JP2522819Y2 - 内燃機関冷却水の温度調節装置 - Google Patents

内燃機関冷却水の温度調節装置

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JP2522819Y2 JP4564890U JP4564890U JP2522819Y2 JP 2522819 Y2 JP2522819 Y2 JP 2522819Y2 JP 4564890 U JP4564890 U JP 4564890U JP 4564890 U JP4564890 U JP 4564890U JP 2522819 Y2 JP2522819 Y2 JP 2522819Y2
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敏広 藤森
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【考案の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本考案は、内燃機関の冷却水を冷却して所定の温度に
調節する装置に関する。
B.考案の概要 本考案は、内燃機関の冷却水を冷却装置に循環させ、
内燃機関の回転数および冷却水の温度に基づいて冷却装
置を制御することにより、冷却水の温度を調節する装置
において、 内燃機関の回転数が高いときは、補償ポンプによりエ
ンジンの排出口側の水圧を調整して循環回路の抵抗の影
響を低減し、内燃機関の回転数が低いときは、循環回路
の冷却水入口側および出口側をバイパスして補償ポンプ
により循環水量を確保することとし、 実機状態に近い冷却水循環を可能とすると共に、低回
転時の温度制御特性を向上させるものである。
C.従来の技術 一般に、エンジンテストベンチでは、エンジン冷却水
を設定温度に維持するために温度調節装置が使用され
る。
第3図は、従来の温度調節装置を示す。
1は冷却水を冷却するための熱交換器である。制御バ
ルブ2は、熱交換器1への制御冷水の供給量qを制御す
るものである。
導管3,4は、エンジン5の冷却水排出口5aおよび冷却
水導入口5bに熱交換器1を連結するものである。熱交換
器1および導管3,4により、冷却水の循環回路が構成さ
れる。冷却水は、エンジン機付のウォータポンプ6によ
りこの循環回路を循環する。
回転数検出器7は、エンジン回転数Nを検出するもの
である。温度検出器8は、冷却水の温度TEを検出するも
のであり、通常、エンジンの排出口3側に配置される。
制御部9は、制御バルブ2を制御することにより、熱
交換器1における冷却作用を制御するものである。
ウォータポンプ6による循環水量Qは、エンジン回転
数Nに従って変動する。それゆえ制御部9では、回転数
Nおよび冷却水温度TEに基づいて制御冷水の供給量qを
決定し、温度TEが設定温度となるように制御していた。
D.考案が解決しようとする課題 通常、エンジン回転数Nの最大値は最小値(アイドル
値)の約10倍に達する。
そこで制御部9では、エンジン回転数Nや負荷量をフ
ィードバックして制御時定数を変えることにより対応し
ている。
しかしながら、エンジン低速時は、循環水量Qが導管
3,4の容積に対して少なくなり、温度伝達の遅れが極度
に大きくなってしまう。
それゆえ上記の時定数の制御のような電気的措置では
十分に対応することが不可能となる。このためアイドル
回転付近の温度制御は、極めて精度安定性が悪いものと
なっていた。
本考案は、このような問題点に鑑み、内燃機関の低回
転時において、安定した温度調節を行える内燃機関冷却
水の温度調節装置を提供することを目的とする。
E.課題を解決するための手段 本考案は、上記の目的を達成するために、 内燃機関の冷却水をエンジン機付ウォータポンブによ
り循環させる循環回路と、この循環回路に設けられた冷
却水冷却用の冷却装置と、内燃機関の回転数を検出する
回転数検出器と、循環回路の冷却水排出口側における冷
却水の温度を検出する温度検出器と、冷却装置への制御
冷水の供給量を制御する制御バルブとを備え、内燃機関
の回転数および冷却水の温度に基づいて冷却装置への制
御冷水の供給量を制御することにより、冷却水の温度調
節を行うエンジンテストベンチの内燃機関冷却水の温度
調節装置において、次の手段を設けたものである。
循環回路の冷却水入口側および冷却水出口側の間を
バイパスバルブを介して連通するバイパス管。
循環回路の冷却水入口側の水圧を検出する水圧検出
器。
循環回路に設けられた循環水量補償用の補償ポン
プ。
内燃機関の回転数の高低を判別し、この判別結果に
従って高回転モードおよび低回転モードのいずれか一方
を選択して設定する回転数高低判別部。
バイパス管の開閉を行うものであって、高回転モー
ドでは閉とし、低回転モードでは開とするバルブ制御
部。
補償ポンプを制御するものであって、高回転モード
では検出水圧が設定圧力となるように制御を行い、低回
転モードでは冷却装置における循環水量が設定水量を下
回らないように制御するポンプ制御部。
F.作用 この装置では、回転数高低判定部により、内燃機関の
回転数を監視し、制御系の動作モードを選択設定する。
回転数が高いとき、すなわち高回転モードでは、バル
ブ制御部の動作によりバイパス管が閉となり、冷却水は
冷却装置を介して循環する。
このとき補償ポンプは、ポンプ制御部の制御により、
冷却水排水口側の水圧が設定圧力となるように駆動され
る。これにより、循環回路における冷却水に対する抵抗
を相殺し、実機状態に近い冷却水循環状態を現出するこ
とができる。
また、回転数が低いとき、すなわち低回転モードで
は、バルブ制御部の動作により、バイパス管が開とな
る。さらに、補償ポンプは、ポンプ制御部の制御によ
り、冷却装置の循環水量が設定水量を維持するように駆
動される。
これにより、内燃機関側では実機状態に近い状態で冷
却水の循環を継続することができ、温度調節の精度も維
持することができる。
G.実施例 以下、図面を用いて、本考案の一実施例を説明する。
なお、本実施例は、従来の温度調節装置の一部を改良し
たものなので、従来と同一部分には同一符号を付して説
明を省略し、異なる部分のみを説明する。
第1図は、本実施例に係る温度調節装置の構成を機能
ブロックにより示したものである。
導管3,4のエンジン5側の間にはバイパス管が接続さ
れている。このバイパス管には、バイパスバルブ10が取
り付けられている。
また、導管3には、冷却水の水圧PEを検出する水圧検
出器18が取り付けられている。
さらに、導管4の熱交換器1側には、冷却水の循環量
を補償する補償ポンプ11が取り付けられている。モータ
12は、この補償ポンプ11を駆動するものである。
また、本実施例の制御部13は、その機能上、バルブ制
御部14,回転数高低判定部15,バルブ制御部16およびポン
プ制御部17から構成されていると考えてよい。
バルブ制御部14は、冷却水温度TEおよび回転数Nに基
づいて制御冷水の注入量を制御するものであり、従来の
制御部9に相当する。
回転数高低判定部15は、エンジン5の回転数をしきい
値と比較して回転数の高低を判別し、制御部13の動作モ
ードとして高回転モードまたは低回転モードを決定する
ものである。
バルブ制御部16は、バイパスバルブ10の開閉動作を制
御するものである。
ポンプ制御部17は、モータ12の駆動を制御することに
より、補償ポンプ11による循環水量の補償を制御するも
のであり、高回転モードでは水圧PEに基づいて制御を行
い、低回転モードでは熱交換器1側の循環水量QCに基づ
いて制御を行うものである。
以上の構成において、エンジン5が通常運転を行って
いるときは、回転数高低判別部15が高回転モードを選択
する。
この高回転モードでは、バルブ制御部16がバイパスバ
ルブ10を閉としている。したがって、冷却水の流路は
『エンジン5→導管3→熱交換器1→導管4→エンジン
5』となっており、冷却水は熱交換器1で温度調節され
てエンジン5に帰還する。
ここで、この装置では、熱交換器1等を冷却水が循環
するときの抵抗により、導管3における水圧PEが高くな
っている。そこで、補償ポンプ11により、この水圧PE
上昇分を補償することにより、冷却水の良行な循環が確
保され冷却水の循環を実機状態に、より近付けることが
可能となる。
また、エンジン5がアイドル運転に移行したときは、
回転数高低判定部15により低回転モードが選択される。
この低回転モードでは、バルブ制御部16がバイパスバ
ルブ10を開としている。したがってエンジン5側の循環
水量QEとして低速時の循環水量の不足分を確保して実機
状態に近い値を確保できる。
さらに、熱交換器1側では、補償ポンプ11が循環水量
QCを補償し、熱交換器1の冷却効果を維持するために必
要な循環水量を確保するので、正確な温度調節を続ける
ことができる。
第2図は、温度制御特性を示す。(a)は本実施例の
特性を示し、(b)は従来の特性を示す。
エンジンが通常の運転からアイドル運転に移行し、回
転数が急激に低下した場合、従来は冷却水の過冷が生じ
ていたのに対し、本考案によれば冷却水をほぼ一定の温
度に維持することが可能となった。
H.考案の効果 以上説明したように、本考案によれば、内燃機関の高
回転時,循環回路の抵抗による冷却水の水圧の上昇分を
補償し、内燃機関の低回転時は、バイパス管を開放して
内燃機関側の循環水量を確保するので、冷却水の循環状
態を実機状態に一層近付けることが可能となる。
また、低回転時には、冷却装置側の循環水量を補償す
ることにより冷却動作の精度を維持することができ、従
来のような制御遅れによる過冷を防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例に係る温度調節装置の構成を
示すブロック図、第2図は温度制御特性図、第3図は従
来の温度調節装置の構成を示すブロック図である。 1…熱交換器、2…制御バルブ、5…エンジン、7…回
転数検出部、8…温度検出器、10…バイパスバルブ、11
…補償ポンプ、15…回転数高低判定部、16…バルブ制御
部、17…ポンプ制御部。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関の冷却水をエンジン機付ウォータ
    ポンプにより循環させる循環回路と、この循環回路に設
    けられた冷却水冷却用の冷却装置と、内燃機関の回転数
    を検出する回転数検出器と、循環回路のエンジンの冷却
    水排出口側における冷却水の温度を検出する温度検出器
    と、冷却装置への制御冷水の供給量を制御する制御バル
    ブとを備え、内燃機関の回転数および冷却水の温度に基
    づいて冷却装置への制御冷水の供給量を制御することに
    より、エンジンテストベンチの冷却水の温度調節を行う
    装置において、 循環回路の冷却水入口側および冷却水出口側の間をバイ
    パスバルブを介して連通するバイパス管と、 循環回路の冷却水排出口側の水圧を検出する水圧検出器
    と、 循環回路に設けられた循環水量補償用の補償ポンプと、 内燃機関の回転数の高低を判別し、この判別結果に従っ
    て高回転モードおよび低回転モードのいずれか一方を選
    択して設定する回転数高低判別部と、 バイパスバルブの開閉を行うものであって、高回転モー
    ドでは閉とし、低回転モードでは開とするバイパスバル
    ブ制御部と、 補償ポンプを制御するものであって、高回転モードでは
    検出水圧が設定圧力となるように制御を行い、低回転モ
    ードでは冷却装置における循環水量が設定水量を維持す
    るように制御するポンプ制御部とを設け、 回転数高低判定部で高回転モードを選択したときは、バ
    イパスバルブを閉じてポンプ制御部で検出水圧が設定圧
    力になるように補償ポンプを制御し、低回転モードを選
    択したときは、バイパスバルブを開いて循環水量が設定
    水量を維持するように補償ポンプを制御するようにした
    ことを特徴とする内燃機関冷却水の温度調節装置。
JP4564890U 1990-04-27 1990-04-27 内燃機関冷却水の温度調節装置 Expired - Lifetime JP2522819Y2 (ja)

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