JP2515932B2 - 平面形状の測定方法 - Google Patents

平面形状の測定方法

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JP2515932B2
JP2515932B2 JP3063763A JP6376391A JP2515932B2 JP 2515932 B2 JP2515932 B2 JP 2515932B2 JP 3063763 A JP3063763 A JP 3063763A JP 6376391 A JP6376391 A JP 6376391A JP 2515932 B2 JP2515932 B2 JP 2515932B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、平面形状を用途に合わ
せて効率良く測定するのに適した測定方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来比較的広範囲の平面形状を測定する
方法としては、スチールテープ等で直接寸法を計る方法
がある。また、平面形状を高精度で測定する従来の方法
としては、マグネスケールまたはモアレ縞を利用した測
長器などを2軸の移動方向に組み込ませた接触型の測定
機を用いる方法もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前者のス
チールテープ等で直接寸法を計る方法は、最も簡単な測
定方法であるが、高精度の測定を期待することができ
ず、またこの方法は測定しようとする平面形状が複雑な
場合には不向きであるという欠点がある。
【0004】また後者のマグネスケールまたはモアレ縞
を利用した測長器などを2軸の移動方向に組み込ませた
接触型の測定機を用いて計測する方法の測定機は、衝撃
に弱いので、被測定物が重量物の場合は取り扱いに注意
する必要がある。また、この方法で使用する直線定規は
高精度の真直度または直角度が要求される上に、この方
法ではプローブを被測定物に当てなければならないの
で、測点数が多い場合は、効率が悪いという欠点があ
り、また測定範囲に限界があるという問題点があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の問題点を解決する
ため本発明においては、測定しようとする平面と固体撮
像素子カメラのレンズ系の光軸が垂直になっていなくて
も良いラフな状態で固体撮像素子カメラを設置すると共
に、測定面上に5個以上の基準点で構成された計測大座
標系を有する平面パターンを用意し、この状態でレンズ
の歪曲収差を固体撮像素子カメラの受像面の中心から放
射方向に補正できるようにした後、測定面上の任意の平
面形状を固体撮像素子カメラで撮影し、そのカメラの座
標値を基にレンズの歪曲収差を補正して、これを射影変
換により測定面上の計測大座標値として表わす平面形状
の測定方法を特徴とする。
【0006】
【作用】本発明方法を実施する測定装置は、非接触型で
あるので衝撃に強く、重量物の測定等に適しており、比
較的精度の高い測定が可能である。また測定面とカメラ
の位置関係は簡単に調整できるので、カメラの据え付け
が容易であり、その測定装置は比較的安価である。また
測定装置は用途に合わせて作ることができる上に、その
測定装置は取り扱い易く、しかも測定効率が良いという
特徴がある。
【0007】
【実施例】以下、図面について本発明を説明する。図1
は、本発明の原理説明用の斜視図である。図中1は測定
面で、2は固体撮像素子カメラの一つであるCCDカメ
ラであり、3はそのレンズ、4は受像面である。
【0008】すなわち本発明は、測定しようとする平面
1を固体撮像素子カメラであるCCDカメラ2で撮影
し、そのカメラ2の受像面4における座標値xi , yi
を射影変換により測定面1上の計測大座標値Xi , Yi
として表わすことにより平面形状を測定する。
【0009】この場合CCDカメラ2は測定面1に対し
て傾いた状態でも良い。測定面1上の計測大座標値(0
−XY座標系)とCCDカメラ2の受像面4上のカメラ
座標値(o−xy座標系)は、射影変換により、数1
【数1】 の関係が成立する。したがって、CCDカメラ2で捉え
た画像値(カメラ座標値)は全て計測大座標値で表すこ
とができる。なお、式(1)においてa〜vの8個の定
数は、キャリブレーションによって予め決定しておかな
ければならない。
【0010】なお、通常のカメラレンズは歪曲収差が1
〜2%あるので、高精度の測定にはこれを補正する必要
がある。ここでは、カメラレンズの歪曲収差の補正とし
て、受像画の中心(レンズ中心の投影点に対応)から放
射方向に、数2
【数2】 の補正量を決定し、式(1) のカメラ座標値(xi ,
i )を修正することにした。この式(2) の補正係数
(C1 ,C2 )もキャリブレーションで決定すればよ
い。
【0011】そのキャリブレーションの方法としては、
図1のように測定面上に計測大座標系0−XYを有する
平面パターン(基準点数n≧5個)を作成し、式(1) の
左辺−右辺=0の条件式の残差を、数3
【数3】 のように置き、これらの2乗和である数4
【数4】 の目的関数が最小になるような定数(a,b,A,B,
C,D,u,v,C1 ,C2 )を求めることにした。
【0012】目的関数Gの最小化は、Gをa〜C2 の10
変数でそれぞれ偏微分した式をゼロと置くことによって
得られる10元の非線形連立方程式を解く問題になる。本
キャリブレーションでは、この非線形連立方程式の解を
ニュートン法を適用して求めることにした。なお、上述
のキャリブレーションの解法では逐次近似解法を適用し
ても同じ結果が得られる。上述のように、本計測では測
定状況に応じて簡単にキャリブレーションすることがで
きるので、CCDカメラなどの装置の据え付けが容易で
あるという利点がある。
【0013】つぎに、本発明の測定方法を二次元位置セ
ンサーによる変位測定に応用した計測装置を説明する。
長大吊橋の主塔部材はブロック単位で製作され、これを
垂直に積み上げていく。その際に、各部材の上端面と下
端面の平行度が悪い場合は、主塔が傾いた状態でできあ
がる。このため、主塔部材の両端面の平行度を保つため
に端面を高精度で切削しなければならない。図2の計測
装置はその切削した部材の形状を管理するためのもので
ある。
【0014】この図2の計測装置は、CCDカメラ2と
オパールガラス5とを組み合わせて二次元位置センサー
6を構成し、レーザー発振機7のレーザービーム8を二
次元位置センサー6のオパールガラス5に照射して、そ
の裏側からCCDカメラ2でレーザースポットの重心を
読み取るものである。
【0015】この二次元位置センサー6では、オパール
ガラス5の面上における読み取り座標系と、CCDカメ
ラ2のカメラ座標系との従属関係をキャリブレーション
によって明らかにすることができるので、CCDカメラ
2のセットは厳密に行なわなくても良い。したがって、
この二次元位置センサー6は比較的簡単に製作すること
ができる。なお、このCCDカメラ2では、多値の画像
データを基にレーザースポットの重心を計算している。
【0016】図3は、二次元位置センサー6の測定精度
を検証するための検定装置で、この検定装置は、レーザ
ー発振機7をXYステージ9(位置決め精度:±0.01m
m、移動有効範囲:XY=100 ×100mm)に取り付け、二
次元位置センサー6の測定面5にレーザービーム8を照
射させるようにしてある。そして、XYステージ9を移
動させた時、その移動座標値と二次元位置センサー6の
読み取り座標値の相対差を調べて測定精度を検証するも
のである。
【0017】一例として、レーザー発振機7から二次元
位置サンセー6までの距離Lを5m、10m、15m(使用
範囲は最大15m)とし、また、各位置におけるXYステ
ージ9の移動範囲を60×60mmとし、10mm間隔の格子状に
レーザースポットを二次元位置センサー6の測定面5上
に照射させた(合計49箇所) 。そしてこの格子状にレー
ザースポットを照射させる作業を5回繰り返した。
【0018】図4の(a),(b),(c) はその結果を示すもの
で、横座標に相対差のバラツキ(単位mm) をとり、縦座
標に相対度数(単位%)をとってある。なお(a) はL=
5m、(b) はL=10mm、(c) はL=15mの場合である。
その結果、二次元位置センサー6の読み取り誤差は図に
示すようなバラツキを示した。この誤差分布図ではX,
Y座標値の相対誤差が同じような値を示していたので、
それらを一括して表わした。これによると、距離が15m
以内では同程度の誤差分布を示した。また、最大誤差は
L=15mの位置で±0.1mm であった。よって、この二次
元位置センサー6は15m以内の範囲では±0.1mm の測定
精度で変位を計測することができることが判った。以上
のように、この二次元位置センサー6は二次元形状の測
定装置として活用することができるので、用途は非常に
広いものと思われる。
【0019】大型鋼構造物の主要部材の製作では、鋼板
を切断し、それを溶接してI型または箱型などの断面形
状に組み立てている。これらの主要部材は添接板を介し
てボルトで連結するため、接合部にはボルト孔が明けら
れる。また、主要部材には二次部材を連結するためのガ
セットプレートなどのコネクションピースが取り付けら
れることが多く、このガセットにも連結用のボルト孔が
明けられている。
【0020】しかしてこれら接合部に設ける連結用のボ
ルト孔は正確な位置にあけられていなければ、後の工程
に支障をきたすので、これらのボルト孔の検査も重要で
ある。図5はそのボルト孔を検査する計測装置の一例を
示すもので、これはCAD・CAMで作成した設計デー
タと計測データを比較することによって誤作を早期発見
しようというものである。
【0021】すなわち、図中10は前後動自在な台車、11
はこの台車10を跨ぐように設けた門形フレーム、2はこ
の門形フレーム11の水平部材11a に固定されたCCDカ
メラ、12は台車10上に載置した添接板用の鋼板で、図6
はその添接板の一例を示すものである。
【0022】実施例の装置では1.2 ×1mまでのサイズ
の鋼板の外形寸法とボルト孔位置を正確に計測すること
ができる。なお、この場合使用したCCDカメラ2の分
解能は1280×1024ピクセルで、取り込んだ画像データは
2値化して処理をした。
【0023】本計測装置の計測精度を検定するため図6
に示す添接板12を測定した。測点は外観形状の4点(イ
〜ニ)とボルト孔中心の6点(ホ〜ヌ)で、測定回数は
5回繰り返した。なお、画像処理では、外観形状の輪郭
線を抽出し、これに近似直線を当てはめ、2つの直線の
交点のカメラ座標値を外観の測点とした。また、ボルト
孔中心はその重心のカメラ座標値を計算した。
【0024】この測定精度を検証するための比較値とし
て、添接板12の測点間距離(例えばイ〜ロ、イ〜ハなど
の寸法)をノギス(最小読み取り:0.02mm) で計測し、
この値とCCDカメラ2による測定値を比較した。その
結果を示したのが図7である。
【0025】図7は、横座標に相対差のバラツキ(単位
mm) をとり、縦座標に相対度数(単位%)をとったもの
で、図7(a) は外観形状のイ〜ニの測点間の誤差であ
る。この誤差の最大値はイ〜ハで最大0.8mm であったの
で、少なくとも外観形状は±1.0mm 程度の計測は可能で
あることが判った。一方、ボルト孔中心(ホ〜ヌ)の測
定では、図7(b) に示すような誤差分布が得られた。こ
の場合最大誤差は±0.5mm 程度であり、図7(a) の外観
寸法の測定誤差よりも小さい。これはボルト孔の輪郭形
状の方が外観の形状よりも正確に加工されているために
画像の認識率が高く、測定精度が向上したものと思われ
る。
【0026】図8は橋梁部材等の大型鋼構造物の形状を
計る三次元計測装置である。図中13はレール、14はこの
レール13上に載置した台車、15は台車14上に載置した被
測定物、16は台車14に取り付けた直線定規、17はパーソ
ナルコンピュータ、18は変位測定機、19はその変位測定
機18のレーザービーム、20は移動量測定用カメラ、2は
4箇所に配置したCCDカメラである。
【0027】この三次元計測装置は、被測定物15を台車
14上に載せ、4台のCCDカメラ2の測定範囲に被測定
物15を移動させて全体の三次元形状を計るシステムであ
る。この場合、被測定物15の直線移動量(最大15m程
度)を計測する必要がある。この直線移動量の計測で
は、被測定物15が重量物であるのでマグネスケールまた
はパルスジェネレーター方式のような衝撃に弱い測長器
は好ましくない。また、台車14に載せられた被測定物15
は計測が完了するとそのまま次の工程に進むので、計測
法は非接触型が望ましい。おな、この直線移動量は被測
定物15の全体の長さの精度に影響するので高精度の測定
が要求される。ここでは測定精度として1/30000 (15
mで±0.5mm の誤差)を目標としている。上記の主旨に
基づいて、本装置では図8のように台車14に直線定規16
を取り付け、これを移動量測定用カメラ20(小型のCC
Dカメラ:分解能512 ×512 ピクセル)で読み取る方式
にした。
【0028】図9は直線定規16の一例を示すものであ
る。この定規では幅の中心に100mm ピッチで円パタンを
目盛りとして刻んだ。また、目盛りの上下にはその実寸
法を表す数値コード(合計8個の円パターン)を取り付
けた。この数値コードは8ビットの2進表示パターンで
上の四個は上位4ビットである。また下の円パターンは
下位4ビットを示す。本直線移動量の計測装置では、こ
の直線定規16の目盛りの刻み面を測定面としてキャリブ
レーションした。また、本計測装置では、CCDカメラ
で直線定規の目盛りと数値コードを同時に画像データと
して取り込み、目盛中心のカメラ座標値とその数値コー
ドが自動認識できるようにした。なお、CCDカメラの
画像データは高速演算を行なうため全て2値データで処
理をした。
【0029】
【発明の効果】上述のように本発明方法を実施する測定
装置は、非接触型であるので衝撃に強く、重量物の測定
等に適しており、比較的精度の高い測定が可能である。
また測定面とカメラの位置関係は簡単に調整できるの
で、カメラの据え付けが容易であり、その測定装置は比
較的安価である。また測定装置は用途に合わせて作るこ
とができる上に、その測定装置は取り扱い易く、しかも
測定効率が良いという特長がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明用の斜視図である。
【図2】本発明を応用した二次元位置センサーによる計
測装置の斜視図である。
【図3】二次元位置センサーの測定精度を検証する検定
装置の斜視図である。
【図4】図3の検定装置による検証結果を示す図であ
る。 (a) は、L=5mの場合であり、 (b) は、L=10mの場合であり、 (c) は、L=15mの場合である。
【図5】連結用鋼板の形状を検査する計測装置の斜視図
である。
【図6】連結用鋼板の一例を示す平面図である。
【図7】図5の計測装置による測定精度の検証結果を示
す図である。 (a) は、外観寸法の誤差分布を示すものであり、 (b) は、ボルト孔中心間距離の誤差分布を示すものであ
る。
【図8】三次元計測装置の平面図である。
【図9】直線定規の一例を示す部分図である。
【符号の説明】
1 測定面 2 CCDカメラ 3 レンズ 4 受像面 5 オパールガラス 6 二次元位置センサー 7 レーザー発振機 8 レーザービーム 9 XYステージ 10 台車 11 門形フレーム 12 鋼板(添接板、連結用鋼板) 13 レール 14 台車 15 被測定物 16 直線定規 17 パーソナルコンピュータ 18 変位測定機 19 レーザービーム 20 移動量測定用カメラ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定しようとする平面と固体撮像素子カ
    メラのレンズ系の光軸が垂直になっていなくても良いラ
    フな状態で固体撮像素子カメラを設置すると共に、測定
    面上に5個以上の基準点で構成された計測大座標系を有
    する平面パターンを用意し、この状態でレンズの歪曲収
    差を固体撮像素子カメラの受像面の中心から放射方向に
    補正できるようにした後、測定面上の任意の平面形状を
    固体撮像素子カメラで撮影し、そのカメラの座標値を基
    にレンズの歪曲収差を補正して、これを射影変換により
    測定面上の計測大座標値として表わすことを特徴とする
    平面形状の測定方法。
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