JP2516743Y2 - 磁気集塵装置 - Google Patents
磁気集塵装置Info
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- JP2516743Y2 JP2516743Y2 JP1990006266U JP626690U JP2516743Y2 JP 2516743 Y2 JP2516743 Y2 JP 2516743Y2 JP 1990006266 U JP1990006266 U JP 1990006266U JP 626690 U JP626690 U JP 626690U JP 2516743 Y2 JP2516743 Y2 JP 2516743Y2
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- Japan
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- permanent magnet
- magnetic
- piston
- ring
- oil
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Description
【考案の詳細な説明】 <産業上の利用分野> この考案は、自動車の動力舵取装置(パワーステアリ
ング)に用いられ、パワーシリンダ内の油中の磁性体異
物を集める磁気集塵装置に関する。
ング)に用いられ、パワーシリンダ内の油中の磁性体異
物を集める磁気集塵装置に関する。
<従来の技術> 近年、ほとんどの自動車に、ステアリングを操作する
力を油圧によって補助する動力舵取装置が装着されてい
る。
力を油圧によって補助する動力舵取装置が装着されてい
る。
通常、この動力舵取装置においては、パワーシリンダ
を、ピストンによって一対の油室に仕切っており、ポン
プによる圧油を、コントロールバルブによって制御し
て、配管を介して何れか一方の油室に選択的に供給する
ことにより、ピストンを移動させ、このピストンの作動
力によって、ステアリングの操作力を補助している。
を、ピストンによって一対の油室に仕切っており、ポン
プによる圧油を、コントロールバルブによって制御し
て、配管を介して何れか一方の油室に選択的に供給する
ことにより、ピストンを移動させ、このピストンの作動
力によって、ステアリングの操作力を補助している。
ところが、この動力舵取装置においては、ポンプ、コ
ントロールバルブおよび配管内等にある小さな切り粉等
の磁性体異物が、パワーシリンダ内に混入した場合、こ
れらの異物がパワーシリンダの両端のオイルシールのリ
ップ部に噛み込んだりして、これらのリップ部を損傷さ
せ、油漏れが発生する虞があった。
ントロールバルブおよび配管内等にある小さな切り粉等
の磁性体異物が、パワーシリンダ内に混入した場合、こ
れらの異物がパワーシリンダの両端のオイルシールのリ
ップ部に噛み込んだりして、これらのリップ部を損傷さ
せ、油漏れが発生する虞があった。
そこで、上記ピストンの端面に沿って取り付けたリン
グ状の薄板からなる永久磁石により、パワーシリンダ内
の油中の混入してきた磁性体異物を捕捉するようにした
磁気集塵装置が提供されている。
グ状の薄板からなる永久磁石により、パワーシリンダ内
の油中の混入してきた磁性体異物を捕捉するようにした
磁気集塵装置が提供されている。
<考案が解決しようとする課題> ところが、この磁気集塵装置においては、上記薄板か
らなる永久磁石の一対の端面にそれぞれ相対極を着磁し
ていたので、磁力線が広い範囲にわたって分布してお
り、ピストンやパワーシリンダの内面等を磁化しやすか
った。
らなる永久磁石の一対の端面にそれぞれ相対極を着磁し
ていたので、磁力線が広い範囲にわたって分布してお
り、ピストンやパワーシリンダの内面等を磁化しやすか
った。
このように磁化されたピストンやパワーシリンダの内
面には、磁性体異物が付着しやすく、この付着状態でピ
ストンとパワーシリンダが摺動すると、パワーシリンダ
の内面が傷ついたり、ピストン外周のシールリングが傷
ついたりして、両油室間に十分な差圧が得られなくな
り、これにより、ピストンの作動力が低下してステアリ
ング操作の補助力が減少するという新たな問題があっ
た。
面には、磁性体異物が付着しやすく、この付着状態でピ
ストンとパワーシリンダが摺動すると、パワーシリンダ
の内面が傷ついたり、ピストン外周のシールリングが傷
ついたりして、両油室間に十分な差圧が得られなくな
り、これにより、ピストンの作動力が低下してステアリ
ング操作の補助力が減少するという新たな問題があっ
た。
この考案は、上記の問題点に鑑み、周囲の部品を磁化
させにくくかつ十分な集塵力を持つ磁気集塵装置を提供
することを目的とする。
させにくくかつ十分な集塵力を持つ磁気集塵装置を提供
することを目的とする。
<課題を解決するための手段> 上記目的を達成するため、この考案に係る磁気集塵装
置は、動力舵取装置のパワーシリンダ内のピストンの少
なくとも一方の端面に、油中の磁性体異物を吸着するリ
ング状の永久磁石を取り付けており、当該永久磁石が、
リングの円周方向に沿って相対極が交互に配置されて多
極化されていることを特徴とするものである。
置は、動力舵取装置のパワーシリンダ内のピストンの少
なくとも一方の端面に、油中の磁性体異物を吸着するリ
ング状の永久磁石を取り付けており、当該永久磁石が、
リングの円周方向に沿って相対極が交互に配置されて多
極化されていることを特徴とするものである。
<作用> 上記の構成の磁気集塵装置によれば、ピストンの端面
に取り付けたリング状の永久磁石が、リングの円周方向
に沿って相対極が交互に配置されて多極化されているの
で、当該永久磁石は、隣接する相対極どうしの間で狭い
領域に集束した状態の磁力線を発生させることになり、
周囲の部品を磁化させることを抑制することができる。
に取り付けたリング状の永久磁石が、リングの円周方向
に沿って相対極が交互に配置されて多極化されているの
で、当該永久磁石は、隣接する相対極どうしの間で狭い
領域に集束した状態の磁力線を発生させることになり、
周囲の部品を磁化させることを抑制することができる。
<実施例> 以下実施例を示す添付図面によって詳細に説明する。
第1図は、この考案の一実施例としての磁気集塵装置
が装着されたラックアンドピニオン式の動力舵取装置を
示しており、同図において、この動力舵取装置Aは、パ
ワーシリンダ1内を、ラック軸2に固定したリング状の
ピストン3によって、一対の油室4a,4bに仕切ってお
り、ピストン3の一方の端面に、リング状薄板からなる
永久磁石5が貼着されている。
が装着されたラックアンドピニオン式の動力舵取装置を
示しており、同図において、この動力舵取装置Aは、パ
ワーシリンダ1内を、ラック軸2に固定したリング状の
ピストン3によって、一対の油室4a,4bに仕切ってお
り、ピストン3の一方の端面に、リング状薄板からなる
永久磁石5が貼着されている。
この動力舵取装置Aは、公知のものであり、ハンドル
軸により回動される入力軸8によってコントロールバル
ブ9を制御し、ポンプ(図示せず)による圧油を、配管
5a或いは5bを介して何れか一方の油室4a,4bに選択的に
供給することにより、ピストン3を、ラック軸2と共に
図において左右に移動させ、この移動されたラック軸2
によってタイロッド(図示せず)を介して左右輪の操舵
を補助する。
軸により回動される入力軸8によってコントロールバル
ブ9を制御し、ポンプ(図示せず)による圧油を、配管
5a或いは5bを介して何れか一方の油室4a,4bに選択的に
供給することにより、ピストン3を、ラック軸2と共に
図において左右に移動させ、この移動されたラック軸2
によってタイロッド(図示せず)を介して左右輪の操舵
を補助する。
ピストン3の外周の溝部には、油室4aおよび油室4b間
の油の流通を阻止するシールリング6が装着されてお
り、パワーシリンダ1の各端部1a,1bとラック軸2との
間は、それぞれオイルシール7a,7bによって密封されて
いる。
の油の流通を阻止するシールリング6が装着されてお
り、パワーシリンダ1の各端部1a,1bとラック軸2との
間は、それぞれオイルシール7a,7bによって密封されて
いる。
第2図を参照して、永久磁石5は、円弧状薄板からな
る複数の永久磁石片5aを、リング状に並べて構成されて
おり、各永久磁石片5aは、円周方向の端部に相対する極
を設けている。また、隣接する永久磁石片5aどうしは、
互いに極性が逆向きとなるように配置されている。永久
磁石片5aの材質としては、鉄、ゴムおよびプラスチック
等がある。
る複数の永久磁石片5aを、リング状に並べて構成されて
おり、各永久磁石片5aは、円周方向の端部に相対する極
を設けている。また、隣接する永久磁石片5aどうしは、
互いに極性が逆向きとなるように配置されている。永久
磁石片5aの材質としては、鉄、ゴムおよびプラスチック
等がある。
この実施例によれば、ピストン3に取り付けた永久磁
石5が、ピストン3の移動に伴って、パワーシリンダ1
内の略全長にわたって移動し、油中に浮遊する磁性体異
物を吸着して、捕捉することができ、異物に起因した油
漏れや差圧発生不良を防止することができる。
石5が、ピストン3の移動に伴って、パワーシリンダ1
内の略全長にわたって移動し、油中に浮遊する磁性体異
物を吸着して、捕捉することができ、異物に起因した油
漏れや差圧発生不良を防止することができる。
そして、上記永久磁石5が、全体としてリング状に並
べられた複数の永久磁石片5aからなり、隣接する永久磁
石片5aが、互いに逆向きの極性となっているので、当該
永久磁石5は、第3図に示すように、隣接する相対極ど
うしの間で狭い領域に集束した状態の磁力線を発生させ
ることができ、周囲の部品を磁化させるという悪影響を
抑制することができる。
べられた複数の永久磁石片5aからなり、隣接する永久磁
石片5aが、互いに逆向きの極性となっているので、当該
永久磁石5は、第3図に示すように、隣接する相対極ど
うしの間で狭い領域に集束した状態の磁力線を発生させ
ることができ、周囲の部品を磁化させるという悪影響を
抑制することができる。
また、上記のように磁力線の及ぶ領域はあまり広くな
いが、磁力線が集束しているので、永久磁石の吸着力が
大きくなり、したがって、磁力線の及ぶ領域にある磁性
体異物を確実に捕捉することができると共に、一旦捕捉
した磁性体異物の吸着状態を確実に維持することがで
き、十分な集塵力を発揮することができる。
いが、磁力線が集束しているので、永久磁石の吸着力が
大きくなり、したがって、磁力線の及ぶ領域にある磁性
体異物を確実に捕捉することができると共に、一旦捕捉
した磁性体異物の吸着状態を確実に維持することがで
き、十分な集塵力を発揮することができる。
なお、上記実施例においては、永久磁石5を複数の永
久磁石片5aにより構成したが、一枚のリング状の多極化
された(相対極が円周方向に沿って交互に配置された)
永久磁石を用いることもでき、その他、この考案を、ボ
ールナット型その他の方式の動力舵取装置に適用するこ
と等、この考案の要旨を変更しない範囲で種々の設計変
更を施すことができる。
久磁石片5aにより構成したが、一枚のリング状の多極化
された(相対極が円周方向に沿って交互に配置された)
永久磁石を用いることもでき、その他、この考案を、ボ
ールナット型その他の方式の動力舵取装置に適用するこ
と等、この考案の要旨を変更しない範囲で種々の設計変
更を施すことができる。
<試験例> 永久磁石として、外径44mm、内径30.5mmで肉厚1.5mm
のリング状薄板からなり、円周方向に沿って3対の相対
極を交互に配置した試験例を作成し、また、この試験例
と同形状のリング状薄板からなり、両端面にそれぞれ相
対極を配置した比較例を作成した。
のリング状薄板からなり、円周方向に沿って3対の相対
極を交互に配置した試験例を作成し、また、この試験例
と同形状のリング状薄板からなり、両端面にそれぞれ相
対極を配置した比較例を作成した。
そして、上記試験例および比較例について、重量
(g)、表面の磁束密度(G)、鉄粉の吸着量(g)お
よび吸着力(g)を測定したところ、表1に示す結果を
得た。
(g)、表面の磁束密度(G)、鉄粉の吸着量(g)お
よび吸着力(g)を測定したところ、表1に示す結果を
得た。
この結果から、試験例の鉄粉の吸着量は、比較例のそ
れよりも、約15%少ないが、実用上の大差はないことが
判明した。
れよりも、約15%少ないが、実用上の大差はないことが
判明した。
また、試験例の表面磁束密度は、比較例のそれと比較
して約33%大きく、このことから、試験例は、狭い範囲
に磁束が集中しており、周囲の部品を磁化する悪影響を
少なくすることができると推察される。しかも、試験例
の吸着力は、比較例のそれよりも約30%大きく、良好な
集塵力を発揮することができると推察される。
して約33%大きく、このことから、試験例は、狭い範囲
に磁束が集中しており、周囲の部品を磁化する悪影響を
少なくすることができると推察される。しかも、試験例
の吸着力は、比較例のそれよりも約30%大きく、良好な
集塵力を発揮することができると推察される。
<考案の効果> 以上のように、この考案によれば、ピストンの端面に
取り付けたリング状の永久磁石が、リングの円周方向に
沿って多極化されているので、当該永久磁石は、隣接す
る相対極どうしの間で狭い領域に集束した状態の磁力線
を発生させることになり、周囲の部品を磁化させること
を抑制することができ、且つ上記のように磁力線が集束
していることから、永久磁石の吸着力が大きく、十分な
集塵力を発揮することができるという特有の効果を奏す
る。
取り付けたリング状の永久磁石が、リングの円周方向に
沿って多極化されているので、当該永久磁石は、隣接す
る相対極どうしの間で狭い領域に集束した状態の磁力線
を発生させることになり、周囲の部品を磁化させること
を抑制することができ、且つ上記のように磁力線が集束
していることから、永久磁石の吸着力が大きく、十分な
集塵力を発揮することができるという特有の効果を奏す
る。
第1図はこの考案の一実施例の磁気集塵装置を包含する
動力舵取装置の一部破断側面図、 第2図は永久磁石を取り付けたピストンの概略図、 第3図は磁力線の発生状態を示す永久磁石の側面図であ
る。 1……パワーシリンダ、3……ピストン、5……永久磁
石。
動力舵取装置の一部破断側面図、 第2図は永久磁石を取り付けたピストンの概略図、 第3図は磁力線の発生状態を示す永久磁石の側面図であ
る。 1……パワーシリンダ、3……ピストン、5……永久磁
石。
Claims (1)
- 【請求項1】動力舵取装置のパワーシリンダ内のピスト
ンの少なくとも一方の端面に、油中の磁性体異物を吸着
するリング状の永久磁石を取り付けており、当該永久磁
石が、リングの円周方向に沿って相対極が交互に配置さ
れて多極化されていることを特徴とする磁気集塵装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1990006266U JP2516743Y2 (ja) | 1990-01-26 | 1990-01-26 | 磁気集塵装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1990006266U JP2516743Y2 (ja) | 1990-01-26 | 1990-01-26 | 磁気集塵装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0396966U JPH0396966U (ja) | 1991-10-04 |
JP2516743Y2 true JP2516743Y2 (ja) | 1996-11-13 |
Family
ID=31509941
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1990006266U Expired - Lifetime JP2516743Y2 (ja) | 1990-01-26 | 1990-01-26 | 磁気集塵装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2516743Y2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4563696B2 (ja) * | 2004-02-25 | 2010-10-13 | 上田日本無線株式会社 | 霧化システム |
JP2012148700A (ja) * | 2011-01-20 | 2012-08-09 | Jtekt Corp | 油圧式パワーステアリング装置 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6246268U (ja) * | 1985-09-10 | 1987-03-20 |
-
1990
- 1990-01-26 JP JP1990006266U patent/JP2516743Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0396966U (ja) | 1991-10-04 |
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