JP2518987Y2 - クラッチ装置 - Google Patents

クラッチ装置

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JP2518987Y2
JP2518987Y2 JP1989015034U JP1503489U JP2518987Y2 JP 2518987 Y2 JP2518987 Y2 JP 2518987Y2 JP 1989015034 U JP1989015034 U JP 1989015034U JP 1503489 U JP1503489 U JP 1503489U JP 2518987 Y2 JP2518987 Y2 JP 2518987Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、自動車等の動力伝達系内に介装されて好適
なクラッチ装置に関するものである。
(従来の技術) トラック等車両の動力伝達系内に介装されているクラ
ッチ装置の典型的な構成を、第4図ないし第6図を参照
して説明する。図中符号10はクラッチプレートであっ
て、その外周部分には多数のセグメントに分割されたフ
リクションフェーシング(図示せず)が固着され、同フ
ェーシングは図示しないエンジンのフライホイールに摩
擦的に圧接されてトルクを伝達する。12は図示しないト
ランスミッションの入力軸にスプライン連結される円筒
状のハブであって、その略中央部に半径方向外方に延在
したハブプレート14を具えている。上記クラッチプレー
ト10には、複数のストッパピン16を介してリテーニング
プレート18が実質的に平行に固着されている。(従って
リテーニングプレート18は実質的にクラッチプレート10
と一体であり、クラッチプレート10の一部であると認識
することができる。)クラッチプレート10及びリテーニ
ングプレート18と、ハブプレート14との間には、夫々サ
ブプレート20,22が配設され、これらサブプレート20及
び22は複数のストッパピン24によって一体的に結合され
ている。又上記ハブプレート14とサブプレート20,22と
の間には、小さいばね定数を有する第1段のトーション
スプリング26が装架され、更にハブプレート14とクラッ
チプレート10(及びリテーニングプレート18)との間に
は、大きいばね定数を有する第2段のトーションスプリ
ング28が装架されている。又、ハブプレート14とサブプ
レート20,22との間には、夫々小さい摩擦係数を有する
第1の摩擦部材即ちフリクションワッシャ30,32が挟装
され、一方のフリクションワッシャ32はフリクションプ
レート34を介してウエイブスプリング36によりハブプレ
ート14に対し弾性的に圧接されている。一方、サブプレ
ート20,22とクラッチプレート10、リテーニングプレー
ト18との間には、夫々大きい摩擦係数を有する第2のフ
リクションワッシャ38,40が挟装されている。
上記ハブプレート14には、ストッパピン24を収容する
長孔又は切欠部42が設けられ、同ピン24従って同ピンに
よって固着されたサブプレート20及び22は、ピン24が長
孔又は切欠部42の側壁に当接するまで、時計方向に角度
θ、反時計方向に角度θ′だけハブプレート14に対
して相対廻動することができる。この相対廻動中に、第
1段トーションスプリング26が相応して圧縮され、又第
1段のフリクションプレート30,32によって摩擦トルクh
1′が発生する。同様に、サブプレート20,22には、スト
ッパピン16を収容する長孔又は切欠部44が設けられ、同
ピン16及びこれと一体のクラッチプレート10及びリテー
ニングプレート18は、ピン16が長孔又は切欠部44の側壁
に当接するまで、時計方向に角度θ、反時計方向に角
度θ′だけサブプレート20,22に対して相対廻動する
ことができる。この相対廻動中に、第2段トーションス
プリング28が相応して圧縮され、又第2段のフリクショ
ンワッシャ38,40によって摩擦トルクh2′が生起され
る。上記構成のクラッチ装置のトルク−捩り角特性図
は、第6図に示す通りである。
(考案が解決しようとする課題) 上述した従来のクラッチ装置の第6図に示されている
ような捩り特性は、クラッチ装置が搭載される車両の運
転特性に応じ、第1段及び第2段トーションスプリング
26及び28のばね定数や、第1及び第2摩擦部材30,32及
び38,40の摩擦係数を適切に選択することによって設定
されるが、車両のすべての運転状態に適合するような捩
り特性を実現することは事実上極めて困難である。
一般に、トルク変動が小さい運転状態では、ヒステリ
シス特性即ち摩擦部材の摩擦トルクが小さく、またトル
ク変動が大きい運転状態では、ヒステリシス特性従って
摩擦部材の摩擦トルクが大きいことが望ましい。しか
し、通常の車両では、アイドル運転時には伝達トルクが
小さくてトルク変動が大きく、一方通常走行時には伝達
トルクは大きいがトルク変動は小さい。特に、トルク変
動が大きいディーゼルエンジンを搭載した車両では、ア
イドル運転時の騒音低減が強く要請されているために、
従来は上記第1及び第2摩擦部材30,32及び38,40のヒス
テリシス特性をアイドル運転時に適応するように設定
し、通常走行時の駆動系の異音対策は多少犠牲にされて
いるのが実情である。しかしながら、アイドル騒音の低
減と共に、走行時の駆動系の異音を効果的に低減させる
ことは勿論望ましいことである。
また、コンクリートミキサー車等の所謂特装車の場
合、PTO(動力取出装置)を介してオイルポンプ等の負
荷がエンジンに連結されているために、アイドル運転時
の伝達トルクが、標準車の場合より大きく、かつトルク
変動も大きいので、標準車に適合するように捩り特性を
設定されたクラッチ装置をそのまま特装車に使用する
と、屡々著しいアイドル騒音が発生する不具合がある。
しかしながら、生産コスト上の要請から、少量生産され
る特装車に専用のクラッチ装置を製造することは得策で
はなく、標準車及び特装車の双方に効果的に適用し得る
安価なクラッチ装置の実現が望まれている。
本考案は、上記事情に鑑みなされたもので、アイドル
運転時及び通常走行時等作動領域が異る運転状態に対し
て好適な捩り特性が得られ、また標準車や特装車等、種
々の車両に適応し得るクラッチ装置を安価に提供するこ
とを目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 本考案に係るクラッチ装置は、上記目的を達成するた
めに創案されたもので、エンジンからのトルクが伝達さ
れるクラッチプレートと、同クラッチプレートに対して
相対廻動可能にかつ同軸的に対設し、変速機側に連結さ
れたハブプレートと、上記クラッチプレートとハブプレ
ートとの間に介装されたトーションスプリングとを具え
たクラッチ装置において、上記クラッチプレートとハブ
プレートとの間に介装され、上記ハブプレートに摩擦的
に係合する第1の摩擦部材と、上記ハブプレートに突設
されるとともに、その外周面に抜け止め手段を介して緩
衝材が装着された突起と、上記クラッチプレートと上記
ハブプレートとの間に介装されたプレート部材であっ
て、上記突起が遊挿される開口部を有し、上記クラッチ
プレートと上記ハブプレートとの間に設定角度の相対廻
動が生起されたとき、上記突起が上記開口部の回転方向
側縁に当接して上記ハブプレートと共に一体的に廻動す
るプレート部材と、上記クラッチプレートと上記プレー
ト部材との間に介装されて上記クラッチプレートに摩擦
的に係合し、かつ上記第1の摩擦部材より大きい摩擦係
数を有する第2の摩擦部材とを具えたことを特徴とする
ものである。
(作用) 本考案によれば、ハブプレートと、クラッチプレート
とが、トーションスプリングの作動領域には関係なく、
上記設定角度以上捩れるまでは、ハブプレートに設けら
れた突起と上記プレート部材とが係合しないので、第2
の摩擦部材はクラッチプレートと一体的に回転し、第2
摩擦部材と、クラッチプレートとの間に摩擦トルクが発
生せず、上記設定角度未満のハブプレート及びクラッチ
プレート相互間の捩れ即ち小さいトルク変動に対して
は、第1摩擦部材のみが作動して小さい摩擦トルクが生
起される。変動トルクが大きくなってハブプレート及び
クラッチプレート間の捩り角が上記設定値以上になる
と、上記突起とプレート部材とが係合し、第2摩擦部材
と上記クラッチプレートとの間に大きい摩擦トルクが追
加して生起される。従って、トーションスプリングの作
動領域とは無関係に、第2摩擦部材が作動する領域即ち
ハブプレート及びクラッチプレートの設定相対廻動角度
及び各摩擦部材の摩擦係数を定め、かつトーションスプ
リングのばね定数を適宜に選択することによって、広範
な車種に適応し得る捩り特性を具えたクラッチ装置を実
現することができる。
また、上記突起のプレート部材に係合する当接面にゴ
ム、樹脂等からなる緩衝材を装着することによって、両
者の金属接触を避け、金属接触に基づく異音の発生を効
果的に防止することができる。
(実施例) 以下本考案の実施例を第1図乃至第3図について具体
的に説明する。(なお、第4図乃至第6図を参照して前
述した従前の構成と実質的に同一又は対応する部材もし
くは部分には、同一の符号を付し重複に渉る説明は省略
する。)本考案の一実施例においては、クラッチプレー
ト10とハブプレート14との間に介装されて同ハブプレー
ト14に摩擦的に係合する第1の摩擦部材即ちフリクショ
ンワッシャ30が、回転方向に関して上記クラッチプレー
ト10に係止されたフリクションプレート46を介してウエ
イブスプリング48によりハブプレート14に向い押圧され
ている。一方、ハブプレート14とリテーニングプレート
18との間に、ウエイブスプリング50によってリテーニン
グプレート18に向い押圧されたプレート部材52が介装さ
れ、同プレート部材52とリテーニングプレート18との間
に第2の摩擦部材即ちフリクションワッシャ40が介装さ
れ、第2摩擦部材40は上記第1摩擦部材30より大きい摩
擦係数を有する。
ハブプレート14上に、その軸線に対し略平行に延在し
た突起54が突設され、この実施例では同突起54は円柱状
のピン56と、同ピンの外周に圧入外嵌された筒状の緩衝
体58とから構成されている。緩衝材58は適宜の樹脂材料
(例えば補強用のガラス繊維を混入した6−6ナイロン
等)又はゴム材で作られている。第2図に明示されてい
るように、上記突起54はプレート部材52に設けられた長
孔又は円周方向の切欠部(以下、開口部という)60内に
遊挿されている。また、上記ピン56の外周には、圧入さ
れた緩衝材58の抜け止め手段を形成する凹溝62が形成さ
れている。
この実施例の場合、第1のトルク伝達部材を構成する
ハブプレート14と第2のトルク伝達部材を構成するクラ
ッチプレート10及びこれと一体のリテーニングプレート
18とが、中立位置から角度θ及び角度θ′だけ相対
廻動するまでは、第1段のトーションスプリング26のみ
が圧縮され、ハブプレート14とクラッチプレート10との
相対廻動角度が上記捩り角度θ及びθ′を超える
と、第2段のトーションスプリング28が圧縮される。
(以下クラッチプレート10側からハブプレート14にトル
クが伝達される場合を正伝達と称し、反対にハブプレー
ト14側からクラッチプレート10側にトルクが伝達される
場合を逆伝達と称する。)また、第2図に示されている
ように、上記ハブプレート14とクラッチプレート10及び
これと一体のリテーニングプレート18とは、ストッパピ
ン16が図示の中立位置から長孔又は切欠部44の回転方向
両側縁44′に当接するまで、夫夫捩り角度θ(正伝
達)及びθ′(逆伝達)だけ左右に相対廻動すること
ができ、その後両者は一体的に回転する。また、上記プ
レート部材52と、突起54を具えたハブプレート14とは、
突起54が第2図に示した中立位置から開口部60の回転方
向両側縁60′に当接するまで、夫々角ε(正伝達)及
び角度ε′(逆伝達)だけ相対廻動することが可能で
ある。なお、この実施例の場合、上記捩れ角度θ及び
θ′は、角度ε及びε′より大きく、勿論角度θ
及びθ′よりは小さい。
上記構成を有するクラッチ装置の捩り特性は第3図に
示すとおりである。先づクラッチプレート10にトルクが
入力せずクラッチプレート10とハブプレート14とが捩れ
ていない中立状態において(点O)、微小なトルクがク
ラッチプレート10に入力しても、フリクションワッシャ
30の摩擦力によりクラッチプレート10とハブプレート14
とが摩擦係合しているので、これらが相対廻動すること
なく、ヒステリシスh1/2に相当するトルクがフリクショ
ンワッシャ30を介してハブプレート14に伝達される(区
間OF、なお第1段トーションスプリング26に予負荷が加
わっている場合にその分トルク伝達量が加算される)。
伝達トルクが増加すると摩擦係数の小さいフリクション
ワッシャ30がハブプレート14に対し摺動してクラッチプ
レート10がハブプレート14に対して捩れ始め、第1のト
ーションスプリング26が圧縮されるので、この圧縮量、
即ちクラッチプレート10とハブプレート14との捩れ角に
応じてトルクが伝達される(区間FG)。このときフリク
ションワッシャ40と一体のプレート部材52とリテーニン
グプレート18とは一体回転し、プレート部材52とハブプ
レート14とは相対廻動している。
クラッチプレート10とハブプレート14との間の捩り角
が角度εに達すると、突起54がプレート部材52の開口
部60の一方の側縁60′に当接するので、フリクションワ
ッシャ40が滑り出すまで伝達トルクの一部(ヒステリシ
スh2/2に相当するトルク)が同フリクションワッシャ40
を介し突起54を経てハブプレート14に伝達される(区間
GH)。
さらに伝達トルクが増加するとフリクションワッシャ
40がリテーニングプレート18に対して摺動し、第1のト
ーションスプリング26をさらに圧縮しながらクラッチプ
レート10とハブプレート14との間の捩り角が増大し、こ
の捩り角に応じてトルクが伝達される(区間HJ)。ハブ
プレート14に対するクラッチプレート10の捩り角が角度
θに達すると、第2のトーションスプリング28も圧縮
され始め、各トーションスプリング26,28の圧縮量に応
じた回転トルクが伝達される(区間JC)。クラッチプレ
ート10とハブプレート14とがさらに捩れ、この捩り角が
角度θに達するとストッパピン16がハブプレート14に
当接するので、クラッチプレート10とハブプレート14と
が一体的に回転し、両者が角度θだけ捩られたままの
状態でクラッチプレート10に入力する伝達トルクが直接
ハブプレート14側に伝達される。
次に、エンジンのトルク変動によりクラッチプレート
10に入力する伝達トルクが減少し始めた場合、クラッチ
プレート10とハブプレート14は上述の場合と逆方向に相
対廻動しようとするが、この伝達トルクの変動量(減少
量)が、フリクションワッシャ30及び40のヒステリシス
(h1/2+h2/2)に相当するトルク量に、上述の場合と逆
方向に作用するフリクションワッシャ30のヒステリシス
h1/2に相当するトルク量を加えた値よりも小さければ、
フリクションワッシャ30の摩擦力によりクラッチプレー
ト10及びハブプレート14間の捩り角はθのままである
(区間CB)。伝達トルクがさらに減少すると、フリクシ
ョンワッシャ30がハブプレート14に対し摺動してクラッ
チプレート10に対するハブプレート14の捩り角が減少
し、この捩り角に応じたトルクが伝達される(区間B
K)。ハブプレート14に対するクラッチプレート10の捩
り角がθまで戻ると、第2のトーションスプリング28
が自由長になり(K点)、第1のトーションスプリング
26のばね力に応じたトルクのみが伝達される(区間K
P)。クラッチプレート10がハブプレート14に対しB点
より角度ε+ε′だけ相対廻動すると、突起54がプ
レート部材52の開口部60の他方の側縁60′に当接するの
で、フリクションワッシャ40がリテーニングプレート18
に対し摺動し始めるまでヒステリシスh2/2に相当する伝
達トルクの低下が生じる(区間PQ)。
さらに伝達トルクが減少すると、第1のトーションス
プリング26のばね力によりフリクションワッシャ40も滑
りだしてクラッチプレート10及びハブプレート14間の捩
り角は負側に減少し、この捩り角に応じてトルクが伝達
され、区間HJと同様に作用する。
このように、第1摩擦部材即ちフリクションワッシャ
30の摩擦係数が第2摩擦部材即ちフリクションワッシャ
40の摩擦係数より小さく、かつ突起54がプレート部材52
に当接しないと同プレート部材52がハブプレート14に連
動しないので、伝達トルクが変動した場合において、そ
のときのクラッチプレート10に対するハブプレート14の
捩り角度位置に関係なく、先ず第1摩擦部材即ちフリク
ションワッシャ30がハブプレート14に対し摺動してヒス
テリシスh1/2に相当するトルク量(摩擦抵抗によるトル
ク量)が同フリクションワッシャ30を介して伝達され、
次に突起54がプレート部材52に当接すると、これに加え
て第2摩擦部材即ちフリクションワッシャ40がリテーニ
ングプレート18に対し摺動してヒステリシスh2/2に相当
するトルク量が同フリクションワッシャ40を介して伝達
される。結局、任意の運転状態における伝達トルクの変
動が小さい場合には、このトルク変動はフリクションワ
ッシャ30のみが摺動する小さいヒステリシスループ領域
内で変動し、一方突起54がプレート部材52に当接するよ
うな大きなトルク変動が生じた場合には、フリクション
ワッシャ40がリテーニングプレート18に対し摺動して新
たな捩り角位置に到達した後、伝達トルクはその捩り角
を中心に、フリクションワッシャ30のみが摺動する小さ
いヒステリシスループ領域内で変動することになる。
従って、第1及び第2トーションスプリング26及び28
のばね定数、第1及び第2摩擦部材30及び40の摩擦係
数、更に第2摩擦部材40が作動する領域を適宜に選択す
ることによって、例えばエンジンのアイドル運転時及び
実走行時等、異る運転領域に対して好適な捩り特性を得
ることができる利点がある。
更に、上記突起54が、ピン56とその外側に嵌装された
緩衝材58とによって形成されているので、大きなトルク
変動に際して同突起54がプレート部材52の開口部60の側
縁60′に当接する場合、金属接触が行なわれず、金属接
触に基づく不快な騒音の発生が効果的に抑制されること
となる。また、特に上記緩衝材58を比較的弾性に富んだ
ゴム材料で製作した場合、第3図のGH間におけるヒステ
リシス特性の急変を回避しショックの発生を一層緩和し
得る利点がある。
なお、本考案は例示した2段クラッチ装置に限定され
るものではなく、3段以上の多段クラッチ装置にも同様
に適用することができ、また、突起54に設けられて前記
緩衝作用を生起する緩衝部材58が抜け止め手段を介して
突起54に取付られているので、長期間の稼働中に、緩衝
部材58が抜け落ちる不具合がなく、耐久性が優れている
利点がある。
(考案の効果) 以上詳細に説明したように、本考案に係るクラッチ装
置は、エンジンからのトルクが伝達されるクラッチプレ
ートと、同クラッチプレートに対して相対廻動可能にか
つ同軸的に対設し、変速機側に連結されたハブプレート
と、上記クラッチプレートとハブプレートとの間に介装
されたトーションスプリングとを具えたクラッチ装置に
おいて、上記クラッチプレートとハブプレートとの間に
介装され、上記ハブプレートに摩擦的に係合する第1の
摩擦部材と、上記ハブプレートに突設されるとともに、
その外周面に抜け止め手段を介して緩衝材が装着された
突起と、上記クラッチプレートと上記ハブプレートとの
間に介装されたプレート部材であって、上記突起が遊挿
される開口部を有し、上記クラッチプレートと上記ハブ
プレートとの間に設定角度の相対廻動が生起されたと
き、上記突起が上記開口部の回転方向側縁に当接して上
記ハブプレートと共に一体的に廻動するプレート部材
と、上記クラッチプレートと上記プレート部材との間に
介装されて上記クラッチプレートに摩擦的に係合し、か
つ上記第1の摩擦部材より大きい摩擦係数を有する第2
の摩擦部材とを具えたことを特徴とし、作動領域が異る
運転状態において好適な捩り特性が得られ、従ってアイ
ドル騒音や駆動系の異音等を効果的に低減することがで
き、また特性が異る車種間でのクラッチ装置の共用を可
能として生産コストの低減を図ることができる利点があ
る。更にまた、上記第2摩擦部材の作動時における金属
間接触に基づく異音の発生を有効に防止し得る効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案に係るクラッチ装置の一実施例を示す縦
断面図、第2図は第1図の要部を抽出して示した部分的
正面図、第3図は第1図のクラッチ装置のトルク−捩り
角特性図、第4図は従来のクラッチ装置の第1図同様の
縦断面図、第5図は第4図の要部を抽出して示した部分
的正面図、第6図は第4図に示したクラッチ装置のトル
ク−捩り角特性図である。 10……クラッチプレート、14……ハブプレート、16……
ストッパピン、18……リテーニングプレート、26……第
1トーションスプリング、28……第2トーションスプリ
ング、30……第1摩擦部材、40……第2摩擦部材、52…
…プレート部材、54……突起、56……ピン、58……緩衝

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンからのトルクが伝達されるクラッ
    チプレートと、同クラッチプレートに対して相対廻動可
    能にかつ同軸的に対設し、変速機側に連結されたハブプ
    レートと、上記クラッチプレートとハブプレートとの間
    に介装されたトーションスプリングとを具えたクラッチ
    装置において、上記クラッチプレートとハブプレートと
    の間に介装され、上記ハブプレートに摩擦的に係合する
    第1の摩擦部材と、上記ハブプレートに突設されるとと
    もに、その外周面に抜け止め手段を介して緩衝材が装着
    された突起と、上記クラッチプレートと上記ハブプレー
    トとの間に介装されたプレート部材であって、上記突起
    が遊挿される開口部を有し、上記クラッチプレートと上
    記ハブプレートとの間に設定角度の相対廻動が生起され
    たとき、上記突起が上記開口部の回転方向側縁に当接し
    て上記ハブプレートと共に一体的に廻動するプレート部
    材と、上記クラッチプレートと上記プレート部材との間
    に介装されて上記クラッチプレートに摩擦的に係合し、
    かつ上記第1の摩擦部材より大きい摩擦係数を有する第
    2の摩擦部材とを具えたことを特徴とするクラッチ装置
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