JP2525003Y2 - デュープレックスボールスクリュウジャッキ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、設置スペ−スに比較し
大きなストロ−クの要求されるアクチュエ−タとしての
ジャッキに関する。

【０００２】

【従来の技術】狭隘な設置スペ−ス内で、大きなストロ
−クを要求される機械式ジャッキは、大別してウォ−ム
歯車や台形ネジを用いたものと、ボ−ルネジを用いたも
のとがある。

【０００３】前者のウォ−ム歯車や台形ネジを用いた機
械式ジャッキは、機械的滑りを伴うため、エネルギ−効
率が低く、格別利用頻度は高くない。後者のボ−ルネジ
を用いた機械式ジャッキは、機械的な転がりを利用して
いるため、エネルギ−効率が高く、広く各産業分野で利
用されている。

【０００４】ボ−ルネジを用いた機械式ジャッキとして
は、実開昭６４−４１７５８号公報に開示されたものが
知られている。これは、回転駆動軸の回転により、外筒
軸と上方部のナット体とを同時に回動させることによ
り、ナット体と内筒軸との螺合で内筒軸は上昇し、更
に、外筒軸も下方から延びるネジ軸との螺合で上昇する
ので、両上昇量の和で大きなストロ−クが得られるもの
である。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】しかし、この機械式ジ
ャッキは、二本の中空軸を用いており、構造が複雑であ
るばかりか、中心に延設したネジ軸が細いため、大きな
ストロ−クを得るために長くすると、座屈の危険があ
る。本考案は、強度に問題のあるネジ軸を省き、大きな
ストロ−クの得られる構造の簡単なジャッキを得ること
を目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本考案のデュ−プレック
スボ−ルスクリュウジャッキは、ハウジングに固設さ
れ、内部に雌ネジ部を有する第１ボ−ルナットと、該ハ
ウジングに取り付けられ駆動源からの回転力を受けるギ
アに連動して回転するドライブスリ−ブと、ドライブス
リ−ブの下端部に垂設された断面多角形の外筒と、該外
筒内に内装され外筒と共回りする断面多角形のブッシュ
プレ−トと、該ブッシュプレ−トの上部に取り付けら
れ、外周に前記第１ボ−ルナットと螺合する雄ネジ部を
有した第１ネジ軸と、第１ネジ軸の上部に固設され、内
周に雌ネジ部を有する第２ボ−ルナットと、該第２ボ−
ルナットの雌ネジ部に螺合される雄ネジ部を外周に有
し、上端に昇降金具の取り付けられた第２ネジ軸と、を
備えることを特徴とする。

【０００７】

【作用】駆動源が回転すると、回転力を受けるギアに連
動してドライブスリ−ブが回転し、ドライブスリ−ブの
下端部に垂設された外筒が回転する。外筒および外筒内
に内装されたブッシュプレ−トともに断面が多角形であ
り、両者は共に回転する。この回転にともない第１ネジ
軸は第１ボ−ルナットとの螺合により上昇し、また被昇
降物と昇降金具との嵌合で第２ネジ軸の回転が規制され
ているので、第２ボ−ルナットと第２ネジ軸との螺合に
より、第２ネジ軸も上昇する。従って、強度に問題のあ
るネジ軸が無く、簡単な構造で大きなストロ−クが得ら
れる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。ハウジングは、上部ハウジング(２)および下部ハ
ウジング(１)より形成され、下部ハウジング(１)には、
据付台(22)が取り付けられ、上部ハウジング(２)には、
内部に雌ネジ部(3b)が形成された第１ボ−ルナット(３)
及びモ−タ(19)が据え付けられ、モ−タ(19)のモータ軸
(20)には、周囲に軸受(16)(17)を配した入力軸(18)が接
続されている。

【０００９】入力軸(18)には、ピニオン(10)が取り付け
られ、ドライブスリ−ブ(９)に回転を伝えるギア(11)と
噛合している。ドライブスリ−ブ(９)は、軸受ナット(2
1)と上下の軸受(14)(15)を介して上部ハウジング(２)お
よび下部ハウジング(１)に対して回転自在に取り付けら
れており、下方向に断面矩形の外筒(８)が垂設されてい
る。

【００１０】外筒(８)内には、外周に雄ネジ部(4a)を有
する第１ネジ軸(４)が、前述の第１ボ−ルナット(３)の
雌ネジ部(3b)に螺合するように内装されている。第１ネ
ジ軸(４)の下端には断面矩形のブッシュプレ−ト(13)が
取り付けられ、更にその四隅には外筒(８)に対して摺動
するカムフォロア(７)が、ビス(23)によって固定されて
いる。

【００１１】更に、第１ネジ軸(４)の上端には、内周に
雌ネジ部(5b)の形成された第２ボ−ルナット(５)が固設
され、この雌ネジ部(5b)に第２ネジ軸(６)の外周に形成
された雄ネジ部(6a)が螺合している。第２ネジ軸(６)の
上端には、昇降金具(12)が回転不能に固定されている。
次に、デュ−プレックスボ−ルスクリュウジャッキの作
用を説明する。モ−タ(19)の駆動により、モータ軸(2
0)、入力軸(18)、そしてピニオン(10)が回転し、ピニオ
ン(10)に噛合されたギア(11)がドライブスリ−ブ(９)を
介して外筒(18)を回転させる。

【００１２】矩形の外筒(８)に嵌り合うように内装され
た矩形のブッシュプレ−ト(13)は、外筒(８)とともに回
転し、第１ネジ軸(４)を回転させる。第１ネジ軸(４)
は、第１ボ−ルナット(３)と螺合されており、回転に従
い、カムフォロア(７)を外筒(８)の内面に滑らせながら
ブッシュプレ−ト(12)とともに上昇していく。

【００１３】これにともない、第２ネジ軸(６)も回転し
ようとするが、昇降金具(12)と被昇降物(24)との嵌合に
より回転が規制されているので、第１ボ−ルナット(３)
と逆に切られた第２ボ−ルナット(５)との螺合により、
上昇している第１ネジ軸(４)に対して、更に上昇してい
く。

【００１４】従って、強度に問題のあるネジ軸は無く、
簡単な構造で大きなストロ−クが得られる。尚、本実施
例では外筒(８)及びブッシュプレト(13)との断面形状を
矩形にしているが、両者が共に回転する多角形であれば
良い。

【００１５】

【考案の効果】本考案は、次の効果を奏する。 (ａ) 中心に延設される細いネジ軸を省略できるので、
大きなストロ−クを得るために全体を延長しても、座屈
の危険が生じない。 (ｂ) ねじ切りされた中空軸を一本だけ利用するので、
ジャッキの構造が簡素化される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例の断面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ断面図である。

【符号の説明】

(１)下部ハウジング (２)上部ハウジング (３)第１ボールナット (４)第１ネジ軸 (4a)雄ネジ部 (５)第２ボールナット (5b)雌ネジ部 (６)第２ネジ軸 (6a)雄ネジ部 (７)カムフォロア (８)外筒 (９)ドライブスリーブ (10)ピニオン (11)ギア (12)昇降金具 (13)ブッシュプレート (14)軸受 (15)軸受 (16)軸受 (17)軸受 (18)入力軸 (19)モータ (20)モータ軸 (21)軸受ナット (22)据付台 (23)ビス (24)被昇降物

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ハウジングに固設され、内部に雌ネジ部
   を有する第１ボ−ルナットと、該ハウジングに取り付け
   られ駆動源からの回転力を受けるギアに連動して回転す
   るドライブスリ−ブと、ドライブスリ−ブの下端部に垂
   設された断面多角形の外筒と、該外筒内に内装され外筒
   と共回りする断面多角形のブッシュプレ−トと、該ブッ
   シュプレ−トの上部に取り付けられ、外周に前記第１ボ
   −ルナットと螺合する雄ネジ部を有した第１ネジ軸と、
   第１ネジ軸の上部に固設され、内周に雌ネジ部を有する
   第２ボ−ルナットと、該第２ボ−ルナットの雌ネジ部に
   螺合される雄ネジ部を外周に有し、上端に昇降金具の取
   り付けられた第２ネジ軸、とを備えたデュ−プレックス
   ボ−ルスクリュウジャッキ。