JP2520885B2 - ガラス製品成形機のバツフル支持装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ガラス製品成形機の金型を閉じるのに用い
られるバツフルの支持装置に関する。

いわゆる個別組立型成形機は、ガラス容器の製造に使
用される在来の装置である。このような個別組立型成形
機では、バツフルとして知られた金型閉鎖部材を、退去
位置と１つ又はそれ以上の操作位置との間を移動させる
必要が生じる。このバツフルは、操作位置では、成形機
の金型の金型キヤビテイの頂部の開口部と整合する。

図１及び図２は、個別組立型成形機の操作を示す。図
１は、いわゆる「ブロー・アンド・ブロー」工程を、ま
た図２はいわゆる「プレス・アンド・ブロー」工程を示
し、両工程は、基本的に同じ機械で、必要であれば部品
を改良して行うことができる。

ブロー・アンド・ブロー工程では、溶融ガラスＧの塊
を漏斗50を通してパリソン金型52のキャビティに入れる
（図１（ａ））。次いで、バッフル56を、退去位置から
金型52の頂部の漏斗50の頂部まで移動させ、この漏斗50
の頂部に位置決めする（図１（ｂ））。空気を、バッフ
ル56を通して金型52のキャビティの中に下向きに供給し
て、ガラスを金型52の中で下向きに押し、小さなプラン
ジャ54と接触させる。次いで、バッフル56を退去位置に
戻す。その結果、漏斗50の取り外すことができる。次い
で、バッフル56を退去位置から金型52のキャビティの頂
部まで移動させて、金型52のキャビティの上端を密封
し、プランジャ54を引込め、空気を金型52のキャビティ
に供給して、ガラスをパリソンＰの形に吹く（図１
（ｃ））。次いで、バッフル56を取外し、退去位置に戻
す。パリオン金型52を開き、パリソンＰを反転機構58で
吹込み金型60に移動し、金型60内でパリソンに空気を吹
込んで、容器の最終的な形状にする（図１（ｄ））。

プレス・アンド・ブロー工程では、溶融ガラスの塊Ｇ
を漏斗50を通してパリソン金型52のキャビティに入れる
（図２（ａ））。次いで、バッフル56を、その退去位置
から、金型キャビティの頂部の位置まで移動させ、金型
をバッフル56で閉じ（図２（ｂ））、プランジャ64を上
方にプレスして、ガラスをパリソンＰに成形する（図２
（ｃ））。次いで、バッフル56を退去位置に戻し、プラ
ンジャ64を引込める。次いで、パリソン金型52を開き、
パリソンＰを吹込み金型60に移し、金型60の中でパリソ
ンに空気を吹込んで容器の最終的な形状にする（図２
（ｄ））。

個別組立型成形機のバッフルを移動させるための在来
の移動装置を図３に示す。該装置は、ピストン・シリン
ダ組立体70からなり、ピストン・シリンダ組立体70は、
ピストンから両方向に突出する垂直に延びたピストンロ
ツド72を有する。ピストンロツド72の１方の端部分は、
バツフル56を支持する水平に延びたアーム74を支持す
る。ピストンロツド72の他方の端は、螺旋カムトラツク
78に係合するカム76を支持する。ピストン・シリンダ組
立体70を作動するとき、ピストンロツド72は垂直に移動
し、バツフル56を垂直に移動させるようになつている。
この運動が起こると、カムトラツクはピストンロツド72
をその長さ方向の軸線の回りに回転させ、それによつて
アーム74とバツフル56とを軸線の回りに揺動させる。か
くして、ピストンロツド72の垂直な軸線の回りに回転成
分を、又、垂直方向に直線成分を有する運動で、バツフ
ル56を移動させる。回転成分は、バツフル56を移動させ
て金型と整合させたり整合から外したりする。一方、直
線成分は、バツフル56を金型に近づけたり遠ざけたりす
る。

個別組立型式の代表的なガラス製品成形機では、バツ
フルは支持装置によつて支持され、この支持装置は、上
下方向におよび、垂直な軸線の回りに運動可能に取り付
けられた前記アームと、アームに取り付けられた支持体
と、支持体に取り付けられたバツフルホルダとからな
る。代表的には、２つ又はそれ以上のバツフルが、同じ
アームに取り付けられた支持体によつて支持されてい
る。ホルダは、支持体と一体に形成され、差込式取付部
によつてバツフルを支持する。支持体は、代表的には僅
かな限度までアームに対して上下に移動することがで
き、回動自在に取り付けたリンクの形のつりあい装置が
支持体に作用し、アームを操作位置に移動させるとき、
各支持体に加えられる力をつり合わせるのに役立つ。か
くして、アームに取付けたバツフルが隣接する金型に着
座するとき、ほぼ等しい圧力が、各バツフルとその関連
した金型との間に加えられる。かくして、バツフルは、
該バツフルを支持するアームに対して一定限度まで上下
に移動することができる。

バツフルに加えられた力は水平に延びたアームに沿つ
て伝えられるので、実際には、アームが垂直平面内で曲
る傾向がある。この曲りにより、ピストンロツドに固着
されたアームの端から異なる距離に取り付けられている
バツフルを、異なる両水平にかつまたは異なる量上下に
移動させる。これにより、バツフルを金型と接触する場
合に不均一に摩耗させ、かつ又金型に同様な摩耗を引き
起こす。特に、金型とバツフルはともに硬質金属被覆を
備えているので、この摩耗によつて高価な修理をしなけ
ればならなくなる。さらに、バツフルと金型との不整合
によつて、継目が成形したパリソンに形成される。これ
らの継目は、パリソンおよび仕上りガラス製品の弱点源
であり、製品を不良に導く。

本発明の目的は、アームの曲りによつて引き起こされ
る運動に順応するようにバツフルが移動できるようにし
た、バツフルの支持装置を提供することである。

本発明は、ガラス製品成形機の金型を閉じるのに用い
られる、バツフルの支持装置を提供し、上下に、およ
び、垂直な軸線の回りに運動可能に取り付けられたアー
ムと、アームに取り付けられた支持体と、支持体に取り
付けられたバツフルホルダとからなる支持装置におい
て、バツフルホルダが、弾性装置の作用に抗して支持体
に対して一定量上下運動可能に支持体に取り付けられ、
かつ又支持体に対して水平面内で一定量運動可能に取り
付けられていることを特徴とする。

この支持装置では、バツフルホルダが支持体に対して
移動することができ、その結果、アームに対する支持体
の上下の運動に加えて、バツフルホルダ、従つてバツフ
ルは、金型と整合する位置を探すために、上下方向およ
び水平方向の両方に浮動することができる。

好ましくは、バツフルホルダは、支持体の垂直な通路
にねじ込まれたねじの頭部によつて支持され、空気通路
が、アーム、支持体、およびねじを貫通してバツフルに
入る。かくして、ブロー・アンド・ブロー工程におい
て、ガラスを金型の中で下向きに押すための空気の供給
を具合良く行うことができる。

今、添付図面と関連して、本発明を例示する支持装置
を、以下に詳細に説明する。例示の支持装置は、例とし
て説明するために選ばれたものであり、本発明を限定す
るものとして選ばれたものではないことを理解すべきで
ある。

例示の支持装置は、個別組立型式のガラス製品成形機
の金型（図示せず）を閉じるのに用いられるバツフル10
のためのものである。例示の支持装置は、上下方向に移
動可能にかつ垂直な軸線を中心に移動可能に都合良く取
り付けられた従来構造のアーム12からなる。例示の支持
装置はまた、アーム12に取り付けられた２つの支持体14
（図面には１つだけが示してある）を有する。

各支持体14は、アーム12に嵌められたブツシユ16に、
長さ方向の軸線を垂直方向にして取り付けられた円筒状
ボデイ部分14aからなる。部分14aには、２つのピストン
リング18が嵌められ、これらリングはウツシユ16内で部
分14aを安定化させるのに役立つ。支持体14の上方部分1
4bがアームの上方に延び、そして垂直に延びたスロツト
14cを有し、このスロツト14cにつりあいアーム又はバー
20の端部が受け入れられる。部分14bにはつりあいアー
ム20の上方にねじが切つてあつて、キヤツプ22を受け入
れる。ばね24がキヤツプとつり合いバー20とに作用す
る。つりあいバー20は、従来構造のものであり、２つの
支持体14に係合する端部分を有し、つりあいバーが作用
して２つの支持体14に加えられた圧力をつりあわすよう
に中央部（図示せず）で枢着されている。支持体14は、
つりあいバー20によつて決定された一定限度まで、ブツ
シユ16を介してアーチ12に対して上下に摺動できる。支
持体14の部分14dがアーム12の下に延び、部分14dは部分
14aに比べ直径が小さく、従つて、支持体14は段部14eを
有する。スラストワツシヤ26が部分14dに受け入れら
れ、そして段部14eに当る。

例示の支持装置はまだバツフルホルダ28を有し、バツ
フル10をホルダ28の差込み取付部30で支持することがで
きる。バツフルホルダ28は、ホルダ28の上面28aとスラ
ストワツシヤ26の下面とに作用する１組のカツプ形ばね
32によつて作られた弾性装置の作用に抗して支持体14に
対して一定量上下運動可能に、支持体14に取り付けられ
ている。ホルダ28は、支持体14の中へ上方に延びる垂直
な通路14fにねじ込まれたねじ34の頭部で支持されてい
る。ねじ34の頭部は、ホルダ28の凹部28bと弛い嵌め合
いであるワツシヤ36に受け入れむれている。ホルダは、
ワツイシヤ36に載り、カツプ形ばね32によつてワツシヤ
36に押しつけられている。かくして、ホルダ28は、ワツ
シヤ36の凹部28bとの弛い嵌め合いによつて定められた
限度まで水平面内で支持体14に対して一定量運動可能に
取り付けられている。

バツフルに空気、即ちブロー・アンド・ブロー工程の
いわゆるセツトル吹込み空気を供給するために、空気
が、アーム12の室38まで従来の方法で供給される。空気
通路が、アーム12を貫通して支持体14に通じ、そして、
ばね34の眞中を貫通してバツフルに入る。空気通路は、
アーム12に形成された部分40aと、ブツシユ16および支
持体14に水平に延びて部分40aと連通する部分ｂと、凹
部14fと同軸で支持体14に垂直に延び、かつ、部分40bと
連通する垂直な部分40cと、ねじ34の中央部の眞中を貫
通し、かつ、部分40cと連通する垂直に延びた部分40dと
を有する。

【図面の簡単な説明】

図１は、「ブロー・アンド・ブロー」工程を示す概略図
である。 図２は、「プレス・アンド・ブロー」工程を示す概略図
である。 図３は、バッフルを移動させるための手段の概略図であ
る。 図４は、本発明の例示のバッフル支持装置を示す。 図５は、本発明の実施例に係るバッフルの斜視図であ
る。 10……バツフル、12……アーム、14……支持体、14f…
…支持体の垂直な通路、28……バツフルホルダ、32……
弾性装置、34……ねじ、40a,40b,40c,40d……空気通路

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−131527（ＪＰ，Ａ) 米国特許4453964（ＵＳ，Ａ)

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】上下におよび、垂直な軸線の回りに運動可
   能に取り付けられたアーム（12）と、アームに取り付け
   られた支持体（14）と、支持体に取り付けられたバツフ
   ルホルダ（28）とからなる、ガラス製品成形機の金型を
   閉じるのに用いられるバツフル（10）の支持装置におい
   て、バツフルホルダは、弾性装置（32）の作用に抗して
   支持体に対して一定量垂直方向に運動可能に支持体に取
   り付けられ、かつ、又支持体に対して水平面内で一定量
   運動可能に支持体に取り付けられていることを特徴とす
   る支持装置。
2. 【請求項２】バツフルホルダ（28）は、支持体（14）の
   垂直な通路にねじ込まれたねじ（34）の頭部によつて支
   持され、空気通路（40a,40b,40c,40d）が、アーム（1
   2）、支持体（14）、およびねじ（34）を貫通してバツ
   フル（10）に入ることを特徴とする特許請求の範囲第１
   項に記載の支持装置。