JP2521738Y2 - 局部洗浄装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、肛門洗浄と女性局部洗浄とをそれぞれ選択
的に実行可能な局部洗浄装置に関する。

［従来の技術］ 従来この種の局部洗浄装置として、第１図に示すもの
が知られている。これは水道直結タイプの代表的な水路
系統図を示したもので、１は水道本管、２はストレー
ナ、３は逆止弁、４は電磁弁である。５は定圧装置であ
り、水道圧の突発的な変動による内部構造の損失等を防
ぐため、ここで給水圧の調整を行っている。

この定圧装置５の下流には、流量センサ７及び水量調
節弁18からなる水量調整部６が設けられ、流量センサ７
で検出される管路流量が、水量操作部（図示せず）で設
定した流量値になるように水量調節弁18の駆動モータ８
を駆動して流路の開度を調整して加減できるようになっ
ている。

９は温水タンクで、流入した水を適温に加熱し、この
温水タンク９の下流で、肛門洗浄の給水管路19aと、女
性局部洗浄の給水管路19bとに分配供給される。この各
給水管路中には、管路開閉用の電磁弁10a,10bが設けら
れ、管路先端に備えられる肛門洗浄ノズル11a,女性局部
洗浄ノズル11bへの送水を選択的に切り替えるものであ
る。すなわち、ここでの水系統は肛門洗浄ノズル11aへ
の給水管路と、女性局部洗浄ノズル11bへの給水管路と
の２系統が存在し、この２系統の管路の開閉を、電磁弁
10aと電磁弁10bとで行なうしくみになっている。

［考案が解決しようとしている問題点］ ところで、このような局部洗浄装置では、水量調整部
と各給水管路の電磁弁による切替部が必要となるため、
部品点数が多くなり、コスト高やスペース上の制約が生
じ、組立時の工数や作業性にも問題を有していた。

また、各給水管路の切り替えを電磁弁を用いて行なっ
ているため、急激な開閉によりウォーターハンマーが生
じ、内部機構に悪影響を及ぼすという問題点がある。

［問題点を解決するための手段］ このような問題点を解決するために、本考案は、肛門
洗浄と女性局部洗浄とをそれぞれ選択的に実行可能な局
部洗浄装置において、水源に連通する入水口と、肛門洗
浄側の給水管路と連絡する第１の送水口と、女性局部洗
浄側の給水管路と連絡する第２の送水口とを開口したケ
ーシングと、該ケーシングの内壁に摺接しながら進退
し、ケーシングの入水口と常時連通する導水口と、常態
において前記ケーシングの第１の送水口及び第２の送水
口のいずれとも連通しない中立位置を有し進退によって
前記第１の送水口と第２の送水口のいずれか一方と連通
する第１及び第２の弁口とを開口したスプール弁と、該
スプール弁を進退させ前記ケーシングの送水口を切り替
えるとともにスプール弁の弁口とケーシングの送水口と
の連通度を加減して水量を調節する駆動手段とで構成す
る水量調節機能付き水路切替弁を備えたものである。

［実施例］ 以下、図面を基に本考案の実施例にていて説明する。

第２図に本考案の系統図を示す。水道本管１から分水
された洗浄水は、ストレーナ２によってろ過作用を受
け、逆止弁３、電磁弁４を通過して、定圧装置５に送水
される。前記定圧装置５において、水圧を一定保持され
た洗浄水は、温水タンク９に給水され、設定温度に保温
される。ここで、肛門洗浄ノズル11aに給水される給水
管路19aと、女性局部洗浄ノズル11bに給水する給水管路
19bの分岐点には本考案の特徴的構成である水量調整部2
0が設けられ、該水量調整部20の上流に設置された流量
センサ７と、前記水量調整部20を駆動する駆動モータ８
で各ノズル11a,11bへの給水を制御している。

第３図に本考案の水量調整部20の詳細図を示す。12は
ケーシングで、供給源からの入水口13と、肛門洗浄ノズ
ル11aへの送水口14aと、女性局部洗浄ノズル11bへの送
水口14bとをそれぞれ開口している。15は該ケーシング1
2内に摺動自在に設けられるスプール弁で、摺動方向先
端に前記ケーシング12の入水口13と常に連通する導水口
21と、前方摺動時にケーシング12の送水口14aと連通す
る弁部15aと、後方摺動時にケーシング12の送水口14bと
連通する弁部15bがそれぞれ形成され、導水口21と各送
水口14a,14bは導水管路22によって連絡されている。ま
た、スプール弁15の弁部15a,15bは、スプール弁15の周
面を環状に凹陥して形成されており、その凹陥面のうち
各送水口14a,14bに近い面23a,23bにはテーパがつけられ
ている。

このスプール弁15は、常態において第３図に図示され
るように、前記弁部15a,15bが前記送水口14a,14bと連通
しない中立位置を保持している。

８は前記スプール弁15を摺動する駆動モータで、出力
軸に伝動ギヤ16₁を接続し、前記スプール弁15の後端に
接続した受動ギヤ16₂を回転させ、スプール弁15に一体
形成されるねじ部17を介してスプルー弁15を前後に摺動
させるものである。また、該モータ８は、正転・反転自
在に設けられるものである。

このように構成される本考案の動作を説明する。使用
者によって肛門洗浄、女性局部洗浄の選択と、洗浄水の
流量が操作部（図示しない）で決定されると、スプール
弁15を中立状態から移動させ、選択された洗浄ノズルへ
の送水口を開放するとともに流量センサ７の流量データ
をモニタして送水口への流量を制限するように動作す
る。

ここで、肛門洗浄ノズル11aへの給水を行なうとき
は、駆動モータ８は正転して、駆動モータ８の先端に付
設するギヤ16₁から、スプール弁15に一体しているギヤ1
6₂で減速され、該ギヤ16₂に連動しているねじ部17によ
ってスプール弁15の弁部15bを閉弁保持する一方で、弁
部15aを開弁方向つまりケーシング12の送水口14aと合致
する方向に移動させる。このとき弁部15aにはテーパ面2
3aが設けられているので、送水口14aと弁部15aとの連通
度が微調整でき、流量をシビアに調節することが可能で
ある。かくして弁部15aの開度に応じた水量が送水口14a
より肛門洗浄ノズル11aへ送られ肛門洗浄が行われるの
である。

また、女性局部洗浄ノズル11bへの給水を行なう場合
は、駆動モーター８は逆転してギヤ16₁・ギヤ16₂、ねじ
部17を連絡して弁部15aを閉弁保持し、弁部15bを開弁す
るようにスプール弁15を摺動させ、女性局部洗浄ノズル
への送水口14bを開放する方向へ移動させる。この場合
にも、弁部15bのテーパ面23bにより、微妙な水量調整が
可能である。このような一連の動作の中で、ある一方の
送水口が開弁状態にあるときは、もう一方の送水口は、
必ず閉弁状態に保持される。また、洗浄が終了した後
は、常に中立状態に復帰するようにスプール弁15を動作
させるものである。

［考案の効果］ 以上のように、本考案は、水量調整部に水系統の切替
機能を持たせることを可能にしたので、各ノズルの上流
に位置した電磁弁２個が全く不要になり、それによっ
て、電磁弁開閉時に生じるウォーターハンマー現象が起
こらなくなる。また、スペース上も有利でコスト的にも
大きなメリットが得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来使用されている局部洗浄装置の系統図。 第２図は、本考案の一実施例における局部洗浄装置の系
統図。 第３図は、水量調整部の断面図。 １……水道本管、６……水量調整部、７……流量センサ
ー、８……駆動モータ、15……スプール弁、17……ねじ
部。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】肛門洗浄と女性局部洗浄とをそれぞれ選択
   的に実行可能な局部洗浄装置において、水源に連通する
   入水口と、肛門洗浄側の給水管路と連絡する第１の送水
   口と、女性局部洗浄側の給水管路と連絡する第２の送水
   口とを開口したケーシングと、該ケーシングの内壁に摺
   接しながら進退し、前記ケーシングの入水口と常に連通
   する導水口と、常態において前記ケーシングの第１の送
   水口及び第２の送水口のいずれとも連通しない中立位置
   を有し進退によって前記第１の送水口と第２の送水口の
   いずれか一方と連通する弁部とを形成したスプール弁
   と、該スプール弁を進退させ前記ケーシングの送水口を
   切り替えるとともにスプール弁の弁部とケーシングの送
   水口との連通度を加減して水量を調節する駆動手段とで
   構成する水量調節機能付き水路切替弁を備えたことを特
   徴とする局部洗浄装置。