JP2520384B2 - 3,5―ジカルボキシベンゼンスルホン酸ホスホニウム塩の製造方法 - Google Patents
3,5―ジカルボキシベンゼンスルホン酸ホスホニウム塩の製造方法Info
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- JP2520384B2 JP2520384B2 JP1008798A JP879889A JP2520384B2 JP 2520384 B2 JP2520384 B2 JP 2520384B2 JP 1008798 A JP1008798 A JP 1008798A JP 879889 A JP879889 A JP 879889A JP 2520384 B2 JP2520384 B2 JP 2520384B2
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Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸ホス
ホニウム塩の製造方法に関する。
ホニウム塩の製造方法に関する。
3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸誘導体の金属
塩が、ポリエチレンテレフタレートに代表される縮合型
高分子へ有用な特性を付与するために共重合され、種々
の分野に利用されている。特に、3,5−ジメトキシカル
ボニルベンゼンスルホン酸ナトリウムや3,5−ジ(2−
ビドロキシエトキシカルボニル)ベンゼンスルホン酸ナ
トリウムは、染色性に大きな問題を有するポリエステル
繊維をカチオン可染にする共重合用単量体として、工業
上多量に使用されている。同様の目的でナイロンへも使
用され、更にはコーティグ剤や接着剤及び塗料等へ用い
られる縮合型高分子へ接着性の向上等を目的として利用
される等、その応用分野は極めて広い。
塩が、ポリエチレンテレフタレートに代表される縮合型
高分子へ有用な特性を付与するために共重合され、種々
の分野に利用されている。特に、3,5−ジメトキシカル
ボニルベンゼンスルホン酸ナトリウムや3,5−ジ(2−
ビドロキシエトキシカルボニル)ベンゼンスルホン酸ナ
トリウムは、染色性に大きな問題を有するポリエステル
繊維をカチオン可染にする共重合用単量体として、工業
上多量に使用されている。同様の目的でナイロンへも使
用され、更にはコーティグ剤や接着剤及び塗料等へ用い
られる縮合型高分子へ接着性の向上等を目的として利用
される等、その応用分野は極めて広い。
ところが、工業上誠に有用ではあるが、上記の3,5−
ジカルボキシベンゼンスルホン酸誘導体の金属塩には、
これを共重合しようとすると、得られる共重合体の溶融
粘度が高くなってしまうためにその重合度を上げ難く、
また特にポリエチレンテレフタレートへ共重合するよう
な場合においては、例えば該金属塩のポリエチレンテレ
フタレート重合系に対する溶解度が低いためにその共重
合反応性が悪く、得られる共重合物を繊維にした場合に
は染色後の仕上りの鮮明さを悪くしたり、或は共重合時
の該金属塩の悪影響で得られる共重合物が着色したりす
る等、不都合がある。
ジカルボキシベンゼンスルホン酸誘導体の金属塩には、
これを共重合しようとすると、得られる共重合体の溶融
粘度が高くなってしまうためにその重合度を上げ難く、
また特にポリエチレンテレフタレートへ共重合するよう
な場合においては、例えば該金属塩のポリエチレンテレ
フタレート重合系に対する溶解度が低いためにその共重
合反応性が悪く、得られる共重合物を繊維にした場合に
は染色後の仕上りの鮮明さを悪くしたり、或は共重合時
の該金属塩の悪影響で得られる共重合物が着色したりす
る等、不都合がある。
そこで、これらの不都合を軽減する方法がいくつか提
案されており、その一つとして、スルホン酸基の対イオ
ンをホスホニウムにする方法がある(特公昭47−2234号
公報、ドイツ特許出願公開第2044931号公報)。
案されており、その一つとして、スルホン酸基の対イオ
ンをホスホニウムにする方法がある(特公昭47−2234号
公報、ドイツ特許出願公開第2044931号公報)。
本発明は、スルホン酸基の対イオンがホスホニウムで
ある、3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸ホスホニ
ウム塩の製造方法に関するものである。
ある、3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸ホスホニ
ウム塩の製造方法に関するものである。
<従来の技術、その課題> 対イオンに有機のオニウムイオンを有する有機スルホ
ン酸塩を、有機スルホン酸のアルカリ或はアルカリ土類
金属塩と、ハロゲンの如き別の対イオンを有する有機オ
ニウム塩とから、複分解により合成することはよく知ら
れている。対イオンにホスホニウムを有する3,5−ジカ
ルボキシベンゼンスルホン酸ホスホニウム塩の合成につ
いても従来、同様の反応が適用されている(ドイツ特許
出願公開第2044931号公報、米国特許第4006123号明細
書)。すなわち、これらの従来例では、対イオンにホス
ホニウムを有する3,5−ジメトキシカルボニルベンゼン
スルホン酸ホスホニウム塩の製造に際して、3,5−ジメ
トキシカルボニルベンゼンスルホン酸金属塩とホスホニ
ウム化合物(例えばホスホニウムクロライド)とを反応
させて目的物を得ているのである。
ン酸塩を、有機スルホン酸のアルカリ或はアルカリ土類
金属塩と、ハロゲンの如き別の対イオンを有する有機オ
ニウム塩とから、複分解により合成することはよく知ら
れている。対イオンにホスホニウムを有する3,5−ジカ
ルボキシベンゼンスルホン酸ホスホニウム塩の合成につ
いても従来、同様の反応が適用されている(ドイツ特許
出願公開第2044931号公報、米国特許第4006123号明細
書)。すなわち、これらの従来例では、対イオンにホス
ホニウムを有する3,5−ジメトキシカルボニルベンゼン
スルホン酸ホスホニウム塩の製造に際して、3,5−ジメ
トキシカルボニルベンゼンスルホン酸金属塩とホスホニ
ウム化合物(例えばホスホニウムクロライド)とを反応
させて目的物を得ているのである。
ところが、上記の反応を実際に検討すると、生成物中
に未反応の原料ホスホリウム化合物が混入し易く、した
がって生成物が加熱時に着色し易くなり、以後の精製も
著しく厄介という課題がある。
に未反応の原料ホスホリウム化合物が混入し易く、した
がって生成物が加熱時に着色し易くなり、以後の精製も
著しく厄介という課題がある。
そこで本出願人は、上記従来法の課題を解決するため
に、3,5−ジカルボキシベゼンスルホン酸塩例えばその
アルカリ金属塩とホスホニウム化合物とを、水系溶媒中
で複分解し、得られう中間生成物としての3,5−ジカル
ボキシベンゼンスルホン酸ホスホニウム塩のカルボキシ
ル基をエステル化して、3,5−ジメトキシカルボニルベ
ンゼンスルホン酸ホスホニウム塩を得るという改良法を
提案している(特開昭62242657号公報)。
に、3,5−ジカルボキシベゼンスルホン酸塩例えばその
アルカリ金属塩とホスホニウム化合物とを、水系溶媒中
で複分解し、得られう中間生成物としての3,5−ジカル
ボキシベンゼンスルホン酸ホスホニウム塩のカルボキシ
ル基をエステル化して、3,5−ジメトキシカルボニルベ
ンゼンスルホン酸ホスホニウム塩を得るという改良法を
提案している(特開昭62242657号公報)。
しかし、上記改良法には、3,5−ジカルボキシベンゼ
ンスルホン酸アルカリ金属塩とホスホニウム化合物とを
水系溶媒中で反応させる際の温度条件によって、所期の
3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸ホスホニウム塩
の他に、複分解反応されない未反応の3,5−ジカルボキ
シベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩やホスホニウム化
合物更には複分解反応によって生成した無機塩等の不純
物が混入してくるという課題がある。該不純物は、通常
の方法によっては除去することが困難であるため、工業
上は該不純物が混入したものを利用することとなり、結
局は、得られる生成物を共重合用単量体としてポリエス
テルの製造へ供した場合に、該不純物に起因してその共
重合反応性が低下したり、また共重合物であるポリエス
テルの色相や物性等が悪くなってしまうのである。
ンスルホン酸アルカリ金属塩とホスホニウム化合物とを
水系溶媒中で反応させる際の温度条件によって、所期の
3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸ホスホニウム塩
の他に、複分解反応されない未反応の3,5−ジカルボキ
シベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩やホスホニウム化
合物更には複分解反応によって生成した無機塩等の不純
物が混入してくるという課題がある。該不純物は、通常
の方法によっては除去することが困難であるため、工業
上は該不純物が混入したものを利用することとなり、結
局は、得られる生成物を共重合用単量体としてポリエス
テルの製造へ供した場合に、該不純物に起因してその共
重合反応性が低下したり、また共重合物であるポリエス
テルの色相や物性等が悪くなってしまうのである。
<発明が解決しようとする課題、その解決手段> 本発明は、叙上の如き従来の課題を解決する、工業上
有利な且つ収率の良いそして品質の高い3,5−ジカルボ
キシベンゼンスルホン酸ホスホニウム塩の製造方法を提
供するものである。
有利な且つ収率の良いそして品質の高い3,5−ジカルボ
キシベンゼンスルホン酸ホスホニウム塩の製造方法を提
供するものである。
しかして本発明者らは、上記の観点で鋭意研究した結
果、水系溶媒中で、3,5−ジカルボキシベンゼンスルホ
ン酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩とホスホ
ニウム化合物とを複分解反応させるに際し、双方の原料
を初めて接触させる時の温度条件及び引き続いて行う複
分解反応過程での温度条件を所定範囲にすることが正し
く好適であることを見出し、本発明を完成するに至った
のである。
果、水系溶媒中で、3,5−ジカルボキシベンゼンスルホ
ン酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩とホスホ
ニウム化合物とを複分解反応させるに際し、双方の原料
を初めて接触させる時の温度条件及び引き続いて行う複
分解反応過程での温度条件を所定範囲にすることが正し
く好適であることを見出し、本発明を完成するに至った
のである。
すなわち本発明は、下記一般頻(I)で示される3,5
−ジカルボキシベンゼンスルホン酸ホスホニウム塩の製
造において、水系溶媒中で、3,5−ジカルボキシベンゼ
ンスルホン酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩
と下記一般式(II)で示されるホスホニウム化合物と
を、当初から60℃〜該水系溶媒の沸点未満の温度範囲で
接触させ、引き続き同温度範囲で複分解反応させること
を特徴とする3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸ホ
スホニウム塩の製造方法に係る。
−ジカルボキシベンゼンスルホン酸ホスホニウム塩の製
造において、水系溶媒中で、3,5−ジカルボキシベンゼ
ンスルホン酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩
と下記一般式(II)で示されるホスホニウム化合物と
を、当初から60℃〜該水系溶媒の沸点未満の温度範囲で
接触させ、引き続き同温度範囲で複分解反応させること
を特徴とする3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸ホ
スホニウム塩の製造方法に係る。
[R1〜R4:少なくとも一つが炭素数1〜18のアルキル
基、フェニル基又はベンジル基である一価の有機基 X:Cl] 本発明において、3,5−ジカルボキシベンゼンスルホ
ン酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩は、その
分子内に、Na、K、Li、Ca、Mg等のアルカリ金属又はア
ルカリ土類金属で中和された一個のスルホン酸基と遊離
の二個のカルボキシル基を有するものである。かかる3,
5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩
又はアルカリ土類金属塩は、種々の製造方法によって得
られ、例えばイソフタル酸を無水硫酸或は発煙硫酸でス
ルホン化した後に中和して得られるものや、3,5−ジメ
トキシカルボニルベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩
又はアルカリ土類金属塩を加水分解して得られるもの、
更には3,5−ジメトキシカルボニルベンゼンスルホン酸
を中和した後に加水分解して得られるもの等を使用する
ことができる。かくして得られる3,5−ジカルボキシベ
ンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金
属塩は精製されたものであっても或は中和の際に生成す
る硫酸ナトリウムや硫酸カリウム等の無機塩を含むもの
であってもよい。
基、フェニル基又はベンジル基である一価の有機基 X:Cl] 本発明において、3,5−ジカルボキシベンゼンスルホ
ン酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩は、その
分子内に、Na、K、Li、Ca、Mg等のアルカリ金属又はア
ルカリ土類金属で中和された一個のスルホン酸基と遊離
の二個のカルボキシル基を有するものである。かかる3,
5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩
又はアルカリ土類金属塩は、種々の製造方法によって得
られ、例えばイソフタル酸を無水硫酸或は発煙硫酸でス
ルホン化した後に中和して得られるものや、3,5−ジメ
トキシカルボニルベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩
又はアルカリ土類金属塩を加水分解して得られるもの、
更には3,5−ジメトキシカルボニルベンゼンスルホン酸
を中和した後に加水分解して得られるもの等を使用する
ことができる。かくして得られる3,5−ジカルボキシベ
ンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金
属塩は精製されたものであっても或は中和の際に生成す
る硫酸ナトリウムや硫酸カリウム等の無機塩を含むもの
であってもよい。
また本発明において、式(II)で示されるホスホニウ
ム化合物のうち、そのホスホニウムカチオン部の具体例
としては、テトラエチルホスホニウム、テトラプロピル
ホスホニウム、テトラブチルホスホニウム、トリブチル
モノメチルホスホニウム、トリブチルモノエチルホスホ
ニウム、トリブチルモノオクチルホスホニウム、トリブ
チルモノテトラデシルホスホニウム、トリブチルモノオ
クタデシルホスホニウム、トリオクチルモノメチルホス
ホニウム等の脂肪族ホスホニウム、トリフェニルメチル
ホスホニウム、トリフェニルエチルホスホニウム、トリ
エチルベンジルホスホニウム、トリブチルベンジルホス
ホニウム、テトラフェニルホスホニウム等の芳香族ホス
ホニウムが挙げられるが、更にエーテル基、エステル
基、アミド基等を有する置換基を持つホスホニウムでも
よい。なかでも工業上の入手の容易さや製造の容易さ等
から、式(II)のR1〜R3が同一であって且つ炭素数1〜
8のアルキル基又はフェニル基であり、そしてR4が炭素
数1〜18のアルキル基又はフェニル基であるものが好ま
しい。
ム化合物のうち、そのホスホニウムカチオン部の具体例
としては、テトラエチルホスホニウム、テトラプロピル
ホスホニウム、テトラブチルホスホニウム、トリブチル
モノメチルホスホニウム、トリブチルモノエチルホスホ
ニウム、トリブチルモノオクチルホスホニウム、トリブ
チルモノテトラデシルホスホニウム、トリブチルモノオ
クタデシルホスホニウム、トリオクチルモノメチルホス
ホニウム等の脂肪族ホスホニウム、トリフェニルメチル
ホスホニウム、トリフェニルエチルホスホニウム、トリ
エチルベンジルホスホニウム、トリブチルベンジルホス
ホニウム、テトラフェニルホスホニウム等の芳香族ホス
ホニウムが挙げられるが、更にエーテル基、エステル
基、アミド基等を有する置換基を持つホスホニウムでも
よい。なかでも工業上の入手の容易さや製造の容易さ等
から、式(II)のR1〜R3が同一であって且つ炭素数1〜
8のアルキル基又はフェニル基であり、そしてR4が炭素
数1〜18のアルキル基又はフェニル基であるものが好ま
しい。
一方、式(II)で示されるホスホニウム化合物のう
ち、そのアニオン部は、高品質の生成物を得るためにCl
である。
ち、そのアニオン部は、高品質の生成物を得るためにCl
である。
本発明で使用するホスホニウム化合物は以上例示した
ようなカチオン部とアニオン部との広範な組合せからな
るものである。
ようなカチオン部とアニオン部との広範な組合せからな
るものである。
更に本発明において、水系溶媒は、水単独、或は水と
水に可溶な有機溶媒との混合溶媒である。水を50重量%
以上含有する水系溶媒、例えば水に可溶な有機溶媒であ
るメタノール、エタノール、イソプロパノール、ジオキ
サン、アセトン、テトラビドロフラン、エチレングリコ
ール等を50重量%以下で含有する水系溶媒が好ましい
が、水単独が特に好ましい。
水に可溶な有機溶媒との混合溶媒である。水を50重量%
以上含有する水系溶媒、例えば水に可溶な有機溶媒であ
るメタノール、エタノール、イソプロパノール、ジオキ
サン、アセトン、テトラビドロフラン、エチレングリコ
ール等を50重量%以下で含有する水系溶媒が好ましい
が、水単独が特に好ましい。
本発明では、上記のような水系溶媒中で、3,5−ジカ
ルボキシベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩又はアル
カリ土類金属塩と式(II)で示されるホスホニウム化合
物とを複分解反応させる。この際、双方の原料を当初か
ら60℃〜水系溶媒の沸点未満の温度範囲で接触させ、引
き続き同温度範囲で複分解反応させることが重要であ
る。具体的には、双方の原料の初めての接触時及び複分
解反応時の温度が上記の温度範囲となるように適宜加熱
しつつ、1)双方の原料を別々に水系溶液とし、それぞ
れの水系溶液を予め加熱しておいた後に、該双方の水系
溶液を混合して複分解反応させる方法、2)双方の原料
を別々に水系溶液とし、一方の水系溶液を予め加熱して
おいた後に、該水系溶液へ他方の水系溶液を加えて複分
解反応させる方法、3)一方の原料を水系溶液とし、こ
れを予め加熱しておいた後に、該水系溶液へ他方の原料
を投入して複分解反応させる方法、4)水系溶媒を予め
加熱しておき、該水系溶媒へ双方の原料を投入して複分
解反応させる方法、等が可能である。
ルボキシベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩又はアル
カリ土類金属塩と式(II)で示されるホスホニウム化合
物とを複分解反応させる。この際、双方の原料を当初か
ら60℃〜水系溶媒の沸点未満の温度範囲で接触させ、引
き続き同温度範囲で複分解反応させることが重要であ
る。具体的には、双方の原料の初めての接触時及び複分
解反応時の温度が上記の温度範囲となるように適宜加熱
しつつ、1)双方の原料を別々に水系溶液とし、それぞ
れの水系溶液を予め加熱しておいた後に、該双方の水系
溶液を混合して複分解反応させる方法、2)双方の原料
を別々に水系溶液とし、一方の水系溶液を予め加熱して
おいた後に、該水系溶液へ他方の水系溶液を加えて複分
解反応させる方法、3)一方の原料を水系溶液とし、こ
れを予め加熱しておいた後に、該水系溶液へ他方の原料
を投入して複分解反応させる方法、4)水系溶媒を予め
加熱しておき、該水系溶媒へ双方の原料を投入して複分
解反応させる方法、等が可能である。
上記のような温度範囲における接触及び複分解反応に
より、生成物は水系溶媒中に析出するため、該生成物を
加圧或は減圧下の濾過によって水系溶媒から分離し、更
に水洗すると、高品質の3,5−ジカルボキシベンゼンス
ルホン酸ホスホニウム塩を得ることができる。
より、生成物は水系溶媒中に析出するため、該生成物を
加圧或は減圧下の濾過によって水系溶媒から分離し、更
に水洗すると、高品質の3,5−ジカルボキシベンゼンス
ルホン酸ホスホニウム塩を得ることができる。
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため
の実施例を挙げるが、本発明が該実施例に限定されると
いうものではない。
の実施例を挙げるが、本発明が該実施例に限定されると
いうものではない。
<実施例等> ・試験区分1 フラスコ内に3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸
ナトリウム268g(1モル)及び水1000mlを入れ、加熱し
て(第1表中、原料温度の欄のA)、撹拌溶解した。ま
た別のフラスコ中にテトラブチルホスホニウムクロライ
ド295g(1モル)及び水500mlを入れ、加熱して(第1
表中、原料温度の欄のB)、撹拌溶解した。前者のフラ
スコ中へ後者のフラスコ中の溶液を加え、保温下に(第
1表中、反応温度)、双方の溶液を1時間撹拌した。水
系溶媒から析出した白色固状物を吸引濾過し、濾別した
白色固状物を水1000mlで洗浄した後、100℃で3時間真
空乾燥して、生成物(3,5−ジカルボキシベンゼンスル
ホン酸テトラブチルホスホニウム)を得た。同様の試験
を、原料温度及び反応温度を変えて、6区分行なった
(実施例1〜3、比較例1〜3)。得られた各生成物に
ついて理論収量に対する収率及び分析値を第1表に示し
た。
ナトリウム268g(1モル)及び水1000mlを入れ、加熱し
て(第1表中、原料温度の欄のA)、撹拌溶解した。ま
た別のフラスコ中にテトラブチルホスホニウムクロライ
ド295g(1モル)及び水500mlを入れ、加熱して(第1
表中、原料温度の欄のB)、撹拌溶解した。前者のフラ
スコ中へ後者のフラスコ中の溶液を加え、保温下に(第
1表中、反応温度)、双方の溶液を1時間撹拌した。水
系溶媒から析出した白色固状物を吸引濾過し、濾別した
白色固状物を水1000mlで洗浄した後、100℃で3時間真
空乾燥して、生成物(3,5−ジカルボキシベンゼンスル
ホン酸テトラブチルホスホニウム)を得た。同様の試験
を、原料温度及び反応温度を変えて、6区分行なった
(実施例1〜3、比較例1〜3)。得られた各生成物に
ついて理論収量に対する収率及び分析値を第1表に示し
た。
・試験区分2 試験区分1の場合と同じ原料を用い、第2表に示すよ
うに原料温度及び反応温度を変えて、試験区分1の場合
と同じ試験を5区分行なった(実施例4〜6、比較例4
及び5、但し実施例6は後述するように原料の投入順序
を逆にした)。得られた各生成物(3,5−ジカルボキシ
ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム)につい
て理論収量に対する収率及び分析値を第2表に示した。
うに原料温度及び反応温度を変えて、試験区分1の場合
と同じ試験を5区分行なった(実施例4〜6、比較例4
及び5、但し実施例6は後述するように原料の投入順序
を逆にした)。得られた各生成物(3,5−ジカルボキシ
ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム)につい
て理論収量に対する収率及び分析値を第2表に示した。
・試験区分3 フラスコ中にテトラフェニルホスホニウムクロライド
375g(1モル)及び水1500mlを入れ、加熱溶解して、内
温を80℃にした。次いで、このフラスコ内へ粉末の3,5
−ジカルボキシベンゼンスルホン酸ナトリウム268g(1
モル)を徐々に投入した。80℃で保温しつつ、1時間撹
拌して複分解反応を行ない、以下試験区分1の場合と同
様にして生成物(3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン
酸テトラフェニルホスホニウム)を得た(実施例7)。
比較のため、投入時及び複分解反応の温度を40℃にした
以外は全て実施例7の場合と同じ試験を行ない、生成物
を得た(比較例6)。得られた各生成物について理論収
量に対する収率及び分析値を第3表に示した。
375g(1モル)及び水1500mlを入れ、加熱溶解して、内
温を80℃にした。次いで、このフラスコ内へ粉末の3,5
−ジカルボキシベンゼンスルホン酸ナトリウム268g(1
モル)を徐々に投入した。80℃で保温しつつ、1時間撹
拌して複分解反応を行ない、以下試験区分1の場合と同
様にして生成物(3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン
酸テトラフェニルホスホニウム)を得た(実施例7)。
比較のため、投入時及び複分解反応の温度を40℃にした
以外は全て実施例7の場合と同じ試験を行ない、生成物
を得た(比較例6)。得られた各生成物について理論収
量に対する収率及び分析値を第3表に示した。
・試験区分4 イソフタル酸とこれと当モルのSO3を含有する20%の
発煙硫酸とを反応させて得たスルホン化マスを、該スル
ホン化マスの1/3量の水中へ投入溶解し、次いで冷却放
置して、固状物を析出させた。該固状物を炉別し、4.8
%の硫酸と2.7%の水を含有する粗製3,5−ジカルボキシ
ベンゼンスルホン酸を得た。該粗製3,5−ジカルボキシ
ベンゼンスルホン酸267gを水1000mlに溶解し、水酸化ナ
トリウム50.9gを用いて中和した。この溶液を、試験区
分1中の3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸の水溶
液に代えて用いた以外は全て試験区分1の場合と同じ試
験を行ない、生成物(3,5−ジカルボキシベンゼンスル
ホン酸テトラブチルホスホニウム)を得た(実施例
8)。得られた生成物について理論収量に対する収率及
び分析値を第4表に示した。
発煙硫酸とを反応させて得たスルホン化マスを、該スル
ホン化マスの1/3量の水中へ投入溶解し、次いで冷却放
置して、固状物を析出させた。該固状物を炉別し、4.8
%の硫酸と2.7%の水を含有する粗製3,5−ジカルボキシ
ベンゼンスルホン酸を得た。該粗製3,5−ジカルボキシ
ベンゼンスルホン酸267gを水1000mlに溶解し、水酸化ナ
トリウム50.9gを用いて中和した。この溶液を、試験区
分1中の3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸の水溶
液に代えて用いた以外は全て試験区分1の場合と同じ試
験を行ない、生成物(3,5−ジカルボキシベンゼンスル
ホン酸テトラブチルホスホニウム)を得た(実施例
8)。得られた生成物について理論収量に対する収率及
び分析値を第4表に示した。
<発明の効果> 各実施例の結果からも明らかなように、以上説明した
本発明には、高品質の3,5−ジカルボキシベンゼンスル
ホン酸ホスホニウム塩を工業上収率良く製造することが
できるという効果がある。
本発明には、高品質の3,5−ジカルボキシベンゼンスル
ホン酸ホスホニウム塩を工業上収率良く製造することが
できるという効果がある。
Claims (5)
- 【請求項1】下記一般式(I)で示される3,5−ジカル
ボキシベンゼンスルホン酸ホスホニウム塩の製造におい
て、水系溶媒中で、3,5−ジカルボキシベンゼンスルホ
ン酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩と下記一
般式(II)で示されるホスホニウム化合物とを、当初か
ら60℃〜該水系溶媒の沸点未満の温度範囲で接触させ、
引き続き同温度範囲で複分解反応させることを特徴とす
る3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸ホスホニウム
塩の製造方法。 [R1〜R4:少なくとも一つが炭素数1〜18のアルキル
基、フェニル基又はベンジル基である一価の有機基 X:Cl - 【請求項2】複分解反応させた生成物を水系溶媒から分
離した後、更に水洗する請求項1記載の3,5−ジカルボ
キシベンゼンスルホン酸ホスホニウム塩の製造方法。 - 【請求項3】水系溶媒が50重量%以上の水を含有するも
のである請求項1又は2記載の3,5−ジカルボキシベン
ゼンスルホン酸ホスホニウム塩の製造方法。 - 【請求項4】式(II)で示されるホスホニウム化合物の
XがClである請求項1、2又は3記載の3,5−ジカルボ
キシベンゼンスルホン酸ホスホニウム塩の製造方法。 - 【請求項5】式(II)で示されるホスホニウム化合物の
R1〜R3が同一であって且つ炭素数1〜8のアルキル基又
はフェニル基であり、R4が炭素数1〜18のアルキル基又
はフェニル基である請求項1、2、3又は4記載の3,5
−ジカルボキシベゼンスルホン酸ホスホニウム塩の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1008798A JP2520384B2 (ja) | 1989-01-17 | 1989-01-17 | 3,5―ジカルボキシベンゼンスルホン酸ホスホニウム塩の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1008798A JP2520384B2 (ja) | 1989-01-17 | 1989-01-17 | 3,5―ジカルボキシベンゼンスルホン酸ホスホニウム塩の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02188593A JPH02188593A (ja) | 1990-07-24 |
JP2520384B2 true JP2520384B2 (ja) | 1996-07-31 |
Family
ID=11702882
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1008798A Expired - Fee Related JP2520384B2 (ja) | 1989-01-17 | 1989-01-17 | 3,5―ジカルボキシベンゼンスルホン酸ホスホニウム塩の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2520384B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62242657A (ja) * | 1986-04-14 | 1987-10-23 | Takemoto Oil & Fat Co Ltd | 5−スルホイソフタル酸エステル誘導体の製造方法 |
-
1989
- 1989-01-17 JP JP1008798A patent/JP2520384B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02188593A (ja) | 1990-07-24 |
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