JP2515604B2 - ジルコニア/ハフニア質複合材料 - Google Patents

ジルコニア/ハフニア質複合材料

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JP2515604B2 JP2030675A JP3067590A JP2515604B2 JP 2515604 B2 JP2515604 B2 JP 2515604B2 JP 2030675 A JP2030675 A JP 2030675A JP 3067590 A JP3067590 A JP 3067590A JP 2515604 B2 JP2515604 B2 JP 2515604B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えば耐火物、るつぼ、鋳型など材料組織
内に温度差が生じるような用途部材として優れた耐久性
を示すジルコニア/ハフニア質の複合材料に関する。
〔従来の技術〕 1800℃を越える高温域で使用することができる耐火物
には、単体材料としてAl2O3、MgO、ZrO2等が、また二成
分系のものとしてMgO/Al2O3スピネル、Al2O3/Cr2O3等が
開発されているが、各種の工業炉に実用される場合の耐
火度、酸化/還元高温雰囲気下での安定性、耐蝕性とい
った面で長短がある。
これら材料のうちでは、ZrO2材が2700℃という非常に
高い融点を持つうえ高温域での安定性(低蒸気圧性、耐
蝕性など)に優れているため、超高温耐火物として広い
分野で活用されている。ところが、純粋なZrO2には温度
段階に応じて3種の異なる結晶構造が存在し、この結晶
系が可逆的に移転する際に大きな体積変化を伴うことか
ら熱的なスポーリング破壊を受け易い欠点がある。これ
を解決する方策としてCa、Mg等のアルカリ土類金属元素
またはY,La,Ce等の稀土類元素を酸化物の形態で添加
し、結晶構造の一部もしくは全部を立方晶に安定化する
方法が知られており、従来から種々の提案がなされてい
る。
例えば、特公昭56−4507号公報にはCaOまたはMgO、特
開昭61−155257号公報にはY2O3、また特開昭59−152266
号公報にはCeO2をそれぞれ添加して耐スポーリング性を
改善したジルコニア耐火物あるいはその製造方法が示さ
れている。
しかしながら、これらの耐火物は主成分であるジルコ
ニアの高熱膨張性と低熱伝導性に支配される関係で耐ス
ポーリング性の面で十分な満足が得られない問題点があ
る。そのうえ、ZrO2は窒素(N2)や一酸化炭素(CO)を
多く含む雰囲気系において窒化・炭化反応を起こし易い
ため、このような環境下では使用温度を1600℃程度まで
低下させなければならず、例えばカーボンブラック発生
炉のような還元性雰囲気の高温炉には適用できない欠点
がある。
また、ZrO2系の複合材料としては、ZrO2焼結体からな
るるつぼ基材の収納部にY2O3を溶射コーティングする蒸
発用るつぼ(特開昭63−166401号公報)が提案されてい
るが、高温域での層間剥離は避けられない難点がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明者らはHfO2がZrO2よりもあらゆる雰囲気下にお
いて耐火安定性に優れ、かつ低熱膨張、高熱伝電性を有
する事に着目し、耐火安定性の最も必要とされる炉内壁
高温側にHfO2質層を、他方にZrO2質層を一体に配する事
により耐火性の向上と同時に耐熱スポーリング性を改善
できるとの発送に基づき、部分安定化もしくは完全安定
化した、ZrO2質層ならびにHfO2質層が境界部において固
溶結合した積層二層構造のジルコニア/ハフニア系耐火
物をすでに開発提案した(特願平1−339831号)。この
先願技術は、2000℃付近の温度域まで優れた耐火性、耐
蝕性および耐スポーリング性を備え、かつ層間剥離を生
じることのない特性を有している。
本発明は、上記先願技術による複合化組織に更に改良
を加えたもので、特に材料組織内の温度差に起因して生
じるスポーリングに対して抵抗性の高いジルコニア/ハ
フニア質複合材料の提供を目的としている。
〔課題を解決するための手段〕
上記の目的を達成するための本発明によるジルコニア
/ハフニア質複合材料は、両端面の組織がZrO2質とHfO2
質とにより構成され、中間組織がZrO2質からHfO2質へ多
層的もしくは連続的に変化する組織勾配を有することを
構成上の特徴とするものである。ここに、ZrO2質および
HfO2質とはいずれかの主要成分がモル比として8:2を越
す含有組成を指す。
本発明の複合組織を概念的に示すと図のようになり、
ZrO2質は材料端面1から一方の材料端面2に向かってA
またはB線に沿って含有率が漸減する組成勾配を示し、
HfO2はこの逆にC,D線に沿った組成勾配を示しながら両
成分の含有組成が(Zr1-X,HfX)O2からなる固溶体(全
式のX=1〜0)を形成して多層的もしくは連続的に変
化する構造を呈する。
これら組織を構成するZrO2質およびHfO2質は、MgO、C
aO、Y2O3またはCeO2から選ばれた1種以上の安定化剤に
より少なくとも70%に部分安定化または完全に安定化し
てそれぞれ立方晶、斜方晶型構造を主成分とし、焼結ク
リンカーないし電融クリンカーを可及的に最密充填する
状態に粒度調整されたものが効果的に用いられる。この
理由は、低い活性度を有する安定化した、ZrO2およびHf
O2粗粒子は骨格を形成して温度上昇に伴う材料収縮を低
減するために機能し、また緻密質の組織は物理的、化学
的な腐食に対する抵抗性を高める作用をするためであ
る。
本発明の複合組織を形成するためには、例えば安定化
された、ZrO2およびHfO2粉末を組成比の異なる数段階に
混合した混合粉末、もしくは混合粉末にバインダー成分
を混ぜ合わせた混練物を所定の組成勾配になるよう順次
に所望形状のモールド内に層充填してプレス成形する方
法、前記の組成比が異なる混合粉末をスラリー化したの
ち石膏のような吸水性材料で構成されたモールド中に所
定の組成勾配になるよう順次に流入して成形する方法、
前記の組成比が異なる混練物をドクターブレード法を用
いてシート状に形成したのち所定の組成勾配になる状態
に積層してプレス成形する方法、ZrO2とHfO2との比重差
を利用して懸濁液を沈降法(自然または強制沈降)ある
いは加圧・減圧による湿式濾過法を用いて成形する方法
など、各種の成形手段で多層的もしくは連続的な組成勾
配をもたせるように形成した成形体を酸化雰囲気中で15
00℃以上、望ましくは1600〜1800℃の温度域で焼結する
方法が有効に適用される。
〔作 用〕
本発明の複合組成を構成するZrO2おとびHfO2の各種特
性を対比すると、下表のようになる。
本発明においては、これら耐火性、耐蝕性に優れるZr
O2とHfO2を部分安定化もしくは完全に安定化した材料が
実質的に混在した構造、すなわち両端面の組織がZrO2
とHfO2質とにより構成され、中間組織がZrO2質からHfO2
質へ多層的もしくは連続的に変化する組織勾配を有する
複合構造を呈しており、両成分が混在する部分は焼結時
に固溶体[(ZrO1-X,HfOX)O2、X=1〜0]を形成し
て境界層のない一体強固の組織となっている。
したがって、使用にあたり熱膨張率の低いHfO2質面を
苛酷な高温条件に晒される位置に当接するように配置す
ることにより、局部高温部位あるいは急熱、急冷を伴う
使用条件など特に材料組織内に大きな温度差が生じる状
況において熱膨張の変動を巧みに緩和し、優れた耐スポ
ーリング性を発揮し、この作用によって耐用寿命の長期
化が図られる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を比較例と対比して説明する。
実施例1 市販のZrO2粉末とHfO2粉末をZrO2/HfO2モル比として1
0/0、8/2、6/4、4/6、2/8、0/10になるように調整し、
それぞれに市販のY2O3粉末を8モル%添加してボールミ
ルに入れ24時間回転混合した。ついで、各混合粉末を空
気中で1600℃の温度に24時間仮焼して安定化原料を作製
した。
各安定化原料を500μm以下の微粉末に粉砕し、最密
充填になるように秤量したのち、ポリビニルアルコール
5%水溶液40ml/kgをバインダーとして加えて十分に混
練した。
このようにして作製した組成比の異なる混練物を順次
に金型内に層充填し、200kg/cm2の圧力で1軸プレス成
形した。得られた成形体を電気炉に移し、1700℃で2時
間焼成して多層的に組成勾配が変化する6層構造の耐火
物(縦230mm、横110mm、高さ60mm)を得た。
上記の耐火物を、液化プロパンガス(LPG)と酸素を
燃料源とした小型高温ガス炉内にHfO2質面が炉内高温度
側に配置するようにセットし、ガス燃焼率120%の酸化
雰囲気中で昇温速度800℃/hrで2200℃まで昇温させたの
ち消火し、約30分間炉冷して1200℃になった時点で再び
前記と同一条件により2200℃まで昇温させるヒートサイ
クル試験をおこなった。その結果、10サイクル後におい
ても組織に溶損、亀裂等の欠陥は全く認められず、優れ
た耐スポーリング性を示した。
実施例2 実施例1と同一の6段階組成を有する各安定化原料を
蒸留水40容量%およびバインダー成分とともに十分混練
してスラリーを形成した。各スラリーを石膏型内に流入
し、振動を与えて半乾燥した段階で次の組成スラリーを
流入する工程を反復して成形し、成形体を最終的に大気
中、1650℃の温度に2時間焼成して一定の組成勾配を有
する6層構造の耐火物(縦230mm、横110mm、厚さ55mm)
を作製した。
この耐火物につき、実施例1と同一条件によるヒート
サイクル試験をおこなったところ、10サイクル後におい
ても溶損、亀裂等の組織欠陥は認められなかった。
実施例3 実施例1の各安定化原料を混合して44〜250μmに粒
度調整し、バインダー成分とともにエチレングリコール
に分散させたのち遠心分離処理を施して強制沈降させ、
引き続きN2ガス加圧下で濾過成形した。成形体を電気炉
内で1700℃の温度に2時間焼成して耐火物(縦横60mm、
厚さ55mm)を作製した。この耐火物を蛍光X線分析した
ところ高さ方向に連続的な組織勾配を有する組織である
こと確認された。
上記の耐火物につき、実施例1と同一条件によるヒー
トサイクル試験をおこなったところ、10サイクル後にお
いても溶損、亀裂等の組織欠陥は認められず、高度の耐
火性能を発揮した。
比較例1 Y2O38モル%で安定化した市販のZrO2およびHfO2を原
料とし、実施例1の条件に準じてそれぞれZrO2単独、Hf
O2単独による耐火物を作製した。
これら耐火物につき、実施例1と同一条件によるヒー
トサイクル試験をおこなった結果、いずれも2サイクル
〜4サイクル後の時点で熱的スポーリングによる大きな
亀裂の発生が認められた。
実施例4 実施例1と同一の組成比が異なる6種類の安定化原料
をそれぞれ最大粒度44μm以下に粉砕し、バインダー成
分と十分混練した。ついで混練物をドクターブレード法
を用いて厚さ0.5mmのシートに成形し、成形シートを組
成勾配が生じるように積層して200kgf/cm2の圧力により
プレス成形した。
得られた成形体を、空気中で1700℃の温度に2時間焼
結して縦横50mm、厚さ5mmの多層基板を作製した。
得られた多層基板HfO2質側に液化プロパンガス(LP
G)と酸素を燃焼ガスとするトーチを当て、昇温速度500
℃/hrで1800℃まで昇温したのち1000℃まで放冷するヒ
ートサイクル試験をおこなった。その結果、20サイクル
後においても溶損、亀裂などは全く認められず、優れた
耐スポーリング性を示した。
実施例5 蒸留水の量を55容量%とした外は実施例2と同一の方
法により作成された組成比の異なる各スラリーを、るつ
ぼ形状を備える石膏型に順次に流入・排泥を繰り返して
多層成形し、成形体を空気中1700℃、2時間の条件で焼
結処理して肉厚10mmの6層組織構造(最内層がHfO2質)
のるつぼを形成した。
得られたるつぼにつき、実施例4と同一のヒートサイ
クル試験をおこなったところ、20サイクル後においても
組織亀裂が全く認められなかった。
〔発明の効果〕
以上のとおり、本発明によれば材料組織に厳しい温度
差が生じるような高温加熱条件においても安定した耐ス
ポーリング性が保証されるジルコニア/ハフニア質の複
合材料が提供される。
したがって、各種の高温加熱炉、溶解炉の耐火材、加
熱用の基板、るつぼ等として高度の耐火性能が発揮され
るほか、酸化、還元雰囲気系での耐久性が要求されるカ
ーボンブラック発生炉の内張り材として有用である。
【図面の簡単な説明】 図は本発明の複合組成を示した概念図である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】両端面の組織がZrO2質とHfO2質とにより構
    成され、中間組織がZrO2質からはHfO2質へ多層的もしく
    は連続的に変化する組織勾配を有することを特徴とする
    ジルコニア/ハフニア質複合材料。
  2. 【請求項2】ZrO2質およびHfO2質がMgO、CaO、Y2O3また
    はCeO2の1種以上を含有し、結晶構造の一部ないし全部
    を安定化している請求項1記載のジルコニア/ハフニア
    質複合材料。
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JP6346360B2 (ja) * 2017-08-03 2018-06-20 クラレノリタケデンタル株式会社 ジルコニア焼結体、ジルコニア組成物及びジルコニア仮焼体、並びに歯科用補綴物

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