JP2520827Y2 - 表面分析装置 - Google Patents

表面分析装置

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JP2520827Y2
JP2520827Y2 JP6385791U JP6385791U JP2520827Y2 JP 2520827 Y2 JP2520827 Y2 JP 2520827Y2 JP 6385791 U JP6385791 U JP 6385791U JP 6385791 U JP6385791 U JP 6385791U JP 2520827 Y2 JP2520827 Y2 JP 2520827Y2
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mass spectrometer
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quadrupole mass
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JP6385791U
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善郎 塩川
洋一 伊野
広司 高野
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アネルバ株式会社
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  • Electron Tubes For Measurement (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、固体試料にイオン等を
照射し、試料表面から放出される二次イオンを質量分析
することにより、試料表面の特定微少部分の元素濃度を
知ることを可能にした表面分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図2に従来例を示す。1はイオン銃、2
は試料、3は四極子型質量分析計である。装置によって
は高エネルギーの二次イオンによる悪影響を除くことを
目的として、静電偏向方式により低エネルギーの二次イ
オンのみを通過させるエネルギーフィルターが四極子型
質量分析計3の内部又は分析計3と試料2との間に設置
される場合もある。この従来の装置では、細く絞られた
イオンビーム10を偏向板4により試料上で走査させる
ことにより、試料拡大像を観察したり、その像中の特定
微小部の元素分析を行なったりしている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】しかしながらこの方法
では、ビームを細く絞るのに大きい困難のあること、分
析場所のみがエッチングされるため他の部分と深さ方向
に差が生じてしまうこと、イオン密度の不均一なビーム
周辺部からの信号により深さ方向精度が悪くなること
(クレーター効果)、中性粒子や散乱イオンによる特定
場所以外からの二次イオンも検出してしまって横方向分
析精度が悪くなること、広い面積のエッチングを行うた
めにはビーム走査を長時間続ける必要があり、エッチン
グレイトが低下してしまうこと、等の問題点があった。
更にイオンビームよりも細く絞ることができ、試料エッ
チングがなく、また、多くの各種信号を発生させること
の出来る電子ビームを併用することは表面分析装置とし
て大きな利点が期待出来るが、信号重畳の問題から、原
理的に両者を同時に使用することは出来ない。
【0004】また、磁場式セクター型質量分析計を使用
する類似の装置では、この質量分析計の特徴である位置
収束性(写像特性)を利用して、質量分離した後の二次
イオンを検出器上に結像させることにより、上記問題点
のいくつかを解消させた例もあるが、大型・高価となる
こと、質量掃引が遅いこと、焼出しが出来ず超高真空が
得られないこと等磁場式質量分析計に起因する先とは別
種の困難な問題がある。
【0005】
【考案の目的】本考案の目的はこれら従来の装置の問題
点を解消させて、安価でかつ高精度の元素分析の可能な
新規の表面分析装置の実現にある。
【0006】
【考案の構成】本考案は、太いイオンビーム、太い中性
粒子ビーム若しくは太いレーザービームを試料に照射し
て該試料から二次イオンを励起させるイオン源と四極子
型質量分析計で構成される表面分析装置において、イオ
ン源により励起されて二次イオンを放出する試料と該四
極子型質量分析計の間に静電レンズと偏向板とを具備す
る写像型エネルギーフィルターを設置し、前記静電レン
ズにより高いエネルギーを遮断した二次イオンを前記偏
向板により走査し、前記偏向板と四極子型質量分析計と
の間に設けられたアパチャー板上に実像として結像させ
ることによって、前記目的を達成したものである。
【0007】
【実施例】図1は本考案の実施例を示す。8は写像型エ
ネルギーフィルター、9は静電レンズ、4は偏向坂であ
る。静電レンズ9と偏向板4は写像型エネルギーフィル
ター8の構成部品であり、ともに静電方式のものであ
る。この静電レンズはエネルギーフィルター機能と写像
機能とを合わせ持つプリズム型のものである。
【0008】エネルギーフィルター機能とは、二次イオ
ンのうち高いエネルギーのものをカットし、102 eV
程度までの低いエネルギーの二次イオンのみを通過させ
ることである。すなわちエネルギーアナライザーと同原
理で大まかなエネルギー分離を行なう機能である。これ
は高いエネルギーの二次イオンは四極子型質量分析計で
は質量分離がうまく行なわれず、むしろノイズ源となっ
てしまい悪影響を与えてしまうからである。
【0009】写像機能とはイオン発生源の二次元方向分
布をくずさずに放射・結像させることである。すなわち
透過電子顕微鏡の電子レンズと同原理で結像させる機能
である。
【0010】プリズム型の静電レンズは、この両機能を
合わせもっている。特に静電方式の場合は、電磁気学の
原理から、同じエネルギーをもつイオンに関しては、質
量数にかかわらず同じ軌道を通ることが知られている。
したがって、エネルギーフィルター機能及び写像機能と
もイオンの質量に無関係に行なわなければならない(即
ち軽いイオンも重いイオンも全く同じ軌道で、同じ性質
を持たせる必要がある)本実施例の場合には、静電方式
の方が大きなメリットがある。
【0011】図3にプリズム型の静電レンズの詳細図を
示す。試料2には太いイオンビーム10が照射され試料
2から放出された二次イオン11は、静電レンズ9によ
り高エネルギーの二次イオンをカットしつつ、投影さ
れ、四極子型質量分析計3の前のアパーチャ板7上に実
像として結像される。この像は走査電源5からの走査電
圧が印加された偏向板4により像自身の大きさ範囲内に
て走査されている。この像のうち四極子型質量分析計3
に入った二次イオン11は、質量分離されて信号として
出力される。この出力信号により、走査電圧に同期して
陰極線管6の輝度変調を行えば、試料形状拡大像や特定
イオンの分布拡大像を表示することが出来る。また、電
圧走査を止めて一定直流電圧とすることにより、その像
中の任意の特定微小部の元素分析を行うことが出来る。
この拡大像の分解能すなわち分析微小部の大きさは、ア
パーチャー板7の穴径と、アパーチャ板7上の実像の大
きさとの比率により決められる。したがって、静電レン
ズ9にズーム機能を持たせ、実像の大きさを変更させる
ことが出来れば、分析微小部の大きさを任意に選ぶこと
が出来る。
【0012】上記の方法によれば、イオンビームは細く
絞る必要がない。また、分析場所以外の場所も一様にエ
ッチングされているため、試料上で深さ方向に差を生じ
ることがない。同様の理由からクレーター効果も発生せ
ず、深さ方向分析精度を上げることが出来る。また、特
定微小部の選択を実像面で直接的に行なっているので、
特定微小部以外から発生した二次イオンは検出されるこ
とがなく、横方向分析精度を上げることが出来る。更に
また太いイオンビームを使用するため、エッチングレイ
トを下げずに広い面積をエッチングすることが出来る。
更に、試料上での電子ビーム走査と、四極子型質量分析
計入口部での実像走査では、信号重畳の起りようがない
ため、電子ビームとイオンビームを同時に使用すること
が出来る。
【0013】電子ビームとイオンビームの同時使用につ
いて詳しく説明する。もし、従来例のように、細く絞ら
れたイオンビームを試料上で走査させることにより試料
拡大像を観察して微小分析部を特定したりするいわゆる
イオンのビーム走査方式では、通常のSEM像観察方式
である電子のビーム走査方式と同時に使用することが出
来ない。それは両方のビームによる試料から発生する信
号が重なってしまい、区別出来なくなってしまうからで
ある。それに対し、本実施例での実像走査では、イオン
ビームは太いビームでしかも一定電流で照射するため、
このイオンビームによる試料から発生する信号は一定値
でありオフセット調整により消すことが出来る。そのた
め、電子によるビーム走査方式での像観察とイオンによ
る実像走査方式での像観察は同時に使用することが出来
る。すなわち、電子ビームによる別種の情報も含む二次
電子像、オージェ電子像更にX線像等の各種信号を用い
るより鮮明な試料拡大像と、イオンビームによる二次イ
オン像の観察とを完全に同時に行うことが出来るため、
より微小部分の分析や複合分析を行うことが可能とな
る。
【0014】以上のようにして本考案の装置によれば、
従来の表面分析装置に存在した多くの問題点を一挙に解
消させることが出来る。そのため、四極子型質量分析計
のもつ多くの優れた特徴と相俟って、安価でかつ高精度
の元素分析を可能とする表面分析装置を実現することが
出来る。
【0015】本考案の実施例は、図1に限られない。例
えば、像観察機能の付与は、走査によらず光学的な直接
観察形式にすることも出来る。すなわち光学的な直接観
察の場合は、アパーチャー板7の前部に、中心に穴のあ
る蛍光板(またはマイクロチャンネルプレート+蛍光
剤)を取り付け、それを外部の覗き窓から直接観察した
り、TVモニターにて撮影することが出来る。
【0016】更にまた静電レンズとしては、プリズム型
のもののみでなく、エネルギーフィルター機能のみをも
つ偏向板と写像機能のみをもつ軸対称型レンズを組み合
せたものが使用できる。図4に詳細図を示す。更にまた
静電レンズは1組である必要はなく、2組以上の組み合
わせで使用することも出来る。
【0017】更に言えば、二次イオン励起源は、イオン
ビームに限られることはなく、例えば中性粒子ビームや
レーザービームでも支障はない。更に、ビーム照射以外
の方法、例えば試料表面で放電させたり、化学反応させ
たりして二次イオンを発生させる方法も採用可能であ
る。また試料表面から放出させた中性粒子を別の手段で
イオン化させて、最終的にこれを二次イオンとすること
も出来る。
【0018】尚本考案は、この種の装置の単体にのみ適
用されるものではなく、AES、ESCA等他の分析装
置との組み合わせ装置においても適用可能であることは
言うまでもない。更には、その写像機能を利用してイオ
ン顕微鏡として使用し、またエネルギーフィルターによ
るエネルギー分離機能を利用してISSやAESとして
も使用出来るようにして、複合分析機能をこれに持たせ
ることも出来るものである。
【0019】
【考案の効果】本考案の表面分析装置は以上の通りであ
って、二次イオン励起源と四極子型質量分析計で構成さ
れる表面分析装置において、この励起源により励起され
て、結果的に二次イオンを放出する試料と、四極子型質
量分析計との間に、像観察機能をもつ写像型エネルギー
フィルターを設置することを特徴とし、これによって、
試料上の充分な微小部分の分析を可能にし、分析精度を
高め、試料の不均一なエッチングを解消し、更に、電子
ビーム等による別種の情報の同時獲得や連携動作をも可
能にするものである。この表面分析装置が斯界に貢献す
るところは極めて大きく、工業上有為の考案ということ
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例の表面分析装置の構成図。
【図2】従来の表面分析装置の構成を示す図。
【図3】プリズム型の静電レンズの詳細図。
【図4】エネルギーフィルター機能のみをもつ偏向板と
写像機能のみをもつ軸対称型レンズを組み合わせた静電
レンズの詳細図。
【主要部分の符号の説明】
1 イオン銃 2 試料 3 四極子型質量分析計 4 偏向板 5 走査電源 6 陰極線管 7 アパーチャー板 8 像観察機能を持つ写像型エネルギーフィルター 9 静電レンズ 10 イオンビーム 11 二次イオン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−42195(JP,A) 特開 昭50−104983(JP,A)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】太いイオンビーム、太い中性粒子ビーム若
    しくは太いレーザービームを試料に照射して該試料から
    二次イオンを励起させるイオン源と四極子型質量分析計
    で構成される表面分析装置において、イオン源により励
    起されて二次イオンを放出する試料と該四極子型質量分
    析計の間に静電レンズと偏向板とを具備する写像型エネ
    ルギーフィルターを設置し、前記静電レンズにより高い
    エネルギーを遮断した二次イオンを前記偏向板により走
    査し、前記偏向板と四極子型質量分析計との間に設けら
    れたアパチャー板上に実像として結像させたことを特徴
    とする表面分析装置。
JP6385791U 1991-07-17 1991-07-17 表面分析装置 Expired - Lifetime JP2520827Y2 (ja)

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JP6385791U JP2520827Y2 (ja) 1991-07-17 1991-07-17 表面分析装置

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JPH0499350U JPH0499350U (ja) 1992-08-27
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