JP2520471Y2 - 自動変速機を備えた車輌の原動機出力制御装置 - Google Patents

自動変速機を備えた車輌の原動機出力制御装置

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JP2520471Y2
JP2520471Y2 JP1989106577U JP10657789U JP2520471Y2 JP 2520471 Y2 JP2520471 Y2 JP 2520471Y2 JP 1989106577 U JP1989106577 U JP 1989106577U JP 10657789 U JP10657789 U JP 10657789U JP 2520471 Y2 JP2520471 Y2 JP 2520471Y2
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隆文 酒井
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昇 近藤
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Description

【考案の詳細な説明】 [考案の目的] 〈産業上の利用分野〉 本考案は、自動変速機を備えた自動車等の車輌の原動
機出力制御装置に係り、特に変速ショックの低減のため
に変速時に原動機の出力を一時的に低減するリタード制
御を行う原動機出力制御装置に係る。
〈従来の技術〉 自動変速機を備えた自動車等の車輌に於ては、車速と
内燃機関の如き原動機の負荷とから決定される運転条件
に応じて変速段の切換えが自動的に行われるようになっ
ている。一般に、自動変速機に於ける変速段の切換えは
油圧クラッチの如き複数個の摩擦係合装置が選択的に係
合することにより行われるようになっており、このため
摩擦係合装置の係合が適切に行われないと、変速時に大
きいトルク変動が生じて変速ショックが発生し、また原
動機の出力回転数が高騰する、所謂吹き上がり現象が生
じるようになる。
上述の如き不具合の解消のために、摩擦係合装置に油
圧を供給する油圧制御装置の改良が従来より種々なされ
ており、またこれとは別に自動変速機に与える動力、即
ち原動機の出力を変速時に一時的に低減するリタード制
御を行う原動機出力制御装置が既に提案されており、こ
れは例えば特開昭55-69738号、特開平1-178736号の各公
報に示されている。
上述の如き原動機出力制御装置に於ては、変速時に於
て原動機の出力が低減されることにより大きいトルク変
動及び吹き上がり現象が生じ難くなり、また変速のため
に係合しようとしている摩擦係合装置の回転速度同期仕
事量が低減し、摩擦係合装置の耐久性が向上するように
なる。
〈考案が解決しようとする課題〉 変速時に原動機を出力を一時的に低減するリタード制
御に於ては、リタード制御、即ち原動機の出力を低減す
る期間を如何に定めるかが重要な課題になり、このリタ
ード制御期間が適切に定められないと、リタード制御本
来の効果が得られなくなるか或いは車輌の加速応答性が
悪化し、更には却って変速ショックが増大し、また原動
機の吹き上がり現象が顕著なものになる虞れがある。
従来一般に、リタード制御期間は、タイマ制御、或い
は自動変速機の入力側と出力側との回転比が所定値より
所定量以上偏倚しているか否か、換言すれば摩擦係合装
置の駆動メンバと従動メンバとに所定値以上の相対回転
変位があるか否かによって定められている。しかし、こ
れではリタード制御期間を充分に適切に設定することが
難しく、タイマ制御に於ては、長期間の使用による摩擦
係合装置の磨耗等によって摩擦係合装置の係合特性が経
時的に変化した場合に対応しきれず、またいずれの場合
に於ても、摩擦係合装置に供給する油圧が何らかの原因
により適正値より低下した状態が生じたり、またクラッ
チクリアランスが異常増大したことによって摩擦係合装
置の最大伝達トルク容量が低下している場合に於て、パ
ワーオンダウンシフト、所謂キックダウンが行われる
と、原動機の出力回転数が高騰する吹き上がり現象が生
じるようになる。これは車輌のドライバビリティを悪化
するばかりでなく、自動変速機の耐久性、原動機の燃料
経済性を悪化することになる。
本考案は、上述の如き不具合に鑑み、加速性能を悪化
することなく原動機の吹き上がり現象の発生を確実に回
避するリタード制御を行う改良された原動機出力制御装
置を提供することを目的としている。
[考案の構成] 〈課題を解決するための手段〉 上述の如き目的は、本考案によれば、第1図に示され
ている如く、自動変速機の入力側と出力側との回転比を
検出するための回転比検出手段Aと、該回転比検出手段
にて検出された回転比と所定値(非変速時の1.0)との
比較により、前記回転比が前記所定値より第1の所定量
(不感帯値±ΔA)以上偏倚しているか否かを判別する
ための第1の判別手段Bと、該第1の判別手段の判別結
果に基づいて規定される期間だけ原動機の出力を低減さ
せる原動機出力低減制御手段Cとを備えた自動変速機を
有する車輌の原動機出力制御装置に於て、前記自動変速
機の入力回転速度が出力回転速度に比して増大する方向
に前記第1の所定量より大きな第2の所定量以上偏倚し
たか否かを判別する第2の判別手段Dと、該第2の判別
手段にて入力回転速度が出力回転速度に比して増大する
方向に前記第2の所定量以上偏倚したと判別された時に
は前記原動機出力低減制御手段による原動機出力の低減
制御を続行させるための続行制御手段Eとを有すること
を特徴とする自動変速機を備えた車輌の原動機出力制御
装置を提供することによって達成される。
〈作用〉 上述の如き構成によれば、入力回転速度が出力回転速
度に比して所定量以上増大したか否かが監視され、入力
回転速度が出力回転速度に比して所定量以上増大した時
には、即ち原動機の吹き上がりが生じようとする時には
原動機出力の低減制御が、即ちリタード制御が続行さ
れ、これにより摩擦係合装置の経時的変化や油圧低下等
によって摩擦係合装置の伝達トルク容量が初期設定値よ
り低下していても原動機の吹き上がり現象が生じること
が回避される。
〈実施例〉 以下に添付の図を参照して本考案を実施例について詳
細に説明する。
第2図は本考案による原動機出力制御装置を備えた原
動機の制御装置及び自動変速機の制御装置とを示してい
る。第2図に於て、1は原動機としての内燃機関を示し
ており、内燃機関1は、絞り調速式の内燃機関であり、
吸気通路3に設けられたアクセルペダル連動のスロット
ル弁5により吸入空気量を制御され、図示されていない
燃料インジェクタよりガソリンの如き燃料を供給され、
この燃料と吸入空気との混合気の燃焼により出力軸7に
回転力を発生するようになっている。
出力軸7には自動変速機9が接続されている。自動変
速機9は流体式トルクコンバータ11と変速歯車装置19と
を有している。
流体式トルクコンバータ11は、ポンプインペラ13とタ
ービンランナ15とステータ17とを有する一般的構造の流
体式トルクコンバータであり、入力部材であるポンプイ
ンペラ13を内燃機関1の出力軸7に駆動連結され、出力
部材であるタービンランナ15を変速歯車装置19の入力軸
21に駆動連結されている。
変速歯車装置19は、常時噛合い式のものであり、入力
軸21と出力軸23とを互いに平行に有している。入力軸21
には、第1速用駆動歯車25と第2速用駆動歯車27と第3
速用駆動歯車29と第4速用駆動歯車31とが各々回転可能
に取付けられている。出力軸23には、ワンウェイクラッ
チ33を介して第1速用従動歯車35が取付けられていると
共に第2速用従動歯車37と第3速用従動歯車39と第4速
用従動歯車41とが各々固定連結状態にて取付けられてい
る。
ワンウェイクラッチ33は、出力軸23の回転数が第1速
用従動歯車35の回転数を上回わらない限り第1速用従動
歯車35と出力軸23とを互いに動力伝達関係に連結し、出
力軸23が第1速用従動歯車35の回転数を超えて回転する
ことを自由に許すように構成されている。
尚、入力軸21と出力軸23との間には後進用の歯車列が
設けられるが、図示の実施例に於ては、簡略化のために
これは省略されている。
入力軸21と第1速用駆動歯車25との間には第1速用油
圧クラッチC1が、入力軸21と第2速用駆動歯車27との間
には第2速用油圧クラッチC2が、入力軸21と第3速用駆
動歯車29との間には第3速用油圧クラッチC3が、入力軸
21と第4速用駆動歯車31との間には第4速用油圧クラッ
チC4が各々設けられている。
これら油圧クラッチは、各々油圧作動式の多板クラッ
チとして構成され、油圧を供給されることによりその油
圧に応じた係合圧をもって係合し、第1速用油圧クラッ
チC1は第1速用駆動歯車25と入力軸21とを動力伝達関係
に接続し、第2速用油圧クラッチC2は第2速用駆動歯車
27と入力軸21とを動力伝達関係に接続し、第3速用油圧
クラッチC3は第3速用駆動歯車29と入力軸21とを動力伝
達関係に接続し、第4速用油圧クラッチC4は第4速用駆
動歯車31と入力軸21とを動力伝達関係に接続するように
なっている。
従って、上述の如き構成よりなる歯車変速装置19に於
ては、第1速用油圧クラッチC1が係合すると、第1速用
駆動歯車25と第1速用従動歯車35とにより第1速段が達
成され、第2速用油圧クラッチC2が係合すると、第2速
用駆動歯車27と第2速用従動歯車37とにより第2速段が
達成され、第3速用油圧クラッチC3が係合すると、第3
速用駆動歯車29と第3速用従動歯車39とにより第3速段
が達成され、第4速用油圧クラッチC4が係合すると、第
4速用駆動歯車31と第4速用従動歯車41とにより第4速
段が達成される。
内燃機関1の燃料噴射制御と点火時期制御と定速走行
制御或いはリタード制御等のためのスロットル開度制御
とは機関制御ユニット50により行われるようになってお
り、また自動変速機9の油圧クラッチC1〜C4に対する油
圧の給排は一般的構造の電磁作動式の油圧制御装置43に
より行われるようになっており、この油圧制御装置43の
電磁制御は変速制御ユニット100により行われるように
なっている。
第3図は機関制御ユニット50の詳細及びこれを含む機
関制御系を示している。機関制御ユニット50は、マイク
ロコンピュータ62とレベル変換回路64と、波形整形回路
66と、第1出力回路68と、第2出力回路70と、第3出力
回路72とを有している。
マイクロコンピュータ62は、一般的構造のものであ
り、入力ポート62aとA/D変換回路62bとCPU62cとROM62d
とRAM62eと出力ポート62fとを有しており、入力ポート6
2aに波形整形回路66よりディジタル信号を取込み、A/D
変換回路62bにレベル変換回路64よりアナログ信号を取
込むようになっている。
レベル変換回路64には、吸気圧センサ74より吸気圧力
に関するアナログ信号が、水温センサ76より内燃機関1
の冷却水温度に関するアナログ信号が、スロットルセン
サ78よりスロットル弁5の開度に関するアナログ信号
が、吸気温センサ80より吸気温度に対するアナログ信号
が各々入力されるようになっている。また波形整形回路
66には、機関点火系の図には示されていないディストリ
ビュータ等に設けられている回転角センサ82よりクラン
ク角に関するディジタル信号が、自動変速機9に設けら
れた第1回転センサ84より入力軸21の回転速度(回転
数)に関するディジタル信号が、自動変速機9に設けら
れた第2回転センサ86より出力軸23の回転速度(回転
数)に関するディジタル信号が各々入力されるようにな
っている。
マイクロコンピュータ62は、上述の如き各センサより
の情報信号に基いて予め定められているプログラムに従
い点火時期制御と燃料噴射制御とスロットル開度制御の
各制御値を演算し、これを出力ポート62fより第1出力
回路68と第2出力回路70と第3出力回路72へ各々出力す
るようになっている。
マイクロコンピュータ62は、点火時期制御に関して
は、クランク角より求められる機関回転数と吸気圧力と
に応じて基本点火時期を決定し、これを水温等に応じて
補正して最終的な制御値を第1出力回路68へ出力するよ
うになっている。第1出力回路68はイグナイタ等を含む
点火装置88へ点火時期制御信号を出力するようになって
おり、これによって内燃機関1の点火時期制御が行われ
る。
マイクロコンピュータ62は、燃料噴射制御に関して
は、機関回転数と吸気圧力とから基本噴射量を決定し、
これを冷却水温度、吸気温度等に応じて補正して最終的
な制御値を第2出力回路70へ出力するようになってい
る。第2出力回路70は燃料噴射制御信号を燃料噴射装置
90へ出力するようになっており、これにより燃料噴射制
御が行われる。
またマイクロコンピュータ62は、例えば定速制御或い
はリタード制御等のために所定の運転状態下に於ては、
アクセルペダルの踏込み量とは別にスロットル弁5の制
御目標開度を演算し、これの制御値を第3出力回路72へ
出力するようになっている。第3出力回路72はスロット
ル制御信号をスロットル弁駆動装置92へ出力するように
なっている。
スロットル弁駆動装置92は、パルスモータ等を含み、
第3出力回路72よりのスロットル制御信号に応じてアク
セルペダルの踏込み量とは別にスロットル弁5をマイク
ロコンピュータ62で定められた制御目標開度に強制的に
駆動するようになっている。
第4図は、変速制御ユニット100の詳細及びこれを含
む変速制御系を示している。変速制御ユニット100は、
マイクロコンピュータ102と、レベル変換回路104と、波
形整形回路106と、出力回路108とを有している。
マイクロコンピュータ102は、一般的構造のものであ
り、入力ポート102aとA/D変換回路102bとCPU102cとROM1
02dとRAM102eと出力ポート102fとを有しており、入力ポ
ート102aに波形整形回路106よりディジタル信号を取込
み、A/D変換器102bにレベル変換回路104よりアナログ信
号を取込むようになっている。
レベル変換回路104にはスロットルセンサ78より原動
機負荷としてスロットル開度に関するアナログ信号が与
えられるようになっている。また波形整形回路106に
は、車速センサ94より車速に関するディジタル信号が、
シフトレバーポジションスイッチ96よりマニュアルシフ
トポジションに関するディジタル信号が各々与えられる
ようになっている。
マイクロコンピュータ102は、上述の如き各センサ及
びスイッチよりの情報信号に基いてマニュアルシフトレ
ンジ毎に定められたシフトパターンを選択し、これに基
いてスロットル開度と車速とに応じて制御目標変速段を
決定し、これの制御信号を出力ポート102fより出力回路
108へ出力するようになっている。
出力回路108は変速制御信号を変速制御装置43へ出力
するようになっている。これにより制御目標変速段に応
じて油圧クラッチC1、C2、C3、C4の各々の係合と解放が
制御され、制御目標変速段に対し変速制御が行われる。
本考案による原動機出力制御装置は機関制御ユニット
50に組込まれており、スロットル弁駆動装置92によるス
ロットル開度制御或いは点火装置88による点火時期制御
により原動機の出力低減制御が行われるようになってい
る。この原動機出力低減制御のために機関制御ユニット
50は第1回転センサ84より入力軸21の回転数に関する情
報を、第2回転センサ86より出力軸23の回転数に関する
情報を各々取込んでいる。
マイクロコンピュータ62は、原動機出力低減制御に関
しては、基本的には、第1回転センサ84により検出され
る入力軸21の回転数と第2回転センサ86により検出され
る出力軸23の回転数とにより自動変速機の入力側と出力
側との回転比を検出し、この回転比と所定値との比較に
よりこの回転比が前記所定値より所定量以上偏倚したか
否かを判別し、前記回転比が前記所定値より所定量以上
偏倚している間、スロットル弁開度の低減或いは点火時
期の遅角により原動機、即ち内燃機関1の出力を低減さ
せ、そして入力軸21の回転数が出力軸23の回転数に比し
て所定値以上増大したか否かを判別し、入力軸21の回転
数が出力軸23の回転数に比して所定量以上増大したと判
別されたならば、上述の如き原動機出力の低減制御を続
行するようにスロットル弁駆動装置92或いは点火制御装
置88に対し制御信号を出力するようになっている。
第5図は本考案による原動機出力制御装置に於ける原
動機出力制御の具体的制御ルーチンを示している。第5
図に示された制御ルーチンは所定時間毎或いは所定クラ
ンク角毎の割込みルーチンとして実行され、最初のステ
ップ100に於ては、入力軸21の回転数Niを読込むことが
行われる。次にステップ102に於ては、出力軸23の回転
数Noを読込むことが行われる。
次にステップ104に於ては、入力軸回転数Niと出力軸
回転数Noとにより下式に従って自動変速機の入力側と出
力側との回転比Rnを演算することが行われる。
Rn=No/Ni 次にステップ106に於ては、予めROM62eに記憶されて
いる各変速段の変速比eGn、即ち第1速段乃至第4速段
の各々の変速比eG1〜eG4を読込むことが行われる。
次にステップ108に於ては、下式に従って各変速段に
於けるクラッチ速度比eCLnを算出することが行われる。
eCLn=Rn・eGn このクラッチ速度比eCLnは各油圧クラッチの駆動メン
バと従動メンバとの速度比、即ちスリップ率を示すこと
になる。
ステップ108の次はステップ110へ進み、ステップ110
に於ては、変速中であることを示すフラッグF1が1であ
るか否かの判別が行われる。フラッグF1=1である時は
変速中であり、この時にはステップ116へ進み、そうで
ない時はステップ112へ進む。
ステップ112に於ては、クラッチ速度比eCLnがほぼ1
となっている変速段nを現在の変速段Aと判定すること
が行われる。
入力軸回転数Niと出力軸回転数Noとの回転比は、第6
図に示されている如く、各変速段毎に相違するが、この
速度比に対し各変速段の変速比eGnを乗じてクラッチ速
度比eCLnが演算されているから、これは各油圧クラッチ
の駆動メンバと従動メンバとの実質的な速度比を示し、
各変速段のために係合している油圧クラッチのクラッチ
速度比eCLnはほぼ1になる筈である。従って、このクラ
ッチ速度比eCLnがほぼ1となっている油圧クラッチに対
応する変速段が現在の変速段Aということになる。
尚、この現在の変速段Aの判断は、確実を期するため
に、バックアップとして、変速終了後に於ける変速制御
ユニット100による制御目標変速段から再確認がなされ
るようになっている。
ステップ112の次はステップ114へ進み、ステップ114
に於ては、現在の変速段に於けるリタード制御の不感帯
値ΔAをデータマップより検索することが行われる。こ
の不感帯値ΔAは各変速段毎に油圧クラッチの係合が解
除され始めた後に所定値以上のスリップが生じる回転比
に応じて、例えば0.01〜0.20程度に定められている。ス
テップ114の次はステップ118へ進む。
ステップ116は、変速開始後に実行され、このステッ
プ116に於ては、現在の変速段に於けるクラッチ速度比e
CLAを現在の変速に於ける制御目標変換段、即ち行先段
Bに於けるクラッチ速度比eCLbに更新し、また不感帯値
ΔAをその行先段Bに於ける不感帯値ΔBに更新するこ
とが行われる。ステップ116の次はステップ118へ進む。
ステップ118に於ては、下式に従って、クラッチ速度
比eCLAが所定値、即ち1より所定量、即ち不感帯値ΔA
以上偏倚しているか否かの判別が行われる。
1−ΔA≦eCLA≦1+ΔA 上述の不等式が成立する場合は、クラッチ速度比eCLA
が所定値1に対し不感帯値ΔAを超えて偏倚していない
時であり、この時は変速終了後であると判別してステッ
プ142へ進み、そうでない時は変速中であるとしてステ
ップ120へ進む。
ステップ120に於ては、リタード制御の終了遅延タイ
マ制御が既に開始されていることを示すフラッグF2が1
であるか否かの判別が行われる。フラッグF2はリタード
制御開始時に於ては0であり、フラッグF2=1でない時
は、即ち0である時はステップ122へ進み、フラッグF2
=1である時はステップ142へ進む。
ステップ122に於ては、変速制御ユニット100が変速指
令を出力しているか否かの判別が行われる。変速指令出
力中である時はステップ124へ進み、そうでない時はス
テップ158へ進む。
ステップ124に於ては、変速制御ユニット100より制御
目標変速段、即ち行先段Bが如何なる変換段であるかを
検出することが行われる。次にステップ126に於ては、
その行先段Bに於けるリタード制御の不感帯値ΔBをデ
ータマップより検索することが行われる。この不感帯値
ΔBは次のステップ116の実行時に用いられる。
ステップ126の次はステップ128へ進み、現在の変速が
シフトダウンであるか否かの判別が行われる。この実施
例に於ては、シフトダウン時に於てのみリタード制御の
続行制御が行われるようになっており、現在の変速がシ
フトダウンであると判別された時にはステップ132へ進
み、そうでない時、即ちシフトアップ時である時はステ
ップ130へ進む。
ステップ130に於ては、タイマのセット値を0にする
ことが行われる。ステップ130の次はステップ136へ進
む。
ステップ132に於ては、タイマのセット値をSET1に設
定することが行われる。ステップ132の次はステップ134
へ進む。
ステップ134に於ては、原動機吹き上がりに応じたリ
タード制御続行のガード値ΔCを行先段Bに応じて検索
することが行われる。このガード値ΔCは、各変速段毎
に、更には車速、入力軸回転数等に応じて予め定められ
ており、これは上述の各変速段に於ける不感帯値ΔA或
いはΔBより大きい値に定められていてよい。ステップ
134の次はステップ136へ進む。
ステップ136に於ては、フラッグF2を0とすることが
行われる。ステップ136の次はステップ138へ進む。
ステップ138に於ては、原動機出力の低減指令がなさ
れる。これによりスロットル弁5の開弁量低下或いは点
火時期の遅角による原動機出力の低減制御、即ちリター
ド制御が実行される。
ステップ138の次はステップ140へ進み、ステップ140
に於ては、フラッグF1を0にすることが行われ、この一
回の割込みルーチンが終了される。
ステップ142は、ステップ118に於ける判別が「YES」
である場合、即ちクラッチ速度比eCLaが所定値1より不
感帯値ΔA以上偏倚していない時、或いはフラッグF2
1である時、即ちリタード制御の終了遅延タイマ制御が
既に開始されている時に実行され、このステップ142に
於ては、現在のタイマ値Tが0であるか否かの判別が行
われる。このタイマは時間の経過と共にタイマ値を低減
するダウンカウント方式のものであるから、T=0であ
る時はリタード制御の続行時間が最大値に達した場合或
いはシフトアップ時であり、この時にはステップ152へ
進み、そうでない時、即ちまだ最大続行時間に達してい
ない時はステップ144へ進む。
ステップ144に於ては、タイマのタイマ値Tが所定値S
ET2にまで減少したか否かの判別が行われる。所定値SET
2はクラッチ速度比eCLAが所定値1より不感帯値ΔA以
上偏倚しなくなった後に於てシフトダウンによるトルク
変動により動力伝達系に生じた捩りが解消されるに要す
る時間に応じて定められており、T≦SET2である時はス
テップ146へ進み、そうでない時はステップ148へ進む。
ステップ148に於ては、フラッグF2を1とすることが
行われる。ステップ148の次はステップ138へ進む。
これにより、シフトダウン時に於ては、上述の如くク
ラッチ速度比eCLAが所定値1より不感帯値ΔA以上に偏
倚しなくなった後に於ても、少なくとも所定値SET2によ
り定められる所定時間に亘ってはリタード制御の終了が
遅延される。換言すれば、その期間に亘ってリタード制
御が続行される。
ステップ146は、所定値SET2によるリタード制御の終
了遅延タイマ制御が終了した後に実行され、このステッ
プ146に於ては、原動機の吹き上がりが生じようとして
いるか否かの判別が下式に従って行われる。
eCLA≦1−ΔC eCLA≦1−ΔCである時は自動変速機の入力回転速度
が出力回転速度に比して所定値以上増大し、原動機の吹
き上がりが生じる虞れがある時であり、この時にはステ
ップ148を経てステップ138へ進み、そうでない時はステ
ップ150へ進む。
従ってクラッチ速度比eCLA≦1−ΔCである時は、即
ち原動機の吹き上がりが生じる虞れがある時はリタード
制御が続行される。
ステップ150は、クラッチ速度比eCLA≦1−ΔCでな
い時、即ち原動機の吹き上がりが生じる虞れがない時に
実行され、このステップ150に於ては、タイマのタイマ
値を0に戻すことが行われる。ステップ150の次はステ
ップ152へ進む。
ステップ152に於ては、フラッグF2を0にすることが
行われる。ステップ152の次はステップ154へ進む。
ステップ154に於ては、原動機出力の低減制御、即ち
リタード制御を解除することが行われる。これによりこ
の時にはスロットル弁5の開度がこの時のアクセル踏込
み量に応じた開度に戻され、或いは点火時期の遅角が解
除される。
ステップ154の次はステップ156へ進み、ステップ156
に於てはフラッグF1を0とすることが行われる。
尚、ステップ158は、変速指令が出されていないにも
拘らずクラッチ速度比eCLAが所定値1より不感帯値ΔA
以上に偏倚している時であり、このステップ158に於て
は、このステップ158が繰返し実行された回数が所定値
に達したか否かの判別が行われる。このステップが連続
して所定回数以上実行された時は何らかの故障によって
油圧クラッチの係合が必要係合圧をもって行われない状
態に陥った時であり、この時はステップ160へ進み、自
動変速機に故障が生じていることを示すために故障警告
灯を点灯するなどの故障警告を発することが行われる。
第7図はシフトダウン時に於けるeCLAの変化とリター
ド制御タイミングを示している。このグラフに於て、
は原動機の吹き上がりが生じることなく、所定値SET2
よる定まる遅延時間をもってリタード制御が終了された
場合であり、は原動機の吹き上がりが生じる虞れが生
じてクラッチ速度比eCLA≦1−ΔCが成立しなくなるま
でリタード制御が続けられた場合を示している。このよ
うに、原動機の吹き上がりが生じる虞れがある時にリタ
ード制御が続行されれば、その原動機の吹き上がりが、
破線で示されている如くリタード制御が続行されない場
合に比して減少する。
尚、この原動機の吹き上がり防止のためのリタード制
御の続行時間は、タイマの初期設定値SET1により決まる
最大時間により制限され、リタード制御開始時よりこの
初期設定値SET1による決まる時間が経過すれば、リター
ド制御は強制的に終了される。この時には、上述のフロ
ーチャートに於いてステップ118よりステップ120及びス
テップ122を経由してステップ158へ進み、このステップ
が繰返し実行されれば、ステップ160にて自動変速機の
故障警告がなされることになる。
[考案の効果] 以上の説明から明らかな如く、本考案による原動機の
出力制御装置に於ては、原動機の入力回転速度が出力回
転速度に比して所定量以上増大した場合には、原動機の
吹き上がりが生じる虞れがあるとして原動機の出力低減
制御、即ちリタード制御が続行されるから、摩擦係合装
置の経時的変化や油圧低下等によって摩擦係合装置の伝
達トルク容量が初期設定値より低下していても原動機の
吹き上がりが生じることが未然に回避される。原動機の
吹き上がりが回避されることにより、車輌のドライバビ
リティが悪化すること、及び自動変速機の耐久性、原動
機の燃料経済性が悪化することが回避されるようにな
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案による自動変速機を備えた車輌の原動機
出力制御装置のクレーム対応図、第2図は本考案による
原動機出力制御装置を備えた原動機の制御装置及び自動
変速機の制御装置を示す概略構成図、第3図は機関制御
ユニットの詳細及びこれを含む機関制御系を示すブロッ
ク線図、第4図は変換制御ユニットの詳細及びこれを含
む変速制御系を示すブロック線図、第5図は本考案によ
る原動機出力制御装置に於ける原動機出力制御の制御ル
ーチンの一例を示すフローチャート、第6図は各変速段
に於ける入力軸回転数と出力軸回転数との回転比を示す
グラフ、第7図はシフトダウン時に於けるクラッチ速度
比とリタード制御タイミングとを示すタイムチャートで
ある。 1……内燃機関、5……スロットル弁 9……自動変速機 11……流体式トルクコンバータ 19……歯車変速装置、43……油圧制御装置 50……変速制御ユニット 84……第1回転センサ、86……第2回転センサ 88……点火装置、90……燃料噴射装置 92……スロットル弁駆動装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 荒井 高志 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (56)参考文献 特開 平1−178736(JP,A) 特開 平1−224548(JP,A) 特開 平2−37128(JP,A)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】自動変速機の入力側と出力側との回転比を
    検出する回転比検出手段と、該回転比検出手段により検
    出された回転比と所定値との比較により前記回転比が前
    記所定値より第1の所定量以上偏倚しているか否かを判
    別する第1の判別手段と、該第1の判別手段の判別結果
    に基づいて規定される期間、原動機の出力を低減させる
    原動機出力低減制御手段とを備えた自動変速機を有する
    車両の原動機出力制御装置に於いて、 自動変速機の入力回転速度が出力回転速度に比して増大
    する方向に第1の所定量より大きな第2の所定量以上偏
    倚したか否かを判別する第2の判別手段と、 該第2の判別手段により入力回転速度が出力回転速度に
    比して増大する方向に第2の所定量以上偏倚したと判別
    された時には前記原動機出力低減制御手段による原動機
    出力の低減制御を続行させる続行制御手段とを有するこ
    とを特徴とする自動変速機を備えた車輌の原動機出力制
    御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH01178736A (ja) * 1987-12-29 1989-07-14 Honda Motor Co Ltd 自動変速機を備えた車両用の内燃機関の制御装置
JPH0739253B2 (ja) * 1988-03-03 1995-05-01 本田技研工業株式会社 変速時のエンジン回転吹上り判断方法

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JPH0345433U (ja) 1991-04-26

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