JP2520503B2 - 画像形成装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、粉体トナーを用いた画像形成装置に関す
る。

（従来の技術） ワードプロセッサ、ファクシミリ、コンピュータ等で
は、インクジェットプリンタによる画像形成方法が知ら
れている。

インクジェットプリンタは、いわゆるノンインパクト
プリンタの代表的なものであり、所定の液体インクに、
圧電素子等により超音波振動を与えながら圧力を加え
て、該液体インクを所定の電界内にインクノズルから噴
出させ、そのインク粒子を電界により制御して、記録紙
上に付着させることにより、記録画像が記録紙上に形成
される。このようなインクジェットプリンタ方式では、
画像を形成する際に騒音が発生せず、しかも鮮明な画像
を形成し得るという利点を有する。反面、記録紙へのイ
ンクの染み込み速度を制御するために、表面処理等がな
された特別な用紙を使用する必要があり、また、インク
はノズルから供給されるために、ノズルがインク内の異
物等によって詰まりやすいという問題がある。

このようなインクジェットプリンタの問題を解決する
ために、画像記録媒体として粉体トナーを用いた画像形
成装置が、例えば特開昭62−263962号公報に開示されて
いる。

この画像形成装置は、粉体トナー粒子を、ピンホール
状のトナー通過孔に、画像出力信号に応じて発生する静
電吸引力によって通過させるように制御するトナー制御
手段が設けられており、該トナー制御手段により、記録
紙上にトナー粒子を選択的に送給して、該記録紙上に所
定の記録画像を形成する。このような画像形成装置で
は、記録紙として表面処理等が施されていない普通紙が
使用でき、さらに、微粒子の粉体トナーが使用されるた
めに、各トナー通過孔でのトナーの詰まりが抑制され
る。

粉体トナーを制御するトナー制御手段は、多数のピン
ホール状のトナー通過孔が設けられた絶縁性基板と、各
トナー通過孔内に電界を形成するように、該絶縁性基板
を挟んで設けられた一対の電極とを有している。対をな
すそれぞれの電極は、各トナー通過孔とそれぞれ同様の
大きさのピンホール状の貫通孔が設けられており、絶縁
性基板のそれぞれの一面に、それぞれの貫通孔が各トナ
ー通過孔に整合された状態で取り付けられている。そし
て、両電極間に所定の電圧を印加してトナー通過孔内に
所定方向へ電界を形成することにより、トナー粒子がト
ナー通過孔内を通過される。トナー通過孔内にトナー粒
子を通過させないようにする場合には、トナー通過孔内
に、トナーを通過させる場合とは反対方向の電界が形成
されるように、各電極間に所定電圧が印加される。

また、トナー制御手段におけるトナー通過方向側であ
る記録紙配置側には、ベース電極が配設されており、該
ベース電極上に記録紙が配置される。そして、該ベース
電極と、トナー制御手段におけるトナー供給側の電極と
により電界が形成され、トナー通過孔を通過したトナー
が記録紙方向へ確実に移動される。

（発明が解決しようとする課題） このような画像形成装置では、トナー制御手段におけ
る一対の電極は、トナー通過孔にトナーを通過される場
合と、通過させない場合では、反対方向に電界を形成し
なければならない。このため、例えば、一方の電極の電
位を０ボルトとして、他方の電極に、トナー通過孔にト
ナーを通過させる場合および通過させない場合とでは、
異なる極性の電位を印加するようにしている。従って、
両電極間には、比較的大きな電位差が形成されているた
めに、画像濃度を高くするように、両電極間の電位差を
さらに高くすることは、各電極の制御回路の耐電圧性等
のために困難である。その結果、画像濃度を高くするた
めに、一方の電極に高電圧を印加してトナー通過方向の
電界強度を大きくすれば、画像非形成時において、トナ
ー通過孔内にトナーを通過させないためには該電極に印
加される電圧を小さくしなければならない。その結果、
画像非形成時にはトナー通過孔内のトナー通過を十分に
抑制できず、形成される画像にかぶりが生じるおそれが
ある。反対に、かぶりを防止するために高電圧を印加す
れば、トナー濃度を高くするために高電圧を印加できな
い。

また、ベース電極に印加される電圧を増加すると、ト
ナー通過孔を通過したトナーには、通過方向に大きな力
が作用するとともに、形成される電界の電気力線が集中
するために、トナー通過孔を通過したトナーが記録紙に
達する間に放射状に拡散することが抑制され、記録紙上
に小径のドットが形成される。その結果、ドットのエッ
ジが鮮明になって、シャープな画像が形成される。しか
しながら、ベース電極に印加される電圧を高くすると、
トナー通過孔にトナー通過方向に電界が形成され、通過
させる必要がないトナーがトナー通過孔内を通過して、
記録紙上に形成される画像にかぶりが生じるおそれがあ
る。

本発明は上記従来の問題を解決するものであり、その
目的は、形成される画像にかぶりが生じることを確実に
防止できる画像形成装置を提供することにある。本発明
の他の目的は、高濃度の画像をかぶりが生じることなく
形成できる画像形成装置を提供することにある。

（課題を解決するための手段） 本発明（請求項１）に係る画像形成装置は、 トナー通過孔が設けられた絶縁性基板、および各トナ
ー通過孔内に電界を形成するように該絶縁性基板を挟ん
でそれぞれ設けられており、各トナー通過孔に連通する
貫通孔が形成された一対の電極、を有するトナー制御手
段と、 画像情報に応じて、各トナー通過孔内に、少なくとも
トナーが通過する方向の電界を形成するように、前記ト
ナー制御手段の対をなす電極のうちの信号電極を所定電
位とする画像情報発生手段と、 該画像情報発生手段により発せられる画像情報の画像
形成時と画像非形成時のそれぞれにおいて、前記トナー
制御手段の一対の電極のうちの基準電極の電位を、この
電位と該信号電極の電位との電位差が大きくなるよう、
第１及び第２の電源電位の間で切り替える手段と、 を具備しており、そのことにより上記目的が達成され
る。

本発明（請求項２）に係る画像形成装置は、 トナー通過孔が設けられた絶縁性基板、および各トナ
ー通過孔内に電界を形成するように該絶縁性基板を挟ん
でそれぞれ設けられており、各トナー通過孔に連通する
貫通孔が形成された一対の電極、を有するトナー制御手
段と、 画像情報に応じて、各トナー通過孔内に、少なくとも
トナーが通過する方向の電界を形成するように、前記ト
ナー制御手段の対をなす電極間を所定位置とする画像情
報発生手段と、 前記トナー制御手段における各トナー通過孔のトナー
通過方向側に配設されており、該トナー制御手段におけ
るトナーが供給される側の電極とともにトナー通過方向
への電界を形成するように電圧が印加されるベース電極
と、 前記画像情報に応じて、画像形成時にはトナーが通過
する方向の電界が、画像非形成時にはトナーが通過する
方向と逆方向の電界が増大するよう、該ベース電極に印
加される電圧を変更する電圧変更手段と、 を具備しており、そのことにより上記目的が達成され
る。

本発明（請求項３）に係る画像形成装置は、 トナー通過孔が設けられた絶縁性基板、および各トナ
ー通過孔内に電界を形成するように該絶縁性基板を挟ん
でそれぞれ設けられており、各トナー通過孔に連通する
貫通孔が形成された一対の電極、を有するトナー制御手
段と、 該トナー制御手段に所定極性に帯電されたトナーを供
給するように配設されたトナー供給手段と、 画像情報に応じて、各トナー通過孔内に、少なくとも
トナーが通過する方向の電界を形成するように、前記ト
ナー制御手段の対をなす電極間を所定電位とする画像情
報発生手段と、 該画像情報発生手段により発せられる画像情報に基づ
いて、画像形成時には該トナー供給手段に、これからト
ナーが離脱するよう電圧を印加し、画像非形成時には該
トナー供給手段に、これにトナーが吸着されるよう電圧
を印加するトナー供給電圧印加手段と、 を具備しており、そのことにより上記目的が達成され
る。

（作用） この発明（請求項１）においては、画像情報発生手段
により発せられる画像情報の画像形成時と画像非形成時
のそれぞれにおいて、トナー制御手段の一対の電極のう
ちの基準電極の電位を、この電位と該信号電極の電位と
の電位差が大きくなるよう、第１及び第２の電源電位の
間で切り替えるようにしているので、各電極の制御回路
における耐電圧を高めることなく、トナー放出を誘発す
る電界と、トナー放出を阻止する電界とをともに大きな
レベルにすることができ、これにより高濃度の画像を、
画像のかぶりを発生させることなく形成することができ
る。

この発明（請求項２）においては、画像情報に応じ
て、画像形成時にはトナーが通過する方向の電界が、画
像非形成時にはトナーが通過する方向と逆方向の電界が
増大するよう、該ベース電極に印加される電圧を変更す
るようにしているので、画像形成時には、トナー通過孔
を通過したトナーの拡散を抑制してシャープな画像を形
成でき、画像非形成時には、トナー通過孔内のトナー通
過を十分抑制して画像のかぶりを防止できる。

この発明（請求項３）においては、画像形成時にはト
ナー供給手段に、これからトナーが離脱するよう電圧を
印加し、画像非形成時には該トナー供給手段に、これに
トナーが吸着されるよう電圧を印加するようにしたの
で、画像形成時のトナー供給、及び画像非形成時のトナ
ー供給防止を確実なものとできる。

（実施例） 以下に、本発明を実施例について説明する。

本発明の画像形成装置は、第１図に示すように、粉体
トナーが収容されたトナー収容容器10を有する。トナー
収容容器10の上方には、トナーホッパー等のトナー貯留
部に連通しており、該トナー収容容器10にトナーが順次
補給される。該トナー収容容器10におけるトナーが収容
される空間の下部には、開口部11が設けられており、該
開口部11内には、トナー供給手段としてのトナー供給ロ
ーラ20の上部が嵌合されている。トナー収容容器10内に
収容されるトナーは、トナー供給ローラー20の回転によ
り順次下方へ供給される。

トナー供給ローラ20の下方には、トナー制御手段30が
該トナー供給ローラ20に近接した状態で設けられてい
る。トナー制御手段30には、画像情報発生手段50より画
像信号が与えられる。画像情報発生手段50は、ワードプ
ロセッサ、ファクシミリ、コンピュータ等の機器本体か
らの信号に応じて動作して、画像情報に応じた画像形成
信号および画像非形成信号を発生する。この信号に基づ
いて、トナー供給ローラ20から供給される粉体トナー
が、該トナー制御手段30により制御され、記録紙70上に
所定のトナー画像が形成される。トナー制御手段30は、
トナー供給ローラー20に圧接されていてもよい。

トナー制御手段30には、超音波振動を付与する超音波
振動発生手段40が設けられており、また、トナー制御手
段30の下方には、トナー制御手段30に対向させてベース
電極60が設けられている。

ベース電極60上にはトナー像が形成される記録紙70が
載置される。ベース電極60は、載置される記録紙ととも
に矢印Ａ方向に移動するようにしてもよく、あるいは、
ベース電極60を固定して、記録紙搬送手段により記録紙
70のみを移動させるようにしてもよい。トナー制御手段
30により、所定のトナー像が記録紙70上に形成される
と、該記録紙70は、所定の定着装置（図示せず）に搬送
され、該定着装置によりトナー像が記録紙70に定着され
る。

トナー制御手段30は、第２図に示すように、水平状の
絶縁性基板31を有する。該絶縁性基板31には、上下方向
に貫通する多数のピンホール状のトナー通過孔31aが設
けられている。また、該絶縁性基板31上には、超音波振
動発生手段40が配設されており、該超音波振動発生手段
40により絶縁性基板31に超音波振動が付与される。

該絶縁性基板31の上面には、ピンホール状の各トナー
通過孔31aに対応して、共通電極35が設けられている。
共通電極35には、各トナー通過孔31aと同様の直径の上
下方向に貫通するピンホール状の多数の貫通孔35aがそ
れぞれ設けられており、絶縁性基板31のトナー通過孔31
aに、各貫通孔35aが整合した連通状態とされて、それぞ
れの共通電極35が絶縁性基板31に取り付けられている。
また、絶縁性基板31の下側には、各トナー通過孔31aに
対応させて、信号電極33がそれぞれ設けられている。各
信号電極33も、絶縁性基板31の各貫通孔31aと同様の直
径の貫通孔33aが設けられており、各貫通孔33aが、絶縁
性基板31の各トナー通過孔31aに整合した連通状態にな
るように、それぞれの信号電極33が絶縁性基板31に取り
付けられている。

絶縁性基板31上の共通電極35は、切換スイッチ80の共
通端子80aに接続されている。該切換スイッチ80の切換
側の一方の端子80bは、例えば−100Vの電位が印加され
る電源81に接続されており、切換側の他方の端子80c
は、接地されている。該切換スイッチ80は、画像情報発
生手段50の信号に基づいて切り換えられるようになって
いる。

また、該絶縁性基板31に設けられた各信号電極33に
は、画像情報発生手段50が接続されており、該画像情報
発生手段50から各信号電極33に電気信号が入力されてい
る。各信号電極33には、画像情報に応じて所定の正電位
および負電位がそれぞれ与えられ、例えば、画像を形成
すべき情報の場合には、＋100V、画像を形成する必要の
ない画像非形成情報の場合には、−100Vの電圧が印加さ
れるように制御される。切換スイッチ80も、画像情報発
生手段50の画像信号に基づいて切り換えられるようにな
っており、画像を形成すべき情報の場合には、該切換ス
イッチ80の共通端子80aが電源81に接続された切換側の
端子80bに接続され、共通電極35には−100Vの電圧が印
加される。反対に画像情報発生手段50からの画像信号が
画像非形成情報の場合には、該切換スイッチ80は共通端
子80aが接地された切換側の端子80cに接続され、共通電
極35は0Vとされる。

トナー制御手段30におけるトナー通過孔31aを通過し
たトナーは、該トナー制御手段30におけるトナー供給側
の共通電極35と、該トナー制御手段30のトナー通過側に
設けられたベース電極60とにより形成される電界によ
り、該ベース電極60上に配置される記録紙70上に供給さ
れる。

このような構成の画像形成装置によるトナー像の形成
プロセスについて説明する。

トナー供給ローラ20が回転すると、トナー収容容器10
内のトナーがトナー制御手段30の共通電極35上に供給さ
れる。共通電極35は、絶縁性基板31上に設けられた超音
波振動発生手段40により、該絶縁性基板31を介して一定
振幅の超音波振動が付与されているため、共通電極35上
のトナー塊は、適宜、破砕され、該共通電極35の貫通孔
35aから絶縁性基板31のトナー通過孔31a内へ落入する。

絶縁性基板34のトナー通過孔31a内に落入したトナー
粒子は、信号電極33に与えられる画像信号に応じて制御
され、記録紙70上に落下するか、共通電極35上に戻され
る。

例えば、画像情報発生手段50により画像形成信号が発
せられると、信号電極33に正電位が印加されるととも
に、共通電極35には切換スイッチ80により−100Vの電圧
が印加される。このため、トナー通過孔31a内には、信
号電極33から共通電極35に向かう電界が発生する。この
電界により、予め負に帯電されているトナー粒子は、信
号電極33に引き寄せられ、信号電極33を通過してベース
電極60上の記録紙70上に落下する。該ベース電極60に
は、共通電極35に対して正のバイアス電圧が印加されて
いるため、トナー通過孔31aからトナー粒子が落下する
ことが促進される。ベース電極60に印加されるバイアス
電圧は、信号電極33に与えられる電気信号よりも十分に
大きくなっており、負帯電のトナーの場合には、300〜1
000Vの範囲とされる。該バイアス電圧が、300Vより小さ
いと、トナーの落下位置にバラツキが生じ、記録紙70上
に形成される画像が乱れるおそれがある。反対に、バイ
アス電圧が1000Vより大きいと、放電が生じるおそれが
ある。

画像情報発生手段50により画像非形成信号が与えられ
ると、信号電極33に負の電圧が印加されるとともに、共
通電極35には、切換スイッチ80により設置されて0Vにな
る。これにより、トナー通過孔31a内には、負帯電のト
ナーが供給されない。従って、画像情報発生手段50から
画像非形成信号が発せられると、トナー通過孔31a内を
トナーが通過するおそれがなく、記録紙70には、かぶり
が発生するおそれがない。

第３図に示す本発明の画像形成装置は、また、ベース
電極60に印加されるバイアス電圧を変更する電圧変更手
段61を介してバイアス電圧が印加されている。共通電極
35は、接地された状態になっている。この電圧変更手段
61は、画像情報発生手段50の画像信号に応じて、バイア
ス電圧に印加される電圧を切り換える。画像情報発生手
段50が画像形成信号を発して、信号電極33に＋100Vの電
圧が印加される場合には、該電圧変更手段61は、接地さ
れた共通電極35に対して、正の所定電圧をベース電極60
に印加するようになっており、反対に、画像情報発生信
号から非画像情報信号が発せられて、信号電圧33に−10
0Vの電圧が印加されると、電圧変更手段61は、ベース電
極60に電圧を印加しないように、あるいは、上述の画像
形成時におけるベース電極60に印加される電圧よりも著
しく低い電圧が印加されるようになっている。また、該
電圧変更手段61は、画像非形成時には、画像形成時にベ
ース電極60に印加される電圧の極性とは逆極性の電圧を
印加するようにしてもよい。

従って、画像形成時には、トナー通過孔31aを通過し
たトナーは、電圧変更手段61によって共通電極35に対し
て高いバイアス電圧が印加されたベース電極60により負
帯電のトナーが吸引される。このため、トナー通過孔31
aを通過したトナーは、放射状に拡散することなく小径
に集中した状態で、記録紙70上に付着し、形成される画
像の画質が向上する。これに対して、画像非形成時に
は、電圧変更手段61によってベース電極60は、接地され
た共通電極35とは低電位差となった状態で、あるいはト
ナー、該共通電極35とともにトナーを上方へ移動させる
電界を形成した状態になっているために、トナーは、ベ
ース電極60側に落下することが抑制され、形成される画
像にかぶりが生じることが防止される。

第４図に本発明の画像形成装置のさらに他の実施例を
示す。この画像形成装置では、トナー供給ローラが導電
性となるように、金属にて構成されている。そして、該
トナー供給ローラ21と共通電極35との間には、トナー供
給電圧印加手段90が介装されている。該トナー供給電圧
印加手段90は、導電性のトナー供給ローラ21に共通端子
91aが接続された切換スイッチ91を有している。該切換
スイッチ91における切換側の一方の端子91bは接地され
ており、また他方の切換側の端子91cは、正電極側が接
地された電源92に接続されている。従って、該電源92
は、負電圧を供給する。

切換スイッチ91は、画像情報発生手段50から発せられ
る画像情報に基づいて制御される。

画像情報発生手段50から画像を形成すべき情報が発せ
られる場合には、切換スイッチ91は、電源92に接続され
た切換側の端子91cに共通端子91aが接続された状態にな
り、トナー供給ローラ21には、負電圧が印加される。従
って、負電位に帯電されたトナーは、負電圧が印加され
る該トナー供給ローラ21に反発して、トナー通過孔31a
に確実に供給される。トナー通過孔31aには、画像情報
発生手段50から発せられる画像情報に基づいて、共通電
極35および信号電極33により、信号電極33から共通電極
35に向かう電界が形成されており、トナー供給ローラ21
から供給されるトナーは、該トナー通過孔31a内を通過
する。そして、トナー通過孔31aを通過したトナーが、
電圧が印加されたベース電極60により形成された電界に
より、記録紙70上に落下する。

他方、画像情報発生手段50から画像を形成する必要が
ない画像非形成信号が発せられると、切換スイッチ91
は、接地された切換側の端子91bが共通端子91aに接続さ
れた状態になり、トナー供給ローラ21の電位は0Vにな
る。これにより、負電位に帯電されたトナーは、接地さ
れた状態の該トナー供給ローラ21に吸着され、該トナー
供給ローラ21から離脱するおそれがない、その結果、ト
ナーは、トナー通過孔31aを通過するおそれがなく、記
録紙70にかぶりが発生するおそれがない。

なお、本発明は上記した実施例のように、超音波振動
発生手段を有する場合に限らず、該超音波振動発生手段
を有していないものであってもよい。また、上記各実施
例では、トナーが主として負電位に帯電しれいる場合に
ついて説明したが、トナーが主として正電位に帯電して
いる場合には、各電極等を上記実施例とは逆極性に設定
すればよい。

（発明の効果） この発明（請求項１）に係る画像形成装置によれば、
画像情報発生手段により発せられる画像情報の画像形成
時と画像非形成時のそれぞれにおいて、トナー制御手段
の一対の電極のうちの基準電極の電位を、この電位と該
信号電極の電位との電位差が大きくなるよう、第１及び
第２の電源電位の間で切り替えるようにしているので、
各電極の制御回路における耐電圧を高めることなく、ト
ナー放出を誘発する電界と、トナー放出を阻止する電界
とをともに大きなレベルにすることができ、これにより
高濃度の画像を、画像のかぶりを発生させることなく形
成することができる。

この発明（請求項２）に係る画像形成装置によれば、
画像情報に応じて、画像形成時にはトナーが通過する方
向の電界が、画像非形成時にはトナーが通過する方向と
逆方向の電界が増大するよう、ベース電極に印加される
電圧を変更するようにしているので、画像形成時には、
トナー通過孔を通過したトナーの拡散を抑制してシャー
プな画像を形成でき、画像非形成時には、トナー通過孔
内のトナー通過を十分抑制して、記録紙上に形成される
画像のかぶりを確実に防止でき、これにより画像の画質
を著しく向上できる効果がある。

この発明（請求項３）に係る画像形成装置によれば、
画像形成時にはトナー供給手段に、これからトナーが離
脱するよう電圧を印加し、画像非形成時には該トナー供
給手段に、これにトナーが吸着されるよう電圧を印加す
るようにしたので、画像形成時には所定極性に帯電され
たトナーをトナー供給手段から確実に供給できるととも
に、画像非形成時には、トナー供給手段からのトナーの
供給を確実に防止できる。この結果、鮮明な画像形成
と、画像のかぶり発生の防止とを実現できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の画像形成装置一例を示す構成図、第２
図はその要部の構成図、第３図は本発明の画像形成装置
の他の実施例の要部の構成図、第４図は本発明の画像形
成装置のさらに他の実施例の構成図である。 10……トナー収容容器、20……トナー供給ローラ、22…
…電圧印加手段、30……トナー制御手段、31……絶縁性
基板、31a……トナー通過孔、33……信号電極、35……
共通電極、61……電圧変更手段、80……切換スイッチ、
81……電源、90……トナー供給電圧印加手段、91……切
換スイッチ、92……電源。

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】トナー通過孔が設けられた絶縁性基板、お
   よび各トナー通過孔内に電界を形成するように該絶縁性
   基板を挟んでそれぞれ設けられており、各トナー通過孔
   に連通する貫通孔が形成された一対の電極、を有するト
   ナー制御手段と、 画像情報に応じて、各トナー通過孔内に、少なくともト
   ナーが通過する方向の電界を形成するように、前記トナ
   ー制御手段の対をなす電極のうちの信号電極を所定電位
   とする画像情報発生手段と、 該画像情報発生手段により発せられる画像情報の画像形
   成時と画像非形成時のそれぞれにおいて、前記トナー制
   御手段の一対の電極のうちの基準電極の電位を、この電
   位と該信号電極の電位との電位差が大きくなるよう、第
   １及び第２の電源電位の間で切り替える手段と、 を具備する画像形成装置。
2. 【請求項２】トナー通過孔が設けられた絶縁性基板、お
   よび各トナー通過孔内に電界を形成するように該絶縁性
   基板を挟んでそれぞれ設けられており、各トナー通過孔
   に連通する貫通孔が形成された一対の電極、を有するト
   ナー制御手段と、 画像情報に応じて、各トナー通過孔内に、少なくともト
   ナーが通過する方向の電界を形成するように、前記トナ
   ー制御手段の対をなす電極間を所定電位とする画像情報
   発生手段と、 前記トナー制御手段における各トナー通過孔のトナー通
   過方向側に配設されており、該トナー制御手段における
   トナーが供給される側の電極とともにトナー通過方向へ
   の電界を形成するように電圧が印加されるベース電極
   と、 前記画像情報に応じて、画像形成時にはトナーが通過す
   る方向の電界が、画像非形成時にはトナーが通過する方
   向と逆方向の電界が増大するよう、該ベース電極に印加
   される電圧を変更する電圧変更手段と、 を具備する画像形成装置。
3. 【請求項３】トナー通過孔が設けられた絶縁性基板、お
   よび各トナー通過孔内に電界を形成するように該絶縁性
   基板を挟んでそれぞれ設けられており、各トナー通過孔
   に連通する貫通孔が形成された一対の電極、を有するト
   ナー制御手段と、 該トナー制御手段に所定極性に帯電されたトナーを供給
   するように配設されたトナー供給手段と、 画像情報に応じて、各トナー通過孔内に、少なくともト
   ナーが通過する方向の電界を形成するように、前記トナ
   ー制御手段の対をなす電極間を所定電位とする画像情報
   発生手段と、 該画像情報発生手段により発せられる画像情報に基づい
   て、画像形成時には該トナー供給手段に、これからトナ
   ーが離脱するよう電圧を印加し、画像非形成時には該ト
   ナー供給手段に、これにトナーが吸着されるよう電圧を
   印加するトナー供給電圧印加手段と、 を具備する画像形成装置。