JP2516067Y2 - シ−トベルト装置のバツクルスト−ク構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、自動車に装備されるシートベルト装置にお
いて、特にシートベルトを係脱自在に自立保持するバッ
クルストーク構造の改良に関する。

〔従来の技術〕

第１図は自動車に装備されるシートＳと、このシート
Ｓに付設されるシートベルト装置Ｂの一部を示す。

上記シートベルト装置Ｂは、シートＳのシートクッシ
ョンSaの側面に設けられるバックルストーク１と、この
バックルストーク１に係脱自在な係止金具２を取付けた
シートベルト３およびシートベルト３の端部を巻込む図
示しないリトラクタ、シートベルト３の中途部を係止す
るサッシュガイドなどから構成される。

シートＳに座った乗員が、リトラクタからシートベル
ト３を繰り出して係止金具２をバックルストーク１に係
合すれば、乗員の胸部と膝とを保持できる、いわゆる３
点式のシートベルト装置Ｂである。

上記バックルストーク１についてなお説明すれば、こ
れはシートクッションSaの側面にその一端部を取着され
るバックルステー４と、このバックルステー４の他端部
に一体的に設けられるバックル５とからなる。

バックル５に上記係止金具２を係合でき、かつこれに
突設されるロック解除ボタン６を押すことにより、係止
金具２を外すことができるようになっている。

ところで、上記シートＳのシートバックSbは、その角
度が自由に調節可能である。乗員がシート３を掛けたま
まシートバックSbの角度を変えると、上記バックルスト
ーク１の角度も変わらなければならない。

すなわち、乗員に対してシートベルト３の張り具合を
常に一定に保つためには、乗員の姿勢にバックルストー
ク１の角度を追従させる必要がある。

そこで従来は、第４図に示すような構造にて、バック
ルストーク１を保持するようになっている。

図中７は、シートクッションSaの側面に螺着される段
付きボルトである。この段付きボルト７の段部7aには、
上記バックルステー４の端部が回動自在に嵌合する。

バックルステー４と段付きボルト７の頭部7bとの間に
は、ワッシャ８、バックルステー４とシートクッション
Saとの間には弾性部材であるウエーブワッシャ９がそれ
ぞれ介在してなる。

このように構成したから、バックルステー４はウエー
ブワッシャ９によって面方向の弾性力を受け、バックル
ストーク１はどの角度にも追従するとともにその角度を
保持できるようになっている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかるに、乗員の無理な姿勢もしくは強い外力によ
り、ウエーブワッシャ９の弾性力に抗する方向の荷重が
かかって、第５図に示すようにバックルステー４がシー
トクッションSaの側面に密着するよう押付けられること
がある。

このときウエーブワッシャ９は、これらで挟圧を受け
て偏平状となる。挟圧力が極めて大であると上記ウエー
ブワッシャ９が変形し、バックルストーク１への荷重が
無くなって元のウエーブ状に戻らないおそれがある。

当然、このウエーブワッシャ９は、弾性力を失ってバ
ックルストーク１を自立保持できなくなる。

本考案は、上記事情に着目してなされたものであり、
その目的とするところは、たとえバックルステーに強い
荷重がかかっても、弾性部材の変形を防止して、この耐
久性の向上化を図れるシートベルト装置のバックルスト
ーク構造を提供しようとするものである。

〔課題を解決するための手段〕

すなわち本考案は、シートのシートクッション側面に
湾曲形状の弾性力を有するワッシャを介してその一端が
段付きボルトにより取り付けられ所望の位置で自立保持
可能なるバックルステーと、 このバックルステーの他端部に一体的に設けられシー
トベルトの取り付けられる係止金具を係脱自在なバック
ルとを具備したものにおいて、 上記バックルステーとシートクッションとの間に介設
され、上記ワッシャの板厚よりも厚い板厚であり、その
内径は上記段付きボルトの段部の外径より大径を有し、
かつその外径は上記ワッシャの内径よりも小径であるス
ペーサを具備したことを特徴とするシートベルト装置の
バックルストーク構造である。

したがって、ワッシャの弾性力に抗してバックルスト
ークに面方向に強い荷重がかかっても、ワッシャがある
程度変形したところでスペーサがその荷重を受ける。上
記ワッシャは、スペーサのクリアランスによって偏平状
になるほどの変形をまぬがれ弾性力を維持する。

荷重が除去されればワッシャは直ちにバックストーク
に弾性力を付与し、この自立姿勢を保持する。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面にもとづいて説明す
る。ただし、後述するバックルストーク構造を除いて、
シートＳおよびシートベルト装置Ｂは先に第１図で説明
したものと同一でよいので、同図を適用して新たな説明
を省略する。

上記バックルストーク構造は、第２図に示すようにな
っている。シートクッションSaの側面には、段部17aの
長さが従来よりやや長い段付きボルト17が取着される。

この段部17aには、バックルステー４が回動自在に嵌
合している。バックルステー４と段付きボルト17の頭部
17bとの間の段部17aには、ワッシャ８が緩挿される。

さらに、バックルステー４とシートクッションSaとの
間の段部17aには、湾曲形状の弾性力を有するワッシャ
であるところのウエーブワッシャ19と、スペーサ10とが
緩挿される。

上記ウエーブワッシャ19は、その両面側をシートクッ
ションSaとバックルステー４とに接合するよう介在す
る。

上記スペーサ10の肉厚は、上記ウエーブワッシャ19の
板厚よりも厚く、かつスペーサ10の外径寸法はウエーブ
ワッシャ19の内径寸法よりも小さくしてある。

そして、スペーサ10の内径は、上記段付きボルト17の
段部17aの外径よりも大径を有する。したがって、通常
の状態においてスペーサ10は何等の作用もなさないよう
になっている。

しかして、ウエーブワッシャ19はバックルステー４に
面方向の弾性力を与え、どの角度においてもバックルス
トーク1Aを自立保持することとなる。

上記ウエーブワッシャ19の弾性力に抗してバックルス
トーク1Aに面方向の強い荷重がかかった場合は、第３図
に示すようになる。

バックルステー４はシートクッションSaの側面に向か
って移動するが、これらの間にはスペーサ10が介在して
いるので、シートクッションSaに密着することはない。

すなわち、スペーサ10が荷重を受けて、その肉厚分の
クリヤランスを得る。上記ウエーブワッシャ19はクリア
ランスによって偏平状になるほどの変形をまぬがれ、弾
性力を維持する。

このことから、バックルステー４への荷重が除去され
れば、ただちに第２図に示すようにバックルストーク４
に対して弾性力を付与できることとなる。したがって、
ウエーブワッシャ19は永久的に弾性力を保持する。

なお上記実施例においては、弾性部材19としてウエー
ブワッシャを用いたが、これに限定されるものではな
く、要は弾性力を有するとともに偏平状になることによ
って弾性力を失うものに適用できる。

また上記実施例においては、いわゆる３点式シートベ
ルトについて説明したが、これに限定されるものではな
く、２点式シートベルトにも適用できること勿論であ
る。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案によれば、バックルステー
に面方向の強い荷重がかかっても、スペーサが荷重を受
けてワッシャが弾性力を保持するクリアランスを形成す
る。したがって、ワッシャの変形がなく、その耐久性を
保持でき、バックルストークはいかなる状態になっても
自立保持するという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は一般的に用いられるシートおよびシートベルト
装置の一部斜視図、第２図および第３図は本考案の一実
施例を示すそれぞれ異なる状態のバックルストーク構造
の一部縦断面図、第４図および第５図は本考案の従来例
を示すそれぞれ異なる状態のバックルストーク構造の一
部縦断面図である。 Ｓ……シート、Sa……シートクッション、19……弾性部
材（ウエーブワッシャ）、４……バックルステー、３…
…シートベルト、２……係止金具、５……バックル、10
……スペーサ。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】シートのシートクッション側面に湾曲形状
   の弾性力を有するワッシャを介してその一端が段付きボ
   ルトにより取り付けられ所望の位置で自立保持可能なる
   バックルステーと、 このバックルステーの他端部に一体的に設けられシート
   ベルトの取り付けられる係止金具を係脱自在なバックル
   とを具備したシートベルト装置のバックルストーク構造
   において、 上記バックルステーとシートクッションとの間に介設さ
   れ、上記ワッシャの板厚よりも厚い板厚であり、その内
   径は上記段付きボルトの段部の外径より大径を有し、か
   つその外径は上記ワッシャの内径よりも小径であるスペ
   ーサを具備したことを特徴とするシートベルト装置のバ
   ックルストーク構造。