JP2518132B2 - エンジンの試運転装置 - Google Patents

エンジンの試運転装置

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JP2518132B2 JP5037584A JP3758493A JP2518132B2 JP 2518132 B2 JP2518132 B2 JP 2518132B2 JP 5037584 A JP5037584 A JP 5037584A JP 3758493 A JP3758493 A JP 3758493A JP 2518132 B2 JP2518132 B2 JP 2518132B2
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良太 中村
成夫 河原
謙介 岡本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンの試運転装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車工場においては、組立てられたエ
ンジンはクレーンで試運転台上に移動され、ここで動力
計に連結され試運転されて種々の計測が行われるのであ
るが、試運転台では、運び込まれる種々の型式,サイズ
のエンジンを手際よく、動力計に同軸的に据付けて、そ
の出力軸をカップリングを介して動力計に連結しなけれ
ばならない。この種の試験装置では、従来、図8側面図
に示すように、動力計Dynの軸端にラバーカップリン
グ05を介してスプラインシャフト04が連結され、ス
プラインシャフト04に挿入されたフェースプレート0
6を被検エンジンのフライホイール07のダウエルピン
08に嵌めて、フェースプレート06及びフライホイー
ル07を複数のボルト09で締めつけている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ラバーカップリングは
エンジン出力軸と動力計の芯ずれ及び芯ぶれを許容する
大きなフレキシビリティをもってその動力を動力計に伝
達することができるので、従来広く採用されているとこ
ろであるが、剛性に乏しい関係上、片持ち梁状に張出さ
れると、フェースプレートによる荷重のために下方に大
きくうなだれるから、エンジンとの連結に当たっては、
これを一旦持ち上げダウエルピンで位置合わせをしたの
ち、複数のボルトでフェースプレートをフライホイール
に連結しなければならず、また試運転後エンジンを外す
際にも複数のボルトを外すために、少なからざる手間が
かかる。またラバーカップリングはトルク特性の自由度
が制約され、低速回転時にハンティングを生じ、そのた
めに計測が困難となることがあり、さらに高負荷でトル
ク振動のため耐用命数が比較的短く、破壊したときはゴ
ム片が四散して危険である。
【0004】本発明はこのような事情に鑑みて提案され
たもので、エンジンとの連結作業を迅速かつ確実に行う
ことのできるエンジンの試験運転装置を提供することを
目的とする。 また、動力計入力軸とエンジン出力軸との
芯ずれ,芯ぶれを吸収し、エンジンの低速回転時におけ
る継手のハンチングを防止し、さらに高速回転時におけ
る共振をも防止することのできるエンジンの試験運転装
置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、請求項1の発明は、被検エンジンと同エンジ
ンの運転状態を計測する動力計と、同動力計の入力軸の
途中に配設された継手とを含み、上記被検エンジンの出
力軸を上記継手に連結することで上記被検エンジンから
の駆動力が上記動力計に伝達されるようにしたエンジン
の試運転装置において、上記入力軸に対して平行に配設
されたガイドレールと、上記入力軸と同軸上に配設され
るとともに、上記入力軸の軸方向に対して摺動自在に上
記ガイドレールに保持された軸受とを備え、上記入力軸
は互いに同軸的にスプライン嵌合された外軸及び内軸を
有し、上記外軸の一端は上記軸受に他端は上記継手にそ
れぞれ連結されるとともに、上記内軸の一端は上記動力
計に連結され他端は上記外軸内に挿入されることによ
り、上記継手が上記被検エンジンに対して上記入力軸の
軸方向に摺動可能とされたことを特徴とする。
【0006】請求項2の発明は、請求項1において、さ
らに上記被検エンジンの出力軸側に形成されたスプライ
ン部と、上記継手の上記被検エンジン側に取りつけら
れ、上記スプライン部に嵌合される連結軸とを備えるこ
とを特徴とする。
【0007】請求項3の発明は、被検エンジンと、同エ
ンジンの運転状態を計測する動力計と、同動力計の入力
軸の途中に配設された継手とを含み、上記被検エンジン
の出力軸を上記継手に連結することで上記被検エンジン
から駆動力が上記動力計に伝達されるようにしたエンジ
ンの試運転装置において、上記継手は、上記入力軸に連
結された第1フランジと、上記被検エンジンの出力軸側
に連結された第2フランジと、両フランジ間にその円周
方向に配設されたバネ定数の異なる複数のバネとを有
し、両フランジの半径方向及び軸方向に所定の隙間が設
けられるとともに、いずれか一方のフランジにその肉厚
が半径方向外周に向かって漸減するテーパ部が形成され
たバネ式緩衝継手として構成されたことを特徴とする。
【0008】請求項4の発明は、請求項3において、上
記バネのうち、一方のバネ定数を持つバネにあらかじめ
予圧を与えて上記両フランジ間に配設したことを特徴と
する。
【0009】
【作用】特許請求の範囲第1項の構成によれば、エンジ
ン据え付けの際は、まず軸受をガイドレールに沿って動
力計側にシフトして継手自体を動力計側へ移動させるこ
とができる。また、特許請求の範囲第2項の構成によれ
ば、エンジンをマウント上に取り付けた後、試験装置を
エンジン側へ移動させると、エンジンの出力軸側と試験
装置の連結軸側とが互いにスプライン嵌合される。さら
に、特許請求の範囲第3項の構成によれば、動力計入力
軸とエンジン出力軸との軸芯がずれても、これを吸収で
きる。特許請求の範囲第4項の構成によれば、エンジン
被装着状態でも継手がうなだれることがない。
【0010】
【実施例】本発明の一実施例を図面について説明する
と、図1はその全体側面図、図2は図1の平面図、図3
は図1のバネ式緩衝接手を示す縦断面図、図4は図3の
横断面図、図5は図4のばね挿入孔を示す部分拡大図、
図6は図5のばね受を示す斜視図、図7は図3のたわみ
〜荷重特性図である。
【0011】上図において、図8と同一の符番はそれぞ
れ同図と同一の部材を示し、まず、図1〜図2におい
て、1はベッドBedの央部で被検エンジンの出力軸及
び動力計の中心軸線の若干下方でこれに平行に配設され
た水平ガイドレール、2はガイドレール1上に上載され
これに沿って軸方向に摺動自在の軸受、3,4はそれぞ
内軸である雄スプラインシャフト,外軸である雌スプ
ラインシャフトで、両者は互いに嵌合して伸縮自在の
軸を形成し、その雌スプライシャフト4が軸受2に軸
支されるとともに、その軸受2に対する軸方向の相対的
変位は拘束されている。5は後記する構造を有するバネ
緩衝接手で、その一端は雌スプラインシャフト4に嵌
着され、その他端には連結軸6が嵌着され、連結軸6の
先端部にはフライホイール7に付設されたクラッチの出
力軸の雌スプラインに嵌合する雄スプラインが刻設され
ている。
【0012】12,14はそれぞれエンジンEngの前
後端に突設された左右一対のフロントマウンティング,
リアマウンティング、13,15はそれぞれベッドのエ
ンジン据付部に配設されフロントマウンティング12,
リアマウンティング14を支持するフロント支持部材,
リア支持部材である。
【0013】次に、バネ式緩衝接手の構造を説明する
と、図3〜図6において、連結軸6の軸端に嵌着された
フランジ24には、フランジ22の外周部を半径方向す
きまa及び軸方向すきまbを存して囲繞するL字状断面
を有するリム25が同軸的に固着され、フランジ22,
24及びリム25に等間隔で軸方向に穿設された長円形
断面を有する偶数個ここでは4個のばね挿入孔dに半円
柱状ばね受座28,28′を介してコイルばね27a,
27a,27b,27bが挿入されている。コイルばね
27a,27aは比較的小さいばね定数kaのものを若
干の予圧をもって、図5(A)に示すように、コイルば
ね27b,27bは比較的大きいばね定数kbのものを
同図(B)に示すように若干のあそびCをもって、それ
ぞれ図4に示すように、軸対称関係にある1対のばね挿
入孔d,dにそれぞれ挿入されている。ここで、フラン
ジ22の外周寄りの両面には若干のテーパーが付され、
その肉厚が外向半径方向に漸減しており、フランジ24
はフランジ22の央部に対向する面にハッチングで示す
部分に高周波焼入れが施されている。
【0014】このようなバネ式緩衝接手を有するエン
ジン試運転装置において、エンジンEngを据付けるに
は、まず可動軸受2をガイドレール1に沿って動力計D
yn寄りに十分シフトすることにより、連結軸6の雄ス
プラインを動力計寄りに移動したのち、エンジンをクレ
ーンで吊り下げて、そのフロントマウンティング12及
びリアマウンティング14をそれぞれフロント支持部材
13,リア支持部材15上に載置固定する。しかる後、
可動軸受2をエンジン寄りにシフトするとともに、ター
ニングギア8緩速回転させることでバネ式緩衝接手5
の可撓性により結軸6の先端のスプラインはフライホ
イール7に挿着されたクラッチのトランスミッションシ
ャフト挿入用スプライン孔に容易に嵌合するから、直ち
にエンジンの試運転に入ることができる。
【0015】試験終了後は可動軸受22を再び動力計寄
りにシフトすると、連結軸6はフライホイール中心孔か
ら抜けるから、エンジンは直ちにクレーンで直上に吊上
げて次の工程へ移送することができる。
【0016】試運転に際して、エンジンがフロント支持
部材13及びリア支持部材15上に支持された状態で
は、その軸芯は動力計のそれに対してかなりのばらつき
をもって芯ずれ及び芯ぶれの状態にあるが、バネ式緩衝
接手5は下記の作用でこれを許容するとともに所要のば
ね特性をもってエンジンの広範囲にわたるトルク及び回
転数を動力計に伝達することができる。すなわち、図3
〜図6において、フランジ22とフランジ24及びリム
25との間には半径方向のすきまa及び軸方向のすきま
bが存在するので、芯ぶれの際、フランジ22のテーパ
ー面がフランジ24の対向面に当たるまでフランジ22
はフランジ24に対し傾くことが可能であり、その際、
フランジ22,24の央部は互いに当接するが、フラン
ジ24の央部表面は焼入れされているのに対してフラン
ジ22の対向面は焼入れされていないから両者は互いに
かじることなく、動力の伝達ができる。そして、そのた
わみと荷重の関係は図7に示すような折線的非線型特性
となり、さらにバネを選ぶことでエンジンの性能に合わ
せてこれら特性を自由に選定できるので広範囲のトルク
及び回転数を円滑に伝達する。
【0017】このようなバネ式緩衝接手では、コイル
ばねとして比較的小径のものを2本宛並列的に各挿入孔
に挿入しているので、その耐久性は大となる。たコ
ルばね27aの両端は半円柱状ばね受を介して両端が半
円形の長孔形断面を有するばね挿入孔に若干の予圧をも
って挿入されているので、フリーの状態では、緩衝接手
は片持梁状に支持されても、うなだれることはない。さ
らに、外力が作用したときだけこれに応じて芯ずれ及び
芯ぶれを生じるが、芯ずれの上限はすきまaにより、ま
た芯ぶれの上限はフランジ22のテーパー角及びすきま
bによりそれぞれ規制されるから、ラバーカプリングの
ように大きくうなだれることなくエンジンの取付け/取
外しを容易に行うことができる。
【0018】
【発明の効果】要するに請求項1の発明によれば、被検
エンジンと同エンジンの運転状態を計測する動力計と、
同動力計の入力軸の途中に配設された継手とを含み、上
記被検エンジンの出力軸を上記継手に連結することで上
記被検エンジンからの駆動力が上記動力計に伝達される
ようにしたエンジンの試運転装置において、上記入力軸
に対して平行に配設されたガイドレールと、上記入力軸
と同軸上に配設されるとともに、上記入力軸の軸方向に
対して摺動自在に上記ガイドレールに保持された軸受と
を備え、上記入力軸は互いに同軸的にスプライン嵌合さ
れた外軸及び内軸を有し、上記外軸の一端は上記軸受に
他端は上記継手にそれぞれ連結されるとともに、上記内
軸の一端は上記動力計に連結され他端は上記外軸内に挿
入されることにより、上記継手が上記被検エンジンに対
して上記入力軸の軸方向に摺動可能とされたことによ
り、エンジンの取付け/取外しの際は、試運転装置を動
力計側に移動させることにより取付けに邪魔になるもの
がなくなるので、容易にエンジ ンの取付け/取外しを行
うことができるエンジンの試運転装置を得るから、本発
明は産業上極めて有益なものである。
【0019】請求項2の発明によれば、請求項1におい
て、さらに上記被検エンジンの出力軸側に形成されたス
プライン部と、上記継手の上記被検エンジン側に取りつ
けられ、上記スプライン部に嵌合される連結軸とを備え
ることにより、エンジンを取り付けた後、試験装置をエ
ンジン側へ移動させるが、このときエンジンの出力軸側
と試験装置の連結軸側とは互いにスプラインにより嵌合
されることとなるので、容易に連結することができるエ
ンジンの試運転装置を得るから、本発明は産業上極めて
有益なものである。
【0020】請求項3の発明によれば、被検エンジン
と、同エンジンの運転状態を計測する動力計と、同動力
計の入力軸の途中に配設された継手とを含み、上記被検
エンジンの出力軸を上記継手に連結することで上記被検
エンジンから駆動力が上記動力計に伝達されるようにし
たエンジンの試運転装置において、上記継手は、上記入
力軸に連結された第1フランジと、上記被検エンジンの
出力軸側に連結された第2フランジと、両フランジ間に
その円周方向に配設されたバネ定数の異なる複数のバネ
とを有し、両フランジの半径方向及び軸方向に所定の隙
間が設けられるとともに、いずれか一方のフランジにそ
の肉厚が半径方向外周に向かって漸減するテーパ部が形
成されたバネ式緩衝継手として構成されたことにより、
動力計入力軸とエンジン出力軸との芯ずれ,芯ぶれを吸
収するので、エンジンの取付け/取外しを迅速かつ容易
に行なうことができる。また、所要のバネ特性をもって
エンジンの広範囲にわたるトルク及び回転数を動力計に
伝えることができるので、エンジンの低速回転時におけ
る継手のハンチングを防止できるとともに、高速回転時
における共振をも防止できるエンジンの試運転装置を得
るから、本発明は産業上極めて有益なものである。
【0021】請求項4の発明によれば、請求項3におい
て、上記バネのうち、一方のバネ定数を持つバネにあら
かじめ予圧を与えて上記両フランジ間に配設したことに
より 、継手のうなだれを防止するので、エンジンの取付
け/取外しを迅速かつ容易に行うことができるエンジン
の試運転装置を得るから、本発明は産業上極めて有益な
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す側面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1のバネ式緩衝接手を示す縦断面図である。
【図4】図3の横断面図である。
【図5】図4のばね挿入孔を示す部分拡大図である。
【図6】図5のばね受を示す斜視図である。
【図7】図3のたわみ〜荷重特性図である。
【図8】公知のエンジン試運転装置を示す側面図であ
る。
【符号の説明】
1 ガイドレール 2 軸受 3 雄スプライン 4 雌スプライン 5 バネ式緩衝接手 6 連結軸 7 フライホイール 8 ターニングギア 9 ターニング用モーター 10 カバー 11 ストッパー 12 フロントマウンティング 13 フロント支持部材 14 リアマウンティング 15 リア支持部材 22 フランジ 24 フランジ 25 リム 27a,27b コイルばね 28,28′ ばね受 a 半径方向すきま b 軸方向すきま c あそび d,d′ ばね挿入孔 Bed ベッド Eng エンジン Dyn 動力計

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検エンジンと同エンジンの運転状態を
    計測する動力計と、同動力計の入力軸の途中に配設され
    た継手とを含み、上記被検エンジンの出力軸を上記継手
    に連結することで上記被検エンジンからの駆動力が上記
    動力計に伝達されるようにしたエンジンの試運転装置に
    おいて、上記入力軸に対して平行に配設されたガイドレ
    ールと、上記入力軸と同軸上に配設されるとともに、上
    記入力軸の軸方向に対して摺動自在に上記ガイドレール
    に保持された軸受とを備え、上記入力軸は互いに同軸的
    にスプライン嵌合された外軸及び内軸を有し、上記外軸
    の一端は上記軸受に他端は上記継手にそれぞれ連結され
    るとともに、上記内軸の一端は上記動力計に連結され他
    端は上記外軸内に挿入されることにより、上記継手が上
    記被検エンジンに対して上記入力軸の軸方向に摺動可能
    とされたことを特徴とするエンジンの試運転装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、さらに上記被検エン
    ジンの出力軸側に形成されたスプライン部と、上記継手
    の上記被検エンジン側に取りつけられ、上記スプライン
    部に嵌合される連結軸とを備えることを特徴とするエン
    ジンの試運転装置。
  3. 【請求項3】 被検エンジンと、同エンジンの運転状態
    を計測する動力計と、同動力計の入力軸の途中に配設さ
    れた継手とを含み、上記被検エンジンの出力軸を上記継
    手に連結することで上記被検エンジンから駆動力が上記
    動力計に伝達されるようにしたエンジンの試運転装置に
    おいて、上記継手は、上記入力軸に連結された第1フラ
    ンジと、上記被検エンジンの出力軸側に連結された第2
    フランジと、両フランジ間にその円周方向に配設された
    バネ定数の異なる複数のバネとを有し、両フランジの半
    径方向及び軸方向に所定の隙間が設けられるとともに、
    いずれか一方のフランジにその肉厚が半径方向外周に向
    かって漸減するテーパ部が形成されたバネ式緩衝継手と
    して構成されたことを特徴とするエンジンの試運転装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、上記バネのうち、一
    方のバネ定数を持つ バネにあらかじめ予圧を与えて上記
    両フランジ間に配設したことを特徴とするエンジンの試
    運転装置。
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