JP2518761Y2 - 播種機の吸引式播種構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、種子を吸着することができる吸着盤により
育苗箱に播種できるようにした播種機の吸引式播種構造
に関する。

〔従来の技術〕

従来は、本出願人が既に出願した実開平１−57697号
に見られるように、モータおよび吸引式ブロワーを内装
した吸引部には下面に多数の吸着口を有する播種盤を連
通連設し、上面には種子を貯溜できる多数の凹所を有し
て前記播種盤を載置することができる種子供給盤を前記
吸引部側に枢支して構成する播種機において、作業者が
両手で播種装置を操作するような構造になっていた。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、そのように両手で操作するには、操作
しにくく、作業性が悪くなる、といった不具合を呈して
いた。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、そのような不具合を解決し、しかも操作性
が良いように調整することができて作業性を一段と向上
させることができるようにしたものであり、そのため、
吸引部を前側左側方にして架台上に縦軸中心に回動調節
自在に立設し、種子供給盤を吸引部の右側方に位置させ
て吸引部上部の横方向支点軸に枢支し、前記吸引部の上
部に吸引ホースを介して連通する播種盤の上面には横方
向中央に把手を固設して構成したものである。

〔作用〕

したがって、作業者はその前方で播種盤と種子供給盤
を前後方向に回動させたり、それらを作用者の側に前後
動させて位置調整をしたり、また、吸引部に邪魔されな
いで作業者は右手でもって操作性良く操作できることに
なり、作業性を一段と向上させることができることにな
る。

〔実施例〕

次に、図面に示す実施例について説明する。

作業者Ｏが位置するその前方側上方に水平面の架台５
を架設し、作業者Ｏの手前側左側方となる前記架台５の
左側方手前側寄り端部に筒状の吸引部Ａを立設するが、
該吸引部Ａの下部にはモータ１および該モータ１により
駆動する吸引式ブロワー２を内装し、吸引部Ａは４本の
支持杆10により支持するとともに縦軸を中心にして回動
調節できるように架設し、吸引部Ａの上面中心からは曲
筒7aを延設し、吸引部Ａの下方となる架台５の上面には
開口11を形成し、該開口11の下方には、作業者Ｏの反対
側となる後方側に排風を案内できる後方向きの排風ガイ
ド板９を連設して構成する。

Ｃは種子供給盤で、その広い上面には種子12を貯溜で
きる凹所４を碁盤目状に多数形成するとともに、各凹所
４の底面には下方に開通する小さい通気孔13をそれぞれ
形成し、該種子供給盤Ｃの左側部に固定した支持杆14の
作業者Ｏ側寄り部位には逆Ｕ字状アーム15の下部を固設
し、前記吸引部Ａの上部に横架した支点軸６の右側端部
に前記アーム15の上部を嵌着して種子供給盤Ｃが前記支
点軸６中心に回動できるよう枢支し、種子供給盤Ｃが略
水平状態でその下面に接当できるゴム製の両ストッパ兼
用接当体16,16を架台５の上面上に立設して構成する。

Ｂは内部が空洞になる播種盤で、前記種子供給盤Ｃの
上面に接合できる下部の下面板17には、各凹所４にそれ
ぞれ合致できる吸着口３を碁盤目状に形成するととも
に、各吸着口３の下端には開口部3aをそれぞれ形成し、
播種盤Ｂの横側面には弾性膜状の弁体18により覆うこと
ができる開放口19を形成し、播種盤Ｂの上面には横方向
中央で作業者Ｏ寄りの手前側部位に平行の両把手8,8を
固設し、該把手８の後方側近傍に固設した口金7bと前記
曲筒7aとの間に可撓性の吸引ホース７を連通連設し、前
記吸引部Ａの上方および前記吸引ホース７の先端側に
は、前記モータ１をオンオフさせるスイッチ20,21をそ
れぞれ配備して構成する。

また、播種盤Ｂを透視可能な塩化ビニール板等で構成
しても良い。

なお図中、22は前記架台５の近傍に配列させたロール
コンベア、Ｄは育苗箱を示す。

したがって、架台５の前方に位置する作業者Ｏが右手
でもって両把手8,8を握りながら播種作業を行うことに
なるが、作業者Ｏの左側前方となる吸引部Ａを矢印イで
示すように回動調整すると、播種盤Ｂを作業者Ｏの前方
側で前後動させたり、吸引部Ａに邪魔されないで播種盤
Ｂを操作できるよう位置調整を行うことができることに
なり、また、吸引部Ａの下方に吹き出す排風は、排風ガ
イド板９に案内されて、作業者Ｏ側に塵埃が舞いあがら
ないように作業者Ｏの反対側方向に矢印ロで示すように
排出されることになり、しかも、モータ１の音も排出ガ
イド板９により消音される状態となる。

作業時には、種子供給盤Ｃ上に播種盤Ｂを接合して右
手で把手8,8を握りながら、両スイッチ20,21のいずれか
を操作してモータ１を起動させると、吸引作用で播種盤
Ｂ内が負圧状態となり、開放口19が閉じられるとともに
各吸着口３には吸引力が作用することになって、各凹所
４内の種子12が第６図に示すように各吸着口3aの下方の
開口部3a内に吸着されることになり、その場合、通気孔
13からエアが入り、種子12が浮き上がる状態となって開
口部3aに良好に吸着されることになる。

また、種子12の吸着が悪い場合には、右手で握って播
種盤Ｂと種子供給盤Ｃを支点軸６中心に作業者Ｏの前方
側へ回動させながら、第３図に仮想線で示すように起立
させると、凹所４内の種子12を転げさせて吸着されやす
いようにすることができることになり、水平姿勢にして
吸着が終了すると、各通気孔13よりの通気により離れや
すい状態になっているところで、右手でもって播種盤Ｂ
を持ち上げながら、ロールコンベア22上の育苗箱Ｄの上
方側へ移動させて、そのまま第７図に示すように育苗箱
Ｄ上に載置させてスイッチ20,21をオフに操作すると、
開放口19の開放により各吸着口３より種子12がそれぞれ
落下して育苗箱Ｄ内に種子されることになり、右手で操
作しながら左手で育苗箱Ｄを握って播種作業を行うこと
ができることになる。

また、播種盤Ｂを透視可能な塩化ビニール板等で構成
したものでは、播種時における種子吸着状態、乃至脱粒
状態等、その作業状態を、播種盤Ｂを持ち上げたり、反
転させることなく確認することができ、効果的に正確な
播種作業を行うことができる。

〔考案の効果〕

このように本考案は、播種盤Ｂと種子供給盤Ｃを支点
軸６中心にして作業者はその前方側で前後方向に回動さ
せたり、それらを吸引部Ａ中心に回動調整して作業者の
前方側で前後方向に位置調整したり、また、吸引部Ａに
邪魔されないで作業者は右手でもって操作性良く操作で
きることになって、作業性を一段と向上させることがで
きることになり、操作性の良いコンパクト構造にして好
適に実施できる特長を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は播種機全体を正面より見た断面図、第２図は播
種盤を持ち上げた状態の正面図、第３図は第１図の右側
面図、第４図は第１図の左側面図、第５図は第３図の一
部の断面図を示し、第６図は第１図の一部の拡大図、第
７図は育苗箱を示す。 １……モータ、２……ブロワー Ａ……吸引部、３……吸着口 Ｂ……播種盤、４……凹所 Ｃ……種子供給盤、５……架台 ６……支点軸、７……吸引ホース ８……把手

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 中島 英夫 大阪府大阪市北区茶屋町１番32号 ヤン マー農機株式会社内 審査官 小島 寛史

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】モータ１および吸引式ブロワー２を内装し
   た吸引部Ａには下面に多数の吸着口３を有する播種盤Ｂ
   を連通連設し、上面には種子を貯溜できる多数の凹所４
   を有して前記播種盤Ｂを載置することができる種子供給
   盤Ｃを前記吸引部Ａ側に枢支して構成する播種機におい
   て、前記吸引部Ａを前側左側方にして架台５上に縦軸中
   心に回動調節自在に立設し、前記種子供給盤Ｃを前記吸
   引部Ａの右側方に位置させて吸引部Ａ上部の横方向支点
   軸６に枢支し、前記吸引部Ａの上部に吸引式ホース７を
   介して連通する前記播種盤Ｂの上面には横方向中央に把
   手８を固設して構成したことを特徴とする吸引式播種構
   造。