JP2522673Y2 - 液晶ディスプレイ製造装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はアクティブマトリクスカラー液晶ディスプレ
イの製造装置に関し、特にアクティブ素子基板とカラー
フィルタ基板とをエポキシ系接着剤で熱硬化接着させる
製造装置に関する。

〔従来の技術〕

従来、この種の液晶ディスプレイ製造装置は、アクテ
ィブ素子基板とカラーフィルタ基板をエポキシ系接着剤
を介して重ねて組合せ、さらに接着剤を熱硬化させるた
め、組合せ基板を積み重ねて圧力及び熱を加える焼成を
行っている。この際、互々の組合せ基板表面が擦れて傷
が付くことを防止するため、及び静電気に弱いアクティ
ブ素子保護のため、紙又は平坦な金属をスペーサ材とし
て挾んでいた。熱硬化させるときは、３〜５時間を要
し、処理能力向上のため、組合せ基板とスペーサ材を交
互に20〜40枚積重ね、150℃程度の炉に入れ、接着剤を
焼成していた。

〔考案が解決しようとする課題〕

上述した従来の製造装置は、複数枚の組合せ基板を重
ねる場合、当然スペーサとしての金属板を交互に組合せ
て基板の間に挾むこととなる。この際の構成上、絶縁体
のガラス板からなる組合せ基板の上下を金属板で挾んだ
コンデンサ構造となり、これが複数個直列に積み重ねら
れたものとなる。この状態のものを高温・乾燥した焼成
炉で焼成すると、炉内での熱風による摩擦と、その乾燥
度が高いことから帯電し、個々のコンデンサが帯電し、
お互いの金属板が短絡されていないため、個々に帯電し
たコンデンサが直列に接続されており、非常な高電圧に
なる。長期間の焼成を効率的に行うため、組合せ基板を
20〜40組積重ねることは一般的であり、この場合には10
KV以上の帯電となり、静電気に弱いアクティブ素子を破
壊させるとともに、その取扱が危険になるという欠点が
ある。

本考案の目的は前記課題を解決した液晶ディスプレイ
製造装置を提供することにある。

〔考案の従来技術に対する相違点〕

上述した従来の液晶ディスプレイ製造装置のスペーサ
用金属板が平坦なため、組合せ基板を挾んで、上下のス
ペーサ用金属板が互いに絶縁されているのに対し、本考
案は金属板に設けられた折り曲げ領域により、互いの金
属板を短絡できるという相違点を有する。

〔課題を解決するための手段〕

前記目的を達成するため、本考案に係る液晶デイスプ
レイ製造装置は、帯電防止部を有し、アクティブ素子基
板とカラーフィルタ基板とを熱硬化接着させる液晶デイ
スプレイ製造装置であって、 帯電防止部は、金属製基台とスペーサ用金属板とを有
し、 金属製基台は、前記アクティブ素子基板とカラーフィ
ルタ基板の組合せ基板を積層して支持するものであっ
て、接地されており、 スペーサ用金属板は、前記金属製基台上に組合せ基板
と交互に積み重ねられるものであって、各スペーサ用金
属板は、前記金属製基台に電気的に短絡されたものであ
る。

〔実施例〕

次に本考案について図面を参照して説明する。

（実施例１） 第１図は本考案の実施例１を示す斜視図、第２図は同
側面図である。

図において、１はアクティブ素子基板とカラーフィル
タ基板とを重ね合わせてなる組合せ基板、2,4は組合せ
基板１をその上下から挾み込むスペーサ用金属板であ
る。金属板２は一部領域に、下段のスペーサ用金属板４
に接触する程度に折曲げた領域３を有している。

本考案によれば、アクティブ素子基板とカラーフィル
タ基板との間にエポキシ系接着剤を塗布しその両基板を
上下に重ね合わせた組合せ基板１を複数用意し、最下段
の組合せ基板１を金属製基台６上にセットし、その最下
段の組合せ基板１上にスペーサ用金属板2,4を組合せ基
板１とを交互に組合せて積層する。この際、各段のスペ
ーサ用金属板２の折曲げ領域３が金属製基台６あるいは
下段のスペーサ金属板４にそれぞれ接触する。この場
合、金属製基台６を接地することにより、各段のスペー
サ用金属板４相互間が電気的に短絡される。ここに、ス
ペーサ金属板４及び金属製基台６等は、電荷の帯電を防
止する帯電防止部を構成する。

交互に積み重ねられた組合せ基板1,1…を挾み込む上
下のスペーサ用金属板2,4が折曲げ領域３で短絡される
ため、金属板2,4と組合せ基板１との組合せがコンデン
サ構造とならず、組合せ基板１のエポキシ樹脂接着剤を
熱硬化させる際、組合せ基板１で発生する静電気は放電
し、電荷が帯電することはない。

（実施例２） 第３図は本考案の実施例２を示す斜視図である。

５は短絡用金属片であり、スペーサ用金属板2,4に付
けて使用する。この実施例では短絡用金属片５が着脱可
能なため、組合せ基板とスペーサ用金属板2,4を交互に
積み重ねる際、短絡用金属片５を外し、積み重ね後に金
属片５を装着できるため、作業性が向上するという利点
がある。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案は互いのスペーサ用金属板
を短絡することにより、帯電を防止できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例１を示す斜視図、第２図は同側
面図、第３図は本考案の実施例２を示す斜視図である。 １……アクティブ素子基板とカラーフィルタ基板とから
なる組合せ基板 2,4……スペーサ用金属板、３……折曲げ領域 ５……短絡用金属片

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】帯電防止部を有し、アクティブ素子基板と
   カラーフィルタ基板とを熱硬化接着させる液晶デイスプ
   レイ製造装置であって、 帯電防止部は、金属製基台とスペーサ用金属板とを有
   し、 金属製基台は、前記アクティブ素子基板とカラーフィル
   タ基板の組合せ基板を積層して支持するものであって、
   接地されており、 スペーサ用金属板は、前記金属製基台上に組合せ基板と
   交互に積み重ねられるものであって、各スペーサ用金属
   板は、前記金属製基台に電気的に短絡されたものである
   ことを特徴とする液晶デイスプレイ製造装置。