JP2525672Y2 - ロータリダイカッタ装置 - Google Patents

ロータリダイカッタ装置

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JP2525672Y2
JP2525672Y2 JP1992055384U JP5538492U JP2525672Y2 JP 2525672 Y2 JP2525672 Y2 JP 2525672Y2 JP 1992055384 U JP1992055384 U JP 1992055384U JP 5538492 U JP5538492 U JP 5538492U JP 2525672 Y2 JP2525672 Y2 JP 2525672Y2
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speed
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polishing
anvil
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洋久 井上
義樹 芦原
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ハマダ印刷機械株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、サーボ制御によって
ダイシリンダとアンビルシリンダと定速回転行える
ようにし回転機構の単純化を図ったロータリダイカッ
タ装置において、アンビルシリンダの研磨後の回転数の
調整を自動化して操作性の改善を図ったロータリダイカ
ッタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】段ボールなどのシート状部材から所定の
形状の製品を打ち抜くものとしてロータリダイカッタ装
置がある。
【0003】ロータリダイカッタ装置は、図3に示すよ
うに、ダイシリンダ1とアンビルシリンダ2とを互いに
逆方向に回転し、ダイシリンダ1の外周に設けたダイボ
ード3の打ち抜き刃4をアンビルシリンダ2の外周に設
けたウレタンゴム等の弾性体5に食い込ませて両シリン
ダ1,2間に送り込まれる段ボールなどのシート状部材
Sを所定の形状に打ち抜くというものである
【0004】通常、このようアンビルシリンダ2の外
周に弾性体5を設けたロータリダイカッタ装置では、打
ち抜き刃4が弾性体5に食い込んでシート状部材Sを切
るため、弾性体5の表面に傷が付き、この傷が増大
すると打ち抜き刃4の切れ味が低下して切断が十分に行
なくなることから、両シリンダ1,2の外径寸法を
なったものとして打ち抜き刃4がアンビルシリンダ2の
外周の同一箇所に当たらないようにしている。
【0005】また、アンビルシリンダ2を所定時間使用
するごとに弾性体5の表面を研磨し、傷ついた表面を削
ぎ落として新しい弾性体5の表面を露出させることが行
われる。
【0006】このため、ロータリダイカッタ装置では、
従来、ダイシリンダ1とアンビルシリンダ2に、例えば
アキュラシーコントロールといわれる周速変速装置を設
け、運転中の両シリンダ1,2の回転比に僅かな違いを
え、両シリンダ1,2の周速を同速に保つことによ
り、打ち抜き中のシート状部材Sの送りと研磨後のアン
ビルシリンダ2径の減少による周速の変化補正して
ート状部材Sの送りが支障なくできるようにしてある。
【0007】すなわち、この周速変速装置は、PIV無
段変速機とハーモニックドライブ装置8で構成されて
る。
【0008】ハーモニックドライブ装置は、図に示す
ように、断面が楕円形に形成されたウェーブジェネレー
タ9の外側に弾性歯車であるフレクスプライン11が設
けられ、さらに、その外側に内歯歯車であるサキューラ
スプライン10が設けられ構成となっている。
【0009】ウェーブジェネレータ9は、アンビルシリ
ンダ2の回転軸と接続され、かつ、PIV無段変速機を
介して駆動モータと接続されており、その楕円形成面
は、弾性材で形成されたフレクスプライン11の内周と
当接する。また、このフレクスプライン11は、外周に
歯が形成されており、その外周は、サキューラスプライ
10の内周に形成された歯と歯合する。一方、サキュ
ーラスプライン10の外周にも歯が形成されており、
の外周は、ダイシリンダ1の回転軸に形成されたギアと
歯合するようになっている。そのため、サキューラスプ
ライン10駆動モータの回転が加わると、ダイシリン
ダ1とアンビルシリンダ2とは逆方向に回転する。
【0010】この状態でウェーブジェネレータ9を回転
させると、撓められたフレクスプラン11がサキュー
ラスプライン10の歯と一枚ずつ噛み合って回転し、ウ
ェーブジェネレータ9の1回転ごとにサキューラスプラ
イン10との間に歯数の差だけ、相対的な移動が生ず
る。
【0011】そのため、PIV無段変速機でウェーブジ
ェネレータ9の回転を変速すると、ウェーブジェネレー
タ9とサキューラスプライン10の移動量が変わり、異
なる径のダイシリンダ1とアンビルシリンダ2との周速
が合わせられるようになっている。
【0012】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ロータリダイカッタ装置では、すでに述べたように、ア
ンビルシリンダは所定時間使用するごとに弾性体の表面
を研磨し、傷ついた表面を削ぎ落として新しい表面を露
出させるため、研磨作業ごとにアンビルシリンダの径が
変わり、その度ごとに調整作業をしなければならない
が、周速変速装置が上述したように機械式のため、例え
ば弾性体の削ぎ落とす量に多少があった場合など、両シ
リンダの周速をピタリと合わせる調整作業が難しく手間
がかかるという問題がある。
【0013】そこで、この考案の課題は、周速の調整作
業が容易に行えるロータリダイカッタ装置を提供するこ
とである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この考案では、ダイシリンダとアンビルシリンダ
に、各々のシリンダの駆動軸を回転する駆動用のモータ
と、前記モータを制御する比較制御手段と、上記シリン
ダの回転速度を検出し、その検出信号を前記比較制御手
帰還信号として入力する速度検出手段とを備えると
ともに、上記シリンダの送り速度に対応した速度基準信
号をダイシリンダの比較制御手段に出力し、かつ、アン
ビルシリンダの比較制御手段へ前記速度基準信号を上記
両シリンダの外径寸法の差に応じて増加あるいは減少さ
せる出力係数手段を介して出力する基準信号発生手段を
備えたロータリダイカッタ装置において、 上記出力係数
手段に、弾性体を設けた研磨前のアンビルシリンダの径
寸法を設定する初期径設定手段と、そのアンビルシリン
ダの研磨後の削り取った弾性体の厚さを設定する研磨量
設定手段とを備えるとともに、前記出力係数手段が前記
初期径設定手段に設定された初期径データと研磨量設定
手段に設定された研磨量データとから研磨後に縮小した
径により低下するアンビルシリンダの周速が研磨前の周
速を保持できるようにアンビルシリンダの比較制御回路
への速度基準信号を増加させるようにした構成を採用し
たのである。
【0015】
【作用】このように構成されるロータリダイカッタ装置
では、基準信号設定手段にシート状部材の送り速度を設
定すると、その送り速度に見合った速度基準信号が基準
信号発生手段から出力される。この速度基準信号は、ダ
イシリンダの比較制御手段へはそのまま入力され、一
アンビルシリンダの比較制御手段へは出力係数手段
を介することにより、速度基準信号を増加あるいは減少
させて外径の違う両シリンダの周速が同じとなるように
両シリンダの回転比を例えば、50:49程度の僅差の
回転数を与える速度基準信号が作成され入力される。こ
のようにして、各々の速度基準信号が入力された比較制
御手段は、それぞれの速度基準信号と、各々シリンダに
設けた速度検出手段からの検出値とを比較し、その差が
0となるようにシリンダの回転速度を制御し、前記速度
基準信号に基づいたサーボ系による速度制御を行うた
め、両シリンダの周速を常に一定に保つことができる。
【0016】このとき、上述したように共通の基準信号
発生手段から出力される速度基準信号をベースとして両
シリンダの速度基準信号を作成するようにしたたため、
基準信号発生手段が出力する速度基準信号が変化した場
合でも、両シリンダの比較制御手段へ入力される速度基
準信号は常に同じだけ変化し、その比は一定に保たれ
る。そのため、両シリンダの回転数は同じ変化をするこ
とになり、シート部材の送りは支障なく行うことができ
る。したがって、例えばシリンダごとに基準信号発生手
段を設けた場合のように、基準信号発生手段の速度基準
信号が変化すると、その差が直接シリンダの周速に影響
を及ぼすことがなく、シート部材を送ることができなく
なることがないため、基準信号発生手段に速度基準信号
を高精度で高安定に発生するものを使用する必要がな
い。
【0017】また初期径設定手段に弾性体を取り付け
た研磨前のアンビルシリンダの径をデータとして入力
し、かつ、研磨後に削り取った弾性体の厚さをデータと
して研磨量設定手段に入力すると、それらデータに基づ
いて比較制御手段は、研磨後のアンビルシリンダの径を
例えば、研磨前の径から研磨後の削り取った弾性体の厚
さを差し引けば算出できるので、その算出径に基づいて
研磨後のアンビルシリンダの周速を研磨前の周速と同速
とするため操作変数に見合速度基準信号をアンビル
シリンダの比較制御手段に出力するようにすれば、周速
の調整作業が容易に行えるようにできる。
【0018】
【実施例】以下、この考案の実施例を図面に基づいて説
明する。また、その際、従来例で述べた部分について
は、図面に同一符号を付して詳しい説明は省略する。
【0019】図1に示す第1実施例のロータリダイカッ
タ装置は、ダイシリンダ1及びアンビルシリンダ2の
に前記シリンダ1,2を回転する駆動装置20,2
0’と、その駆動装置20,20’を制御する比制御
手段21,21’と、前記シリンダ1,2の回転数を検
出する速度検出手段22,22’が備えられている。
た、前記両シリンダ1,2の比制御手段21,21’
は、それぞ速度基準信号V1,V1’を出力する基準
信号設定手段27に接続されている。
【0020】駆動装置20,20’は、サーボモータと
そのドライバー及び減速装置とからなり、サーボモータ
は各シリンダ1,2の駆動軸に減速装置を介して取り付
けられている。
【0021】また、速度検出手段22,22’は、各々
前記シリンダ1,2の駆動軸あるいはサーボモータの回
転軸に取り付けられ、各シリンダ1,2の回転数に比例
した速度検出信号(電圧、パルス列など)Vβ,Vβ’
を比較制御手段21,21’へフィードバックする。
【0022】比較制御手段21,21’は、前記速度検
出信号Vβ,Vβ’と基準信号設定手段27から出力
れる速度基準信号V1,V1’とを比較し、その偏差が
0となるように前記駆動装置20,20’を制御する。
【0023】基準信号設定手段27は、基準信号発生手
段23と出力係数変換手段24及び初期径設定手段25
と研磨量設定手段26とからなっている。
【0024】基準信号発生手段23は、シート状部材S
の送り速度が設定されると、その送り速度に見合ダイ
シリンダ1の回転数に対応した速度基準信号V1を出力
する。この速度基準信号V1は、二つに分けられ、一方
は、ダイシリンダ1の比較制御手段21入力され、他
方は、出力係数変換手段24を介してアンビルシリンダ
2の比較制御手段21’入力される。
【0025】この出力係数変換手段24は、前記基準信
号発生手段23から出力される速度基準信号V1、例
えばアンビルシリンダ2とダイシリンダ1の回転比が5
0:49程度となるように、バイアス信号を与えた速度
基準信号V1’をアンビルシリンダ2の比較制御手段2
1’へ出力するためのもので、外径寸法の異なった両シ
リンダ1,2の周速を同速とし、ダイシリンダ1の打ち
抜き刃がアンビルシリンダ2の同一箇所に当たらないよ
うにするためのものである。
【0026】初期径設定手段25は、研磨前の弾性体5
の取り付けられたアンビルシリンダ2の外径、すなわ
ち、初期径データを設定すると、そのデータを出力係数
変換手段24に入力する。
【0027】また、研磨量設定手段26は、研磨によっ
て削り取った弾性体の厚さすなわち研磨量データを
設定すると、そのデータを出力係数手段24に入力す
る。
【0028】このように両データが入力される本実施例
の出力係数手段24は、アンビルシリンダ2の比較制御
手段21’へ入力される速度基準信号V1’を両データ
に基づいて増加させる周速補正手段を有しており、前記
補正手段は、両データから研磨によって削り取られた弾
性体5の厚さの分だけ小径となり、縮小したアンビルシ
リンダ2の外径により低下する周速を算出し、その算出
した周速から研磨前のアンビルシリンダ2の外径の周速
との差を自動的に算出し、研磨後のアンビルシリンダ2
が研磨前のアンビルシリンダ2の周速を保持できるよう
に、基準信号発生手段23から出力される速度基準信号
V1’にバイアス値を与え、アンビルシリンダ2の回転
数を高くする。
【0029】この実施例は、以上のように構成されてお
り、次にその作用を説明する。
【0030】このロータリダイカッタ装置では、基準信
号設定手段27にシート状部材Sの送り速度、すなわ
打ち抜き速度を設定すると、基準信号発生手段23
からその設定速度に見合った速度基準信号V1が出力さ
る。その信号V1はダイシリンダ1の比制御手段2
1へ入力されると同時に、出力係数手段24に入力され
る。この出力係数手段24からは、ダイシリンダ1の周
速と同速となるよう僅少な回転数差を生ずるよう作成さ
れた速度基準信号V1’がアンビルシリンダ2の比較制
御手段21’出力される
【0031】このように速度基準信号V1,V1’が入
力された両シリンダ1,2の比較制御手段21,21’
は、駆動装置20,20’を作動して各シリンダ1,2
を互いに逆方向に回転させる。すると、その回転に伴っ
て各シリンダ1,2の速度検出手段22,22’からは
各シリンダ1,2の回転数に対応した速度検出信号V
β,Vβ’が出力され比較制御手段21,21’へフ
ィードバックされる。このため、各比較制御手段21,
21’は、このフィードバックされる速度検出信号V
β,Vβ’と速度基準信号V1,V1’とを比較し、そ
の偏差を0とするように駆動装置20,20’を制御
し、両シリンダ1,2を外乱などの影響に関わらず常に
同じ周速で回転させる。
【0032】また、このように、共通の基準信号発生手
23の速度基準信号V1に基づいて両シリンダ1,2
の速度制御を行うようにしたことにより、例えば各シリ
ンダ1,2ごとに基準信号発生手段23を設けた場合に
は、例えば、各基準信号発生手段23のドリフトなど
速度基準信号V1,V1’に差が生ずると、両シリンダ
1,2の周速が変化し、打ち抜きに誤差を生ずることが
考えられるが、上記のように基準信号発生手段23を共
通とした場合は、速度基準信号V1にドリフドが生じて
も両シリンダ1,2の回転数が同じように変化するた
め、周速を一定に保つことができる。そのため、打ち抜
き作業に影響を与えない。
【0033】こうして所定時間の打ち抜きが行われたロ
ータリダイカッタ装置では、アンビルシリンダ2の研磨
を行うが、その際、アンビルシリンダ2とダイシリンダ
1とは図1に示すように、駆動装置20,20’を別々
に設けて単独駆動が行えるようになっており、駆動装置
20を作動すれば、アンビルシリンダ2のみを駆動して
研磨を行うことができる。
【0034】そして、研磨終了後は、初期径設定手段2
5に研磨前のアンビルシリンダ2の外径寸法を設定し、
また、研磨量設定手段26には研磨の際削り取った弾性
の厚さのデータを設定すると、両データは出力係数
変換手段24に入力され、そのデータでもって出力係数
変換手段24は、アンビルシリンダ2の周速の低下、
まり、アンビルシリンダ2を研磨したことによる径の減
少から低下した周速を、研磨前の周速と一致させるため
の速度基準信号V1’の増加量を算出し、その増加量に
見合ったバイアス値を基準信号発生手段23から入力さ
れる速度基準信号V1に加え、アンビルシリンダ2の比
較制御手段21’へ出力する。
【0035】このため、この速度基準信号V1’の入力
された比較制御手段21’は、駆動装置20’への制御
量を増加し、アンビルシリンダ2の回転数を増加させて
ダイシリンダ1の周速と一致させることができる。
【0036】ちなみに、研磨後のアンビルシリンダの径
は、例えば初期径設定手段25と研磨量設定手段26に
入力された研磨前の径から研磨後の削り取った弾性体5
の厚さを差し引けば算出できるので、その算出径に基づ
いて算出すれば、研磨後のアンビルシリンダの周速を研
磨前の周速と同速度とするための操作変数に見合う速度
基準信号V1’をアンビルシリンダ2の比較制御手段2
1’に出力することができる。
【0037】以後、研磨を行った際には、研磨量データ
を再設定することにより、再度演算を行って出力係数変
換手段24から出力される速度基準信号V1’の再設定
が行われる。
【0038】このように、このロータリダイカッタ装置
は、基準信号設定手段22に送り速度を設定するだけ
で、設定された周速で両シリンダ1,2を回転させるこ
とができ、複雑な調整作業を必要としない。また、外乱
による周速の変化もサーボ系により抑制され、正確な回
転精度が得られる。さらに、研磨後のアンビルシリンダ
2の周速の設定も初期径設定手段25と研磨両設定手段
26に初期径データと研磨量データとを設定するだけで
簡単に行える。
【0039】図2に第2実施例を示す。この実施例は、
第1実施例の制御をデジタル制御にて行うようにしたも
ので、こうすることにより、回転精度の向上を図ったも
のである。
【0040】そのため、この実施例では、基準信号設定
手段27の基準信号発生手段としてパルス信号列を発生
する基準パルス発生器23を設け、ダイシリンダ1に対
する速度基準信号V1とアンビルシリンダ2に対する速
度基準信号V1’を出力させている。
【0041】その際、出力係数変更手段24にF/V
変換器30とV/F変換器31を用いて、基準パルス発
生器23から出力された速度基準信号V1のパルス列を
F/V変換器30で一旦電圧に変換し、その変換した電
圧に周速の増加分だけ電圧を加算し、その加算された
V/F変換器31でパルス列に変換することによ
り、アンビルシリンダ2に対する所望の速度基準信号V
1’が得られるようにしてある。
【0042】また、このとき、出力係数変更手段24に
は、図2に示すように、初期径設定手段25、研磨量設
定手段26が設けられ、両手段25,26によって出力
係数変更手段24に、初期径データ及び研磨量データが
入力できるようになっている。そして、前記初期径設定
手段25と研磨量設定手段26に初期径データ及び研磨
量データを入力すると、第1実施例で述べたように、研
磨後のアンビルシリンダ2が研磨前のアンビルシリンダ
2の周速を保持できるように、F/V変換器30で変換
された速度基準信号V1に、研磨前のアンビルシリンダ
2と研磨後のアンビルシリンダ2の周速差を補正するバ
イアス電圧が加わり、周速の補正手段として機能するよ
うになっている。
【0043】一方、上記のように基準信号発生手段27
から出力される速度基準信号V1,V1’は、それぞれ
F/V変換器33,33’を介して比較制御手段21,
21’及び駆動装置20,20’のドライバーとして設
けられたサーボアンプ32,32’に入力され、モータ
Mを作動してダイシリンダ1とアンビルシリンダ2とを
駆動するようになっている。
【0044】また、このダイシリンダ1とアンビルシリ
ンダ2の駆動軸あるいはモータMの駆動軸には、速度検
出手段22,22’としてトルクジェネレータTG,T
G’とパルスジェネレータPG,PG’とが設けられ、
その出力は上記サーボアンプ32,32’フィードバ
ックされるようになっている。
【0045】すなわち、トルクジェネレータTG,T
G’は、その出力がサーボアンプ32,32’に直接入
力され、サーボアンプ32,32’でこのトルクジェネ
レータTG,TG’から入力された検出出力と基準信号
発生手段27からの速度基準信号V1,V1’とを比較
し、速度制御を行うようになっている。
【0046】また、パルスジェネレータPG,PG’の
出力は、位相パルスカウンタ39,39’を介してマイ
クロプロセッサ35に入力され、マイクロプロセッサ3
5で基準信号発生手段27から基準パルスカウンタ3
4,34’を介して入力される速度基準信号V1,V
1’と比較され、D/A変換器36,36’を介してサ
ーボアンプ32,32’へ入力されるようになってい
る。例えば、パルスジェネレータPG,PG’から上記
シリンダ1,2の回転に伴って出力されるパルス列信号
を位相パルスカウンタ39,39’で計数したシリンダ
1,2の回転位相と、基準信号発生手段27からの速度
基準信号V1,V1’を基準パルスカウンタ34,3
4’で計数した値(ちなみに、このとき、シリンダ1,
2は速度基準信号V1,V1’のパルス列信号で駆動さ
れており、前記パルスカウンタ34,34’の分周比を
適宜選べば、パルスジェネレータPG,PG’の出力パ
ルスを速度基準信号V1,V1’に対応させることがで
きる)とを比較し、その偏差に、P(比例動作)+I
(積分動作)演算を行って補償値を算出し、その補償値
をD/A変換器36,36’を介してサーボアンプ3
2,32’に帰還することにより、これら制御系の過渡
応答性と安定度を向上させるようになっている。さら
に、上記ダイシリンダ1とアンビルシリンダ2には、原
点センサ40,40’が設けられている。この原点セン
サ40,40’は、周知のようにダイシリンダ1とアン
ビルシリンダ2の原点位置、すなわち、シート状部材S
を打ち抜くための打ち抜き刃の位置を決めるため、ダイ
シリンダ1とアンビルシリンダ2の基準点を検出するた
めのセンサ40,40’で、図2に示すように、マイク
ロプロセッサ35と接続されている。そして、マイクロ
プロセッサ35に設けられた入力装置37から初期設定
の際に指令を与えると、例えばマイクロプロセッサ35
が原点センサ40,40’から原点位置の検出信号が入
力されるまでD/A変換器36,36’を介してサーボ
アンプ32,32’に適宜作動信号を出力するようにす
れば、ダイシリンダ1とアンビルシリンダ2とを打ち抜
きを開始する原点位置にまで回転させることができるよ
うになっている。
【0047】なお、この実施例では、基準信号発生手段
27に研磨スピード設定手段38も設けられている。こ
の研磨スピード設定手段38は、出力係数手段24に接
続されており、研磨時にアンビルシリンダ2を回転させ
るための電圧をV/F変換器31に印加するためのもの
である。
【0048】この実施例は以上のように構成されてお
り、このロータリダイカッタ装置では、基準信号設定手
段27にシート状部材Sの送り速度、すなわち、打ち抜
き速度を設定すると、その速度に対応したパルス列が速
度基準信号V1として基準パルス発生器23より出力さ
れる。この速度基準信号V1は、F/V変換器33を介
してダイシリンダ1のサーボアンプ32へ出力され、同
時に、出力係数変換手段24に入力される。出力係数変
換手段24では、上記パルス列をF/V変換器30で一
旦電圧に変換し、再度V/F変換器31でパルス列に変
換することにより、アンビルシリンダ2のサーボアンプ
32’へ速度基準信号V1’を出力するようになってお
り、そのF/V変換器30で変換された電圧に、初期径
設定手段25、研磨量設定手段26などで設定された値
に基づくアンビルシリンダ2の周速の増加分だけ電圧を
加えると、その加算されたアンビルシリンダ2用の速度
基準信号V1’がサーボアンプ32’へ出力されように
なっている。
【0049】このような速度基準信号V1,V1’が入
力されると、サーボアンプ32,32’は、駆動装置2
0,20’(モータM)を作動して各シリンダ1,2を
逆方向へ回転させる。すると、その回転に伴って各シリ
ンダ1,2の速度検出手段22,22’であるトルクジ
ェネレータTG,TG’とパルスジェネレータPG,P
G’からそれぞれシリンダ1,2の回転数に対応した速
度検出信号Vβ,Vβ’が比較制御手段であるサーボア
ンプ32,32’へ出力される。
【0050】すなわち、トルクジェネレータTG,T
G’は、その出力がサーボアンプ32,32’に直接入
力され、この入力された検出出力とF/V変換器33,
33’で変換される基準信号発生手段27から入力され
る速度基準信号V1,V1’とを比較し、その差が0と
なるように駆動装置22,22’を制御する。
【0051】また、パルスジェネレータPG,PG’
は、その出力が位相パルスカウンタ39,39’を介し
てマイクロプロセッサ35に入力され、シリンダ1,2
の回転位相に関する帰還信号と基準信号発生手段27か
らの速度基準信号V1,V1’との偏差に対して、P
(比例動作)+I(積分動作)演算を行って補償値を算
出し、その算出した補償値を、D/A変換器36,3
6’を介してサーボアンプ32,32’に帰還し、これ
ら制御系の過渡応答性と安定度を向上させる。
【0052】このように制御を行うことにより、このロ
ータリダイカッタでは、両シリンダ1,2の回転数の変
動を抑制し、定速で回転させることができるようになっ
ている。
【0053】また、こうして所定時間の打ち抜きが行わ
れたロータリダイカッタでは、アンビルシリンダ2の研
磨が行われるが、その際、研磨スピード設定手段38に
よって適宜電圧を設定するようにすれば、アンビルシリ
ンダ2を駆動して研磨を行うことができる。
【0054】そして、研磨終了後は、初期径設定手段2
5に研磨前のアンビルシリンダ2の外径寸法を設定し、
一方、研磨量設定手段26には研磨の際削り取った弾性
体5の厚さのデータを設定すると、両データにより出力
係数手段24は、研磨による径の減少を補正し、アンビ
ルシリンダ2の低下する周速を、研磨前の周速と一致さ
せるためのバイアス値を、基準パルス発生器23から出
力された速度基準信号V1に加えた速度基準信号V1’
を出力する。このため、この速度基準信号V1’の入力
されたサーボアンプ32’は、駆動装置20’への制御
量を増加するため、アンビルシリンダ2の回転数が増加
し、アンビルシリンダ2が増速されて周速をダイシリン
ダ1の周速と一致させることができる。
【0055】以後、研磨を行った際には、研磨量設定手
段26に研磨量データを再設定することによりアンビル
シリンダ2の周速とダイシリンダ1の周速とを一致させ
ることができる。
【0056】このように、このロータリダイカッタ装置
は初期径設定手段25に研磨前のアンビルシリンダ2の
外径寸法を設定し、研磨量設定手段26に研磨の際削り
取った弾性体5の厚さのデータを設定すると、研磨後の
アンビルシリンダ2の周速の設定が簡単に行える。
【0057】なお、この形態がパルスを用いたデジタル
制御であるので、図2中の符号24の出力係数変換手段
に、例えばマイクロプロセッサを用いるようにすれば、
アンビルシリンダ2の比較制御手段21’に対する速度
基準信号V1’の算出や補正手段として研磨後のアンビ
ルシリンダ2の周速の算出などを行わせることができ
る。ちなみに、このとき、初期径設定手段25と研磨量
設定手段26は、マイクロプロセッサが直接データを読
み取れるように、例えば、スイッチなどでデジタルデー
タをマイクロプロセッサに設定できるようにすればよい
ことは当然である。また、その際、上記処理を図2中符
号35で示すマイクロプロセッサに兼ねさせるようにし
てもよい。
【0058】
【効果】この考案は、以上のように構成し、出力係数変
換手段初期径設定手段と研磨量設定手段を設けたこと
により、アンビルシリンダの研磨前の初期径データと研
磨後の弾性体の研磨量データを設定するだけで、例えば
弾性体の削ぎ落とす量に多少があったときでも、アンビ
ルシリンダの研磨後の面倒な周速の調整が簡単に行える
ロータリダイカッタ装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例を示すブロック図
【図2】第2実施例を示すブロック図
【図3】従来例の作用説明図
【図4】ハーモニックドライブ装置の断面図
【符号の説明】
1 ダイシリンダ 2 アンビルシリンダ 3 ダイボード 4 打ち抜き刃 5 弾性体 20,20’駆動装置 21,21’比較制御手段 22,22’速度検出手段 23 基準信号発生手段 24 出力係数変換手段 25 初期径設定手段 26 研磨量設定手段 27 基準信号設定手段 S シート状部材 V1,V1’速度基準信号 Vβ,Vβ’速度検出信号

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外径の異なるダイシリンダとアンビルシ
    リンダとを互いに逆方向に回転し、ダイシリンダの外周
    に設けたダイボードの打ち抜き刃をアンビルシリンダの
    外周に設けた弾性体に食い込ませて両シリンダ間に送り
    込まれるシート状部材を所定の形状に打ち抜くロータリ
    ダイカッタ装置であって、 上記ダイシリンダとアンビルシリンダに、各々のシリン
    ダの駆動軸を回転する駆動用のモータと、前記モータ
    制御する比較制御手段と、上記シリンダの回転速度を検
    出し、その検出信号を前記比較制御手段帰還信号とし
    て入力する速度検出手段とを備えるとともに、上記シリ
    ンダの送り速度に対応した速度基準信号をダイシリンダ
    の比較制御手段に出力し、かつ、アンビルシリンダの比
    較制御手段へ前記速度基準信号を上記両シリンダの外径
    寸法の差に応じて増加あるいは減少させる出力係数手段
    を介して出力する基準信号発生手段を備えたロータリダ
    イカッタ装置において、上記出力係数手段に、弾性体を設けた研磨前のアンビル
    シリンダの径寸法を設 定する初期径設定手段と、そのア
    ンビルシリンダの研磨後の削り取った弾性体の厚さを設
    定する研磨量設定手段とを備えるとともに、前記出力係
    数手段が前記初期径設定手段に設定された初期径データ
    と研磨量設定手段に設定された研磨量データとから研磨
    後に縮小した径により低下するアンビルシリンダの周速
    が研磨前の周速を保持できるようにアンビルシリンダの
    比較制御回路への速度基準信号を増加させるようにした
    ことを特徴とするロータリダイカッタ装置。
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