JP2519919Y2 - 浄化槽 - Google Patents

浄化槽

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JP2519919Y2
JP2519919Y2 JP1990063286U JP6328690U JP2519919Y2 JP 2519919 Y2 JP2519919 Y2 JP 2519919Y2 JP 1990063286 U JP1990063286 U JP 1990063286U JP 6328690 U JP6328690 U JP 6328690U JP 2519919 Y2 JP2519919 Y2 JP 2519919Y2
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  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は生活雑排水および屎尿排水等を処理する浄化
槽に係り、特に一般家庭で個別的に用いられる小型の浄
化槽に関する。
〔従来の技術〕
湖沼や内海などいわゆる閉鎖性水域は各種の栄養塩の
流入などにより富栄養化の進行が著しい。
富栄養化とは、排水中の窒素、リンなどの栄養塩濃度
が増加し、これを利用して光合成を行なう藻類や水生植
物が異常に増殖する現象である。
特に、水中の窒素化合物に関していえば、水中生物の
排泄物以外はほとんど人間活動により流入したものであ
り、なかでも生活雑排水および屎尿浄化槽放流水の影響
は極めて大きい。
それゆえ、生活雑排水および屎尿排水の浄化のため、
脱窒素機能を有する種々の家庭用個別浄化槽が提案され
ている。
その一例として、好気性処理槽での硝化を、原水の流
入量、好気性処理槽の滞留時間等を調整する、いわゆる
容積負荷調整方法等により行なうものがある。
〔考案が解決しようとする課題〕
しかしながら、このような処理方法では、処理量が減
少し、処理能力が上がらず、処理量を増やそうとすると
処理槽の容積を大きくしなければならずコンパクト性に
欠けるという欠点がある。
本考案は、上記事情に鑑みて創案されたものでその目
的は、特に一般家庭で個別的に用いられる生活雑排水お
よび屎尿排水の浄化槽において、コンパクトかつ簡易な
構造で低コストが実現できしかも脱窒素の処理能力に優
れた浄化槽を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題を解決するために本考案は、嫌気性濾床槽
と、粒状多孔質担体を充填した生物膜濾過槽と、これら
嫌気性濾床槽および生物膜濾過槽を経由して処理された
処理水を貯水する処理水槽とを有する浄化槽において、
前記処理水槽内に配置されて処理水の返送を行う返送用
ポンプと、この返送用ポンプにより返送される処理水を
生物膜濾過槽内に排水する第1の返送パイプと、返送用
ポンプにより返送される処理水を嫌気性濾床槽に排水す
る第2の返送パイプとを備えていることを特徴としてい
る。
〔作用〕
本考案の浄化槽は、処理水槽の処理水の一部を生物膜
濾過槽と嫌気性濾床槽とに、それぞれ返送する返送用ポ
ンプを備え、処理水の一部を生物膜濾過槽と嫌気性濾床
槽に戻すことによって、生物学的硝化、脱窒素を行うよ
うにしている。
従って、本考案装置は、特に一般家庭で個別的に用い
られる生活雑排水および屎尿排水を浄化する合併浄化槽
において、脱窒素の処理能力が極めて優れ、装置自体も
極めてコンパクトになるとともに低コスト化が図れる。
〔実施例〕
本考案の実施例を第1図を参照して説明する。
第1図は、本考案の浄化槽の概略構成縦断面図を示し
たものである。
本考案における浄化槽は、第1図に示されるように、
嫌気性濾床槽第1室R1、嫌気性濾床槽第2室R2、生物膜
濾過槽Sおよび処理水槽Tを有している。
嫌気性濾床槽第1室R1、嫌気性濾床槽第2室R2(以
下、それぞれ、濾床槽R1、濾床槽R2と称す)において
は、通常、嫌気性生物処理が行なわれる。
このような濾床槽R1、濾床槽R2の構成としては、種々
の構成が考えられるが、その中でも特に第1図に示され
る構成のものが好ましい。
すなわち、第1図に示されるように濾床槽R1と濾床槽
R2は、濾床槽R1の低水位(L.W.L)の位置に開口8を設
けた仕切壁7によって連通されており、両槽ともに嫌気
性微生物を保持しやすく、目づまりにくい濾材を充填し
た濾床5a,5bを備え、濾床5a,5bの下方に空間がそれぞれ
設けられている。
濾床槽R1には汚水である原水を流入させる流入口3、
この流入口3につながる下方および側面に開口部を有し
た導水管4が設けられ、この導水管4の下方の開口部の
真下であって濾床5aの上方には導水管4の水流を一箇所
に集中させないように阻流板(図示しない)が設けられ
ている。この濾床5aは嫌気性微生物が保持されており、
濾床槽R1は濾床槽R2とともに嫌気性濾床槽Rを構成して
いる。
濾床槽R1と濾床槽R2とを仕切る仕切壁7に沿って鉛直
に濾床5aより下方に延在し、そこに開口している掃除筒
6が設けられている。この掃除筒6は掃除の際にこの掃
除筒6の底まで図示しない掃除ポンプのノズルを挿入す
るためのものである。
濾床槽R2には、ブロワーからのエアーで駆動する間欠
定量ポンプ9が設置され、この間欠定量ポンプによって
嫌気処理水が送水されるようになっている。このような
濾床槽R2に続いて生物膜濾過槽Sが設置されている。
生物膜濾過槽Sは、排水中に残存しているアンモニア
態窒素を硝化したり、汚濁原因物質などを微生物のもつ
分解作用を利用した微生物処理及びリン酸イオン、鉄イ
オン等の生物吸着、物理的濾過をすることを目的として
おり、その処理槽の構成としては種々の態様が考えられ
るが、中でも特に以下に述べるような構成とすることが
好ましい。
すなわち、生物膜濾過槽Sの上方には逆洗時に生物膜
濾過槽Sで増加し溢れた処理水が前記濾床槽R1へ戻され
る逆洗排水パイプ31が設けられ、一方、底部近くには図
示のごとく曝気用ブロワ35に接続された曝気・逆洗用パ
イプ37が枠組されて設けられ、この枠組された部分には
多くの孔が設けられている。
このような曝気・逆洗用パイプ37の枠組部の上部には
好気性微生物を付着させた粒状の多孔質セラミックス等
からなる多数の担体43を充填して生物膜濾過層45を形成
している。
上記粒状の多孔質セラミックスとしては、例えば高多
孔性粒状泡ガラスを用いることが好ましい。
生物膜濾過槽Sで浄化処理された処理水は処理水槽T
へ供給されるとともに、逆洗時には処理水槽Tの処理水
を生物膜濾過槽Sへ逆送するパイプ47が設けられてい
る。このパイプ47によって生物膜濾過槽Sと処理水槽T
とは連通される。
処理水槽Tには、本考案であるエアリフトポンプ70が
設置されている。
エアリフトポンプ70は、第1図および第2図に示され
るように処理水槽T内に一部浸漬するエアリフト管71
と、このエアリフト管71の側面からエアリフト管71の内
腔部に挿入される送気管72とを有し、送気管72は通常、
図示しない空気量調整弁を介してブロアに連結される。
ここで、エアーリフトポンプの原理を第2図によって
説明する。まず、送気管72の先端部より空気を吹き出す
と、エアリフト管71のなかの液は気泡を含み、見掛けの
比重が小さくなり、これにより、エアリフト管71の内部
の液は内外の液の比重差に相当する分だけ押し上げられ
ることになる。
このようなエアリフト機構を有する前記エアリフト管
71の上方には、より好ましい態様として第2図ないし第
4図に示されるバッファタンク80が介在して設けられ
る。
このタンク80は箱状の外枠体81によりその外面が形成
され、このタンク80内は、4つの分室E1〜E4に分割され
ている。まず、第1分室E1は整流板83により分割されて
おり、第1分室E1の底面から前記エアリフト管71の上部
が突出して連通しており、この突出したエアリフト管71
の上端部71aの上部近傍には、飛散防止板82が固着され
ており、この防止板82に連設して、前記整流板83が設け
られている。なお、整流板83は、第1分室E1を完全に分
割するのではなく、分室E1の底部に隙間が設けられ、後
述する第2分室E2に連通される。第2分室E2は計量板85
により分割されており、この計量板85は、第2図に示さ
れるように、第2分室E2に流入する処理水を2系列に分
けるとともに、流量を調節する役割を果たしている。す
なわち、計量板85の上部には、略V字状の切欠部85aと
略長方形状の切欠部85bが形成されており、切欠部85bの
部分には水位調節板87が蝶ねじ88,88によって上下方向
調節可能に取り付けられている。この水位調節板87の高
さを調節することにより2系列の流量比を変えることが
できる。
このような計量板85により分岐された処理水は、仕切
り板89により仕切られた第3分室E3および第4分室E4に
それぞれ流入される。
第3分室E3および第4分室E4の底部にはそれぞれ返送
パイプ78a,78bの一端が連通して設けられている。
返送パイプ78aは、処理水の一部を生物膜濾過槽Sに
返送するために生物膜濾過槽Sに至るところまで延びて
いる。
ところで、もう一方の返送パイプ78bは、処理水の一
部を嫌気性濾床槽R1に返送するために、嫌気性濾床槽R1
まで延びている。
処理水槽Tの中の処理水の一部を、それぞれ生物膜濾
過槽Sと嫌気性濾床槽R1に返送する理由について説明す
る。
処理水槽Tの中の処理水の一部を生物膜濾過槽Sに返
送するのは、処理水中に残存しているアンモニア態窒素
を完全に亜硝酸、硝酸態窒素へと硝化するためである。
すなわち、処理水の一部を生物膜濾過槽Sに返送するこ
とによって、生物膜濾過槽Sの上層部の溶存酸素(DO)
を高めるとともに、生物化学的酸素要求量(BOD)の濃
度を低くすることができ、また、生物膜濾過槽Sを通過
する水量が増加し、そのことによって原水が生物膜濾過
槽S全体に均等に分散され、これにより亜硝酸菌や硝酸
菌の活性が高まり、アンモニアを亜硝酸イオンや硝酸イ
オンに酸化することができる。
この場合、循環化、すなわち原水流入量に対する生物
膜濾過槽Sへの返送量の比r1は、0.5〜0.4、特に2.0〜
3.0が好ましい。
この値が0.5未満であると処理水の硝化率がわるくな
り、一方、この値が4.0をこえると、不必要な循環をさ
せることになり、好ましくない。
一方、処理水槽Tの中の処理水の一部を嫌気性濾床槽
R1に返送するのは、上述のように亜硝酸イオンや硝酸イ
オンに分解された処理水の脱窒素を行うためである。
すなわち、嫌気性濾床槽R1に繁殖する脱窒素菌によ
り、嫌気性濾床槽R1に返送された処理水の亜硝酸イオン
や硝酸イオン中の酸素が取られ、この還元作用によっ
て、亜硝酸イオンや硝酸イオン中の窒素はN2ガスとして
大気へ放出され、排水中の無機性窒素の除去がおこなわ
れる。
この場合、循環比、すなわち原水流入量に対する嫌気
性濾過槽R1への返送量の比r2は、0.5〜6.0、特に3.0〜
4.0が好ましい。
この値が0.5未満であると処理水の窒素除去率がやや
わるくなり、一方、この値が6.0をこえると、不必要な
循環をさせることになり、好ましくない。
このように処理水槽Tの中の処理水の一部を生物膜濾
過槽Sと嫌気性濾床槽R1にそれぞれ返送する組み合わせ
によって、アンモニアの亜硝酸イオン化および硝酸イオ
ン化、並びに酸化された窒素化合物中の脱窒素が行われ
る。
上述の本考案の浄化槽は、個々の槽(嫌気性濾床槽第
1室R1、嫌気性濾床槽第2室R2、処理水槽T等)を個別
に製作し、これらを配管して連通させることもできる
が、通常、例えば強化繊維プラスチック(FRP)等の材
質で各槽を一体成形し、これらの中に所定の濾床5a,5
b、配管、ポンプ等を組み込み、所定の機能を持たせる
ことが浄化槽のコンパクト化を図るうえで好ましい。
次に、上述してきた浄化槽1の汚水の処理方法につい
て説明する。
本考案の浄化槽1は、特に一般家庭で個別的に用いら
れる生活雑排水および屎尿の浄化処理を目的とするもの
であり、それゆえ浄化槽の個々の槽の大きさは、それに
相応する大きさとされる。
汚水はまず最初に流入口3から導水管4を通り、阻流
板(図示しない)によって広げられて濾床5aに撒かれて
原水槽Rの濾床槽R1に送られる。
原水は、水位が上昇し、導水管4の途中まできたとき
には側面の開口8から流出する。汚水が濾床5aを通過す
るとき、この濾床5aに嫌気性の微生物が付着しており、
ここで有機物の1次的分解、吸着が行なわれる。通過し
た水は濾床槽R1の水位を上げていき、同様に濾床5bで有
機物の分解、吸着がなされる。水位が吸入管水平部17を
超えた後には電磁弁15が開放され、ポンプ用ブロア16の
圧力がパイプ14を通して間欠定量ポンプ9を作動させ
る。この間欠定量ポンプ9によって汚水の流入量に関係
なく定量で生物膜濾過槽Sへ送り出す。したがって、流
入量が多いときには濾床槽R1の水位が高水位(H.W.L)
の線以内で上昇する。
パイプ13で送られた水は生物膜濾過槽Sに入り、生物
膜濾過層45を下向流で通過する。この生物膜濾過層45内
には前述したように粒状多孔質セラミックスからなる多
数の担体43が充填されており、この中の曲折しながら下
降する。
ところで、このとき、曝気用ブロワー35が作用し、底
部には枠組された曝気・逆洗用パイプ37から空気の気泡
が吹き出され、上昇する。この気泡は、担体43に衝突し
ながら曲線的に上昇するので、急激に粗大化せず滞留時
間も長くなり、高い酸素利用率が得られるため、高負荷
運転が可能である。
このように生物膜濾過層45で原水と空気とを向流接触
させることにより、接触曝気をし、汚水への酸素溶解を
図り、生物酸化機能を高めて有機物の分解や微生物の増
殖をするとともに、担体粒子間と広い生物膜表面への吸
着とによる濾過作用により、より効率的に浄化し処理水
とする。
なお、後述するように生物膜濾過層45は一定時間経過
毎に逆洗されるので、底部に沈澱することはほとんどな
い。
処理水はパイプ47によってエルボ管55の開口から処理
水槽Tへ送り込まれる。
処理水槽Tの処理水の一部は、エアリフトポンプ70に
より返送パイプ78aを介して生物膜濾過槽Sに一定量、
循環させ、未処理のアンモニア態窒素を完全に亜硝酸、
硝酸態窒素へと酸化させている。詳細については上述し
た通りである。
また、同様に処理水槽Tの処理水の一部は、エアリフ
トポンプ70により返送パイプ78bを介して一定量、第1
嫌気性濾床槽R1に返送される。ここで、亜硝酸イオンや
硝酸イオンに分解された処理水の脱窒素がおこなわれ
る。なお、詳細については上述した通りである。
ところで、最終的に処理水槽Tの中の大部分の処理水
は、通常、連接される小室57,59,61を経て放流口63から
放流される。この間、小室57からオーバーフローした処
理水は薬筒65からの薬注によって中和や殺菌がなされる
ことによって放流される。
この放流は、前記嫌気性濾床槽Rに受けられた間欠定
量ポンプ9による水の供給により、処理スピードは設定
されており、この設定は通常、生物膜濾過槽Sの生物膜
濾過層45の処理能力によって設定されている。したがっ
て、常に安定した処理水の水質を確保できる。汚水の処
理の結果、生物膜濾過層45の担体43には有機物や増殖汚
泥が付着してきており、これが担体43から外れて沈澱が
始まる前に、逆洗ポンプ53を作動させると処理水槽T内
に溜まっている処理水がパイプ47中を逆流して、生物膜
濾過槽Sの底部から生物膜濾過層45内を吹き上がる。こ
の時エルボ管55からも一部吹き出すが口径が小さいので
問題にならない。
この上昇流によって、生物膜濾過層45内に付着捕捉さ
れている増殖汚泥等は、曝気ブロワー35から曝気・逆洗
用パイプ37を介して吹き出される気泡と相俟って除去さ
れ、逆洗排水中に浮遊する。ここに生物膜濾過層45は上
述したように粒状多孔質セラミックスの多数担体43であ
り、比重が1に近いことから、担体43は舞い上がり、互
に衝突し合うことになり、捕捉していた増殖汚泥を離脱
させることになり、洗われることとなる。
逆洗ポンプ53で処理水槽Tの処理水が送り込まれるた
め、生物膜濾過槽Sの水位は上昇し、浮遊している増殖
汚泥とともに逆洗排水として上方の逆洗排水パイプ31に
よって濾床槽R1に戻される。この逆洗排水は前記濾床5
a,5bを通過し、再度嫌気性微生物により分離され、嫌気
性濾床槽Rの底に増殖汚泥を減少させ、浮遊あるいは沈
澱させる。
この逆洗を所定時間経過毎に行い生物膜濾過層45を洗
滌して、分解、吸着能力を復帰させ嫌気性濾床槽Rへ増
殖汚泥等を戻し、嫌気性濾床槽Rの掃除筒6から掃除ポ
ンプのノズルを挿入して定期的に増殖汚泥を抜き取り、
処理をする。このような逆洗方法は、特に生物膜濾過層
の処理能力を低下させることなく、沈殿槽を設けること
なく、常にあまり変ることのない処理能力を維持するた
めには最適である。
この逆洗が終った後には、嫌気性濾床槽Rへの汚水の
流入が続き、平常の浄化処理が行われる。
このような逆洗は、家庭用雑排水を処理対象とする場
合には、例えば1日に1度、逆洗することで足りる。
なお、本考案においてエアリフトポンプ70は、一つに
限らず生物膜濾過槽Sへの返送用および生物膜濾過槽S
への返送用として個々に設けて二つにしてもよい。
また、本考案の実施例では処理水の一部は嫌気性濾床
槽R1に返送されているが、嫌気性濾床槽R2に返送しても
よいことは勿論である。また、嫌気性濾床槽R1,R2双方
に返送してもよい。
次に第1図に示されるような装置を用いて具体的な浄
化実験を行なった。
実験例1 まず、処理水槽Tと生物膜濾過槽Sとの間の循環によ
る硝化率の変化を調べるために、下記の実験を行なっ
た。
すなわち、まず最初に、流入口3から原水を流入さ
せ、通常の浄化処理を行ない、次いでエアリフトポンプ
70を作動させ、水位調整板を調整して一定量の処理水を
生物膜濾過槽Sのみに送水(返送)し、処理水槽Tと生
物膜濾過槽Sとの間を循環させながら、浄化処理を行な
った。この場合、循環させる割合は、種々変えた。
結果を下記表1に示す。
表1中、循環比r1は、原水流入量に対する生物膜濾過
槽への返送量の比をあらわす。
原水T−Nおよび処理水T−Nは、それぞれ原水中お
よび処理水中の総窒素分を示す。
処理水NOX-Nは、窒素酸化物中の総窒素分を示す。
実験例2 実験例1で最適の効果が得られた循環比r1=2をその
ままにし、さらに処理水中の処理水を嫌気性濾過槽R1に
返送した。この場合にも返送量(循環比r2)を種々変化
させた。
結果を下記表2に示す。
表2中、循環比r2は、原水流入量に対する嫌気性濾床
槽への返送量の比をあらわす。
〔考案の効果〕
以上の結果より、本考案の効果は明らかである。すな
わち、本考案の浄化槽は、処理水槽の処理水の一部を生
物膜濾過槽と嫌気性濾床槽とにそれぞれ戻すようになっ
ており、処理水槽中の処理水を再度生物膜濾過槽および
嫌気性濾床槽に返送することによって、処理水中に残存
するアンモニアを亜硝酸イオンや硝酸イオンに分解した
うえで再度脱窒素処理を行うことにより、浄化槽の脱窒
素処理能力を非常に高めることができる。従って、一般
家庭で個別的に用いられる生活雑排水および屎尿排水の
浄化、特に、脱窒素の処理能力が極めて優れ、装置自体
も極めてコンパクトになるとともに低コスト化が図られ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の浄化槽の概略構成縦断面図、第2図は
エアリフトポンプおよびバッファタンクの概略斜視図、
第3図および第4図はそれぞれ第2図の正面図および平
面図である。 R1……嫌気性濾床槽第1室、R2……嫌気性濾床槽第2
室、S……生物膜濾過槽、T……処理水槽、5a,5b……
濾床、43……担体、45……生物膜濾過層、70……エアリ
フトポンプ、78a,78b……返送パイプ、80……バッファ
タンク。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 山本 泰弘 東京都渋谷区神宮前6丁目26番1号 麒 麟麦酒株式会社内 (72)考案者 尾西 正治 香川県高松市松島町1丁目11番22号 株 式会社四電工内 (72)考案者 寒川 博 香川県高松市松島町1丁目11番22号 株 式会社四電工内 (56)参考文献 特開 昭64−56193(JP,A) 特開 昭49−22761(JP,A) 特開 平1−30699(JP,A) 特開 平1−111492(JP,A) 実開 昭61−143695(JP,U)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】嫌気性濾床槽と、粒状多孔質担体を充填し
    た生物膜濾過槽と、これら嫌気性濾床槽および生物膜濾
    過槽を経由して処理された処理水を貯水する処理水槽と
    を有する浄化槽において、 前記処理水槽内に配置されて処理水の返送を行う返送用
    ポンプと、 この返送用ポンプにより返送される処理水を生物膜濾過
    槽内に供給する第1の返送パイプと、 前記返送用ポンプにより返送される処理水を嫌気性濾床
    槽に供給する第2の返送パイプと、 を備えていることを特徴とする浄化装置。
JP1990063286U 1990-06-15 1990-06-15 浄化槽 Expired - Lifetime JP2519919Y2 (ja)

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