JP2520851B2 - 物品反転搬送装置 - Google Patents

物品反転搬送装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラスコップやステム
タンブラーなどのガラス製品とか、その他の各種容器と
か、容器入りの物品などを搬送する、生産ライン・包装
ライン・出荷ライン等において、製品を倒立状態で箱詰
めするとか、製品の底部にラベルを貼付するとか、容器
内部の異物を排除するとか、容器内部を洗浄する等の目
的のために、物品を自動的に且つ連続的に反転搬送する
物品反転搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】搬送ライン上を搬送される物品を連続的
に反転させる従来の装置としては、タイミングスクリュ
ーとガイドとを組み合わせたものとか、ツイストシュー
トを用いるものとか、相対する2つのハンドで物品を持
ち替えて反転させるもの等があった。
【0003】しかし、タイミングスクリューやツイスト
シュートを使用するものの場合には、物品同士にライン
プレッシャーがかかり、物品に傷が付いたり、詰まる等
のトラブルが起こり易かった。また、物品の形状や大き
さが変わった場合、その都度装置全体を取り替える必要
が有り、小ロット生産ではコスト高になる欠点があっ
た。2つのハンドで物品を持ち替えて反転させるもので
は、装置が複雑で高価になり、また高速動作させること
ができないなどの欠点があった。
【0004】上記のような装置の他に、特開平5−17
025号公報には、部品を90度反転して搬送するとき
の部品同士の当接による部品の飛び出しや部品の変形を
防止するために、反転搬送軌跡がサイクロイド曲線にな
るようにした部品供給装置が開示されている。この装置
は、装置本体上にレールに沿って摺動できる移動台を装
着し、この移動台をシリンダにより往復摺動させる。ま
た、装置本体上にラックを固定する一方、移動台にこの
ラックと噛み合うピニオンを軸支し、そのピニオン軸に
部品支持アームを固着したものである。
【0005】この部品供給装置では、コンベアで搬送さ
れてきた部品をシュータ上に落として滑動させ、このシ
ュータを通じて部品を部品支持アームの先端部に単に載
せてから、移動台をレールに沿って移動させる。そし
て、この移動によりピニオンを回転させて部品支持アー
ムを水平姿勢から90度旋回させて垂直姿勢にすること
により、水平状態の部品を、サイクロイド曲線を描く搬
送軌跡で反転搬送し垂直状態にする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これによると
次のような問題点がある。 装置本体側のラックと移動台側のピニオンとの噛み
合いによりサイクロイド曲線運動を得ているため、その
噛み合い部の磨耗や、組立時のギヤ間の隙間によるバッ
クラッシュにより、動きにガタが発生し易く、正確かつ
円滑な動作を行えない。 部品を部品支持アームの先端部に単に載せて反転さ
せるため、部品が脱落する恐れがあり、そのため、最大
90度までしか反転させることができない。もし、18
0度まで反転させるとすると、部品を部品支持アームの
先端部に吸着させるような手段(例えばバキューム)を
別に必要とする。 部品を部品支持アームの先端部に載せるために、コ
ンベアの他にシュータを必要とする。
【0007】本発明の目的は、サイクロイド曲線運動に
より物品を反転させるものではあるが、上記のような問
題点の無い、すなわち、物品を確実に保持して脱落する
ことなく最大180度まで反転させることができ、しか
も動作も確実かつスムーズな物品反転搬送装置を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による物品反転搬
送装置では、図1及び図2に例示するように、スライダ
駆動機構3によって搬送ライン1と平行に往復摺動され
るスライダ4を設け、このスライダ4上にプーリ7を回
転自在に軸支する。そして、このプーリ7の外周にワイ
ヤ11の一部を巻き付け、このワイヤ11の両端をプー
リ7以外の固定部9・10に固定してワイヤ11を搬送
ライン1と平行に張架し、スライダ4の摺動によってプ
ーリ7が自動的に回転される構成とする。また、プーリ
7にハンドチャック8を装着する。このハンドチャック
8の両ハンド部20・20はプーリ7の軸方向に開閉す
る構成とする。
【0009】複数の物品2を同時に反転させる場合に
は、ハンドチャック8の両ハンド部20・20を、図5
の例示のように、複数の物品2を並べて同時に把持でき
る長さとする。
【0010】搬送ライン1上を搬送される物品2をハン
ドチャック8の両ハンド部20・20の間に案内するた
め、搬送ライン1の上方に物品ガイド12を配置する。
【0011】図6の例示のように、搬送ライン1と直交
する方向に移動可能な移動ベース23と、この移動ベー
ス23を往復移動させるベース駆動機構とを備え、スラ
イダ4及びその駆動機構3をこの移動ベース23上に設
け、更にワイヤ11もこの移動ベース23上に張架する
と、スライダ4、プーリ7及びハンドチャック8を搬送
ライン1と平行な方向ばかりでなく、直交する方向にも
移動させることができる。
【0012】
【作用】図1及び図2に示すように、搬送ライン1上を
搬送されてきた物品2を、物品ガイド12によりハンド
チャック8の両ハンド部20・20の間に案内し、両ハ
ンド部20・20を閉じて物品2を把持した後、スライ
ダ4を前進させると、プーリ7がワイヤ11の巻き付け
位置を変えながら前方へ転動し、これと一体にハンドチ
ャック8が旋回しながら前方へ移動する。このような運
動により、両ハンド部20・20に把持された物品2
は、サイクロイド曲線の軌跡に沿って前方へ反転搬送さ
れる。ハンドチャック8が180度旋回したところで両
ハンド部20・20を開くと、物品2は倒立状態で解放
される。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。図
1及び図2は本発明の第1実施例の物品反転搬送装置を
示す。この物品反転搬送装置Aは、コンベア(搬送ライ
ン)1上を矢印方向(前方)にランダムに搬送される物
品(例えば、ガラスコップ)2を、その搬送経路の途中
で1個ずつ取り上げて前方へ搬送しながら180度反転
させ、再びコンベア1上に載せることにより倒立状態に
して整列するもので、次のような構成になっている。
【0014】すなわち、コンベア1と平行に設置された
1軸スライドロボット3と、この1軸スライドロボット
3によりコンベア1と平行に往復摺動されるスライダ4
と、このスライダ4上の軸受台5に回転軸6により回転
自在に軸支されたプーリ7と、回転軸6の先端部に装着
されたハンドチャック8と、両端を前後の固定ブラケッ
ト9・10に固着してコンベア1と平行に張架されたワ
イヤ11と、コンベア1の上方に固定配置された物品ガ
イド12と、この物品ガイド12の脇に配置されたセン
サ13とで構成されている。
【0015】1軸スライドロボット3は、図3及び図4
に示すように、前後の軸受台14・15間に、2本のガ
イドロッド16を平行に固定架設するとともに、その中
間においてスクリューシャフト17を回転自在に軸受台
14・15間に軸受け架設し、このスクリューシャフト
17をモータ18により正転又は逆転させることによ
り、スライダ4をガイドロッド16に沿って前進又は後
退させることができるようにしたものである。なお、ス
クリューシャフト17に代えてタイミングベルトを使用
してスライダ4を推進させるようにしてもよい。
【0016】プーリ7は回転軸6と一体に回転し、また
ハンドチャック8は、プーリ7が回転するとこれと一体
に旋回する。ワイヤ11は、プーリ7の外周に1回だけ
巻き付け、またプーリ7に対してスリップしないように
ボルト27によって一箇所をプーリ7に固定されてお
り、スライダ4が摺動するとプーリ7がスライダ4と一
体に移動しながら回転される。
【0017】ハンドチャック8は、回転軸6の先端に装
着されたエアーアクチュエータ19によって両ハンド部
20・20を、回転軸6の軸線方向に動かして開閉する
構造になっている。この例のハンド部20・20は、物
品2を1個だけ把持できる長さになっている。
【0018】物品ガイド12は、ハンド部20・20の
少し下方において2本のガイドアーム21・21を平行
かつ水平に配置し、両ガイドアーム21・21の前端間
にストッパ22を設けたもので、コンベア1により搬送
されてくる物品2を、両ガイドアーム21・21間の後
端から導入して両ハンド部20・20間に案内する。そ
の導入部、つまり両ガイドアーム21・21の後端部
は、それらの間隔を末広がりに広くするように、内側が
斜めにカットされている。
【0019】センサ13は、両ガイドアーム21・21
間に入ってストッパ22で停止された物品2を無接触で
検出する。
【0020】この物品反転搬送装置Aは次のように動作
する。物品2が両ガイドアーム21・21間に入ってス
トッパ22で停止され、センサ13により検出される
と、ハンドチャック8のエアーアクチュエ−タ19が作
動して両ハンド部20・20により1個の物品2が把持
される。この後、直ちに1軸スライドロボット3のモー
タ18が正転してスライダ4が前進される。この前進に
より、プーリ7が、図1において鎖線で示すように、ワ
イヤ11上を前方へ転動するように回転しながらスライ
ダ4と一体に移動するとともに、両ハンド部20・20
が旋回しながらプーリ7と一体に移動し、その運動軌跡
はサイクロイド曲線となる。よって、両ハンド部20・
20に把持された1個の物品2は、コンベア1から持ち
上げられ、サイクロイド曲線の軌跡に沿って前方へ搬送
されながら反転される。
【0021】スライダ4の前進は、両ハンド部20・2
0が180度旋回するところまで行われるので、物品2
は180度反転されて倒立状態となる。この状態まで前
進されると、両ハンド部20・20が開いて物品2がコ
ンベア1上に解放され、倒立状態となってコンベア1上
を前方へ搬送される。
【0022】両ハンド部20・20が開くと、スライダ
4が直ちに後退されるので、両ハンド部20・20は開
いたままサイクロイド曲線軌跡を逆戻りし、ストッパ2
2で停止された次の1個の物品2を把持して同じ動作を
繰り返す。従って、物品2は、コンベア1上をランダム
に搬送されてきても、この物品反転搬送装置Aにより取
り上げられることにより、180度反転されて倒立状態
でしかも一定の距離ずつ離して再びコンベア1上に置か
れることになる。
【0023】図5は本発明の第2実施例の物品反転搬送
装置を示す。この物品反転搬送装置Bは、ハンドチャッ
ク8の両ハンド部20・20の長さを、複数個(図では
3個)の物品2を並べて同時に把持できる長さとし、ま
たセンサ13の設置位置を、把持される物品2の最後の
1個を検出する位置とすることにより、物品2を複数個
ずつ同時に反転搬送できるようにしたもので、その他の
構成は第1実施例と同じである。
【0024】次に、図6は第3実施例の物品反転搬送装
置を示す。この物品反転搬送装置Cは、第1実施例の装
置を、コンベア1と直交する方向にも往復動できる構造
としたものである。
【0025】すなわち、1軸スライドロボット3及びワ
イヤ11を移動ベース23上に設け、この移動ベース2
3を、エアーシリンダ等の往復動アクチュエータ24に
よりガイドレール25・25に沿ってコンベア1と直交
する方向に往復摺動させるようになっている。また、コ
ンベア1は搬入用として、これとは別に、それより幅が
広くかつ搬送速度が遅い搬出用コンベア26を備えてい
る。
【0026】第3実施例の物品反転搬送装置Cは、コン
ベア1上を搬送されてきた物品2を、このコンベア1上
で第1実施例と同様に取り上げた後(この状態をXとす
る)、2つの動作を交互に行うようになっている。すな
わち、移動ベース23を実線で示す位置(コンベア1に
接近した位置)にしたまま、両ハンド部20で把持した
物品2を搬出用コンベア26側にそのまま真っ直ぐ反転
搬送して搬出用コンベア26上に置く第1の転載状態
(この状態をYとする)と、移動ベース23を後退(コ
ンベア1に対して遠ざける)させながら、反転搬送して
搬出用コンベア26上に置く第2の転載状態(この状態
をZとする)とを交互に繰り返す。
【0027】従って、物品2は、搬入用コンベア1上を
ランダムに搬送されてきても、搬出用コンベア26上に
転載されたときは、180度反転されて倒立状態になる
とともに、2列に交互に分けてしかも各列それぞれ一定
の距離ずつ離して整列されることになる。
【0028】なお、対象とする物品2の高さが変わる場
合は、プーリ7の中心の高さ(回転軸6の高さ)を変え
ればよく(物品の形状などにもよるが、通常は物品の高
さの1/2程度が好ましい)、また物品2の外径が変わ
る場合は、両ハンド部20・20の開閉位置を変更すれ
ばよい。上記の実施例では、物品2を180度反転させ
る例を示したが、スライダ4の行程距離を調整すれば、
反転角度を180度以内の任意の角度に選ぶことができ
る。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば次のような効果がある。 物品をハンドチャックで把持したまま、サイクロイ
ド曲線の軌跡に沿って反転させるので、物品を確実に保
持して脱落することなく最大180度まで反転させるこ
とができる。 スライダと、これに軸支したプーリと、このプーリ
に一部を巻き付けて両端をプーリ以外の固定部に固定し
たワイヤとによりサイクロイド曲線運動を得るので、ラ
ックとピニオンによるもののような問題点がなく、確実
かつスムーズに動作させることができる。 搬送ライン上をランダムに搬送されてきた物品で
も、反転させて倒立状態でしかも一定の距離ずつ離して
整列させることができる。 ハンドチャックの長さを変えることにより、物品を
任意の個数ずつ反転搬送できる。 搬送ラインと平行な方向に加えて直交する方向にも
移動する構造とすれば、ランダムに搬送されてきた物品
を、反転させて倒立状態にできるとともに、複数列に分
けしかも各列それぞれ一定の距離ずつ離して整列させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の物品反転搬送装置の側面
図である。
【図2】同上の平面図である。
【図3】同物品反転搬送装置の1軸スライドロボットの
平面図である。
【図4】同上の側面図である。
【図5】本発明の第2実施例の物品反転搬送装置の平面
図である。
【図6】本発明の第3実施例の物品反転搬送装置の平面
図である。
【符号の説明】
1 コンベア(搬送ライン) 2 物品 3 1軸スライドロボット 4 スライダ 6 回転軸 7 プーリ 8 ハンドチャック 9・10 固定ブラケット 11 ワイヤ 12 物品ガイド 13 センサ 20 ハンド部 23 移動ベース 24 往復動アクチュエータ 25 ガイドレール

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】搬送ラインと平行に摺動可能なスライダ
    と、このスライダを往復摺動させるスライダ駆動機構
    と、このスライダ上に回転自在に軸支されたプーリと、
    スライダの摺動によってプーリを回転させるためその外
    周に一部を巻き付け、また両端をプーリ以外の固定部に
    固定して搬送ラインと平行に張架されたワイヤと、上記
    プーリに装着されて両ハンド部がプーリの軸方向に開閉
    するハンドチャックとを備え、搬送ライン上を搬送され
    てきた物品をハンドチャックの両ハンド部で把持し、ス
    ライダの摺動とプーリの回転によりサイクロイド曲線を
    描きながら反転搬送することを特徴とする物品反転搬送
    装置。
  2. 【請求項2】前記ハンドチャックの両ハンド部を、複数
    の物品を並べて同時に把持できる長さにしたことを特徴
    とする請求項1に記載の物品反転搬送装置。
  3. 【請求項3】前記搬送ラインの上方に、この搬送ライン
    上を搬送される物品を前記ハンドチャックの両ハンド部
    の間に案内する物品ガイドを配置したことを特徴とする
    請求項1又は2に記載の物品反転搬送装置。
  4. 【請求項4】前記搬送ラインと直交する方向に移動可能
    な移動ベースと、この移動ベースを往復移動させるベー
    ス駆動機構とを備え、前記スライダ及びそのスライド機
    構をこの移動ベース上に設けるとともに、前記ワイヤも
    この移動ベース上に張架したことを特徴とする請求項1
    ないし3のいずれか記載の物品反転搬送装置。
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