孔を周方向に間隔をおい
て複数形成したことが、密封性の点で極めて重要であ
る。即ち、この切込孔の下端は、外側フランジ部下端と
は間隔を置いて位置しているが、該切込孔の上端は、外
側フランジ部内面の楔状突起部の上端よりもやや上方に
位置していることから明らかな通り、楔状突起部は、こ
の切込孔によって完全に分断されている。ところで、先
にも述べた通り、本考案の容器蓋は、把手部を有してお
り、容器の持ち運びは、この把手部を持って行われるた
め、容器の持ち運びに際しては、容器蓋と容器本体の開
口部端縁との接合部に容器全重量(内容物の重量を含
む)に相当する応力が集中し、容器本体の開口部端縁の
変形を生じ易い。この場合において、容器蓋、特に容器
本体の開口部端縁と係合している楔状突起部がリジッド
に形成されていると、容器本体の開口部端縁の僅かな変
形により、楔状突起部との密着性が失われ、両者の間に
隙間を生じ、密封性が損なわれてしまう。しかるに本考
案においては、上記のような細幅の切込孔を形成して楔
状突起部を分断しているため、容器本体の開口部端縁の
僅かな変形に楔状突起部が容易に追随し、両者の強固な
密着、即ち密封性が損なわれることがないのである。更
に、上記の切込孔によって楔状突起部が分断されている
と、容器蓋を押圧して容器本体の開口部端縁に装着する
際、応力が分断された個々の楔状突起部に分散され、応
力集中が緩和されるため、容器蓋の変形や破損が有効に
防止できる。また分断された個々の楔状突起部は互いに
独立しており、仮に一部の楔状突起部に変形が生じたと
しても、その変形が他の楔状突起部に伝達されることが
なく、容器蓋の変形を最小限に抑えることができる。し
かも、上記の切込孔は空気孔としても機能し、容器本体
の開口部端縁への容器蓋の密着固定を有効に行うことが
できるという利点もある。即ち、容器蓋の容器本体の開
口部端縁への固定は、容器蓋の環状フランジに形成され
ている環状溝内に容器本体の開口部端縁を嵌め込むこと
により行われるが、この作業をスムーズに行い、しかも
容器蓋を密着固定するためには、環状溝内のエアー抜き
が有効に行うことが必要である。本考案によれば、上記
の切込孔が空気孔としても機能するため、容器蓋の密着
固定を有効に行うことができるのである。
【0013】
【実施例】以下、本考案を添付図面に示す具体例に基づ
いて詳細に説明する。本考案の容器蓋が設けられた容器
の側面図と断面図を示す図1において、この容器蓋が設
けられる容器本体1はプラスチックで一体成形された剛
性のものであり、上方に開口部を有しており且つ開口端
に向かって外方に少し外に拡がる中空状の逆円錐形の側
壁2と、この側壁2と一体に形成されている底部3とか
ら成っている。この容器本体1において、底部3は、中
央部が若干上方に突出した形状を有しており、その中央
部には下方に突出したリブ状補強片4が環状に設けら
れ、更に前記側壁2の下端は、底部3よりも若干下方に
突き出ている。底部3の下面周縁部と、底部3よりも下
方に突出している側壁2の下端部内面との間には、周方
向に略等間隔を置いて、複数個の補強リブ5が形成され
ており、容器底部3の強度が高められている。容器本体
1の上方開口端には、外側下向きに湾曲形成された係合
縁7が設けられており、この係合縁7が、後述する容器
蓋21の環状溝内に嵌め込まれて容器蓋の固定が行われ
る。また、係合縁7の下方に位置している側壁2の上部
外周面の全周にわたって、ほぼ水平方向に突出している
環状補強リブ8が設けられている。更にその下方には、
傘状に突出しその先端が垂直方向に曲げられた形状の環
状補強リブ9が、やはり側壁2の外周面の全周にわたっ
て設けられている。この環状補強リブ9は、その外径
が、容器蓋21の外径(後述する外側フランジ部の外径
に相当)よりも大きく設計されている。これらの補強リ
ブ8,9は、容器本体1の上部を強化し、荷重、応力に
対して変形を防止する。即ち、このような補強リブ8,
9の形成により、容器蓋21を装着する際或いは容器本
体1から取り外す際の容器本体1の変形を有効に防止で
き、これらの作業を有効に行うことができる。またこれ
らの補強リブを設けることにより、容器蓋21が装着さ
れていない容器本体1の持ち運び、搬送等も容易に行う
ことができる。上述した例において、容器本体1の側壁
2は、逆円錐形状で示されているが、勿論、直立円筒形
状とすることもできる。
【0014】従来の公知のプラスチック製容器等におい
ては、例えば、図1における補強リブ8と、補強リブ9
との間に左右一対の把手取付部を一体に設け、その持手
取付部に把手を後工程で装着するような構造をなってい
るが、本考案の容器蓋21を使用した場合には、容器本
体1に把手を装着する必要がないため、把手取付部を容
器本体1に設ける必要はなく、また後工程で把手を装着
する必要もないので、これは本考案の大きな利点であ
る。勿論、本考案の容器蓋21は、従来と同様、把手が
装着される構造の容器本体に用いることも可能である。
【0015】本考案の容器蓋の一実施例を図2乃至図9
に示す。図2は、図1に示されている容器蓋21の平面
図であり、図3は、容器蓋21の底面図であり、図4
は、容器蓋21の半断面正面図であり、図4中、右側の
断面は、図2のA−A断面である。また図5は、容器蓋
21の半断面側面図であり、図5中、左側の断面は、図
2のB−B断面である。更に図6は、図3のC−C断面
を拡大して示す図であり、図7は、図4のD部の断面を
拡大して示す図である。図8は、図1のE部断面を拡大
して示す図であり、図9は、図3の一部拡大図である。
【0016】図2及び図3と共に、特に図6及び図7を
参照して、本考案の容器蓋21は、大まかに言って、天
板22と、その周縁部に形成されている環状フランジと
から成っており、環状フランジは、天板22の周縁部に
連なって高さ方向上方に延びている内側フランジ部23
と、該内側フランジ部23の上端に上縁部24を介して
連なり且つ下方に延びている外側フランジ部25とから
構成されている。上記の各部から構成されている環状フ
ランジにより、その内側空間に断面が逆U字型の環状溝
26が形成されており、この環状溝26内に、図1で示
した容器本体1の係合縁7が嵌め込まれ、容器蓋21の
容器本体1への固定が行われる。
【0017】特に図6及び7に明瞭に示されている様
に、環状フランジにおける外側フランジ部25は、内側
フランジ部23とは間隔を置いて内側フランジ23部よ
りも下方に延びている共に、その下部は外側にやや開い
ており、容器本体1の係合縁7をスムーズに挿入し得る
ようになっている。また外側フランジ部25の内面に
は、周方向に延びている楔状突起部27が形成されてお
り、この楔状突起部27によって、環状溝26内に嵌め
込まれた容器本体1の係合縁7がしっかりと係合し、容
器蓋21の固定が行われる。即ち、この楔状突起部27
は、図示する通り、上方にいくにしたがって次第に内方
に突出しており、その上端面は、上方から下方に向かっ
て若干傾斜している。この楔状突起部27の下端と内側
フランジ23部との間の水平方向の間隔は、容器本体1
の係合縁7の水平方向の幅寸法よりも大きく、楔状突起
部27の上端根元部と内側フランジ部23との間の水平
方向の間隔は、係合縁7の水平方向の幅寸法よりも若干
小さくなっている。楔状突起部27の形状及び大きさを
このように設定することにより、容器本体1の係合縁7
を環状溝26内にスムーズに嵌め込み、且つ嵌め込まれ
た係合縁7を楔状突起部27によりしっかりと固定する
ことができる。
【0018】図1のE部断面を拡大して示す図8におい
て、環状溝26には、密封性を高めるために、ゴム、合
成樹脂及び発泡体等から成る弾性を有するパッキング3
9を嵌込んでおくことが好ましい。この図8を参照し
て、容器蓋21を容器本体1に固体する作業を簡単に説
明すると、次の通りである。即ち、容器蓋21を環状溝
26と係合縁7とが対応するように容器本体1上に被
せ、この状態で容器蓋21を押圧する。これにより、係
合縁7が、楔状突起部27の下側に斜面に圧接して環状
溝26内に案内され、楔状突起部27の上部空間内に嵌
め込まれる。この状態において、係合縁7の上端はパッ
キング39と密着して密封が行われると共に、外側フラ
ンジ部25の反発弾性によって、内側フランジ部23の
外面と外側フランジ部25の内面との間で係合縁7が強
固にサンドイッチされ、且つ係合縁7の下端7Aは、楔
状突起部27の上端と密着係合する。かくして、係合縁
7は、環状溝26から外れることなく、しっかりと位置
固定され、良好な密封性が確保される。
【0019】図3及び図6において、本考案の容器蓋2
1においては、外側フランジ部25の下端周縁部28は
若干肉厚に形成されており、この下端周縁部28の上方
において、外側フランジ部25には、高さ方向に延びて
いる細幅の切込孔29が、周方向にほぼ等間隔をおいて
穿孔されている。図の例では、8個の切込孔29が設け
られている。特に図6から明らかな通り、この切込孔2
9は、その下端が上記周縁部28の上端に位置してお
り、且つその上端が楔状突起部27の上端よりやや上に
位置している。従って、楔状突起部27は、これらの切
込孔29によって周方向に完全に分断されていることが
理解される。
【0020】即ち、本考案の容器蓋21は、楔状突起部
27が切込孔29によって分断されているため、容器本
体1に容器蓋21が固定されている状態において、容器
本体1の側壁2の上部、或いは係合縁7に多少の変形が
生じたとしても、楔状突起部27がこの変形に追随し、
前述した密封性が有効に保持されるのである。特に、容
器蓋21自体に把手部(この部分の構造については後述
する)が設けられている本考案においては、このような
楔状突起部27の追随性は極めて重要である。何故なら
ば、容器蓋21に設けられている把手を持って容器の持
ち運びを行う場合、プラスチック製の容器本体1の上端
の係合縁7に応力が集中し、その変形を生じ易い。従っ
て、楔状突起部27がリジッドに構成されていると、こ
の係合縁7の変形に楔状突起部27が追随できず、この
結果として、容器の持ち運びによって密封性が損なわれ
てしまう。しかるに本考案では、上記の切込孔29の形
成により、楔状突起部27が係合縁7の変形に追随し易
くなっているため、容器の持ち運びに際しても良好な密
封性が確保されるのである。
【0021】また上述した切込孔29は、空気孔として
も機能し、これにより、容器蓋21の係合縁7への密封
固定を有効に行うことができる。即ち、図8において、
容器蓋21を押圧して係合縁7を環状溝26内に嵌め込
むに際して、楔状突起部27の上部空間内の空気が切込
孔29から外部に抜けるため、容器蓋21の係合縁7へ
の密封固定を有効に行うことができるのである。このよ
うな空気孔としての機能は、容器本体1に固定されてい
る容器蓋21を取り外す場合にも有利である。更に、上
記の切込孔29によって、楔状突起部27が分断されて
いると、容器蓋21に加わる衝撃等は、分断された楔状
突起部27に分散され、応力集中が防止される。また、
一部の楔状突起部27に変形が生じたとしても、この変
形が他の楔状突起部27に伝達することがない。従っ
て、本考案の容器蓋21は、耐衝撃性、耐変形性も良好
であり、この点からも密封性に優れている。しかも、楔
状突起部27が分断されていることは、容器蓋21を容
器本体1から取り外す時にも有利である。
【0022】再び図6に戻って、外側フランジ部25の
外面には、上記切込孔29の延長線上に、本考案におい
て、比較的浅い溝30(深さ0.5mm程度)を設ける
ことが好ましい。この溝30は、外側フランジ部25の
上端部分にまで延びており、このような溝30を形成さ
せることにより、上述した楔状突起部27の追随効果を
高めることができる。また、この溝30は、切込孔29
の延長線上以外の部分、例えば隣り合う切込孔29間、
即ち楔状突起部27が形成されている部分において、外
側フランジ部25の上端から下端周縁部28の上に至る
長さで設けることもある。
【0023】また図6等に示されている様に、天板22
に連続している内側フランジ部23は、天板22よりも
下方に延びていることが好ましい。このように内側フラ
ンジ部23を下方に延長させることによって強度を高め
ることができると共に、容器蓋21を容器本体1に装着
した状態において、容器本体1の側壁2の上端部と内側
フランジ部23の外面(外側フランジ部25に対面して
いる側)との接触面積の増大により、環状溝26内での
係合縁7の係合固定をしっかりと行うことができる。更
に、内側フランジ部23の外面には、各切込孔29に対
向している部分に、その高さ方向全体にわたってそれぞ
れ浅い溝31(深さ0.3mm程度)を設けることが好
ましい(図6参照)。この溝31は切込孔29と共に空
気孔として機能するものであり、このような溝31を設
けることにより、容器本体1の係合縁7を環状溝26内
に嵌め込む際のエア抜きが有効に行われ、例えば係合縁
7の上端とパッキング39とを良好に密着させることが
でき、高度の密封性を確保することができる。また容器
蓋21を容器本体1からの取り外しもスムーズに行うこ
とができる。
【0024】図6と共に図3を参照して、内側フランジ
部23の天板22よりも下方に延びている部分には、各
切込孔29に対向し且つその内面側(外側フランジ部2
5に対面していない側)の位置に、垂直リブ32を設け
ることが好ましい。この垂直リブ32は、図6に示され
ている如く、天板22の下面にも一体化されており、こ
れにより、容器蓋21の強度は一層向上する。特に、容
器の積み上げが行われる場合に、このような垂直リブ3
2による補強は有利である。
【0025】本考案において、先に述べた切込孔29
は、外側フランジ部25に設けられている楔状突起部2
7を分断し、該突起部27にある程度の変形性を持た
せ、容器本体1の上端部の形状変化に対する追随性を持
たせるものであるが、このような追随性を確実なものと
するために、例えば図3の底面図及び図3の一部拡大図
である図9に示されている様に、楔状突起部27を微小
間隔を置いて周方向に分割して形成し、隣り合う楔状突
起部27の間の微小間隔部に切込孔29を設けることが
好ましい。
【0026】図2,3,4及び5において、天板22
は、実質上水平な平板から成るが、その中央部には、平
面形状がほぼ矩形状の凹部34が設けられていると共
に、該凹部34をほぼ均等に2分し且つその中央上部を
横切るようにして把手部35が設けられている。この把
手部35の両端は、天板22の水平平板部乃至凹部35
の側面上部で、天板22と一体に連なっており、また天
板22の平板部とほぼ同じ高さで実質上段差なく延びて
いる。即ち、本考案の容器蓋21は、容器本体1に取り
付けられた状態で、上記把手部35を手で持って容器ご
と持ち運びを行い得るものである。このため、容器本体
1には把手部を設ける必要はなく、容器の設置スペース
を小さくすることができる。また把手部35は、天板2
2の平板部に対して段差がないので、容器の積み重ねに
も何ら支障がない。更に、この把手部35は、プラスチ
ックの一体成形により、容器蓋21の成形と同時に形成
されるため、把手部取り付けのために別個の工程を必要
とせず、コスト的に有利であり、またリサイクルの点で
も有利である。
【0027】本考案において、上述した凹部34は、基
本的には把手部35を容易に手で持つことができるよう
にするために形成されているものであるから、その形状
や深さ等は、そのような目的が達成される限りにおい
て、格別の制限はない。また、凹部34を天板22に形
成させたことにより、天板22は、耐衝撃性に優れたも
のとなる。即ち、天板22に加わる衝撃は、この凹部3
4によって吸収乃至緩和され、容器蓋22の変形や破損
が有効に防止される。
【0028】また把手部35は、特に図4に示されてい
る様に、手で持ち易くするために、半円筒形状のロッド
36(下側が曲面となっている)を有しており、このロ
ッド36内には、図2に示されている様に、長手方向に
延びている縦リブ37が形成され、且つ該縦リブ37と
交差する横リブ38が適当な間隔を置いて設けられてお
り、容器の重さに耐え得るような強度が付与されてい
る。
【0029】図2,4及び5において、本考案では、天
板22の周縁部上面から内側フランジ部23の内面にか
けて、周方向に間隔をおいて複数個(図においては8
個)の垂直リブ33を設けることが必要である。即ち、
上述した把手部35を有する本考案の容器蓋21は、こ
の把手部35を持って容器の持ち運びが行われるが、こ
の際、容器の全重量は天板22の周縁部に集中する。ま
た、この容器蓋21を容器本体1に固定する場合にも、
天板22の周縁部に応力が集中する。従って、上記のよ
うな垂直リブ33を設けておくことにより、容器の持ち
運びや容器本体1への容器蓋21の固定に際しての応力
集中による変形乃至破損を有効に防止することが可能と
なる。
【0030】上述した垂直リブ33の位置や個数は、天
板22の周縁部の周方向に均等に分散して設けられ、容
器の持ち運び等に際しての容器蓋の変形や破損が防止さ
れる限りにおいて特に制限はないが、一般的には、図2
に示されている様に、把手部35の延長線上に垂直リブ
33が配置されるようにするのがよい。容器の持ち運び
に際しては、特に把手部35に沿った部分に応力が集中
するからである。また、天板22の下面周縁部に前述し
た垂直リブ32を設ける場合には、隣り合う垂直リブ3
3の間に垂直リブ32が位置するような構造とするのが
好ましい。このような構造により、天板22を全体にわ
たってバランス良く補強することができるからである。
また垂直リブ33は、所謂寄せリブとしても機能する。
即ち、容器蓋21が装着されている容器を積み上げた場
合、垂直リブ33によって、積み上げられた容器がしっ
かりと所定位置に固定され、段積みがずれたり、或いは
くずれたりするのが有効に防止することができる。
【0031】本考案において、容器本体1に装着した容
器蓋21を取り外す時には、適当な工具を用いて楔状突
起部27と係合縁7の係合を順に解除しておけばよい。
この場合において、楔状突起部27が切込孔29によっ
て分断されている本考案の容器蓋21は、この取り外し
作業も容易に行うことができる。また天板22の平板部
に開閉可能な取り出し口を設けておくことにより、容器
蓋21を容器本体1から取り外すことなく、容器内容物
を取り出すことも可能である。
【0032】本考案の容器蓋21は、例えば高密度、中
密度、或いは低密度のポリエチレン、エチレン・酢酸ビ
ニル共重合体、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、
及びこれらのブレンド物等を、射出成形等の一体成形に
より製造される。また本考案の容器蓋21が装着される
べき容器本体1は、通常、高密度ポリエチレン、ポリプ
ロピレン等の合成の高いプラスチックから形成されてい
るのが好ましい。
【0033】図1で示した容器について寸法の一例を示
すと次の通りである。 容器本体 開口端 内径 287 (単位mm) 開口端 外径 299 高さ 364 容器下端外径 262 容器内深さ 348〜362 側壁厚 1.6〜2.5 底板厚 2.4〜3.0 補強リブ(8)外径 304 補強リブ(9)外径 308
【0034】 容器蓋 ポリエチレン製 外側フランジ部下端周縁部外径 310 外側フランジ部上端外径 303 外側フランジ部幅 25.5 外側フランジ部内側上端径 299 内側フランジ部環状溝側上端径 286.5 上縁部下面、楔状突起部上面つけね間 9 楔状突起部の外側フランジ部よりの突出し 2.5 内側フランジ部上端、天板周縁上面間 12 外側フランジ部切込孔の幅 2 溝(30)深さ 0.5 溝(31)深さ 0.3 天板厚 2.3 凹部 長手(外側) 180 凹部 幅 (内のり) 110 把手部 幅 (径) 25 肉厚 2 把手部上面と天板周縁部の段差 2 外側フランジ部最終端の厚、幅 3 垂直リブ(33)内側天板径 267
【0035】
【考案の効果】容器蓋に凹部及び把手部より成る把手構
造を一体成形で設けることにより、容器本体に把手構造
を設けることなく、容器の持ち運びを行うことができ
る。把手構造が容器蓋に一体成形されているため、把手
構造を設けるために別個の工程が不必要であり、製造コ
ストの点で有利である。またリサイクルの点でも有利で
ある。また容器の設置スペースを小さくすることがで
き、容器の段積み等の点でも極めて有利である。更にプ
ラスチック製の容器蓋に把手部を設け、この把手を持っ
てプラスチック製容器の持ち運びを行う場合には、容器
の全重量が容器本体の上端部と容器蓋との係合部分に集
中するため、僅かな変形により密封性が損なわれやすい
が、本考案では、容器本体との係合を行うための楔状突
起部を複数の切込孔によって分割しているため、容器の
持ち運び等に際しての密封性の低下が有効に防止されて
いる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の容器蓋が設けられている容器の半断面
側面図。
【図2】図1に示されている容器蓋の平面図。
【図3】図2の容器蓋の底面図。
【図4】図2の容器蓋の半断面正面図であり、図中、右
側の部分は、図2のA−A断面を示す。
【図5】図2の容器蓋の半断面側面図であり、図中、左
側の部分は、図2のB−B断面を示す。
【図6】図3のC−C部拡大断面図。
【図7】図4のD部拡大断面図。
【図8】図1のE部拡大図。
【図9】図3の一部拡大図。
【符号の説明】
1: 容器本体 2: 側壁 3: 底部 7: 係合縁 21: 容器 22: 天板 23: 内側フランジ部 25: 外側フラン
ジ部 26: 環状溝 27: 楔状突起部 29: 切込孔 32: 垂直リブ 33: 垂直リブ 34: 凹部 35: 把手部 39: パッキング

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天板と、該天板の周縁部に形成された環
    状フランジとから成り、該環状フランジは、天板に連な
    り且つ少なくとも高さ方向上方に延びている内側フラン
    ジ部と、該内側フランジ部の上端に連なり且つ内側フラ
    ンジ部とは間隔を置いて高さ方向下方に延びている外側
    フランジ部とを有しており、外側フランジ部の内面と内
    側フランジ部の外面とによって、容器の開口部端縁と嵌
    合し得る環状溝が形成されており、前記外側フランジ部
    の内面には楔状突起部が周方向に延びており、該楔状突
    起部が前記環状溝内に嵌め込まれた容器の開口部端縁と
    係合することにより、容器開口部端縁に固定されるプラ
    スチック製容器蓋において、 前記天板は、実質上水平な平板部と、該平板部の中央部
    に形成されている凹部とから成り、前記凹部の中央上部
    を横切るようにして且つ平板部とほぼ同じ高さで延びて
    いる把手部が設けられており、該把手部の両端部は、そ
    れぞれ凹部の側面上部乃至平板部に一体に結合されてい
    ると共に、 天板周縁部上面から前記内側フランジ部の内面にかけ
    て、周方向に間隔をおいて複数個の垂直リブが形成され
    ており、 外側フランジ部には、高さ方向に延びている細幅の切込
    孔が周方向に間隔をおいて複数形成されており、該切込
    孔の下端は、外側フランジ部下端とは間隔を置いて位置
    しており、且つ該切込孔の上端は、前記楔状突起部の上
    端よりもやや上方に位置していることを特徴とする把手
    付プラスチック製容器蓋。
  2. 【請求項2】 前記楔状突起部は、周方向に微小間隔を
    置いて複数個設けられ、該微小間隔部に前記切込孔が形
    成されている請求項1記載の把手付プラスチック製容器
    蓋。
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