JP2517356Y2 - 工業窯炉炉壁冷却部構造及び該冷却部用引張り金具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は耐火物で施工される各種工業炉の炉壁、なか
でも、一般廃棄物焼却炉、又は各種ボイラーの水管壁の
構造に関し、亀裂の発生を防止し、長期間安定して操業
することができる炉壁冷却部構造及び該冷却部用引張り
金具を提供することにある。

従来の技術 従来のボイラー水管壁耐火構造は第６図に示す様に、
水管１の表面に長さ約30mm、直径約13mm程度の丸鋼スタ
ッド２をつの状に配設した、直径73mm程度の水管１を約
100mm間隔で設け、さらに、それら同志を、フィン３
（鋼板）で連結した缶体の炉内側に常法によりキャスタ
ブル等の不定形耐火物４を60〜100mmの厚さに施工した
ボイラー水管壁耐火構造が採用されている。

考案が解決しようとする課題 前述のような従来方式では、 （１）不定形耐火物層の丸鋼スタッド２の先端部に炉壁
とほぼ平行に亀裂５（第６図）が発生し、３〜６ケ月毎
に火止めし、補修する必要があり、操業が不安定である
欠点がある。

（２）補修時、丸鋼スタッドの取付に手間どる。

（３）解体時の作業性が悪く、ブレーカー等で水管に
「キズ」を付ける。

等種々の問題点があることが知られている。

課題を解決するための手段 本考案者等は前述の如き諸欠陥を解決すべく種々検
討、実験の結果、本考案炉壁構造の開発に成功したもの
であり、本考案の技術的構成は前記実用新案登録請求の
範囲各項に明記したとおりであるが、本考案の主要な構
造的改良は次の諸点からなっている： （１）内張り耐火物を不定形耐火物でなく、焼成れんが
又はプレキャスト耐火物とした。

（２）内張り耐火物の前記れんが又はプレキャスト耐火
物２枚１組として引張り耐火物構成とした。

（３）全数支持構造又は部分支持構造とすることができ
る。

（４）特定構成の固定金物と特定構成の板状引張り金物
との組み合せからなる冷却部用引張り金具を用いること
により構成を簡易化した。

本考案炉壁構造を添付図面に示す具体的数例に基いて
詳細に説明する。

第１図及び第２図は垂直方向に立設された水管を連結
するフィンに係止金物10を設けた本考案構造の一例を示
し、第１図は第２図Ａ−Ａ断面図である。

水管１を連結するフィン３の炉内側に係止金物10が突
設してある。該係止金物10の先端には水管１と平行に引
かけ金物11が鍵形に設けてある。

一方、板状引張り金物12は内張り耐火物15内に挟持さ
れる、例えば十字形の突起部13を一方に具備し、他方端
部には前記引かけ金物11を嵌合、係止する穴部14が穿孔
してある。この板状引張り金物12は内張り耐火物15（焼
成れんが又はプレキャスト耐火物）内に予じめ形成して
ある凹所内に、モルタル16を用いて、挟持、固着する。

前記板状引張り金物12の穴部14に係止金物10の引かけ
金物11を嵌合、係止し、必要に応じ膨張吸収材17を所定
位置に施したのち、不定形耐火物４を水管１と内張り耐
火物15間に充填、施工し、本考案炉壁冷却部構造とす
る。

第３図は不定形耐火物４の施工部分を少なくした前述
第２図と同様の説明図であり、内張り耐火物の水管１側
が異形となっている以外は構造上ほぼ類似である。

第４図及び第５図は水管１に直接係止金物10を取付け
た例を示す第１図及び第２図と同様な構成を示す具体例
である。

考案の効果 （１）内張り耐火物を不定形耐火物から大部分を焼成耐
火物に変更することにより強度が高くなり安定した炉壁
となり、炉壁の耐用性の長寿命化が図れる。

（２）水管壁、フィンに取付ける係止金物の少数化が図
れる。

（３）炉内表面より引張金物配設位置が離れているの
で、該金物等の酸化が軽減される。

（４）補修時は吹付機が不要であり、また補修作業が容
易で作業環境が良くなる。

（５）解体及び部分補修が容易となり工期の短縮が計れ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の一具体例を示す要部縦断面
図、第３図は他の具体例を示す要部縦断面図、第４図及
び第５図は更に他の具体例を示す要部縦断面図、第６図
は従来方式を示す断面略図であり、図中： 1:水管、2:丸鋼スタッド、3:フィン、4:不定形耐火物、
10:係止金物、11:引かけ金物、12:板状引張り金物、13:
突起部、14:穴部、15:内張り耐火物、16:モルタル:17:
膨張吸収材。

Claims (3)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】垂直方向に立設された水管（１）又は該水
   管を連結するフィン（３）に固定する係止金物（10）を
   一側方に突設し、該係止金物（10）の先端に前記水管と
   平行に引かけ金物（11）を具備し、内張り耐火物（15）
   内に挟持される突起部（13）を有しかつ、他方端部に前
   記引かけ金物（11）と嵌合する穴部（14）を有する板状
   引張り金物（12）を前記内張り耐火物の水平方向に設け
   た切欠面内に配設し、前記水管又はフィンと内張り耐火
   物間に不定形耐火物（４）を充填したことを特徴とする
   工業窯炉炉壁冷却部構造。
2. 【請求項２】前記内張り耐火物が焼成れんが又はプレキ
   ャスト耐火物である、請求項１記載の工業窯炉炉壁冷却
   部構造。
3. 【請求項３】垂直方向に立設された水管（１）又は該水
   管を連結するフィン（３）に固定する係止金物（10）を
   一側方に突設し、該係止金物（10）の先端に前記水管と
   平行に引かけ金物（11）を具備する固定金物と内張り耐
   火物（15）内に挟持される突起部（13）を有しかつ、他
   方端部に前記引かけ金物（11）と嵌合する穴部（14）を
   有する板状引張り金物（12）との組み合せからなること
   を特徴とする工業窯炉炉壁冷却部用引張り金具。