JP2516234Y2 - 回転灯の取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、回転灯の取付構造に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来から用いられている回転灯の取付構
造は図４に示されている。回転灯Ａ１は、赤色や黄色な
どの着色材料で構成したグローブＡ２内に光源Ａ３と反
射鏡Ａ４とを収容し、反射鏡Ａ４をケースＡ５内に収容
した回転駆動機構により回転させることによって周囲に
着色された警告光を放光するようにしたものである。ケ
ースＡ５の底面Ａ５１からは複数本の取付用ボルトＡ６
が導出されている。この取付用ボルトＡ６をたとえば工
作機械の天板などの取付プレートＡ７に形成した取付穴
Ａ８に挿通させ、その先端部にナットＡ９を螺着させる
ことにより、回転灯Ａ１の取付プレートＡ７への取付け
がされる。取付用ボルトＡ６において、回転灯Ａ１のケ
ースＡ５の底面Ａ５１と取付プレートＡ７との間には、
防水および防塵用のパッキンＡ１０がそれぞれ介挿され
ている。また、給電のためのコードＡ１１は、これ自体
を別途配線する、あるいは取付用ボルトＡ６と同様に取
付プレートＡ７に形成した穴に挿通させ、パッキンを介
挿させて取付プレートＡ７内へと導入して配線されてい
た。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】前記の回転灯Ａ１の取
付構造では、回転灯Ａ１の取付けにあたって、ケースＡ
５の底面Ａ５１から植設された複数本の取付用ボルトＡ
６それぞれにパッキンＡ１０が介挿されているために、
製造上の工数がかかり、また防水性を向上させるために
取付用ボルトＡ６の直径よりもパッキンＡ１０に設けら
れた穴内径が小さくなっており、製造上取付用ボルトＡ
６へのパッキンＡ１０取付けは困難な作業のひとつであ
った。さらに、パッキンＡ１０とケースＡ５の底面Ａ５
１、パッキンＡ１０と取付プレートＡ７は、それぞれ取
付用ボルトＡ６ごとに防水がされないと回転灯全体とし
ての防水がされないことになり、防水箇所の多さが防水
の信頼性を低下させていた。加えてこの種パッキンは、
断面円形の環状体で構成されるためパッキンのねじれが
あると、防水性が確保できない問題があった。これは他
の形状でも同様である。

【０００４】また、給電のためのコードＡ１１について
も回転灯Ａ１側と、取付プレートＡ７側に防水構造が必
要であり、回転灯の底面にこれら以外の穴があればその
穴についても防水が必要になる。このように個別に防水
性を確保する回転灯の取付構造にあっては、部品点数が
増加し、製造工数が多くなり、防水箇所の多さが防水の
信頼性を低下させてしまうことになる。

【０００５】そこで本考案の目的は、上述の技術的課題
を解決し、回転灯の取付けを容易におこなうことがで
き、また回転灯の取付時の防水性、防塵性を確保できる
ようにした回転灯の取付構造を提供することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本考案の回転灯の取付構造は、装着対象の取付プレ
ートへパッキンを介して装着するよう構成され、前記パ
ッキンには複数個の取付穴と、コード抜穴が穿設される
とともに、パッキンの下面側にはこれら複数個の取付穴
とコード抜穴の周囲に、外方へと傾斜した略三角形状の
リブとリブの外周に沿って環状溝が設けて成るものであ
る。

【０００７】請求項２記載の考案は、前記パッキンの上
面側にも複数個の取付穴とコード抜穴の周囲に、外方へ
と傾斜した略三角形状のリブと、リブの外周に沿って環
状溝を設けたものである。

【０００８】

【作用】前記の構成によれば、取付プレートと回転灯の
間にパッキンを挟み合わせるように取付けをするのみで
それぞれの取付穴とコード抜穴の周囲に精度のよい防水
が施される。パッキンの外方へと傾斜した略三角形状の
リブは、回転灯取付時に該リブの外周に沿って設けられ
た環状溝に嵌まり込むように撓むことになり、リブの弾
性によって回転灯ケースの底面、あるいは取付プレート
と密着する。このようにして、簡単な構成で精度のよい
回転灯の取付構造が提供される。

【０００９】

【実施例】本考案の一実施例を以下、図面に従って説明
する。図１は、本考案の全体構成を示す断面図である。
着色透光材料で構成したグローブ６１には、光源６３
と、光源の中心軸線まわりに回転駆動されて光源６３か
らの警告光を周囲に放光させるための反射鏡６２が収納
されている。反射鏡６２を回転駆動するための回転駆動
機構は、光源６３を装着したソケット６４下部のソケッ
トボス６８を回転の軸としてロータ６６がモータ６７に
よって回転するというものである。これらの各構成部品
は回転灯内にもうけられたシャーシ６５に設置され、回
転灯ケース４内に収容されている。本実施例では、回転
部を反射鏡６２とロータ６６とにより回転部が構成され
ている。

【００１０】回転灯６の取付けは、複数本のボルト２と
ナット３によっておこなう。回転灯ケース４の底部に突
設された複数個の取付足部４１の上方からボルト２をそ
れぞれ挿通させ、パッキン１を挟持するとともに、取付
プレート５の下方よりナット３を螺合して固着される。
回転灯６の内部には、モータ６７などの回転駆動機構
と、ロータ６６などの回転機構と、トランス（図示せ
ず）、基板など多くの部品を収納する関係上、複数個の
取付足部４１を設けてボルトによって回転灯の内部空間
が狭くならないようにしているのが一般的である。本実
施例も同様となっている。

【００１１】図２はパッキン１を示す断面図、図３は平
面図である。パッキン１は、ゴムなどの弾性材料で構成
され、薄い円盤状体を呈する。回転灯６を取り付けるた
めに取付穴１４を複数個穿設されている。回転灯６の給
電のためにコード抜穴１５を設けられることもある。上
面側のこれらの穴の周囲には、外方へと傾斜した略三角
形状のリブ１１が設けられ、更に外側に隣接して環状溝
１２がパッキン１の下面に設けられている。本実施例で
は、リブ１１、環状溝１２は円形状に設けられている
が、他の形状でも同様の防水性を得ることができる。ま
たリブ１１も防水性を確保できる突起状の形状であれば
よい。

【００１２】水、塵埃の侵入経路は、取付プレート５の
上面側とパッキン１下面の間、回転灯ケース４とパッキ
ン１との境界部分の二箇所である。塵埃、水とも取付プ
レート５の上面側に溜まって浸水などに至る場合が多
く、パッキンの下面側を防水すれば防水ができることに
なる。加えてパッキン１の上面側を防水すれば、より信
頼性の高い防水構造を提供できる。

【００１３】加えてパッキン１の外周上方に外壁１６を
立設し、回転灯ケース４の下部外周にケース外径よりや
や縮径した段部４２を設けて該外壁１６を覆い被せるこ
とで回転灯ケース４とパッキン１との境界部分の防水性
が向上する。この場合に段部４２外径より外壁１６内径
をわずかに縮径すればより好適である。

【００１４】回転灯の取付時において、パッキン１の下
側に設けられたリブ１１は外側に隣接した環状溝１２へ
と嵌まりこむように圧接される。このように外方へと傾
斜した略三角形状のリブ１１と、外側に隣接した環状溝
１２の組み合わせを採用したので、回転灯６の取付足部
高さがパッキン高さより多少高すぎてもリブ１１の頂部
が取付プレート５に接圧され、逆にあまり高くないとき
もリブ１１は環状溝１２へ嵌まり込むようになって接圧
されて防水性を確保することができるものである。リブ
１１が外方へと傾斜していることで、接圧されるときも
一様に外側に拡がることで、リブのねじれによって防水
性を損なうことが少ない。図３に示す当り部１３は、リ
ブ１１が均等に接圧されるようリブ１１の内側、パッキ
ン１に穿設された穴の周囲に一定幅で設けられる。防水
上のため考慮された以上の特性は成形上、寸法が正確に
なりにくいゴムなど弾性材料から成るパッキンを含む構
成では、部品の寸法精度を緩く製造することができる。

【００１５】また、請求項２記載の考案は、以上の説明
に加えて、パッキン１に穿設されたいくつかの穴の周囲
に外方へと傾斜した略三角形状のリブ１１が設けられ、
更に外側に隣接して環伏溝１２がパッキン１の上面に設
けられている。回転灯の取付時において、パッキン１の
上側に設けられたリブ１１は外側に隣接した環状溝１２
へと嵌まりこむように回転灯ケース４の下面との間に圧
接される。この結果、上下に防水が施されたこととな
り、より信頼性の高い防水構造が得られた。 この取付構
造は、回転灯と同様に各種機械へ組付けられる信号表示
灯、照明装置、音響装置などにも使用できる。

【００１６】

【考案の効果】以上に説明したように、本考案の回転灯
の取付構造によれば、回転灯を取付ける際に専用のパッ
キンを介して取り付けるだけで、信頼性の高い防水、防
塵構造が提供される。従って取付用ボルト毎、回転灯ケ
ース下面の穴毎の防水用部品の組み付けが不要となり、
部品点数の節減とあわせて信頼性の高い防水、防塵構造
が得られることとなったものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の１実施例を示す回転灯の取付構造の断
面図である。

【図２】パッキンの断面図である。

【図３】パッキンの平面図である。

【図４】従来の実施例を示す回転灯の取付構造の断面図
である。

【符号の説明】

１ パッキン １１ リブ １２ 環状溝 １４ 取付穴 １５ コード抜き穴 ２ ボルト ３ ナット ４ 回転灯ケース ４１ 取付足部 ５ 取付プレート

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−26901（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−368701（ＪＰ，Ａ) 実開 昭56−54505（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭62−116311（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭62−133305（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭64−43503（ＪＰ，Ｕ) 実開 平１−86004（ＪＰ，Ｕ) 実開 平３−118502（ＪＰ，Ｕ) 実開 平６−17027（ＪＰ，Ｕ) 実公 昭58−7529（ＪＰ，Ｙ２) 実公 平４−16454（ＪＰ，Ｙ２) 実公 平４−25775（ＪＰ，Ｙ２)

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】装着対象の取付プレートへパッキンを介し
   て装着するよう構成した回転灯の取付構造において、 前記パッキンには複数個の取付穴と、コード抜穴が穿設
   され、パッキンの下面側にはこれら複数個の取付穴とコ
   ード抜穴の周囲に、外方へと傾斜した略三角形状のリブ
   と、リブの外周に沿って環状溝が設けられていることを
   特徴とする回転灯の取付構造。
2. 【請求項２】前記パッキンの上面側にも複数個の取付穴
   とコード抜穴の周囲に、外方へと傾斜した略三角形状の
   リブと、リブの外周に沿って環状溝が設けられているこ
   とを特徴とする請求項１記載の回転灯の取付構造。