JP2516275B2 - 耐衝撃性改良剤 - Google Patents

耐衝撃性改良剤

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JP2516275B2 JP21031290A JP21031290A JP2516275B2 JP 2516275 B2 JP2516275 B2 JP 2516275B2 JP 21031290 A JP21031290 A JP 21031290A JP 21031290 A JP21031290 A JP 21031290A JP 2516275 B2 JP2516275 B2 JP 2516275B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、新規な耐衝撃性改良剤に関する。
(従来の技術及び発明が解決しようとする課題) ポリ塩化ビニル樹脂(以下、PVCと略す)は安価でバ
ランスの取れた物性を有するため多方面に応用されてい
る。
しかし、他の樹脂に比べて耐衝撃性が悪いという欠点
を有している。衝撃強度を向上させるために例えば次の
様な方法が行なわれている。
即ち、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重
合体(ABS)、メチルメタアクリレート−ブタジエン−
スチレン共重合体(MBS)等のゴム成分を添加する方
法、あるいは、塩化ビニルモノマーをエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体(EVA)にグラフト共重合させる方法であ
る。ところが、前者のゴム成分を添加する方法は、衝撃
強度は向上するが、PVCの剛性が低下する。また、後者
のEVAと共重合する方法も、衝撃強度の向上に伴い熱変
形温度が低下する。
この様に従来の技術に示される衝撃強度の改良方法
は、PVCの耐衝撃性の改良と同時に、PVCの剛性または耐
熱変形性を低下させるという欠点を有する。従って、剛
性または耐熱変形性を低下させることなく、PVCの衝撃
強度を向上させる添加剤の開発が強く望まれていた。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を続
けてきた。その結果、特定の非環状アルキル基を有する
非環状のポリジアルキルシロキサンを塩素化した化合物
がPVCの剛性および耐熱変形性を低下させることなく衝
撃強度を著しく向上させることを見出し、本発明を提案
するに至った。
即ち、本発明は、繰返単位が下記一般式〔I〕 (但し、R1およびR2は、夫々同種又は異種の塩素原子
で置換されていてもよい炭素数5〜16の非環状アルキル
基であり、各繰返単位のR1同士およびR2同士は、夫々同
種または異種であってもよい。) で示され、分子中に含まれる塩素原子と水素原子の数を
それぞれmとnとしたとき、m/(m+n)が0.02〜0.5
であり、重量平均分子量が6000〜300万であることを特
徴とする非環状の塩素化ポリジアルキルシロキサンより
なる耐衝撃性改良剤である。
前記一般式〔I〕中、R1およびR2は、塩素原子で置換
されていてもよい炭素数5〜16のアルキル基である。炭
素数が5未満のときは耐衝撃性改良効果が小さく、炭素
数が16を越えるときは、得られる化合物の合成収率が低
下するために好ましくない。炭素数5〜16のアルキル基
としては、具体的には、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプ
チル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル
基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペン
タデシル基、ヘキサデシル基が挙げられる。これらのア
ルキル基は、後述するように本発明で用いる塩素化ポリ
ジアルキルシロキサン中に含まれる塩素原子と水素原子
の数を夫々mとnとしたとき、 (以下、塩素化度という)が0.005〜0.8の範囲となるよ
うに塩素原子で置換されている。従って、前記一般式
〔I〕中、R1およびR2で表わされる塩素原子で置換され
ていてもよい炭素数5〜16のアルキル基は、一般式で次
のように表わされる。
−CXH2X+1-yCly 塩素原子の置換位置は、後述する本発明で用いる化合
物の製造方法b)のように、塩素化環状ジアルキルシロ
キサンにジシロキサン化合物を反応させる方法において
原料の塩素化環状ジアルキルシロキサンとして塩素の置
換位置の明確なものを使用した場合には原料か特定可能
である。一方、後述する本発明て用いる化合物の製造方
法a)のようにポリジアルキルシロキサンを塩素化する
方法を採用した場合には、塩素原子がランダムに導入さ
れるために塩素原子の置換位置を厳密に決定することは
困難であるが、13C−核磁気共鳴スペクトル(以下、13C
−NMRと略す)によりR1およびR2中の塩素原子の数およ
びその部分構造をある程度決定することができる。即
ち、塩素化度が0.025程度のとき塩素化されたアルキル
基中に含まれる塩素原子は0又は1個であり、唯1つの Clユニットの存在が確認できる。塩素化度が0.075程度
のとき塩素化されたアルキル基中には複数の Clユニットが含まれるようになるが、 ユニットは見られない。さらに塩素化度が0.16程度にな
ると、塩素化されたアルキル基中に ユニットが含まれるようになる。
前記一般式〔I〕中のR1およびR2で示される塩素原子
で置換されていてもよい炭素数5〜16の非環状アルキル
基は、炭素数、置換されている塩素原子数およびその置
換位置が同一であっても異なっていてもよく、また、一
分子中に存在する複数個のR1およびR2は、各R1および各
R2の間で炭素数、置換されている塩素原子数およびその
置換位置が同一であっても異なっていてもよい。
本発明で用いる塩素化ポリジアルキルシロキサンは、
分子中に含まれる塩素原子と水素原子の数を夫々mとn
としたとき、 (塩素化度)が0.02〜0.5の範囲である。塩素化度が0.0
2未満の時は耐衝撃性改良効果が低く、PVCのゲル化も遅
延される。また、塩素化度が0.5を越えるときも耐衝撃
性改良効果が低い。
また、本発明で用いる塩素化ポリジアルキルシロキサ
ンの重量平均分子量は、6000〜300万の範囲である。
本発明で用いる化合物の構造は、次の様な方法で確認
することができる。
(1) 赤外吸収スペクトル(以下、IRと略す)の測定 本発明で用いる塩素化ポリジアルキルシロキサンのIR
を測定すると、3,000〜2,850mc-1付近に脂肪族の炭素−
水素結合に基づく吸収、1100〜1000cm-1付近にSi−O結
合に基づく吸収が現れる。
(2) 元素分析 本発明で用いる塩素化ポリジアルキルシロキサンは、
元素分析を行うことにより、炭素、水素および塩素の重
量百分率がわかる。
(3) 13C−NMR 本発明で用いる塩素化ポリジアルキルシロキサンの13
C−NMRを測定すると、テトラメチルシラン基準、低磁場
を正で表わした場合、10〜40ppm付近に側鎖の炭素の吸
収が現われる。また、40〜70ppm付近に塩素原子が1つ
結合した炭素 の吸収が、70〜100ppm付近に塩素原子が2つ結合した炭
の吸収が現れる。さらに、40〜70ppm付近に現れる吸収
ピークの分裂の挙動から、一般式〔I〕で示される塩素
化ポリジアルキルシロキサンの側鎖塩素化アルキル基中
に含まれる ユニットの数に関する情報が得られる。
又、後述する製造方法a)により本発明で用いる塩素
化ポリジアルキルシロキサンを製造した場合には、10〜
40ppm付近に現れる吸収ピークの位置およびピークの積
分強度から、塩素化反応中にアルキル基の切断が起って
いないことが確認できる。
(4) ゲルパーミューションクロマトグラフィー(以
下、GPCと略す) 本発明で用いる塩素化ポリジアルキルシロキサンのGP
Cを測定すると、分子量6000〜300万の間に吸収が現れ
る。
本発明で用いる塩素化ポリジアルキルシロシキサンの
製造方法は特に限定されるものではない。代表的な製造
方法を以下に2つ例示する。
(1) 繰返単位が一般式〔II〕 で示され、重量平均分子量が6000〜300万の非環状のポ
リジアルキルシロキサンを塩素化することにより前記一
般式〔I〕で示される塩素化ポリジアルキルシロキサン
を製造する方法。
上記一般式〔II〕で示される化合物は次の方法によっ
て得ることができる。
一般式〔III〕 で示される環状ジアルキルシロキサン化合物とジシロキ
サン化合物との混合物を酸と接触させる方法である。
ここで、上記一般式〔III〕で示される化合物は次の
方法によって得ることができる。
一般式〔IV〕 R′CH=CH2 〔IV〕 で示される同種又は異種のオレフィンと、ジクロルシラ
ンを塩化白金酸を触媒として反応させて一般式〔V〕 で示される化合物を得、次いで、一般式〔V〕で示され
る化合物を水または塩酸と接触させる方法である。
一般式〔IV〕で示されるオレフィンとジクロルシラン
との反応は、一般に無溶媒で行なわれるが、溶媒が存在
してもさしつかえない。触媒として使用する塩化白金酸
の量はジクロルシラン1モルに対し1〜10-8モルの範囲
が好ましい。また、反応温度は一般に−20℃〜200℃か
ら選ばれる。
一般式〔V〕で示される化合物と水または塩酸との反
応において、これら両者の反応比率は特に制約はない
が、一般に10:1〜1:10(モル比)の範囲が好ましい。こ
の反応は、一般に有機溶媒を用いるのが好ましい。該溶
媒として好適に使用されるものを例示すれば、ジエチル
エーテル、ジイソプロピルエーテル、ジn−ブチルエー
テル等のエーテル類;ジエチルケトン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、シク
ロヘキサノン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシ
レン、ヘキサン、ヘプタン、石油エーテル、クロロホル
ム、塩化メチレン、塩化エチレン等の芳香族又は脂肪族
の炭化水素類あるいはハロゲン化炭化水素があり、特に
エーテル、ケトン類等の極性非水溶液が好適である。ま
た、2種以上の溶媒を混合して使用してもさしつかえな
い。
反応温度は、一般に0〜100℃の範囲から採用され
る。
この反応においては、反応時間が得られる化合物の構
造を決定する。即ち、一般式〔III〕で示される化合物
中、R=3の化合物は反応時間を2時間以内、R=4の
化合物は反応時間を48時間以上とすることにより収率よ
く得られる。
また、この反応においては副生物が生成することがあ
り、この副生物が後の反応を阻害する場合には、溶媒抽
出や蒸留等の方法によって副生物を除去することが好ま
しい。
次に前述の方法で得た一般式〔III〕で示される化合
物を重合して一般式〔II〕で示される化合物を製造する
方法ついて述べる。
この方法において酸を触媒として用いる。重量平均分
子量が6000以上の高分子量化合物はトリフルオロメタン
スルホン酸等のパーフルオロアルキルスルホン酸を触媒
として使用することによって好適に得ることができる。
重合触媒である酸の使用量は一般式〔III〕の化合物
1モルに対し、0.001〜1モルの範囲であることが好ま
しい。
重合温度は、0〜80℃の範囲から採用することが好ま
しい。
次に、本発明の一般式〔II〕で示されるポリジアルキ
ルシロキサンの製造に用いられるジシロキサン化合物
は、公知の化合物が何ら制限なく用い得るが、特に次式
〔IV〕 で示されるジシロキサン化合物が好適である。得られる
ポリジアルキルシロキサンの重合度は一般式〔III〕で
示される化合物とジシロキサン化合物の仕込みモル比に
よって制御することができ、ジシロキサン化合物の使用
量は、一般式〔III〕で示される化合物1モルに対し、
1モル以下であればよいが、一般式〔II〕でしめさるポ
リジアルキルシロキサンの重量平均分子量を6000〜300
万とするためには0.0005〜0.015の範囲が好ましい。
ジシロキサン化合物として、一般式〔VI〕で示される
化合物を用いた場合には、上記の方法により、下記式
〔VII〕 で示されるポリジアルキルシロキサンが得られる。
次にこの様にして得られた一般式〔II〕で示される化
合物を塩素化して本発明で用いる塩素化ポリジアルキル
シロキサンを製造する方法について述べる。
この塩素化の方法としては、アルキル基を塩素化でき
る方法であれば特に限定されることなく用いることがで
きる。
塩素化試剤についても特に限定されるものではない
が、一般には溶媒中で塩素ガスを用い、ラジカル開始剤
の存在下または光によって塩素化する方法が採用され
る。
この塩素化反応において用いられる溶媒は、一般式
〔II〕で示される化合物を溶解もしくは懸濁させるもの
であれば特に限定されないが、一般には、四塩化炭素、
テトラクロルエチレン、クロロホルム、フロン類などの
脂肪族炭化水素のハロゲン化物が好適である。
この時、一般式〔II〕で示される化合物の濃度は0.1
〜80重量%の範囲であれば良いが、1〜50重量%の範囲
が好適である。
また、この塩素化反応においては、塩素ラジカルを発
生させるために、ラジカル開始剤を添加するか、または
光を照射することが一般に行なわれる。ラジカル開始剤
として好適に使用されるものを例示すれば、過酸化t−
ブチル、過酸化ベンゾイル、過酸化アセチルなどの過酸
化物;過酢酸t−ブチル、過安息香酸t−ブチル、過フ
ェニル酢酸t−ブチルなどの過酸エステル類;あるい
は、フェニルアゾトリフェニルメタン、アゾイソブチロ
ニトリルなどのアゾ化合物があげられる。この時、ラジ
カル開始剤の量は一般式〔II〕で示される化合物に対し
て0.1〜50重量%の範囲であれば良いが、1〜10重量%
の範囲が好適である。
この塩素化反応における塩素ガスの流量は、反応のス
ケールによって異なるが、一般式〔II〕で示される化合
物のモル当りの塩素流量で表わせば0.001〜100mol/min
の範囲であるが、反応時間および塩素の反応効率等を考
慮すると0.01〜1mol/minの範囲が好適である。
反応温度は0〜200℃の範囲であれば良いが、20〜100
℃の範囲が好適である。
反応時間は製造したい塩素化ポリジアルキルシロキサ
ンに含まれる塩素量に応じて決定すればよい。反応温度
および塩素流量が上記好適範囲であれば、塩素はほぼ定
量的に反応する。
b)本発明で用いる塩素化ポリジアルキルシロキサン
を製造する第2の方法は、一般式〔VIII〕 で示される塩素化環状ジアルキルシロキサンとジシロキ
サン化合物とを酸と接触させる方法である。
上記一般式〔VIII〕で示される化合物は、次の方法に
よって得ることができる。
一般式〔IX〕 で示されるビスクロルアルキルジクロルシランを水また
は塩酸と接触される方法である。
上記一般式〔IX〕で示される化合物は、次の方法によ
って得ることができる。
一般式〔X〕 CnH2n-XClX 〔X〕 で示され、末端に炭素−炭素二重結合を有する同種又は
異種のオレフィンとジクロルシランを塩化白金酸を触媒
として反応させる方法である。
この時、一般式〔X〕で示される化合物は同種であっ
ても異種であってもよいが、得られる塩素化ポリジアル
キルシロキサンの塩素化度が0.02〜0.5の範囲となるよ
うに、一般式〔X〕で示される化合物の塩素含有量を決
定すればよい。
なお、この方法は、前述した本発明で用いる塩素化ポ
リジアルキルシロキサンを製造するa)の方法におい
て、一般式〔IV〕で示される化合物から一般式〔V〕で
示される化合物を得て一般式〔III〕で示される化合物
を得る時の方法と同様にして行うことができる。
この様にして得られた一般式〔VIII〕で示される化合
物を原料にして、前述の一般式〔III〕の化合物から一
般式〔II〕の化合物を得るのと同様の方法で本発明で用
いる塩素化ポリジアルキルシロキサンを得ることができ
る。
(効 果) 本発明の耐衝撃性改良剤は、PVCの衝撃強度を著しく
向上させるという特異な効果を有する。さらに、その際
にPVCの耐熱変形性および剛性を低下させることはな
い。この効果は、PVCに限られるものではなく熱可塑性
樹脂全般について得られるが、時にPVC又は塩素化塩化
ビニル樹脂(以下、CPVCという)のときに顕著である。
本発明の耐衝撃性改良剤は、熱可塑性樹脂に単独もし
くは安定剤および無機充填剤などの他の物性改良剤とと
もに用いることができる。この時、本発明の耐衝撃性改
良剤の配合量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.05
〜50重量部の範囲であればよいが、操作性を勘案すると
0.1〜20重量部の範囲が好ましい。
具体的には、一般式〔I〕においてR1およびR2の炭素
数が8、塩素化度が0.02であり、重量平均分子量が9800
である非環状の塩素化ポリジアルキルシロキサンをPVC1
00重量部に対して3重量部添加すると、添加したPVCの
シャルピー衝撃強度は、無添加PVCの2.7倍に向上する。
しかも、このときのPVCのビーカット軟化温度および引
張弾性率は、無添加PVCに比べて変化しない。
この様な特異な効果は、後述する実施例及び比較例の
対比で明らかな様に本発明の塩素化ポリジアルキルシロ
キサンよりなる耐衝撃性改良剤に特有な効果である。
(実施例) 本発明を更に具体的に説明するため、以下、実施例お
よび比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施
例になんら限定されるものではない。
なお、実施例および比較例中に示した樹脂の物性は次
の方法で評価した。
(1) シャルピー衝撃強度 JIS K7111 (2) 引張弾性率 JIS K7113 (3) ビーカット軟化温度 JIS K7206 B法 (4) ゲル化時間 下記の条件で測定した。
条件:設定温度180℃、余熱時間5分、樹脂量61g、ロー
ター回転数30r.p.m 製造例1 1−オクテン226gに塩化白金酸のイソプロピルアルコ
ール溶液(H2PtCl61×10-4mol/イソプロピルアルコール
1ml)を0.1ml加えた。この液を30℃に加熱した後、ジク
ロルシラン101gを5時間かけて導入し、1−オクテンと
ジクロルシランを反応させ、液状反応物327gを得た。
メチルイソブチルケトン(以下MIBKと略す)1およ
び3規定の塩酸水溶液500mlを60℃に加熱した。この混
合溶液に前記操作で得た1−オクテンとジクロルシラン
の反応物327gを撹拌しながら約5分間で添加し、更に60
℃で30分間撹拌をつづけ、加水分解を行なった。室温ま
で冷却後、MIBK層を取り出し純水で中性になるまで洗浄
した。MIBKを除去した後、反応生成物にアセトン1お
よびメチルアルコール1を加えた。50℃に加熱して10
分間撹拌し、室温まで冷却し、静置すると2層に分離し
た。下層を取り出し減圧乾燥し、反応生成物189gを得
た。該化合物は下記の種々の測定結果により、ヘキサオ
クチルシクロトリシロキサン(以下、0ctD3と略す)で
あることを確認した。
(1) IR 3000cm-1〜2850mc-1に脂肪族に炭素−水素結合に基づ
く吸収、1005cm-1にシロキサンの環状3量体に特有のSi
−O結合に基づく吸収が現れる。
(2) 1H−NMR(テトラメチルシラン基準、低磁場を
正とした表した。) 0.56ppmにSi−CH2−(CH2−CH3のSi−CH2−の吸
収、0.88ppmにSi−CH2−(CH2−CH3の−CH3の吸
収、1.29ppmにSi−CH2−(CH2−CH3の−(CH2
−の吸収が現れる。
(3) 29Si−NMR(テトラメチルシラン基準、低磁場
を正として表した) −10.7ppmに単一の環状シロキサンに基づく吸収が現
れる。
(4) GPC この化合物の重量平均分子量(以下、wという)は
820であり、数平均分子量(以下、nという)も820で
あった。
(5) 元素分析 この化合物の元素分析値は炭素7093wt%、水素12.42w
t%であり、0ctD3の理論値である炭素71.04wt%、水素1
2.67wt%とよく一致した。
なお以下の製造例における生成物の構造も上記と同様
な手法で決定した。
製造例2 製造例1において、使用するオレフィンを170gの1−
ヘキセンとする以外はすべて製造例1と同様の操作を行
い、反応生成物148gを得た。このものの元素分析値は炭
素67.15wt%、水素12.18wt%であり、ヘキサヘキシルシ
クロトリシロキサンの理論値である炭素67.23wt%、水
素12.22wt%とよく一致した。また、このものの分子量
をGPCで測定したところw,nとも640であった。さら
にIR、1H−NMR、29Si−NMR等の機器分析の結果を勘案
し、該生成物がヘキサヘキシルシクロトリシロキサン
(以下、HexD3と略す)であることをを確認した。
製造例3 1−ヘキサデセン228gに製造例1で使用したのと同一
濃度の塩化白金酸のイソプロピルアルコール溶液を0.05
mlを加えた。この液を30℃に加熱した後、ジクロルシラ
ン50gを3時間で導入し、1−ヘキサデセンとジクロル
シランを反応させ、反応生成物278gを得た。
MIBK 1および3規定の塩酸水溶液500mlを90℃に
加熱した。この混合溶液に前記操作で得た1−ヘキサデ
センとジクロルシランの反応物278gを撹拌下に約5分間
で加えた。90分後、MIBK層を取り出し、中性になるまで
約60℃以上の温水で洗浄した。MIBK層を室温まで冷却す
ると、固体が析出したので濾別し、減圧乾燥し、固体の
生成物197gを得た。このものの元素分析値は炭素77.59w
t%、水素13.36wt%であり、ヘキサヘキサデシルクロト
リシロキサンの理論値である炭素77.65wt%、水素13.44
wt%とよく一致した。また、このものの分子量をGPCで
測定したところwは1500であり、nも1500であっ
た。さらにIR、1H−NMR、29Si−NMR等の機器分析の結果
を勘案し、該生成物がヘキサヘキサデシルシクロトリシ
ロキサン(以下、HexdD3と略す)であることを確認し
た。
製造例4 製造例1で得られたOctD3150gを40℃に加熱し、ヘキ
サメチルジシロキサン2.0g、トリフルオロメタンスルホ
ン酸280mgを加えて16時間重合させた。重合物中のトリ
フルオロメタンスルホン酸は水で抽出して取り除いた。
また、重合中に副生する低分子化合物はMIBK−アセトン
(MIBK/アセトン=1/2容積比)混合溶液で抽出した。そ
の後、重合物を減圧乾燥し、重合物118gを得た。
該重合物は下記の測定結果により、ポリジオクチルシ
ロキサンであることを確認した。
(1) IR 3000cm-1〜2850cm-1に脂肪族の炭素−水素結合に基づ
く吸収、1100cm-1〜1000cm-にシロキサンのSi−Oの結
合に基づく吸収が現れる。
(2) 1H−NMR(テトラメチルシラン基準、低磁場を
正として表した。) 0.56ppmにSi−CH2−(CH2−CH3のSi−CH2−の吸
収、0.88ppmにSi−CH2−(CH2−CH3の−CH3の吸
収、1.29ppmにSi−CH2−(CH2−CH3の−(CH2
−の吸収が現れる。
(3) 13C−NMR(テトラメチルシラン基準、低磁場を
正として表した) (a) (b) (c) (d) (e) (f)
(g) (h) ケミカルシフト (a) 16.8ppm (b) 23.3ppm (c) 32.3ppm (d) 29.7ppm (e) 29.7ppm (f) 34.0ppm (g) 22.8ppm (h) 14.1ppm (4) GPC このもののwは9,000、nは6,900であった。
(5) 元素分析 この化合物の元素分析値は炭素70.38wt%、水素12,61
wt%であり、分子量6,900のポリジオクチルシロキサン
の理論値である炭素70.41wt%、水素12.63wt%とよく一
致した。
製造例5〜8 表−1に示す条件で製造例と同様の手順で反応を行っ
た。結果を表−1に示した。
これらの物質の構造は製造例4と同様の方法で確認し
た。
製造例9 製造例4で得られたポリジオクチルシクロキサン35
g、アゾビスイソブチロニトリル(以下、AIBNと略す)
0.4gおよび四塩化炭素500mlから成る溶液に70℃撹拌下
で塩素ガスを35Ncc/minの流速で吹き込み1時間反応を
行った。反応終了後、反応液を濃縮し、過剰量のメタノ
ールに撹拌下展開した後、撹拌を停止し、静止させたと
ころ2層に分離した。この時未反応のAIBNはメタノール
層に抽出される。下層の生成物を分液後、減圧乾燥して
室温で粘稠液体である塩素化物を40.8g得た。このもの
の構造は以下の方法で確認した。
(1) IR 3,000〜2,850cm-1に脂肪族の炭素−水素結合に基づく
吸収、1,100〜1,000cm-1にシロキサンのSi−Oの結合に
基づく吸収が現れる。
(2) 13C−NMR(テトラメチルシラン基準、低磁場を
正として表わした) 下記に示すように各種炭素の吸収に対応する吸収が表
れる。
(a) (b) (c) (d) (e) (f)
(g) (h) 結合して原子が水素原子のみである炭素原子のケミカ
ルシフト (a) 16.8ppm (b) 23.3ppm (c) 32.3ppm (d) 29.7ppm (e) 29.7ppm (f) 34.0ppm (g) 22.8ppm (h) 14.1ppm また、10〜40ppm付近に上記(a)〜(h)以外の炭
素に帰因する吸収が現れなかったことから、塩素化反応
中に一般式〔II〕中の側鎖アルキル基の切断が起きてい
ないことが確認される。
塩素原子が1つ結合している炭素原子のケミカルシフ
ト (a) 50.5ppm (b) 58.0ppm (c) 65.0ppm (d) 63.0ppm (g) 58.0ppm (h) 44.4ppm このことから、塩素原子は側鎖アルキル基の炭素の位
置に依らずランダムに存在することが確認される。
(4) GPC このもののwは、9,800およびnは、7,400であっ
た。
(5) 元素分析結果 このものの元素分析結果は、塩素8.22wt%、炭素64.7
5wt%、水素11.37wt%であった。この結果からこのもの
の塩素化度は0.021であることが確認される。
製造例10〜18 下表に示す条件で製造例9と同様の手順で反応を行っ
た。結果を表−2に示した。
これらの物質の構造は製造例9と同様の方法で確認し
た。
実施例1 PVC(第1塩ビ販売(株)SA800B)100gにスズ系安定
剤(日東化成TVS1320)3g、ヘキストワックスOP(ヘキ
スト製)0.2g、ヘキストワックスE(ヘキスト製)0.1g
および製造例9で得られた塩素化ポリジアルキルシロキ
サン3gを加え混合した。得られた混合粉体のうち61gを
使用してゲル化時間を測定したところ、ゲル化時間は13
分24秒であった。
また、同様にしてこの混合粉体を165℃のロール機で
5分間混練した。さらにこの混練物を185℃で5分間予
熱後、同温度で180kgG/cm2の圧力で5分間プレスした。
得られた成型板から試料を作成しシャルピー緩衝強度、
引張弾性率、ビーカット軟化温度を測定したところ、シ
ャルピー衝撃強度は9.5kgf/cm2、引張弾性率は300kgf/m
m2、ビーカット軟化温度は77.8℃であった。
実施例2〜10 実施例1において添加する塩素化ポリジアルキルシロ
キサンを表−3に示す塩素化ポリジアルキルシロキサン
に変える以外は同様にしてシャルピー衝撃強度、引張弾
性率、ビーカット軟化温度およびゲル化温度を測定し
た。結果を実施例1を含めて表−3に示す。なお、シャ
ルピー衝撃強度、引張弾性率およびビーカット軟化温度
の値は、後述する比較例1の塩素化ポリジアルキルシロ
キサン無添加のPVCの各物性値をそれぞれ1とした場合
の相対値で示した。
比較例1 PVC(第1塩ビ販売(株)SA800B)100gにスズ系安定
剤(日東化成TVS1320)3g、ヘキストワックスOP(ヘキ
スト製)0.2g、ヘキストワックスE(ヘキスト製)0.1g
を加え混合した。この混合粉体を実施例1と同様の方法
で成型したシャルピー衝撃強度、引張弾性率およびビー
カット軟化温度を測定した。その結果は、シャルピー衝
撃強度3.5kgf/cm2、引張弾性率302kgf/mm2、ビーカット
軟化温度なお、ゲル化時間は28秒であった。
比較例2 実施例1において、添加する塩素化ポリジアルキルシ
ロキサンを、メチルメタアクリレート−ブタジエン−ス
チレン共重合体(呉羽化学工業(株)BTA731)に変えた
ことの他は同様にして、シャルピー衝撃強度、引張弾性
率およびビーカット軟化温度を測定した。その結果、上
記比較例1の耐衝撃改良剤無添加のPVCの各物性値を1
とした場合の相対値で示して、シャルピー衝撃強度が1.
94、引張弾性率0.88、ビーカット軟化温度が0.99であっ
た。
比較例3〜6 実施例1において、添加する塩素化ポリジアルキルシ
ロキサンを、表−4に示されるポリジメチルシロキサン
及び塩素化ポリジアルキルシロキサンに代える他は同様
にしてシャルピー衝撃強度、引張弾性率及びビーカット
軟化温度を測定した。その結果を比較例1の各物性値を
1として規格化した値で表−4に示す。
なお、表−4の比較例5の塩素化ポリジプロピルシロ
キサン及び比較例6の塩素化ポリジシクロヘキシルシロ
キサンはそれぞれプロピレン及びシクロヘキセンにジク
ロルシランを付加させたジアルキルジクロルシランを原
料としてポリジアルキルシロキサンを合成し、これらを
さらに塩素化して得たものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−137455(JP,A) 特開 昭50−123754(JP,A) 特開 昭50−156555(JP,A) 特開 昭63−108067(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繰返単位が一般式 (但し、R1およびR2は、夫々同種又は異種の塩素原子で
    置換されていてもよい炭素数5〜16の非環状アルキル基
    であり、各繰返単位のR1同士およびR2同士は、夫々同種
    または異種であってもよい。) で示され、分子中に含まれる塩素原子と水素原子の数を
    それぞれmとnとしたとき、m/(m+n)が0.02〜0.5
    であり、重量平均分子量が6000〜300万であることを特
    徴とする非環状の塩素化ポリジアルキルシロキサンによ
    りなる耐衝撃性改良剤。
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