JP2521589B2 - 並設トンネル掘削用シ―ルド掘進機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は複線地下道路のような並
設トンネルを同時に掘削し得るシールド掘進機に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から、このような並設トンネルを掘
削するシールド掘進機としては、左右一対の円筒形スキ
ンプレートの一部を互いに重複させて広幅スキンプレー
トを形成し、このスキンプレートを形成した前記夫々の
円筒状プレートの開口端に回転カッタ板を前後にずらし
た状態で配設してなる構造のものが知られている。

【０００３】又、地下鉄道のように、鉄道間に駅部を築
造する場合、計画駅部のトンネル長さ方向の両端側に立
坑を掘削すると共にこれらの立坑間に夫々単独のシール
ド掘削機による単線並列シールド工法によって所定間隔
を存した並行トンネルを掘削し、その掘削トンネル壁面
をセグメント覆工したのちこれらのトンネル覆工の対向
上部間の地中に、一方の立坑から他方の立坑に向かって
鋼管矢板を順次その側端面同士を接続させながら多数本
打ち込んでアーチ壁部を形成するか、或いは、一方のト
ンネル覆工から他方のトンネル覆工に向かって定尺の曲
管を順次直列に接続しながら打ち込んで一本の梁材を形
成すると共にこのような梁材をトンネル長さ方向に密接
状態に並設することによりアーチ壁部を形成し、次い
で、両トンネルの対向側面部の覆工を撤去したのち、前
記アーチ壁部の下方地盤を掘削してその掘削部分に駅部
を施工することが行われている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
ようなシールド掘削機では、並設トンネル間の間隔が狭
くて、例えば、両トンネル間の適所に避難用通路を築造
することは困難である。一方、後者のようなトンネル施
工方法によれば、単線並列シールド工法によって並行ト
ンネルを掘削したのち、両トンネル間にアーチ壁部を形
成するものであるから、トンネル掘削から駅部等の構築
に至るまでの工期に長期間を要し、工費がかかって不経
済であるばかりでなく、アーチ壁部は、地中に多数の鋼
管矢板や曲管等を打ち込むことによって形成するもので
あるから、その作業が煩雑で能率が悪く、しかも精度の
よいアーチ壁部を形成することが困難であり、さらに、
両側のトンネル覆工とアーチ壁部の両側端との接合性が
悪くて、止水性の点においても問題が生じるものであ
る。

【０００５】その上、このような方法は、並設トンネル
間に避難通路を形成する場合のように、比較的幅狭い部
分を築造する工法としては工費の点からも不適である。
このような比較的小幅の拡幅部の形成可能なシールド掘
進機としては、開口前端にカッター板を配した円筒状ス
キンプレートを左右に２分割し、これらの分割スキンプ
レートの対向壁部を互いに拡縮自在に重合させた構造の
ものが知られているが、このシールド掘進機は円筒状ス
キンプレートそのものを拡大させて単独のトンネル断面
を拡幅させるものであって、一定形状の断面を有する並
設トンネル間の幅を拡大させるものではなく、従って、
並設トンネル間に避難通路などを築造することができな
いものである。本発明はこのような問題点に鑑みてなさ
れたもので、一定の断面形状を有する並設トンネルと、
該並設トンネル間に避難通路等の空間部とを同時に能率
良く築造し得るシールド掘進機の提供を目的とするもの
である。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の並設トンネル掘削用シールド掘進機は、断
面矩形状のスキンプレートの前端開口部にカッター板を
配設してなる中央シールド機体の両側に、対向内側壁を
中央シールド機体の側壁に向かって凸なコ字状の側板に
形成している円筒形状のスキンプレートの前端開口部に
カッター板を配設してなる両側シールド機体を適宜間隔
を存して並設し、上記中央シールド機体のスキンプレー
トと該スキンプレートに隣接する両側シールド機体のス
キンプレートの上記側板との上下外壁面間及びこれらの
スキンプレートの前端隔壁間を、前面板と該前面板の上
下端から後方に向かって直角に屈曲した上下水平面板と
からなるカバースキンプレートにより被覆すると共に、
該カバースキンプレートの前面板の内側端を中央シール
ド機体のスキンプレートの両側壁前端部に屈折自在に連
結してこのカバースキンプレートの内面に両側シールド
機体のスキンプレートを摺動させながら中央シールド機
体に対して両側シールド機体を幅方向に拡縮移動可能と
し、さらに、中央シールド機体の両側面と両側シールド
機体の対向面間をジャッキ等の伸縮機構により連結する
と共に各シールド機体内に掘削土砂排出手段と覆工組立
手段とを配設してなることを特徴とするものである。

【０００７】

【作用】両側シールド機体を中央シールド機体側に伸縮
機構によって引き寄せると、シールト機の全体の幅が収
縮する。この状態でシールド機体を一体に推進させなが
ら夫々のスキンプレートの開口前端に設けたカッター板
により地盤を掘削し、これらのシールド機体が並設した
断面形状のトンネルを築造する。

【０００８】次に、この並設トンネルの掘削中におい
て、両側トンネル間に避難通路等の空間部を形成する場
合には、伸縮機構を伸長させて、まず、両側シールド機
体の前端間の間隔を後端間に間隔に対して徐々に大きく
しながら掘削し、所定の拡大幅に達したのち、両側シー
ルド機体の後端間の間隔を前端間の間隔に等しくなるま
で徐々に拡大させながら掘削する。この際、中央シール
ド機体に屈折自在に連結したカバースキンプレートを介
して両側シールド機体は該カバースキンプレートの内面
に摺接しながら中央シールド機体に対してその前端間の
間隔を拡げたのち後端間の間隔を拡げて円滑に拡大トン
ネル部の掘削に適した幅方向の移動が可能となる。この
ように、両側シールド機体間を拡大させた状態で各シー
ルド機体のカッター板で地盤を掘削しながらシールド全
体を掘進させて拡幅トンネルを築造し、その中央部に避
難通路等を築造する。なお、シールド機の掘進に従って
各シールド機体のスキンプレートのテール部内で周方向
に連続するセグメント覆工を施工するものである。

【０００９】

【実施例】次に、本発明の実施例を図面について説明す
ると、シールド掘進機は、図１、図２に示すように、中
央シールド機体１に両側シールド機体２、２を一体に並
設した構造を有する。両側シールド機体２、２は一定径
と所定長さを有する円筒形状のスキンプレート2a、2aの
前端開口部に全面閉鎖型の円形カッター板３、３を夫々
配設してなるものであり、図４に示すようにこれらの円
筒形状スキンプレート2a、2aの対向内側壁の上下部間を
全長に亘って切除すると共に該切除上下端面間に中央シ
ールド機体１の側壁に向かって凸なコ字状の側板2b、2b
を一体に固着した構造としてある。

【００１０】中央シールド機体１は、断面縦長矩形状ス
キンプレート1aの前端開口部に前記円形カッター板３よ
りも小径の円形カッター板４を配設してあり、その両側
壁が前記両側シールド機体２、２のスキンプレート2aの
側板2bと同一高さに形成されている。なお、上記円形カ
ッター板３、４には公知のように土砂取り込みスリット
3a、4aとそのスリットにそって多数突設したカッタービ
ット3b、4bを有している。

【００１１】中央並びに両側シールド機体１、２のスキ
ンプレート開口前端は隔壁５、６によって夫々全面的に
密閉されてあり、両側シールド機体２、２のスキンプレ
ートの円形部のみを適宜長さだけ前方に突出させてその
突出端側に前記円形カッター板３、３が配設され、これ
らの円形カッター板３、３の背面と隔壁５、６の前面間
に土砂取入室７を形成してある。

【００１２】８、８は前面板8aの上下端に後方に向かっ
て直角に屈曲した上下水平面板8b、8cを一体に設けてな
る側面コ字状のカバースキンプレートで、その高さを中
央シールド機体１のスキンプレート1aに等しく形成して
上下水平板8b、8cをパッキング９を介して中央シールド
機体１のスキンプレート1aの上下面と両側シールド機体
２、２のスキンプレート2aの側板2bの上下面間に亘って
夫々被覆してあり、このカバースキンプレート８の内面
に摺動しながら、中央シールド機体１に対して両側シー
ルド機体２、２が幅方向に拡縮移動可能となっている。

【００１３】さらに、カバースキンプレート８の前面板
8aの内面数個所を可撓連結軸10によって中央シールド機
体１スキンプレート1aの両側壁前端部に一体に連結され
てあり、又、該カバースキンプレート８、８の前面板8a
の対向縁部内面は、中央シールド機体１のスキンプレー
ト1aの隔壁前面両側端に突出形成している円弧状突条部
1bにシールパッキンを介して左右方向に摺動自在に密接
してある。

【００１４】中央シールド機体１のスキンプレート1aと
両側シールド機体２、２のスキンプレート2aの側板2bと
の対向側面における前端部間並びに後端部間は、上下方
向に適宜間隔毎に配設した複数本のジャッキ11、12によ
って連結してあり、これらの前部ジャッキ11及び後部ジ
ャッキ12を作動させることによって、中央シールド機体
１に対して両側シールド機体２、２を幅方向に拡縮移動
させられるようになっている。

【００１５】前記両側シールド機体２、２の円形カッタ
ー板３の回転軸3cは、隔壁５の中心部に回転自在に貫
通、支持されていると共に該隔壁５の背面適所に装着し
た駆動モータ等の回転駆動機構13によって回転させられ
るものであり、中央シールド機体１の小径円形カッター
板４はその両側部を両側の円形カッター板３、３の背面
対向側部に重なるようにして配設され、その回転軸4aは
隔壁６の中央部に回転自在に貫通、支持されていると共
に該隔壁６の背面適所に装着した駆動モータ等の回転駆
動機構14によって回転させられる。

【００１６】１５、１５は小径円形カッター板４の上下
方に近接してトンネル幅方向に配設された補助カッター
で、外周に多数のカッタービット１６を軸芯方向（トン
ネル幅方向）に螺旋状に突設してあり、その回転軸の両
端は図２に示すように、両側シールド機体２、２のスキ
ンプレート隔壁５、５前面に突設した軸受１７、１７に
回転並びに長さ方向に摺動自在に支持されてある。又、
これらの上下補助カッター板１５、１５の長さ方向の中
央部は分割されてその分割端面から突出した中心軸を上
下小径補助センターカッター１８の固定軸筒１９の前端
部両側壁に夫々回転並びに屈折自在に支持させてある。

【００１７】小径補助センターカッター18、18は前記小
径円形カッター板４の上下端に接近した状態で配設さ
れ、その回転軸は隔壁６の上下端部中央に貫通、支持さ
れた前記固定軸筒19を挿通して隔壁６の背面に装着した
駆動機構20により回転駆動されるものであり、前記補助
カッター15、15は両側シールド機体２、２の隔壁５の背
面に装着した駆動機構21によって前記軸受17内に配設し
た適宜な伝達機構（図示せず）を介して回転駆動させら
れるものである。

【００１８】22は両側シールド機体２、２のスキンプレ
ート2a、2aの後部内周面から側板2bの上下内面、及び中
央シールド機体１のスキンプレート1aの後部上下内面に
突設している支持ブラケットで、スキンプレートの内面
に沿って小間隔毎に装着した多数本の推進ジャッキ23を
固定、支持してあり、これらの推進ジャッキ23のロッド
端をセグメント覆工Ｓの前端面に押圧させて、該推進ジ
ャッキ23の伸長によりシールド機全体を前進させるもの
である。

【００１９】図３において、24、25は掘削されるトンネ
ル内から中央及び両側シールド機体１、２内に配設され
た送排泥管で、それらの開口前端を前記隔壁５、６を貫
通して土砂取入室７に連通させてあり、該送排泥管24、
25と地上に設置した土砂分離槽（図示せず）間で泥水を
還流させて掘削される土砂を地上に排出させるようにし
てある。

【００２０】26は中央シールド機体１のスキンプレート
1a後端から突設したカバースキンプレート８の上下水平
面板8b、8cの後端部間空間部と、この空間部に連通して
いる両側シールド機体２、２のスキンプレート2a、2aの
突出後端で囲まれいる空間部とに配設したエレクターで
ある。

【００２１】このように構成したシールド掘進機によっ
て、まず、中央に避難通路等の大きな空間部を設けるこ
となく並行なトンネルＴ：Ｔを掘進するには、図４及び
図５の上半部に示すように、中央シールド機体１と両側
シールド機体２、２とを連結している前後のジャッキ1
1、12を収縮させて、両側シールド機体２、２をその側
板2bの上下外面をカバースキンプレート８の上下内面に
摺動させながら中央シールド機体１側に引き寄せ、両側
シールド機体２、２間の間隔を縮小させる。

【００２２】この状態にして駆動機構13、14、20、21を
作動させて円形カッター板３、４、補助カッター15、補
助センターカッター18を回転させると共に、シールド機
のテール部内でエレクタ26を使用してスキンプレート2
a、2a並びにカバースキンプレート８の後端内面に沿っ
て既に組立てたセグメント覆工Ｓの前端面に推進ジャッ
キ23のロッド端を受止させ、該推進ジャッキ23を伸長さ
せると、中央シールド機体１及び両側シールド機体２、
２が一体的に推進し、円形カッター板３、４によって地
盤を掘削すると共に両側円形カッター板３、３の上端部
間と下端部間における小径円形カッター板４の上下方の
掘り残し部分は補助カッター15と補助センターカッター
18によって掘削されて、両側スキンプレート2a、2aとカ
バースキンプレート８との連続外周面の断面形状のトン
ネルが形成される。

【００２３】掘削土砂はカッター板背面側の取入室７に
取り込まれ、送排泥管24、25を還流する泥水によってト
ンネル内を通じて地上に設置した土砂分離槽に排出され
る。シールド推進機全体が上記推進ジャッキ23の作動に
よって一定長、掘進すると、該推進ジャッキ23を収縮さ
せたのち、複数のセグメントをトンネル内壁面に沿うよ
うに上述したようにテール部内で周方向に組立て、この
作業を装置全体の一定長さの掘進毎に繰り返し行うこと
によって、図８に示すように両側シールド機体２、２に
よる並列トンネルＴ、Ｔ間に小径円形カッター板４と上
下補助カッター15および補助センターカッター18とによ
る小幅の空間部Ｕを一体に形成され、セグメント覆工Ｓ
の施工後に２次覆工及び隔壁、柱等の築造を行って複線
地下道路を形成する。

【００２４】次に、この並設トンネルＴ、Ｔの築造中に
おいて、該トンネルＴ、Ｔ間の間隔を拡大させ、その拡
大部に避難通路等の適宜な通路を形成する場合には、そ
の通路計画位置に達した時に、まず、前部ジャッキ11を
徐々に伸長させて中央シールド機体１に対して図７に示
すように、両側シールド機体２、２の前端間を離間させ
ながら地盤を掘削する。

【００２５】この時、中央シールド機体１に対して両側
シールド機体２、２が外方に傾斜してカバースキンプレ
ート８もその傾斜方向に両側シールド機体２、２の側板
２ｂと一体に傾動するが、該カバースキンプレート８の
前面板８ａの対向縁部内面が、中央シールド機体１のス
キンプレート１ａの両側壁前端部に可撓連結軸１０によ
って屈折自在に連結してあり、且つこのスキンプレート
１ａの前面両側端に突出形成している円弧状突条部１ｂ
の円弧面に摺接しているので、その方向に円滑に傾動さ
せることができる。

【００２６】両側シールド機体２、２の前端間が所望間
隔、離間した状態から後部ジャッキ12を徐々に伸長させ
ながらシールド推進機を掘進させ、図４および図５の下
半部に示すように、これらの前後ジャッキ11、12を同一
長さまで伸長させて両側シールド機体２、２間を所望間
隔まで拡大させて互いに平行な状態にすると、前後ジャ
ッキ11、12をロックし、その幅を保持した状態で上記同
様に円形カッター板３、４及び上下補助カッター15、補
助センターカッター18で地盤を掘削すると共にテール部
内で上記同様にセグメントＳの覆工を行う。

【００２７】中央シールド機体１に対して両側シールド
機体２、２が幅方向に離間することによってこれらの機
体間には隙間が形成されるが、その隙間はカバースキン
プレート８によって被覆されている。そして、その隙間
にトンネル内側からスペーサ27を搬入して図４に示すよ
うに支持ブラケット22間における中央スキンプレート1a
と側板2bとの対向面間に介在させ、該スペーサ27に推進
ジャッキ23a を配設して上記推進ジャッキ23と共にシー
ルド推進機の推進に使用する。

【００２８】こうして、掘削された拡幅トンネルは、図
９に示すように、セグメント覆工Ｓされた並設トンネル
Ｔ、Ｔ間に幅広い空間部Ｖが形成された断面形状を有
し、該セグメント覆工Ｓの施工後に２次覆工及び隔壁、
柱等の築造を行って幅広い中央の空間部に避難通路を築
造し、該避難通路を挟んで両側にトンネルＴ、Ｔによる
地下道路を築造する。

【００２９】所望長さの拡幅トンネルを築造したのち、
前後ジャッキ11、12を収縮させれば両側シールド機体
２、２間が元の狭幅状態になり、この状態にして再び前
記同様に複線のトンネルＴ、Ｔを掘削していくものであ
る。

【００３０】なお、本発明は上記のような泥水還流式土
砂排出手段を用いた密閉型シールド掘進機に限定される
ことなく、スクリューコンベア等の適宜の土砂排出手段
を備えたシールド掘進機にも採用し得ることは勿論であ
り、さらに、両側シールド機体２、２を左右に並設する
以外に上下方向に並設して地下道路等を築造することも
でき、又、地下道路以外に地下鉄道や地下街の一部等の
築造にも使用することができる。

【００３１】

【発明の効果】以上のように本発明の並設トンネル掘削
用シールド掘進機によれば、断面矩形状のスキンプレー
トの前端開口部にカッター板を配設してなる中央シール
ド機体の両側に、対向内側壁を中央シールド機体の側壁
に向かって凸なコ字状の側板に形成している円筒形状の
スキンプレートの前端開口部にカッター板を配設してな
る両側シールド機体を適宜間隔を存して並設し、上記中
央シールド機体のスキンプレートと該スキンプレートに
隣接する両側シールド機体のスキンプレートの上記側板
との上下外壁面間及びこれらのスキンプレートの前端隔
壁間を、前面板と該前面板の上下端から後方に向かって
直角に屈曲した上下水平面板とからなるカバースキンプ
レートにより被覆しているので、両側シールド機体の円
筒形状のスキンプレートの外周面と中央シールド機体の
断面矩形状スキンプレートを被覆しているカバースキン
プレートの外面とで囲まれた、中央部が矩形状で両側が
円形状の断面形状のトンネルを掘削することができる。

【００３２】さらに、上記のように、中央シールド機体
のスキンプレートと両側シールド機体のスキンプレート
とは夫々独立した状態で適宜間隔を存して並設している
と共に上記カバースキンプレートの前面板の内側端を中
央シールド機体のスキンプレートの両側壁前端部に屈折
自在に連結してこのカバースキンプレートの内面に両側
シールド機体のスキンプレートを摺接させながら中央シ
ールド機体に対して両側シールド機体を幅方向に拡縮移
動可能としているので、両側シールド機体の後端間を一
定間隔に維持した状態にしてその前端間の間隔を、中央
シールド機体の両側面と両側シールド機体の対向面間を
連結している伸縮機構により徐々に拡げながら拡大する
トンネル部を掘削することができ、しかるのち、両側シ
ールド機体の後端間を徐々に拡大させて所定の拡幅トン
ネル部を縮幅トンネル部から連続的に能率よく築造する
ことができるものである。同様に、両側シールド機体の
前端間を徐々に縮小させたのち後端間を縮小させること
によって、この拡幅トンネル部から徐々に幅狭くなった
トンネル部を介して小幅トンネル部を連続掘削し得るも
のである。

【図面の簡単な説明】

【図１】正面図、

【図２】一部を断面した平面図、

【図３】図２におけるＡーＡ線断面図、

【図４】上半部が縮幅、下半部が拡幅状態を示す断面
図、

【図５】上半部が縮幅、下半部が拡幅状態を示す簡略正
面図、

【図６】小径カッター板と補助カッター部分の拡大側面
図、

【図７】両側シールド機体を傾斜させた状態の簡略横断
面図、

【図８】並設トンネルの断面図、

【図９】拡幅した並設トンネルの断面図。

【符号の説明】

１ 中央シールド機体 ２ 両側シールド機体 ３ 円形カッター ４ 小径円形カッター ８ カバースキンプレート 11 前部ジャッキ 12 後部ジャッキ 15 補助カッター 18 小径補助センターカッター 23 推進ジャッキ 26 エレクター

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大林 正明 大阪市阿倍野区松崎町２丁目２番２号 株式会社奥村組内 (72)発明者 松本 清志 大阪市阿倍野区松崎町２丁目２番２号 株式会社奥村組内 審査官 大森 伸一 (56)参考文献 特開 平２−129494（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−35190（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 断面矩形状のスキンプレートの前端開口
   部にカッター板を配設してなる中央シールド機体の両側
   に、対向内側壁を中央シールド機体の側壁に向かって凸
   なコ字状の側板に形成している円筒形状のスキンプレー
   トの前端開口部にカッター板を配設してなる両側シール
   ド機体を適宜間隔を存して並設し、上記中央シールド機
   体のスキンプレートと該スキンプレートに隣接する両側
   シールド機体のスキンプレートの上記側板との上下外壁
   面間及びこれらのスキンプレートの前端隔壁間を、前面
   板と該前面板の上下端から後方に向かって直角に屈曲し
   た上下水平面板とからなるカバースキンプレートにより
   被覆すると共に、該カバースキンプレートの前面板の内
   側端を中央シールド機体のスキンプレートの両側壁前端
   部に屈折自在に連結してこのカバースキンプレートの内
   面に両側シールド機体のスキンプレートを摺動させなが
   ら中央シールド機体に対して両側シールド機体を幅方向
   に拡縮移動可能とし、さらに、中央シールド機体の両側
   面と両側シールド機体の対向面間をジャッキ等の伸縮機
   構により連結すると共に各シールド機体内に掘削土砂排
   出手段と覆工組立手段とを配設してなることを特徴とす
   る並設トンネル掘削用シールド掘進機。