JP2524558B2 - エンジンの補助冷却装置 - Google Patents

エンジンの補助冷却装置

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JP2524558B2
JP2524558B2 JP4269647A JP26964792A JP2524558B2 JP 2524558 B2 JP2524558 B2 JP 2524558B2 JP 4269647 A JP4269647 A JP 4269647A JP 26964792 A JP26964792 A JP 26964792A JP 2524558 B2 JP2524558 B2 JP 2524558B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンの補助冷却装
置に関する。さらに詳しくは、エンジンのシリンダブロ
ック,シリンダヘッド,排気管等に設けられている冷却
フィンの放熱を補助するために、冷却フィン付近に着脱
可能に構成される補助冷却装置の耐振性に係る改良に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、エンジンの補助冷却装置として
は、例えば、図8,図9に示すものが知られている。
【0003】この従来のエンジンの補助冷却装置は、図
8に示すようにエンジンEのシリンダブロックB,シリ
ンダヘッドH,排気管P等に設けられている冷却フィン
Fに対して図9に示すように嵌込み装備され、冷却フィ
ンFの放熱面積を突出方向へ延長拡大する構造からなる
もので、冷却フィンFのように平板形に延びたフィン部
aの端部に冷却フィンFの突出先端部に嵌合可能な嵌合
溝bを設けてなる。
【0004】このような従来のエンジンの補助冷却装置
では、薄い平板形の冷却フィンFで増幅されたエンジン
Eの振動がさらに平板形のフィン部aで増幅されてしま
うことから、フィン部aが大きく振動してフィン部aか
ら異音を発生したり、冷却フィンF,フィン部aの間の
振動波形が異なり嵌合溝b付近に応力が生じて嵌合溝b
付近が摩耗,亀裂損傷しやすいため、耐振性が低いとい
う問題点を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の問題
点を考慮してなされたもので、耐振性の高いエンジンの
補助冷却装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
め、本発明に係るエンジンの補助冷却装置は、被取付け
部の冷却フィンのピッチと同一の間隔を介して複数枚の
放熱板が積層連結され冷却フィンの間に差込み取付けさ
れる本体部と、本体部を被取付け部に弾圧固定する弾圧
固定具とからなり、本体部の各放熱板の内側縁は冷却フ
ィンの間の基端面に当接可能な形状に形成され、本体部
の各放熱板の外側縁の少なくとも一部には折曲げ部を形
成してなる手段を採用する。
【0007】
【作用】前述の手段によると、本体部はエンジンの振動
が増幅される冷却フィンとは当接せず冷却フィンの間に
差込まれ基端面に当接するため、従来例のような冷却フ
ィンの振動との間で生ずる種々の不具合が回避されるこ
とになる。さらに、本体部が被取付け部に弾圧固定され
て基端面の振動を弾圧力で吸収し、本体部の放熱板の折
曲げ部でも振動を防止するため、新たな不具合が生ずる
ことがない。このため、耐振性の高いエンジンの補助冷
却装置を提供するという課題が解決されることになる。
【0008】
【実施例】以下、本発明に係るエンジンの補助冷却装置
の実施例を図1〜図7に基いて説明する。
【0009】この実施例では、エンジンEのシリンダブ
ロックBを被取付け部とするのに好適なものを示してあ
る。
【0010】本体部1は、アルミ板等の薄板からなる放
熱板11を一定間隔で複数枚積層した積層板構造からな
るもので、図2に詳細に示されるように、放熱板11の
間に筒形のスぺーサ12を介装し放熱板11,スぺーサ
12にボルト13を貫通してナット14で締付けて各放
熱板11を連結することにより組付けられている。この
ように連結された放熱板11は、被取付け部であるエン
ジンEのシリンダブロックBに設けられている冷却フィ
ンFのピッチと同一の間隔で平行に積層されることにな
る。なお、スぺーサ12を交換することにより、エンジ
ンEのシリンダブロックB以外の被取付け部の冷却フィ
ンFに対応して積層板11の積層間隔や積層角度を簡単
に変更することができる。
【0011】この本体部1の各放熱板11には、図3に
示すように散点状に放熱孔11aが開孔されている。ま
た、各放熱板11の内側縁には、被取付け部であるエン
ジンEのシリンダブロックBの本体外側面である冷却フ
ィンFの間の基端面B’に当接するように曲形部11b
が設けられている。さらに、各放熱板11の外側縁の一
部には、下方へ90度屈曲された折曲げ部11cが設け
られている。
【0012】弾圧固定具2は、コイルスプリング21
と、コイルスプリング21の両端に設けられた鈎形の係
止部22とからなる。
【0013】このような実施例では、図1に示すよう
に、本体部1を2個1組として使用し、放熱板11を冷
却フィンFの間に差込むようにして両本体部1をシリン
ダブロックBの両側から挟込み、両本体部1のボルト1
3(スペーサ12)に弾圧固定具2の係止部22を引掛
けることにより装備する。装備された状態では、シリン
ダブロックBの熱が本体部1の放熱板11に伝導し、シ
リンダブロックBが放熱冷却されることになる。なお、
装備を外す場合には、両本体部1のボルト13から弾圧
固定具2の係止部22を取外し、両本体部1をシリンダ
ブロックBから引離すことになる。このため、着脱のた
めの操作は極めて簡単である。
【0014】また、このような実施例によると、装備さ
れた状態では本体部1は振動が増幅される冷却フィンF
とは当接しないため、従来例のような冷却フィンFの振
動との間で生ずる異音の発生や摩耗,亀裂損傷の発生と
いう不具合が回避されることになる。さらに、本体部1
がシリンダブロックBに弾圧固定されることから、基端
面B’の振動を弾圧固定具2の弾圧力で吸収することが
できるため、シリンダブロックBとの間で新たな異音の
発生や摩耗,亀裂損傷の発生という不具合が生ずること
がない。
【0015】また、装備された本体部1の放熱板11の
折曲げ部11cは、薄板形の放熱板11の曲げ方向に対
して抵抗となり放熱板11の強度を高めて接触等による
変形を防止することができ、弾圧固定具2の弾圧力で吸
収できなかった放熱板11の振動に対してダンパのよう
に機能して異音の発生を防止することができ、エンジン
Eが車両に搭載されている場合に走行風Wをシリンダブ
ロックB側に導風することができ、放熱板11の全体の
放熱面積を拡大することができる。なお、この放熱板1
1の折曲げ部11cによる冷却性能の向上は、シリンダ
ブロックBの鋳造段階での冷却フィンFの精度要求が低
減されるため、シリンダブロックBの製造が容易とな
る。
【0016】また、装備された本体部1の放熱板11の
放熱孔11aは、放熱板11の軽量化を可能にすること
ができ、放熱板11の上下面への通風を可能にして冷却
性能を高めることができる。
【0017】さらに、本体部1の放熱板11が冷却フィ
ンFの間に位置し、本体部1が冷却フィンFから余り突
出しないため、外観体裁が良好であり接触傷付き等の危
険性も低い。
【0018】なお、図4は本体部1の放熱板11の折曲
げ部11cの変形例を示したものであり、図4(A)で
は折曲げ部11cを90度よりも外側に折曲げ、図4
(B)では折曲げ部11cを90度よりも内側に折曲げ
てある。このような変形例は、被取付け部に対応して自
由に選択することができる。
【0019】また、図5は、本体部1の上下の放熱板1
1の折曲げ部11cを共通化した変形例を示してある。
この変形例では、上下の放熱板11を対称的に打抜き,
切抜き加工等して折曲げ加工することにより製造するこ
とができるため製造効率が高くなり、折曲げ部11cが
スペーサのような機能を奏するため放熱板11の強度も
高くなる。
【0020】また、図6は、本体部1の上下の放熱板1
1の放熱孔11aを切起片11a’付きとした変形例を
示してある。この変形例では、エンジンEが車両に搭載
された場合に、切起片11a’で走行風を放熱孔11a
へ導風することができる。
【0021】さらに、図7(A)では図1に示した実施
例の本体部1,弾圧固定具2の被取付け部への取付け構
造を示してあり、図7(B)〜(D)にその変形例を示
してある。図7(B)では、放熱板11の曲形部11b
の片側をシリンダブロックBに係止させ他側を弾圧固定
具2で固定し、シリンダブロックBの周囲の片側に弾圧
固定具2の取付けを不能にする部材があっても対応でき
るようにしてある。図7(C)では、弾圧固定具2の片
側を反対側の本体部1ではなくシリンダブロックB(冷
却フィンFのリブ等)に固定し、シリンダブロックBの
周囲の両側中央部に弾圧固定具2の取付けを不能にする
部材があっても対応できるようにしてある。図7(D)
では、弾圧固定具2の中途部にコイルスプリング21よ
りも径の小さなロッド、ワイア等を介装し、ピッチの小
さな冷却フィンFの間に弾圧固定具2を掛渡すことがで
きるようにしてある。このような変形例は、被取付け部
に対応して自由に選択することができる。
【0022】以上、図示した実施例の外に、本体部1を
1個のみ使用する実施例とすることも可能である。
【0023】
【発明の効果】以上のように本発明に係るエンジンの補
助冷却装置は、本体部が冷却フィンとは当接せず被取付
け部に弾圧固定されて基端面の振動を弾圧力で吸収し、
本体部の放熱板の折曲げ部でも振動を防止するため、異
音の発生,摩耗,亀裂損傷の発生等が防止され、耐振性
が高い効果がある。
【0024】さらに、本体部の放熱板の折曲げ部によっ
て放熱面積が拡大され車両搭載の場合の走行風を導風す
ることができるため、冷却性能が高い効果がある。
【0025】さらに、本体部の被取付け部への当接,引
離しと弾圧固定具の取付け,取外しで着脱操作すること
ができるため、着脱操作が簡単である効果がある。
【0026】さらに、本体部の放熱板の折曲げ部によっ
て放熱板が補強されるため、放熱板の損傷が防止され耐
久性が高くなる効果がある。
【0027】さらに、本体部の放熱板が冷却フィンの間
に位置して冷却フィンから余り突出しないため、外観体
裁が良好で接触傷付き等の危険性が低い効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエンジンの補助冷却装置の実施例
を示す正面図である。
【図2】図1の要部(本体部)の側面図である(部分拡
大断面図を含む)。
【図3】図1,図2に示した実施例のシリンダブロック
への装備状態を示す要部(本体部)の拡大平面断面図で
ある。
【図4】(A),(B)共に、図1,図2に示した実施
例の一部(放熱板)の変形例を示す断面図である。
【図5】図4のさらに変形例を示す断面図である。
【図6】図4,図5のさらに変形例を示す断面図であ
る。
【図7】(A)は図1,図2に示した実施例の被取付け
部への取付け状態を示す簡略平面図であり、(B)〜
(D)はその変形例を示す簡略平面図である。
【図8】従来例を説明するために冷却フィンが設けられ
た部分を示す側面図である。
【図9】従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 本体部 11 放熱
板 11c 折曲げ部 2 弾圧固定具 B シリンダブロック(被取付け部) B’ 基端
面 F 冷却フィン

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被取付け部の冷却フィンのピッチと同一
    の間隔を介して複数枚の放熱板が積層連結され冷却フィ
    ンの間に差込み取付けされる本体部と、本体部を被取付
    け部に弾圧固定する弾圧固定具とからなり、本体部の各
    放熱板の内側縁は冷却フィンの間の基端面に当接可能な
    形状に形成され、本体部の各放熱板の外側縁の少なくと
    も一部には折曲げ部を形成してなるエンジンの補助冷却
    装置。
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