JP2516029Y2 - 固定ガイド - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は例えばルアーロッド等のガイドとして使用さ
れるものであって、釣り糸挿通孔を有し竿に取付けた状
態で竿の外方に位置する先端部と、組付固定手段によっ
て竿に組付固定される基端部とを有する固定ガイドに関
する。

〔従来の技術〕

この種の固定ガイドにおいては、従来は第３図に示す
ように、基端部（1B）として、先端部（1A）より前後に
張出す状態で延出し、この前後に開いた基端部（1B）を
竿（２）における前記先端部（1A）が位置するがわの側
面に載置し、組付固定手段（３）としての糸でその基端
部（1B）を竿（２）に固定し、固定ガイド（１）の竿へ
の固定を行っていた。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記固定ガイドにおいては、魚が針掛りするとその魚
の重量と引きで、竿芯方向に沿った曲げモーメントが固
定ガイドに作用する。この場合に、この曲げモーメント
を、前後に延設した基端部で受け止める構成を採ってい
た。

しかし、固定ガイドの小型軽量化を図る上では、基端
部を前後に張設する構造は好ましくなく、改善の余地が
残されていた。

又、竿が下向きに曲げられるだけでなく、横方向にも
曲げ力が作用する場合には、固定ガイドに捩りモーメン
トが作用するが、この捩りモーメントに対しては、基端
部を巻付固定している糸の巻付力で対抗することにな
り、捩りモーメントに対する対抗力は十分でない面があ
った。

本考案の目的は基端部形状に変更を加えると共に、基
端部の竿に対する取付位置を変更することによって小型
軽量化を図った固定ガイドを提供する点にある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案による特徴構成は、前記基端部を二叉状に形成
すると共に、前記二叉状基端部を、竿の両横側面に接当
して抱き込む第１基端部と、竿における前記先端部が位
置する側とは反対側面に接当して位置する第２基端部と
で、形成する点にあり、その作用効果は次の通りであ
る。

〔作用〕

つまり、基端部としての第２基端部を、前記先端部が
位置する側とは反対側面に接当位置させることによっ
て、竿の両横側面を抱き込む第１基端部を形成でき、こ
の第１基端部が竿芯方向に沿った曲げモーメントを受け
ても、第２基端部と共に対抗し、固定ガイドの倒れ等を
防止する。

又、竿に対して下向きの曲げ力と共に横方向への曲げ
力が作用した場合に固定ガイドに捩り力が作用するが、
これに対して竿の横側面に接当する第２基端部で対抗で
き、組付固定手段にかかる捩り荷重を軽減する。

〔考案の効果〕

従って、第２基端部を形成することによって、基端部
として先端部を中心にして前後に位置するもの（脚）を
設ける必要がなく、それだけ、固定ガイドの軽量化・小
型化が達成できると共に、捩りモーメントに対しても組
付固定手段にかかる荷重を軽減し、組付固定手段として
簡易なものでよい。

〔実施例〕

ルアー用として比較的短く・細い竿に使用される固定
ガイドを説明する。第１図に示すように、固定ガイド
（１）を、釣り糸挿通孔（1a）を有し竿（２）に取付け
た状態で竿（２）の外方に位置する先端部（1A）と、組
付固定手段（３）としての糸によって竿（２）に組付固
定される基端部（1B）とで構成する。前記基端部（1B）
を先端部（1A）より二叉状に分岐する棒状材に形成する
と共に、左右の棒状材を竿（２）の左右両横側面に接当
して抱き込む第１基端部（1b）と、左右棒状材を平行に
密着固定してその密着固定した棒状材を、竿（２）にお
ける先端部（1A）が位置する側とは反対側面に接当して
位置する第２基端部（1c）としている。この第１基端部
（1b）と第２基端部（1c）とを竿（２）の所定位置に配
置し、前記糸（３）によって第１基端部（1b）と第２基
端部（1c）とを竿（２）に巻付固定する。

前記第１基端部（1b）が竿上面から竿下面にかけて斜
めに設けてあるので、巻付固定する糸（３）によって固
定ガイド（１）が竿芯方向前方側に向けて固定状態より
抜け出すことを防止できる。

上記した構成によって次のような効果もある。

第２基端部（1c）が竿（２）における前記先端部（1
A）が位置する側とは反対側面に位置するので、先端部
（1A）が位置する側面に位置する場合に比べて、第２基
端部（1c）の厚み分だけ竿（２）の外周面より糸挿通孔
（1a）下端までの長さを短くでき、前記竿芯方向への曲
げモーメントを小さくできる。

第１基端部（1b）の左右棒状材は、先端部（1A）の外
周面径と同一間隔（ｌ）で延出されているので、この部
分でのクビレがなく、糸の巻付防止効果も有している。

糸挿通孔（1a）にセラミック製のリング（1d）を嵌め
込み、糸挿通孔（1a）の摩擦防止を図っている。

〔別実施例〕 固定ガイド（１）の竿（２）に対する取付位置は上方
でも下方でもよい。

固定手段（３）としては糸以外の接着剤又は針金、バ
ンド等であってもよい。

固定ガイド（１）の材質は金属以外に樹脂又はセラミ
ックを使用してもよい。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便
利にする為に符号を記すが、該記入により本考案は添付
図面の構造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る固定ガイドの実施例を示し、第１図
は固定ガイドを竿に取付けた状態を示す斜視図、第２図
は固定ガイドを竿に取付けた状態を示す側面図、第３図
は従来の固定ガイドの取付け状態を示す側面図である。 （1A）……先端部、（1B）……基端部、（1a）……糸挿
通孔、（1b）……第１基端部、（1c）……第２基端部、
（２）……竿、（３）……組付固定手段。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】釣り糸挿通孔（1a）を有し竿（２）に取付
   けた状態で竿（２）の外方に位置する先端部（1A）と、 組付固定手段（３）によって竿（２）に組付固定される
   基端部（1B）とを有する固定ガイドであって、 前記基端部（1B）を二叉状に形成すると共に、 前記二叉状基端部（1B）を、 竿（２）の両横側面に接当して抱き込む第１基端部（1
   b）と、 竿（２）における前記先端部（1A）が位置する側とは反
   対側面に接当して位置する第２基端部（1C）とで、 形成する固定ガイド。