JP2521043B2 - 2サイクル燃料噴射機関 - Google Patents

2サイクル燃料噴射機関

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JP2521043B2 JP61028976A JP2897686A JP2521043B2 JP 2521043 B2 JP2521043 B2 JP 2521043B2 JP 61028976 A JP61028976 A JP 61028976A JP 2897686 A JP2897686 A JP 2897686A JP 2521043 B2 JP2521043 B2 JP 2521043B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、2サイクル燃料噴射機関に関する。
[従来の技術] 従来、船外機等に用いられ、分離潤滑装置を有する2
サイクル燃料噴射機関は、クランク軸と燃料噴射ポンプ
のポンプ軸とを動力伝動装置を介することによって連結
している。
ところで、上記従来の2サイクル燃料噴射機関におい
ては、動力伝達装置の焼付発生等を防止するため、動力
伝達装置に比較的少量の潤滑油を強制的に供給する必要
がある。
しかしながら、従来の2サイクル燃料噴射機関にあっ
ては、上記動力伝達装置の強制潤滑手段として、トロコ
イドポンプや遠心ポンプを専用的に用いるとともに分離
潤滑装置の駆動も実施していた。
[発明が解決しようとする問題点] このため、機関が全体として複雑化する問題があっ
た。
本発明は、分離潤滑用オイルポンプと噴射ポンプを備
えてなる2サイクル燃料噴射機関において、簡素な構造
により円滑に、クランク軸の回転力をオイルポンプ軸お
よび噴射ポンプ軸に伝える中間伝動軸を潤滑可能とする
とともに、噴射ポンプ軸をも潤滑可能とすることを目的
とする。
[課題を解決するための手段] 本発明は、分離潤滑用のオイルポンプを備えてなる2
サイクル燃料噴射機関において、噴射ポンプを機関本体
に取付け、クランク軸ならびにオイルポンプ軸および噴
射ポンプ軸に連結されてクランク軸の回転力をオイルポ
ンプ軸および噴射ポンプ軸に伝える中間伝動軸を設ける
とともに、該中間伝動軸は略鉛直方向に縦置配置され、
該中間伝動軸とオイルポンプ軸との連結を、両軸間に介
在され、かつ前記中間伝動軸の下部に位置する歯車装置
によって行ない、その歯車装置とその上方の中間伝動軸
の一部を連通路を介して連通させ、中間伝動軸における
上記連通路が連通する部分より下方に該中間伝動軸に連
結される噴射ポンプ軸を配設するとともに、上記歯車装
置を構成する歯車の回転にともなう該歯車そのもののポ
ンプ作用により、中間伝動軸の軸まわりに潤滑油を圧送
するようにしたものである。
[作用] 本発明によれば、下記〜の作用効果がある。
「中間伝動軸とオイルポンプ軸との連結を両軸間に介
在される歯車装置によって行ない、その歯車の回転にと
もなう該歯車そのもののポンプ作用により中間伝動軸の
軸まわりに潤滑油を圧送した」ので、該歯車装置は本来
オイルポンプ軸の駆動と中間伝動軸を潤滑するオイル循
環機構を兼ねることができる。
したがって、新たに専用の潤滑用ポンプを設けること
なく、既存のオイルポンプを利用した簡易な構造で、中
間伝動軸を潤滑することができる。
また、「中間伝動軸を略鉛直方向に縦置配置し、その
歯車装置を該中間伝動軸の下部に位置させ、その上方の
中間伝動軸の一部と連通路を介して連通した」ので、中
間伝動軸を潤滑したオイルは自然落下により歯車装置部
に戻ることができ、オイルを円滑に循環させることがで
きる。
さらに、「歯車装置とその上方の中間伝動軸の一部を
連通路を介して連通させ、中間伝動軸における上記連通
路が連通する部分より下方に該中間伝動軸に連結される
噴射ポンプ軸を配設した」ので、上記自然落下したオイ
ルは中間伝動軸のみならず、噴射ポンプ軸も潤滑でき
る。
[実施例] 第1図は本発明の第1実施例が適用されてなる船外機
を示す側面図、第2図は第1図の要部を破断して示す側
面図、第3図は第2図の平面図、第4図は第2図の正面
図、第5図は噴射ポンプの内部構造を模式的に示す断面
図、第6図は第5図のVI−VI線に沿う断面図、第7図は
噴射ポンプ駆動構造を取り出して示す断面図である。
船外機10は、船体の船尾板11に、クランクブラケット
12を固定している。クランクブラケット12には、チルト
軸13を介して、スイベルブラケット14、推進ユニット15
が支持されている。推進ユニット15は、カウリング15A
によって覆われる機関16を上部に備え、プロペラ17を駆
動可能としている。また、推進ユニット15は、チルト軸
13のまわりに傾動し、チルトアップ〜ダウン可能とされ
ている。
機関16は、2気筒燃料噴射機関であり、機関本体18
に、吸気管19、バタフライバルブ20、吸気箱21を接続さ
れている。また、機関16は、クランク軸22を略鉛直方向
に縦置配置し、クランク軸22の上端部にはフライホイー
ルを備え、クランク軸22の下端部には不図示のプロペラ
ドライブ軸が結合されている。
機関16は、機関本体18の側部で上下の気筒間に形成さ
れるくぼみ24に噴射ポンプ25を取付けている。噴射ポン
プ25は、そのポンプハウジング26に支持される噴射ポン
プ軸27を横置配置している。機関16は、機関本体18の側
部に、クランク軸22の回転力を噴射ポンプ軸27に伝える
動力伝達装置28を取付けている。動力伝達装置28は、そ
のハウジング29に中間伝動軸30を支持している。31は軸
受である。動力伝達装置28は、中間伝動軸30をクランク
軸22に対して略平行に、すなわち略鉛直方向に縦置配置
し、中間伝動軸30の任意の部分例えばハウジング29から
突出している上端部とクランク軸22の間に介在されてこ
れらの平行2軸間における回転力の伝達を行う第1伝動
部32と、中間伝動軸30の他の任意部分例えばハウジング
29の内部に位置する中間部と該ハウジング29の内部に侵
入する噴射ポンプ軸27の間に介在されてこれらの相交差
する2軸における回転力の伝達を行う第2伝動部33を備
えている。第1伝動部32は、クランク軸22の機関本体18
から突出している部分に固定されるプーリー34と、中間
伝動軸30の上端部に固定されるプーリー35と、プーリー
34と35に巻回される歯付ベルト36とからなっている。ま
た、第2伝動部33は、中間伝動軸30の中間部に固定され
るベベル歯車37と、噴射ポンプ軸27の端部に固定されて
ベベル歯車37と噛合うベベル歯車38とからなっている。
ここで、噴射ポンプ25は、第5図、第6図に示すよう
に、ベーン式フィードポンプ39を内蔵しており、フィー
ドポンプ39は、クランク軸22の回転力を前述の中間伝動
軸30を介して伝達されている噴射ポンプ軸27の回転によ
って駆動され、その送油圧は圧力調整弁40の作用によっ
て制御され、燃料をポンプ室41へ送油可能としている。
噴射ポンプ25のポンププランジャ42は、噴射ポンプ軸27
に接続されたカムプレート43によって駆動され、回転運
動するとともに往復運動して、ポンプ室41の燃料を吸入
した後、機関16の各気筒に対応する分配通路44、分配弁
45を通って、機関16の各気筒に設けられている噴射ノズ
ル46から高圧噴射可能としている。なお、噴射ノズル46
からの噴射量はスピルリング47の移動によって制御可能
とされている。42Aはポンププランジャ42の収容空間に
対する閉止ねじである。
また、噴射ポンプ25は、第5図に示すように、機関本
体18に取付けられた上記横置配置状態下で、ポンプハウ
ジング26における噴射ポンプ軸27の上方部に、該噴射ポ
ンプ25の内部のエアを排出するためのエア抜き口48を設
けている。
さらに、この実施例において、機関16は、分離潤滑用
のオイルポンプ49を備えている。オイルポンプ49は、第
1図〜第4図に示すように、機関本体18の側部に取付け
られ、前記動力伝達装置28を介してクランク軸22の回転
力を伝達される状態で駆動可能とされている。すなわ
ち、オイルポンプ49は、そのオイルポンプ軸50を動力伝
達装置28のハウジング29に装入し、中間伝動軸30の下端
部に固定されるねじ歯車51に、オイルポンプ軸50の上記
ハウジング29への装入端部に固定されるねじ歯車52を噛
合わせている。これにより、オイルポンプ49は、機関16
の運転とともに駆動され、その吐出口53から圧送される
潤滑油を、第2図にAで示す機関16の吸気管19、Bで示
す噴射ポンプ25の燃料導入管に供給し、機関16、噴射ポ
ンプ25の各部を潤滑可能としている。
ここで、上記オイルポンプ49を駆動されるために、中
間伝動軸30とオイルポンプ軸50とを連結している歯車装
置としてのねじ歯車51、52は、それらの回転にともなう
ポンプ作用により、ハウジング29の内部に封入されてい
る潤滑油を、第7図に矢印で示すように、ハウジング29
に設けた送油路54(連通路)から中間伝動軸30の軸まわ
りに圧送している。すなわち、送油路54は歯車51、52と
その上方の中間伝動軸30の一部とを連通する循環路を形
成し、中間伝動軸30における上記送油路54が連通する部
分より下部に該中間伝動軸30に連結される噴射ポンプ軸
27を配設する。したがって、このようにして圧送される
潤滑油は、中間伝動軸30の軸受31、中間伝動軸30と噴射
ポンプ軸27とを連結している第2伝動部33のベベル歯車
37、38を潤滑する。なお、第7図に示すように、動力伝
達装置28のハウジング29には、第2伝動部33の下部にオ
イルたまり55を形成している。第7図において、56はオ
イルシールである。
次に、上記第1実施例の作用について説明する。
「中間伝動軸30とオイルポンプ軸50との連結を両軸間
に介在される歯車装置(ねじ歯車51、52)によって行な
い、その歯車51、52の回転にともなう該歯車51、52その
もののポンプ作用により中間伝動軸30の軸まわりに潤滑
油を圧送した」ので、該歯車装置は本来オイルポンプ軸
50の駆動と中間伝動軸30を潤滑するオイル循環機構を兼
ねることができる。
したがって、新たに専用の潤滑用ポンプを設けること
なく、既存のオイルポンプ49を利用した簡易な構造で、
中間伝動軸30を潤滑することができる。
また、「中間伝動軸30を略鉛直方向に縦置配置し、そ
の歯車装置(ねじ歯車51、52)を該中間伝動軸30と中間
伝動軸30の下部に位置させ、その上方の中間伝動軸30の
一部と連通路としての送油路54を介して連通した」の
で、中間伝動軸30を潤滑したオイルは自然落下により歯
車装置部に戻ることができ、オイルを円滑に循環させる
ことができる。
さらに、「歯車装置(ねじ歯車51、52)とその上方の
中間伝動軸30の一部を連通路としての送油路54を介して
連通させ、中間伝動軸30における上記送油路54が連通す
る部分より下方に該中間伝動軸30に連結される噴射ポン
プ軸27を配設した」ので、上記自然落下したオイルは中
間伝動軸30のみならず、噴射ポンプ軸27も潤滑できる。
第8図は本発明の第2実施例を示す要部断面図であ
る。
この第2実施例において上記第1実施例と実質的に同
一である部分は同一の符号を付す。この第2実施例が上
記第1実施例と異なる点は、オイルポンプ49のオイルオ
ンプ軸50に固定されるねじ歯車60を、中間伝動軸30の中
間部に固定したねじ歯車61と噛合わせたことにある。こ
の第2実施例による場合にも、オイルポンプ49を駆動さ
れるために中間伝動軸30とオイルポンプ軸50とを連結し
ている歯車装置としてのねじ歯車60、61が、それらの回
転にともなうポンプ作用により、ハウジング29の内部に
封入されている潤滑油を第8図に実線もしくは破線の矢
印で示すように、ハウジング29に設けた送油路54から中
間伝動軸30の軸まわりに圧送する。
第9図は本発明の第3実施例を示す要部断面図であ
る。
第9図において、70は機関、71は噴射ポンプ、72は噴
射ポンプ軸、73は分離潤滑用オイルポンプ、74はオイル
ポンプ軸、75は動力伝達装置、76は中間伝動軸、77、7
8、79はベベル歯車である。機関70の回転力は、動力伝
達装置75の中間伝動軸76を介して、噴射ポンプ軸72、オ
イルポンプ軸74に伝達される。この時、オイルポンプ軸
74と中間伝動軸76とを連結する歯車装置としてのベベル
歯車78、79は、その回転にともなうポンプ作用により、
動力伝達装置75の内部に封入されている潤滑油を送油路
80から、中間伝動軸76の軸まわりに圧送する。81は軸
受、82はオイルシールである。
第10図は本発明の第4実施例を示す要部断面図であ
る。
第10図において、90は機関、91は噴射ポンプ、92は噴
射ポンプ軸、93は分離潤滑用オイルポンプ、94はオイル
ポンプ軸、95は動力伝達装置、96は中間伝動軸、98、99
はベベル歯車である。機関90の回転力は、動力伝達装置
95の中間伝動軸96を介して、噴射ポンプ軸92、オイルポ
ンプ軸94に伝達される。この時、オイルポンプ軸94と中
間伝動軸76とを連結する歯車装置としてのベベル歯車9
8、99は、その回転にともなうポンプ作用により、動力
伝達装置95の内部に封入されている潤滑油を送油路100
から、中間伝動軸96の軸まわりに圧送する。101は軸
受、102はオイルシールである。
なお、本発明は、2サイクル火花点火機関、2サイク
ルディーゼル機関に広く適用可能である。
[発明の効果] 以上のように本発明によれば、分離潤滑用オイルポン
プと噴射ポンプを備えてなる2サイクル燃料噴射機関に
おいて、簡素な構造により円滑に、クランク軸の回転力
をオイルポンプ軸および噴射ポンプ軸に伝える中間伝動
軸を潤滑可能とするとともに、噴射ポンプ軸をも潤滑可
能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例が適用されてなる船外機を
示す側面図、第2図は第1図の要部を破断して示す側面
図、第3図は第2図の平面図、第4図は第2図の正面
図、第5図は噴射ポンプの内部構造を模式的に示す断面
図、第6図は第5図のVI−VI線に沿う断面図、第7図は
噴射ポンプ駆動構造を取り出して示す断面図、第8図は
本発明の第2実施例を示す要部断面図、第9図は本発明
の第3実施例を示す要部断面図、第10図は本発明の第4
実施例を示す要部断面図である。 16、70、90……機関、18……機関本体、22……クランク
軸、25、71、91……噴射ポンプ、27、72、92……噴射ポ
ンプ軸、30、76、96……中間伝動軸、49、73、93……オ
イルポンプ、50、74、94……オイルポンプ軸、51、52…
…ねじ歯車、54、80、100……送油路(連通路)、60、6
1……ねじ歯車、71、79……ベベル歯車、98、99……ベ
ベル歯車。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分離潤滑用のオイルポンプを備えてなる2
    サイクル燃料噴射機関において、 噴射ポンプを機関本体に取付け、 クランク軸ならびにオイルポンプ軸および噴射ポンプ軸
    に連結されてクランク軸の回転力をオイルポンプ軸およ
    び噴射ポンプ軸に伝える中間伝動軸を設けるとともに、 該中間伝動軸は略鉛直方向に縦置配置され、 該中間伝動軸とオイルポンプ軸との連結を、両軸間に介
    在され、かつ前記中間伝動軸の下部に位置する歯車装置
    によって行ない、 その歯車装置とその上方の中間伝動軸の一部を連通路を
    介して連通させ、 中間伝動軸における上記連通路が連通する部分より下方
    に該中間伝動軸に連結される噴射ポンプ軸を配設すると
    ともに、 上記歯車装置を構成する歯車の回転にともなう該歯車そ
    のもののポンプ作用により、中間伝動軸の軸まわりに潤
    滑油を圧送することを特徴とする2サイクル燃料噴射機
    関。
JP61028976A 1986-02-14 1986-02-14 2サイクル燃料噴射機関 Expired - Lifetime JP2521043B2 (ja)

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